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ナンパしたい
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反省会も終わってこの後は普通にお疲れ様会。
それぞれ追加で料理を頼んだり飲み物を頼んだりして食事を満喫していると、ハイネちゃんが徐に口を開く。
「そういえば百合ってさぁ、レンちゃんと何かあった?」
「えっ!? きゅ、急にどうしたのよ?」
「いやぁ~、な~んかこれまでとちょっと接し方が違うなぁって思っちゃってさ。レンちゃんの方は変わらないけど、百合の方は親しげなような、よそよそしいような、上手く言えないけどいつもと違う感じがしたんだよね」
「べ、別に何もないわよ」
「この前ちょっと話しただけだよ。百合ちゃんにも何か事情があるんだろう事はこれまでの事でなんとなく分かるけど、その為に今という時間を無駄にするのは勿体ないってね。百合ちゃんにも多少は何か思う事があって何よりだよ。人生一度きりだし、もっと自由に生きた方がいいからね」
「レンみたいに自由過ぎるのもどうかと思うけど」
「うぐっ! 痛いところを……」
客観的に見れば自由過ぎる自分の振る舞いは到底誉められたものではないだろう。
それは分かってる。
でも仕方ないじゃないか。
俺は一度人生を失っているのだから。
幸運にも得た二度目の人生を悔いなく過ごしたいし、過ごすのが二度目の生をくれたちょっと怪しい自称神様への恩返しになるはずだ。
そう信じて俺は自由に生きると決めているし、そう生きている。
「でも、これが俺だから。俺は生き方を変えるつもりはないから」
「うん。知ってる。ボクもレンをボクの思い通りにしようとは考えてないから。時々呆れさせられたり、心配させられたりするけど、そんな自由なレンが大好きだから」
「ルセアちゃん……うん。俺も、こんな俺を受け入れてくれるルセアちゃんが大好きだよ」
「ちょっ!? なんでいきなりラブコメ始めてるのよ!?」
「まあ、レンちゃんとルセアちゃんだし。とはいえ、ちょーっとだけど羨ましいと感じてしまうあたり……うーん、これはもしかしてもしかするかも?」
「ハイネ?」
吸血鬼の耳は地獄耳。
なんて程ではないけども、結構鋭いんだよねぇ。
だからルセアちゃんと話してても聞こえてきてしまうんだよね。
まあ、意識が完全に別の方に埋没してたりすると聞こえてなかったという事もあるかもしれないけど、今回は聞こえている。
「俺は、ハイネちゃんの事も好きだよ。もしもハイネちゃんが少しでも俺の事を気にしてくれるというのなら、俺は嬉しいよ」
「え、は、あっ、あー、面と向かって言われると、流石に照れるねー。あははは」
これまでの逢瀬のおかげなのか、大分絆されてるようだね。
それを狙ったわけじゃないけれども、肌を重ねて、心を通わせたのだから少しは気持ちを向けてくれるようになってもおかしくはない。
ならば、俺がすべきことはきっとこれだろう。
「ハイネちゃん……俺にとっての1番は、大切な存在は、何があってもルセアちゃんから変わる事は絶対にない。これから言うことは失礼だと分かってるけど、その上で言わせて。俺はハイネちゃんの事も好きだよ。もしもこの手を取ってくれるのなら、ルセアちゃんに対するのとは違うけど、俺とハイネちゃん2人の関係を築いていこう」
以前えっちした時についでキスしちゃうくらいだし、俺にとってハイネちゃんは特別な存在になっているみたいだ。
だからこそのケジメ。
少なくとも、多少は好意を抱いてくれて、こちらも好意を抱いていて、すでに肌を重ねている以上はこうして言葉にする事こそが、一つのケジメなのではないか。
こんなのはただの自己満足なのかもしれない。
それでも、言葉にして伝えたかった。
結局はそれだけ。
「あ、いや、その……急に言われても困るというか……」
「うん、分かってる。これはただの自己満足だから。別に関係性を変えていきたいとか、束縛したいとか、そういうのじゃなくて、お互い自由にえっちして、でもいつかは2人の子供とか産んで、幸せな生活を過ごしたいなって、そう思っただけだから。ルセアちゃんなら他の男とするなんて断固拒否、絶対阻止だけど、ハイネちゃんはそういう事が好きだって最初から分かった上での事だから、誰と何をしようと止めるつもりないし、1番だと言わない以上はそんな権利もない。だけど、2人一緒の未来が作れたらなって、そう感じたの。今すぐ答えなくていいから、少しでも考えてくれると嬉しいな」
