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二章 葉月
八月十八日(木曜日)9
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稲置駅に着いたのは十八時だった。
駅前のロータリーにある七つのバス乗り場は、
バスを待つ人々で混雑していた。
普段、バスを利用しない僕は、
何番乗り場のバスが
自宅方面に向かうのかわからなかった。
仕方なく僕は一番乗り場から順に確認していった。
三番乗り場まで来たところで
見覚えのある後姿を見つけた。
僕は咄嗟に人混みに身を隠した。
安倍瑠璃だった。
彼女は隣の四番乗り場に立っていた。
僕には気付いてなかった。
別に彼女に見つかったところで
何も問題はないのだが、
僕の足は自然と駅の方へと引き返していた。
そして僕はタクシーに乗った。
座席に身を沈めて一息吐くと
彼女のことが気になった。
彼女は一体何をしていたのだろう?
あの姿は会社帰りだと思うが、
会社帰りの彼女がなぜこの時間に
稲置駅にいたのかが不思議だった。
今日は予約は入っていない。
つまり。
そこにはどうしても男の存在がチラついた。
あれほどの美貌の持ち主なのだから
男の一人や二人はいてもおかしくはない。
頭では理解しているつもりだった。
しかし、
さすがにショックだった。
同時に僕は顔のない男に激しく嫉妬した。
駅前のロータリーにある七つのバス乗り場は、
バスを待つ人々で混雑していた。
普段、バスを利用しない僕は、
何番乗り場のバスが
自宅方面に向かうのかわからなかった。
仕方なく僕は一番乗り場から順に確認していった。
三番乗り場まで来たところで
見覚えのある後姿を見つけた。
僕は咄嗟に人混みに身を隠した。
安倍瑠璃だった。
彼女は隣の四番乗り場に立っていた。
僕には気付いてなかった。
別に彼女に見つかったところで
何も問題はないのだが、
僕の足は自然と駅の方へと引き返していた。
そして僕はタクシーに乗った。
座席に身を沈めて一息吐くと
彼女のことが気になった。
彼女は一体何をしていたのだろう?
あの姿は会社帰りだと思うが、
会社帰りの彼女がなぜこの時間に
稲置駅にいたのかが不思議だった。
今日は予約は入っていない。
つまり。
そこにはどうしても男の存在がチラついた。
あれほどの美貌の持ち主なのだから
男の一人や二人はいてもおかしくはない。
頭では理解しているつもりだった。
しかし、
さすがにショックだった。
同時に僕は顔のない男に激しく嫉妬した。
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