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普段はアレでも真面目な時だってありますよ
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2人と合流して準備完了。
いざ街の外へ……と行きたいところだけど、2人に注意されて雑貨屋で買い足しに。
「あれ? 虫除けの香は?」と言われた時には、なるほどと思っちゃったね。
これまでそんなの気にしてなかったけど、確かにそういうのの警戒も必要だよね。
地球にだって病原菌を運んでくる虫とかが居るわけだし警戒すべきだった。
テレビだったと思うけど、地球上で最も人間を殺してる生き物は蚊だとか言ってたし。
「魔物避けの香とかは無いの?」
「あるにはあるけど、あれ基本的に弱い魔物にしか効果ない上に、強い魔物にはむしろ興味持たれるとかで場所によっては危険なんだよ。今回行く場所は近くでそんなに強いのは出ないと思うから使うのは全然アリなんだけど……結構いい値段なんだよね~。具体的にはこんな感じ」
「うっ! これは確かに、高いかも」
お値段実にゴブリン97匹分。
中途半端だね。
そこはキリよく100匹でいいのでは? と思わなくもないけど、安い方がいいので何も言わない。
言ったところでどうにかなる物でもないけど。
「これが一晩で無くなるんだよ? 流石にそれはね~。商人とかなら話は別なんだろうけど、私達じゃとてもじゃないけど手が出ないって」
「世の中そう甘くはないか」
「そういう事。じゃ、会計してくるね」
余計な時間を使ってしまった為に微妙な時間になっちゃった。
お昼ご飯には少し早いけど、かといって今から街の外行って拠点とする場所を、決めてそこで準備するとなると遅いという絶妙な時間帯。
途中で休んで何か食べるという手もあるけど……うーん。
よし!
困った時は相談だ!
「中途半端な時間になっちゃったけど、お昼どうする? 今から食べる? それとも街の外で食べる?」
「空腹で歩き回るよりくらいなら先に食べた方がいいと思う」
「あーね。確かにそれはあるかも。2人はどう思う?」
「どっちでもいいけど外だと荷物が……嵩張らないか」
「何でも、どれだけでも入るよ」
「ならどっちでも……待って。やっぱり街の中で。あっちからいい匂いがする!」
「あ、ちょっ……。まあ、いっか。2人とも、そういうわけなんで街の中でって事で」
駆け出したハイネちゃんを見て、妖狐族という種族ならばもしかしてお揚げでは? とふと思ってしまった。
ほら、キツネと言えばお揚げだし。
異世界にお揚げなんてあるのかという疑問はオーバースローで放り投げておく。
今更この世界にお揚げ程度では、あったとしても驚かないよ。
まあ、実際は全然そんな事なくて、普通の料理屋だったんだけどね。
魚の煮付けが美味しかったです。
そしていざ野営訓練へ。
「依頼は何を受けたの?」
「野営初めてだから簡単なのがいいと思って、マッドラットの討伐にしたよ」
「なるほどねー。いいんじゃない?」
……マッドラットって、なんだろ?
名前的に多分ネズミなんだろうけど、ちょっと知らない子ですね。
異世界人なのでよく分からないけど、ルセアちゃんが簡単だと言うのなら簡単なんだろう。
いつかはルセアちゃんに俺が異世界出身だって言わないとなぁ……とりあえず今は知ったかぶっておくけど。
「ねぇ、マッドラットってどんな魔物なの?」
「百合は知らないかー。マッドラットはね、こんくらいの大きさで全身泥まみれのネズミなんだよ」
「でかっ!?」
「そう? 普通じゃない?」
7~80cmのネズミは普通じゃないと思うんだけど……流石異世界。
「ちなみに、泥まみれになった女の人に興奮して襲って来るよ」
「そんな情報いらないわよ!」
「泥まみれよりも白くてどろっとしたものの方が好みです!」
「あんたは何を言ってるのよ!?」
「ま、流石に今回は色々と初挑戦な訳だからそういうのはするつもりないけどね。みんなに負担かけちゃうし……って、何その顔? 俺だって真面目にやる時だってあるんだからね」
「ご、ごめんね」
「普段の行いのせい」
「そう思うなら普段の振る舞いを見直した方がいいと思うわ」
「むぅ……納得いかない」
えっちは好きだしそれ優先で物事を考えることも珍しくないけど、真面目にしないといけない時はちゃんとやってるよね?