「……分かった。考えてみるね」
「ありがと」
なんか、空気を重くしてしまったな。
でも、これが偽らざる俺の本心だから。
「ごめんね、空気重くしちゃって。せっかくのお疲れ様会だし、一旦そのことは置いといて楽しも。ね?」
「重くしたのはレンちゃんなんだけどね……というか反応に困る話だし」
「だからそれはごめんて。でもすぐに答えが欲しいわけじゃなくて、ちゃんと言葉にして伝えておきたかっただけ。だからそれは今は置いといて楽しもうって言ってるんだよ」
そこからは多少のギクシャクはあったもののすぐに食事を楽しむ事が出来るようになり、お疲れ様会が終わる頃にはお酒を飲んでいたハイネちゃんがハイになっていた。
「今日はもうお休みだし、目一杯楽しむぞー! あははははははは!」
「あーもう、完全にお酒に呑まれてるじゃない」
「呑まれてませーん。何故なら、酔ってないから~。残念でした~」
「うわっ、うざっ!」
うん。
完全に酔ってるねこれ。
本当はこの後、人を時と場所も考えずに発情する性欲人間だと決めつけていた人達に、時と場所を考えて発散する人間だとワカラセるつもりだったのに……。
流石に酔っ払いを相手にするのはねぇ……。
酔っ払ってまともに判断できない相手と同意なしでするのはちょっと主義に反する。
えっちはお互い楽しく気持ちよくがモットーだからね。
「百合ちゃん、ハイネちゃんの事お願いね」
「それは別にいいけど……どこか行くの?」
「本当はこの後ルセアちゃんとハイネちゃん相手に俺は時と場所を考えて発散する人間だとワカラセようと思ってたんだ」
「え、何?」
「でも今そんなんでしょ? それにルセアちゃん1人だけだとルセアちゃんの体が持たないかもだし。だから、ちょっとナンパしてくる!」
「いい笑顔で何言ってんのよ!」
「いい絵になるでしょ? 美少女だからね! まあ、理由はそんな感じなんだけど、多分明日か明後日くらいから忙しくなりそうだからね。その前に少し遊んでおこうかなって」
「忙しく……?」
「あ、討伐隊?」
「そそ。調査が終われば当然討伐しようってなるだろうし、そうなったらランクの上がってしまった俺は強制招集とかされそうじゃない? そうでなくてもかわいくて強くて料理も出来てかわいい俺をサポート班として雇おうとしてもおかしくないしねー」
「2回言ったわね……」
「事実だからね!」
キリッと決めポーズ!
自分を見る事はできないけど、分かる。
今の俺かわいい!
「じゃ、後任せたね~」
さーて、誰とヤろうかな。
気分的には女の子がぐちゃぐちゃのドロドロになるくらい犯したい気分だけど、ロリっ子が女の人を引っ掛けられるかどうか……ま、試してから考えるか。
しかし、どう声をかけていいのやら……。
ナンパなんて前世含めて経験ないしなぁ。
お姉さん、俺とエッチなことしませんか? なんてど直球に言っても逃げられるのがオチだ。
そんなんで普通の人が誘いに乗るわけがない。
うーん……あ!
そうだ。
逆に考えてみよう。
普通の人だ誘いに乗らないのなら、誘いに乗る人、乗りそうな人を選べばいいんじゃないか?
……いや、そういう人がこの街にいたらアリーダさんも犯罪をおかなさなかったろうし、無理か。
ふたなりの人が普通にいるこの世界であっても、全員が全員受け入れてるわけじゃないし。
うーむ……。
「へいかーのじょ。暇なら俺と遊ばなーい?」
うわ、こってこてのナンパ男が現れたよ。
ナンパ方法を考えてたら俺がナンパされたんだけど。
ウケる。
「いやー、一緒に楽しくて気持ちいい事するのも悪くないんだけど、今日はちょっとそういう気分じゃないんだ。また別の日に見かけたら声を掛けてよ。ごめんね」
「え、あ、お、おう……」
断られたけど意外と好感触な反応に戸惑ったのかこの対応よ。
ちなみに、もしも本当に別の日に声を掛けてきたら応じるつもり。
見た目は……まあ、うん、特別かっこいいとかそういうのはないけど、男は顔じゃない。
ちんこがついてればそれでいい。
まあ、俺にとってはだけど。
とはいえ、このままだと無駄に時間を消費するだけだしどうしたもんかなぁ。
とりあえず軽く餌を用意しつつ軽く何か食べようかな。
別の案を考える繋ぎ程度のものだから食いついても食いつかなくてもいいんだけど、さて、どうなるかな?
