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九章 夜霧家の崩壊
<隅中 巳の刻> 幕間
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骸となった八爪の足を両脇に抱えた闇耳が
おぼつかない足取りで廊下を歩いていた。
鴬張りのキュッキュッと鳴る音に重なって
八爪の白装束がズルズルと微かな音を立てていた。
鳶が「ピーヒョロロ」と啼いていた。
奥の間の障子戸の前で闇耳は一度足を止めた。
そしてキョロキョロと首を振ってから
こくりと頷いた。
闇耳がゆっくりと障子戸を開けると
座敷牢の入口が
ぽっかりと口を開けているのが見えた。
穴の前で闇耳は大きく息を吸い込んだ。
そして
闇耳はその暗闇へと足を踏み入れた。
座敷牢の状況は先ほどとまったく同じだった。
闇耳は開いた格子戸から八爪の骸を投げ入れると、
しばらくの間、
その場に佇んでいた。
臭気が闇耳の体に絡みついた。
それは長い年月をかけてこの場に溜まった
八苦の怨念のようだった。
どこからともなく生温い風が吹いて
闇耳のおかっぱ頭がふわりと揺れた。
「姉、ちゃ、ん・・」
その時、闇耳が振り返ってポツリと呟いた。
おぼつかない足取りで廊下を歩いていた。
鴬張りのキュッキュッと鳴る音に重なって
八爪の白装束がズルズルと微かな音を立てていた。
鳶が「ピーヒョロロ」と啼いていた。
奥の間の障子戸の前で闇耳は一度足を止めた。
そしてキョロキョロと首を振ってから
こくりと頷いた。
闇耳がゆっくりと障子戸を開けると
座敷牢の入口が
ぽっかりと口を開けているのが見えた。
穴の前で闇耳は大きく息を吸い込んだ。
そして
闇耳はその暗闇へと足を踏み入れた。
座敷牢の状況は先ほどとまったく同じだった。
闇耳は開いた格子戸から八爪の骸を投げ入れると、
しばらくの間、
その場に佇んでいた。
臭気が闇耳の体に絡みついた。
それは長い年月をかけてこの場に溜まった
八苦の怨念のようだった。
どこからともなく生温い風が吹いて
闇耳のおかっぱ頭がふわりと揺れた。
「姉、ちゃ、ん・・」
その時、闇耳が振り返ってポツリと呟いた。
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