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対策チームが編成されます

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シーフっ娘をハメ倒した翌日。
思いっきりハメた事でスッキリした目覚めを迎えることができた。
いや~、それにしても昨日はよかったなぁ。
宿の部屋に入ってすぐにちんこをおねだりするし、最初の生意気さは鳴りを潜めてお姉様なんて言いながら慕ってくるんだもんなぁ。
あれは完全に堕ちたね。
次会ったらその時はまた思いっきりハメてやろうっと。

そして組合に行って予想が合ってるか確認しに行ったらそのまま受付の人に案内されて人が集まる部屋へ。
そこにはリエリィさん達や初めて見る人達なんかがいたが……ちょっと少なくない?
多分ランクの高い人達を集めたんだろうけど、それにしては少ない。
俺を除いて3~4パーティくらいしか居ない。

「あー、忙しいところ集まってもらって悪いな。時間もないし今日はこのメンツで話をさせてもらう」

そういう事ね。
放っておいたらますます数が増えて被害が深刻になりかねないから急を要する。
しかし、呼び出したり高位の冒険者を集めたりするのは時間がかかる。
だから組合に来たある程度のランクのある冒険者を集めて話し合おうということになったんだろう。

「支部長。人数が少ないのはまだ分かるが、なんでこんなガキがここに居るんだよ?」
「彼女も既にランク5の冒険者だ。見た目だけで判断するんじゃない。それに、今回の件において彼女も報告者の1人だ。彼女にはこの場にいる権利がある」
「そうかよ」

うーん。
やっぱりこういう反応は出てくるよね。
まあ、俺はどっからどう見ても戦うようには見えない超絶美少女だから仕方ないね。

「さて、時間もないし早速話を始めるぞ。今回集まってもらったのは異常発生しているマッドラットの対策の為だ」
「マッドラット?  あんな雑魚のために集められたってのかよ!?」
「いい加減にしろ、ガル。すみません支部長。続けてください」
「ああ。確かにガルの言う通りマッドラットは決して強い魔物ではない。だが、その数が異常なのだ。レン。君が見たものをこの者達にも伝えてくれないか?  それで今どんな事態になっているのか理解出来るだろう」
「分かりました。俺が見たというか、仲間達とマッドラットの依頼を受けつつ野営の練習をしようと思ってたんですよね。で、その時の遭遇率が異常で1分と経たずに遭遇することも珍しくなく、1日で数百匹の討伐をして翌日も遭遇率は変わりませんでした。それですぐに帰って組合に報告したというわけです。ちなみにですが同様の報告が他の冒険者達からも齎されたそうなので俺個人の主観という事ではないですね」
「と、いうわけだ。流石に1日で数百は多過ぎる。このままだと生態系に影響が出かねない。そこで原因究明及び討伐の為の対策チームを編成するつもりだ。諸君らにはそこに加わってほしい」

なーるほどねー。
加わってほしいってことはつまり強制ではないって事か。
まあ、強制ではない(強制)みたいな感じだとは思うけどね。
別の依頼を受けていたりとかなんらかの事情がある場合もあるから強制じゃないんだろうけど、不参加は心象悪いよなぁ。
おっさんの心象とかどうでもいいけど、組合全体での心象を悪くするのは悪手だ。
もっとも、そのつもりで今日組合に来たから断るつもりはないけどね。

「…………どうやら断る者はいないようだな。ではまずこの地図を見てくれ。ここがこの街。そしてここが報告のあった森だ」

へー。
空から俯瞰して見た事はあったけど、こうして地図で見るのは新鮮だね。

「このあたりに本部となる拠点を作り、森をこのように4つのエリアに分割する。君達のパーティを主軸に他の冒険者達でマッドラットを減らしてもらうつもりだ。そしてレンには本部で食事の準備や治療などを行うサポート班の指揮をしてもらいたい」
「つまりハーピィ戦の時のに加えて指揮までやれと?  それ、大丈夫なの?  ちゃんと俺の言うこと聞くの?  自分で言うけど俺みたいな超絶美少女が上に立って指示に従うとでも?」
「自分で言うのかよ……」