それぞれ追加で料理を頼んだり飲み物を頼んだりして食事を満喫していると、ハイネちゃんが徐に口を開く。
「そういえば百合ってさぁ、レンちゃんと何かあった?」
「えっ!? きゅ、急にどうしたのよ?」
「いやぁ~、な~んかこれまでとちょっと接し方が違うなぁって思っちゃってさ。レンちゃんの方は変わらないけど、百合の方は親しげなような、よそよそしいような、上手く言えないけどいつもと違う感じがしたんだよね」
「べ、別に何もないわよ」
「この前ちょっと話しただけだよ。百合ちゃんにも何か事情があるんだろう事はこれまでの事でなんとなく分かるけど、その為に今という時間を無駄にするのは勿体ないってね。百合ちゃんにも多少は何か思う事があって何よりだよ。人生一度きりだし、もっと自由に生きた方がいいからね」
「レンみたいに自由過ぎるのもどうかと思うけど」
「うぐっ! 痛いところを……」
客観的に見れば自由過ぎる自分の振る舞いは到底誉められたものではないだろう。
それは分かってる。
でも仕方ないじゃないか。
俺は一度人生を失っているのだから。
幸運にも得た二度目の人生を悔いなく過ごしたいし、過ごすのが二度目の生をくれたちょっと怪しい自称神様への恩返しになるはずだ。
そう信じて俺は自由に生きると決めているし、そう生きている。
「でも、これが俺だから。俺は生き方を変えるつもりはないから」
「うん。知ってる。ボクもレンをボクの思い通りにしようとは考えてないから。時々呆れさせられたり、心配させられたりするけど、そんな自由なレンが大好きだから」
「ルセアちゃん……うん。俺も、こんな俺を受け入れてくれるルセアちゃんが大好きだよ」
「ちょっ!? なんでいきなりラブコメ始めてるのよ!?」
「まあ、レンちゃんとルセアちゃんだし。とはいえ、ちょーっとだけど羨ましいと感じてしまうあたり……うーん、これはもしかしてもしかするかも?」
「ハイネ?」
吸血鬼の耳は地獄耳。
なんて程ではないけども、結構鋭いんだよねぇ。
だからルセアちゃんと話してても聞こえてきてしまうんだよね。
まあ、意識が完全に別の方に埋没してたりすると聞こえてなかったという事もあるかもしれないけど、今回は聞こえている。
「俺は、ハイネちゃんの事も好きだよ。もしもハイネちゃんが少しでも俺の事を気にしてくれるというのなら、俺は嬉しいよ」
「え、は、あっ、あー、面と向かって言われると、流石に照れるねー。あははは」
これまでの逢瀬のおかげなのか、大分絆されてるようだね。
それを狙ったわけじゃないけれども、肌を重ねて、心を通わせたのだから少しは気持ちを向けてくれるようになってもおかしくはない。
ならば、俺がすべきことはきっとこれだろう。
「ハイネちゃん……俺にとっての1番は、大切な存在は、何があってもルセアちゃんから変わる事は絶対にない。これから言うことは失礼だと分かってるけど、その上で言わせて。俺はハイネちゃんの事も好きだよ。もしもこの手を取ってくれるのなら、ルセアちゃんに対するのとは違うけど、俺とハイネちゃん2人の関係を築いていこう」
以前えっちした時についでキスしちゃうくらいだし、俺にとってハイネちゃんは特別な存在になっているみたいだ。
だからこそのケジメ。
少なくとも、多少は好意を抱いてくれて、こちらも好意を抱いていて、すでに肌を重ねている以上はこうして言葉にする事こそが、一つのケジメなのではないか。
こんなのはただの自己満足なのかもしれない。
それでも、言葉にして伝えたかった。
結局はそれだけ。
「あ、いや、その……急に言われても困るというか……」
「うん、分かってる。これはただの自己満足だから。別に関係性を変えていきたいとか、束縛したいとか、そういうのじゃなくて、お互い自由にえっちして、でもいつかは2人の子供とか産んで、幸せな生活を過ごしたいなって、そう思っただけだから。ルセアちゃんなら他の男とするなんて断固拒否、絶対阻止だけど、ハイネちゃんはそういう事が好きだって最初から分かった上での事だから、誰と何をしようと止めるつもりないし、1番だと言わない以上はそんな権利もない。だけど、2人一緒の未来が作れたらなって、そう感じたの。今すぐ答えなくていいから、少しでも考えてくれると嬉しいな」
「……分かった。考えてみるね」
「ありがと」
なんか、空気を重くしてしまったな。
