TS転生少女は性の悦びを堪能する 【R18】

椎茸大使

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おはようございます。
寝坊しました。
急速回復があっても精神の疲労は消えないし、夜遅くまで訓練をしていた事もあって、完全に寝過ごしてしまった。
普段なら朝日で自然と目覚めていた可能性はあるけど、あいにく寝ていた場所は太陽の当たらない亜空間なので日光を浴びれなくて起きる事は出来なかったんだろう。
あと、この世界には目覚まし時計がないのがいけないと文句を言っておく。

朝の諸々はルセアちゃん達と一緒に寝ていたランが済ましてくれていたので、ひと段落したところでこっそりと……いや?
待てよ?
この状況なら単独行動も出来るんじゃないか?
自分の仕事が必要なものだとは理解しているし、夜のえっちは色々なちんこを相手に出来て満足してはいたけど、それでもやっぱり戦闘に参加したいという思いはあるわけで。
それが無理でもせめて様子は見たい。
直接見送り出来なかったからなのかね?
妙な胸騒ぎというか、不安感があるんだよなぁ。

『ラン。このまま仕事任せていいか?  やっぱりルセアちゃん達の事が心配だから見ていたいんだよね』
『んー、オッケー。了解。でもバレないようにしてよ?』
『分かってるって。一旦蜘蛛か何かに変化してテント出るつもりだし』
『分かったー』

吸血鬼といえば、蝙蝠と蜘蛛だからね。
まあ、理由としてはあれだね。
吸血鬼が主人公の小説×中学生で大体わかると思うけど、ハードカバーのシリーズ物が中学の図書室に置いてあったんだよね。
その小説の主人公が吸血鬼になってなんやかんやするって話だけど、アレを発症する時期に吸血鬼の出てくる本なんて存在知ったらそりゃ読むよね? って話。
そんで蜘蛛がそれなりに重要なポジションにいるんでそういう印象になっちゃったんよね。
というわけで早速……

「変化!」

いつぞやの蜘蛛を手乗りサイズにした姿になったのでさっさと……てか待って?
俺手足4本しかないんだけど、残り4本ってどうやって動かすの?
一番前の2本と後ろの2本はそれぞれ手と足に対応しているけど……間の4本は?
引き摺れば移動出来るけど、気になるなぁ……脇腹辺りを引っ掻かれてるような感覚はあるけど、そんなところ動かせないし……ま、いいか。
ちょっと外出るだけだし、我慢すれば問題ないな。

カサカサズリズリとテントを出た後はそのまま拠点を離れて木の陰で別の姿に変化する。
自慢の金髪ではあるけど、この森の中では目立つしね。
なので目立たないように黒髪黒目のポニテ忍者にしてみた。
忍者は隠れるならこれだろって思ってのもので、ポニテは単純に好みで。
可愛い女の子なら髪型には拘らないけど、それはそれとしてポニテに纏めた姿とかポニテを下ろした姿とかが好きなんだよね。
だからポニテ。
後ポニテってなんか忍者っぽいし。

木から木へと飛び移りながらルセアちゃんの気配の元までまっすぐ進んでいき、少し離れた位置で様子を伺う。
出来ればバレたくないしね。
どうやらまだ突入はされてないみたいだけど、そろそろ……そろそろ…………そろそろのはず……まだかな?
…………そろそろか?
……そろそろ来てくれるよね?
…………まだかな?
あ、虫さんだ。
こんにちは。
その間の脚ってどうやって動かすの?
変化してみたけど、全然うまく動かせないんだよね。
なんかコツとかある?
って、言葉なんて通じるわけ……あ、今来た。

空に赤い光が飛び、その光が弾ける。
それが突入の合図で、その光を見た瞬間から大きな洞穴の前に冒険者達が一斉に取り囲むように展開していく。
ルセアちゃん達は漏れ出したマッドラットを仕留めるために少し離れた位置に立っている。
会議した通りだね。
それからしばらくした頃に、マッドラットが少しずつ出てくるようになるが、それは洞穴の前に陣取っている冒険者達がすぐに倒していってる。
順調そうだね。
今は、だけど。
中がどうなってるのか分からないし、巣の広さも、全体の数も把握しきれていないしこれから大変になる可能性は十分にある。
何より、まだ始まったばかり。
油断だけはしないでもらいたいものだ。