それなのにこの扱いだ。
全く……人の事を何だと思っているのやら。
訓練が終わった後にでもベッドの中で問い質さないといけないね。
寝泊まりする場所はひとまず目星をつけておくにとどめておき、今は依頼の魔物であるマッドラットを探す。
場所の整備をしたりテントの設営なんかしても見張りがいないからね。
いや、分身や眷属達で見張りを立てる事が出来ないわけじゃないけど、別にどうしても今すぐテントを張らないといけないっていうわけじゃないしね。
だから今回は後回しにした。
長丁場になる事を見越して先にって事が今後あるかもしれないけど、それは今じゃないからね。
「泥まみれって事は生息域はある程度水場に近い場所って事になるのかな?」
「そういう事もあるけど、基本的には土の中に巣を作って、そこに雨水を溜めて泥を作ってるよ」
「土の中か……ちょっと厄介かな」
「そうでもないよ。だって……「百合ちゃん!」」
ーーバシャッ!
「え?」
「メスが居れば率先して泥をかけてくるから」
なるほどね。
というか、他種族でも関係ないんだ。
やっぱこの世界はエロゲの世界だわ。
知ってたけど。
「レン、怪我してない?」
「大丈夫。百合ちゃんは?」
「あ、うん。庇ってくれてありがとう」
「どういたしまして」
土の中と言っていたから進行方向の地面の中を探ってて少し反応が遅れた。
そして百合ちゃんを庇った結果袖に泥を引っ掛けられてしまった。
けどまあ、問題ないかな。
この服は破れないし汚れない謎仕様の奴だから。
腕を振ってやればこの通り、簡単に落ちる。
「キーキー!」
あらら。
泥まみれにならなかったのが不満なのか御立腹のようだ。
普段ならヤられても良かったんだけど、今日はそんなつもりないからね。
「ごめんね」
クン と指を上に振る。
それだけで下から土の槍が出てマッドラットを貫きあっさりと倒してしまう。
うーむ。
最近少しレベルが上がったからか、このくらいの相手じゃ弱過ぎて戦いにすらならないな。
また指輪で調節しなくては。
「いや、そんなあっさり倒されちゃうと……」
「せっかく構えたのに……」
「あ、なんかごめん」
次出た時は手を出さないでおこう。
これじゃ仕事にならな過ぎるし。
いざ街の外へ……と行きたいところだけど、2人に注意されて雑貨屋で買い足しに。
「あれ? 虫除けの香は?」と言われた時には、なるほどと思っちゃったね。
これまでそんなの気にしてなかったけど、確かにそういうのの警戒も必要だよね。
地球にだって病原菌を運んでくる虫とかが居るわけだし警戒すべきだった。
テレビだったと思うけど、地球上で最も人間を殺してる生き物は蚊だとか言ってたし。
「魔物避けの香とかは無いの?」
「あるにはあるけど、あれ基本的に弱い魔物にしか効果ない上に、強い魔物にはむしろ興味持たれるとかで場所によっては危険なんだよ。今回行く場所は近くでそんなに強いのは出ないと思うから使うのは全然アリなんだけど……結構いい値段なんだよね~。具体的にはこんな感じ」
「うっ! これは確かに、高いかも」
お値段実にゴブリン97匹分。
中途半端だね。
そこはキリよく100匹でいいのでは? と思わなくもないけど、安い方がいいので何も言わない。
言ったところでどうにかなる物でもないけど。
「これが一晩で無くなるんだよ? 流石にそれはね~。商人とかなら話は別なんだろうけど、私達じゃとてもじゃないけど手が出ないって」
「世の中そう甘くはないか」
「そういう事。じゃ、会計してくるね」
余計な時間を使ってしまった為に微妙な時間になっちゃった。
お昼ご飯には少し早いけど、かといって今から街の外行って拠点とする場所を、決めてそこで準備するとなると遅いという絶妙な時間帯。
途中で休んで何か食べるという手もあるけど……うーん。
よし!
困った時は相談だ!