でも、これが偽らざる俺の本心だから。
「ごめんね、空気重くしちゃって。せっかくのお疲れ様会だし、一旦そのことは置いといて楽しも。ね?」
「重くしたのはレンちゃんなんだけどね……というか反応に困る話だし」
「だからそれはごめんて。でもすぐに答えが欲しいわけじゃなくて、ちゃんと言葉にして伝えておきたかっただけ。だからそれは今は置いといて楽しもうって言ってるんだよ」
そこからは多少のギクシャクはあったもののすぐに食事を楽しむ事が出来るようになり、お疲れ様会が終わる頃にはお酒を飲んでいたハイネちゃんがハイになっていた。
「今日はもうお休みだし、目一杯楽しむぞー! あははははははは!」
「あーもう、完全にお酒に呑まれてるじゃない」
「呑まれてませーん。何故なら、酔ってないから~。残念でした~」
「うわっ、うざっ!」
うん。
完全に酔ってるねこれ。
本当はこの後、人を時と場所も考えずに発情する性欲人間だと決めつけていた人達に、時と場所を考えて発散する人間だとワカラセるつもりだったのに……。
流石に酔っ払いを相手にするのはねぇ……。
酔っ払ってまともに判断できない相手と同意なしでするのはちょっと主義に反する。
えっちはお互い楽しく気持ちよくがモットーだからね。
「百合ちゃん、ハイネちゃんの事お願いね」
「それは別にいいけど……どこか行くの?」
「本当はこの後ルセアちゃんとハイネちゃん相手に俺は時と場所を考えて発散する人間だとワカラセようと思ってたんだ」
「え、何?」
「でも今そんなんでしょ? それにルセアちゃん1人だけだとルセアちゃんの体が持たないかもだし。だから、ちょっとナンパしてくる!」
「いい笑顔で何言ってんのよ!」
「いい絵になるでしょ? 美少女だからね! まあ、理由はそんな感じなんだけど、多分明日か明後日くらいから忙しくなりそうだからね。その前に少し遊んでおこうかなって」
「忙しく……?」
「あ、討伐隊?」
「そそ。調査が終われば当然討伐しようってなるだろうし、そうなったらランクの上がってしまった俺は強制招集とかされそうじゃない? そうでなくてもかわいくて強くて料理も出来てかわいい俺をサポート班として雇おうとしてもおかしくないしねー」
「2回言ったわね……」
「事実だからね!」
キリッと決めポーズ!
自分を見る事はできないけど、分かる。
今の俺かわいい!
「じゃ、後任せたね~」
さーて、誰とヤろうかな。
気分的には女の子がぐちゃぐちゃのドロドロになるくらい犯したい気分だけど、ロリっ子が女の人を引っ掛けられるかどうか……ま、試してから考えるか。
しかし、どう声をかけていいのやら……。
ナンパなんて前世含めて経験ないしなぁ。
お姉さん、俺とエッチなことしませんか? なんてど直球に言っても逃げられるのがオチだ。
そんなんで普通の人が誘いに乗るわけがない。
うーん……あ!
そうだ。
逆に考えてみよう。
普通の人だ誘いに乗らないのなら、誘いに乗る人、乗りそうな人を選べばいいんじゃないか?
……いや、そういう人がこの街にいたらアリーダさんも犯罪をおかなさなかったろうし、無理か。
ふたなりの人が普通にいるこの世界であっても、全員が全員受け入れてるわけじゃないし。
うーむ……。
「へいかーのじょ。暇なら俺と遊ばなーい?」
うわ、こってこてのナンパ男が現れたよ。
ナンパ方法を考えてたら俺がナンパされたんだけど。
ウケる。
「いやー、一緒に楽しくて気持ちいい事するのも悪くないんだけど、今日はちょっとそういう気分じゃないんだ。また別の日に見かけたら声を掛けてよ。ごめんね」
「え、あ、お、おう……」
断られたけど意外と好感触な反応に戸惑ったのかこの対応よ。
ちなみに、もしも本当に別の日に声を掛けてきたら応じるつもり。
見た目は……まあ、うん、特別かっこいいとかそういうのはないけど、男は顔じゃない。
ちんこがついてればそれでいい。
まあ、俺にとってはだけど。
とはいえ、このままだと無駄に時間を消費するだけだしどうしたもんかなぁ。
とりあえず軽く餌を用意しつつ軽く何か食べようかな。
別の案を考える繋ぎ程度のものだから食いついても食いつかなくてもいいんだけど、さて、どうなるかな?
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