ーーく~

そういえば、まだ何も食べてなかったな。
えーと、眷属達用のご飯がまだたくさん残ってるはずだから……よし、サンドウィッチにしよう。
串焼きとかは匂いが強そうだしね。
後は、果物のジュースかな。
あー、でもどうせならポテトチップスかポップコーンも欲しかったかな。
ポップコーンって確か爆裂種とかいう奴じゃないとダメなんだっけ?
なんかどこかの世界の厨二患者さんとかが食いつきそうな種類だね。
今度市場とかで売ってないか探してみようかな。

「ほいっと」

なんて、のんびり食事の準備をしていると少し離れた位置から近づいてくるゴブリンの群れを発見したのでサクッと土の槍で串刺しにしておく。
多分気付けるだろうけど、今はマッドラットの方に集中しててもらいたいからね。

そんなこんながありつつも食事を終えた頃、状況が大きく変わる。
洞穴から出てくるマッドラットの数が増えてきて、更に大きな個体や色の違う個体なんかが混ざるようになった。
突入した連中が大打撃を与えたために逃げてきたのだろうか?
内部の様子を探れば分かるだろうけど、あまり手を出しすぎるのも良くないしまだ様子を見ていよう。
元々良い聴覚を身体強化で更に聴力を上げて声を拾い上げる。

「大きいのや亜種なんかは俺らが引き受ける。代わりに通常の個体の相手をしてくれ」
「数が多いし、あまり余裕がないからそっちに何体か流す。うまく対処してくれ」
「狙いやすいように流す方向を限定してくれると助かります!」
「分かった!」
「俺達は後方組が上手く狙えるように動きを制限して誘導するぞ!」
「「「おう!」」」

なんて会話が聞こえてくる。
前で陣取ってるランクの高い人達が強いのを優先して、後ろのルセアちゃん達を含む後方組に通常の個体を任せるという判断をしたようだ。
順当で無難な采配で安心出来るはずなのに、不思議と不安感が募ってくる。
なんでだろう?
側にいられないからだといいんだが……。

途切れる事なく現れるマッドラットを冒険者達は倒していき、その死体が積み上がり山となって……ないな。
なんで?
結構な数を倒してるはずなのに死体の数が少なすぎる……あれか!
死体の陰に動くものがあったかと思えば瞬く間にその死体が消え失せている。
不安の原因はあれか。
あのまま放置するのは非常に危険な気がするけど、介入するのは難しいしどうしたものか……なんて考えていたら変化が起きる。
なんでベタなタイミング。
さっきやってよそれ。

「おい!  この土壇場で進化してる奴がいるぞ!?」
「止めろ止めろ!」
「くそっ!  死体が邪魔で……」
「ちっ!  ネズミ風情が邪魔するんじゃねぇ!」

進化を終える前に倒したいようだが他のマッドラットが邪魔で阻止することは叶わず、とうとう進化を終えてしまった。

「で、でけぇ……」
「こんなの見たことねぇぞ……?」
「なんだあれ……触手?」
「おいおい、これちょっとヤバいんじゃないか!?」
「うわっ!?  死体を吸収してる……?」

進化後の姿は立ったら3~4mくらいはありそうな巨体に首周りから触手が無数に生えたものになっていて、その触手が先端から死体を丸呑みにしていってる。
進化していく様子を見ていたけど、こんな大きくなるなんて凄いな。
バキゴキメキッ!  って音を立てながらどんどん膨れ上がってたし、生命の神秘って奴?
いや、本当に凄かった。
……さて、少し準備しようかな。

アレは、ちょっとやばい。
将来的には勝てるだろうけど、今のルセアちゃん達じゃ勝つことは出来ないだろう。
だから、万が一に備えておく。
今も拠点で雑用をしているレンちゃんが助けるのは問題があるのならば、レンちゃんでなければいいということ。
ついでに今後のことも考えて後腐れなく、絶対に俺と繋がらないだろう姿であればなお良いだろう。
後は、助ける理由がなく、それでいて結果的に助けたっていう形にするのが理想かな。
さてさて、どんな姿になるべきかな?
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