ガルだっけ?
さっき名前の通りにガルガル噛み付いてきた人がツッコミしてきた。
まあ、いつもこんなくだりしてるから今回は特になんとも思わないけどね。

「言うよ?  こういうのは中途半端だとかえって周りをイラっとさせちゃうからね。で、どうなの?」
「それなら大丈夫だろ。ハーピィ戦の時の話は聞いたが大活躍だったらしいじゃねーか。その時の面子が何人かいるだろうし、そいつらを中継に使えば問題ないだろ」
「だといいけど。ま、了解したよ。その役目、引き受けさせてもらうね」
「うむ」

となると、まずは物資の確認と足りないものの確保か。
ハーピィの時からそこまで時間経ってないし、集める時に反感買わなきゃいいけど。

「レンには何人か組合の者をつけるからそいつらを使って準備を進めてくれ」
「了かーい。ならもう行っていい?  こういうのは時間との勝負だしさ」
「そうだな。頼む」

組合の人を連れてまずは物資の保管庫に。
保存の効く食材やポーション類はそれなり揃っているな。
あれからまた集め直したんだろう。
とはいえ、これでは栄養が偏るし飽きもくる。
何より数がまだ足りない。
どの程度の人数が集まるか、どのくらいの期間となるのか、それらが分からない以上ある程度の期間を大勢にという風に考えて準備したほうがいいかな。
最悪を想定して最善を尽くす、だったかな。
なんかそんな言葉あったよね。
とりあえず50人が1週間食べていくだけの量と想定すると……こんなもんかな。

「これだけの量って集められる?」
「え、こんなに……?」
「どの程度集まってどのくらいの期間になるか分からないからとりあえず50人×3食を1週間分で計算したんだよ。まあ、どの程度予算がもらえるか分かるないから上限をこのくらいとして可能な限り集めておいてよ。足りなかったら現地調達をしてもらう必要もあるし」
「あの、マッドラットは食べられるのでその分少なく済むと思います」
「あ、そうなの?  それじゃあ肉の部分は1日分だけにしておいて。流石に初日から食べられるわけじゃないしね」
「分かりました」
「こちらはどうしますか?」
「ポーション類か。相手が弱くても数が数だからね。怪我した時用に各自1本、それと予備で1本あればいいかな?  回復魔法が使える人も居るだろうし。後他の魔物と遭遇して毒持ちだったという可能性もあるから解毒系は10本からそこらあればいいかな?  どうかな?」
「そう……ですね。マッドラットが増えた事で生態系にどう影響しているかは分かりませんが、毒持ちを相手にすることはそう無いでしょうし、そのくらいでいいと思います」
「ポーションも50人分で計算して100本。それと解毒が10。えーと、それでここにあるのは何本?」
「ちょっと待ってくださいね……あ、100本以上備蓄がありますね。解毒ポーションも数に問題はありません」
「なら食料の件よろしくね」
「分かりました」
「後は……拠点の設営に関してかな。天幕や魔物避けの香とかはあるんだよね?」
「それは大丈夫です。いざという時のためにそれらもきちんと揃えていますから」
「それは重畳。なら俺が出来ることはもうないかな。というか、本来ならこんな事は前回の時に指揮を取っていた人に任せるべきじゃないかな?  後で何か言われたりしないかな?  勝手なことをするなーって」
「大丈夫ですよ。私がその時の責任者ですから」
「え、そうなの?」
「はい。と言っても、組合側の責任者だったというだけですけどね」
「あー、冒険者側にもまた別の頭がいたと」
「私達は基本非戦闘員ですからね。事前準備は出来ても、現場ではあまり活動できませんから」

なーほーね。
当然といえば当然か。
となるときちんと顔合わせと指揮系統の統一を行わないといけないって事か。
面倒だ。
必要な事だとは分かってるんだけどねー、それでも面倒なものは面倒なんですよ。

「セイラさん。支部長がお呼びです」
「わかりました。レンさん。申し訳ありませんが…」
「うん。行ってきていいよ」
「ありがとうございます。後の事、よろしくお願いします」
「了解。と言ってももう出来ることなんてないんだけどね」

これ以上は越権行為になっちゃうからね。
俺がしたのは今ある物資を確認して、サポート班として必要だと思ったものを用意してもらえるようにお願いしただけ。
買えと命令してないし出来ない。
だから、今は何も出来ることもすることもないので人が集まるまでのんびりと待つとしますかね。
あ、もちろん外に出ますよ。
ずっと保管庫になんていたら変に思われちゃうもの。
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