ストーカー

Mr.M

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三章 長月

(夕)

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女がそのビルから姿を現したとき
日は沈みかけていた。

女は駅の方へ向かって歩いていた。
時折すれ違う男達の中には、
女の美しさに目を奪われて立ち止まる者もいた。

駅前の人波に紛れても
女の美貌はひと際目立っていた。

仕事帰りの人々で混雑した電車の中で、
女は吊り輪につかまり窓の外を眺めていた。

女の前の座席に座っている男が
チラチラと女を盗み見していた。
女の横に立っている男が
クンカクンカと鼻をひくつかせていた。

目的の駅で降りると、
女は足早にバス停へと向かった。

日はすでに沈んでいた。

女はバスに乗り込んだ。
空いている席に座ると女は窓の外へ顔を向けた。
バスが静かに走り出した。

女は自宅から少し離れたバス停で下りた。

女はゆっくりとした足取りで歩いていた。
途中、脇道へ入って小さな裏通りへ入った。
女は小さな二階建てのアパートの
二階の角部屋へ入った。
部屋の灯りが点いて、
女がカーテンを閉めるのが見えた。

しばらくすると
カーテンに浮かび上がったシルエットで
女が服を脱ぐのがわかった。
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