「中途半端な時間になっちゃったけど、お昼どうする? 今から食べる? それとも街の外で食べる?」
「空腹で歩き回るよりくらいなら先に食べた方がいいと思う」
「あーね。確かにそれはあるかも。2人はどう思う?」
「どっちでもいいけど外だと荷物が……嵩張らないか」
「何でも、どれだけでも入るよ」
「ならどっちでも……待って。やっぱり街の中で。あっちからいい匂いがする!」
「あ、ちょっ……。まあ、いっか。2人とも、そういうわけなんで街の中でって事で」
駆け出したハイネちゃんを見て、妖狐族という種族ならばもしかしてお揚げでは? とふと思ってしまった。
ほら、キツネと言えばお揚げだし。
異世界にお揚げなんてあるのかという疑問はオーバースローで放り投げておく。
今更この世界にお揚げ程度では、あったとしても驚かないよ。
まあ、実際は全然そんな事なくて、普通の料理屋だったんだけどね。
魚の煮付けが美味しかったです。
そしていざ野営訓練へ。
「依頼は何を受けたの?」
「野営初めてだから簡単なのがいいと思って、マッドラットの討伐にしたよ」
「なるほどねー。いいんじゃない?」
……マッドラットって、なんだろ?
名前的に多分ネズミなんだろうけど、ちょっと知らない子ですね。
異世界人なのでよく分からないけど、ルセアちゃんが簡単だと言うのなら簡単なんだろう。
いつかはルセアちゃんに俺が異世界出身だって言わないとなぁ……とりあえず今は知ったかぶっておくけど。
「ねぇ、マッドラットってどんな魔物なの?」
「百合は知らないかー。マッドラットはね、こんくらいの大きさで全身泥まみれのネズミなんだよ」
「でかっ!?」
「そう? 普通じゃない?」
7~80cmのネズミは普通じゃないと思うんだけど……流石異世界。
「ちなみに、泥まみれになった女の人に興奮して襲って来るよ」
「そんな情報いらないわよ!」
「泥まみれよりも白くてどろっとしたものの方が好みです!」
「あんたは何を言ってるのよ!?」
「ま、流石に今回は色々と初挑戦な訳だからそういうのはするつもりないけどね。みんなに負担かけちゃうし……って、何その顔? 俺だって真面目にやる時だってあるんだからね」
「ご、ごめんね」
「普段の行いのせい」
「そう思うなら普段の振る舞いを見直した方がいいと思うわ」
「むぅ……納得いかない」
えっちは好きだしそれ優先で物事を考えることも珍しくないけど、真面目にしないといけない時はちゃんとやってるよね?
それなのにこの扱いだ。
全く……人の事を何だと思っているのやら。
訓練が終わった後にでもベッドの中で問い質さないといけないね。
寝泊まりする場所はひとまず目星をつけておくにとどめておき、今は依頼の魔物であるマッドラットを探す。
場所の整備をしたりテントの設営なんかしても見張りがいないからね。
いや、分身や眷属達で見張りを立てる事が出来ないわけじゃないけど、別にどうしても今すぐテントを張らないといけないっていうわけじゃないしね。
だから今回は後回しにした。
長丁場になる事を見越して先にって事が今後あるかもしれないけど、それは今じゃないからね。
「泥まみれって事は生息域はある程度水場に近い場所って事になるのかな?」
「そういう事もあるけど、基本的には土の中に巣を作って、そこに雨水を溜めて泥を作ってるよ」
「土の中か……ちょっと厄介かな」
「そうでもないよ。だって……「百合ちゃん!」」
ーーバシャッ!
「え?」
「メスが居れば率先して泥をかけてくるから」
なるほどね。
というか、他種族でも関係ないんだ。
やっぱこの世界はエロゲの世界だわ。
知ってたけど。
「レン、怪我してない?」
「大丈夫。百合ちゃんは?」
「あ、うん。庇ってくれてありがとう」
「どういたしまして」
土の中と言っていたから進行方向の地面の中を探ってて少し反応が遅れた。
そして百合ちゃんを庇った結果袖に泥を引っ掛けられてしまった。
けどまあ、問題ないかな。
この服は破れないし汚れない謎仕様の奴だから。
腕を振ってやればこの通り、簡単に落ちる。
「キーキー!」
あらら。
泥まみれにならなかったのが不満なのか御立腹のようだ。
普段ならヤられても良かったんだけど、今日はそんなつもりないからね。
「ごめんね」
クン と指を上に振る。
それだけで下から土の槍が出てマッドラットを貫きあっさりと倒してしまう。
うーむ。
最近少しレベルが上がったからか、このくらいの相手じゃ弱過ぎて戦いにすらならないな。
また指輪で調節しなくては。
「いや、そんなあっさり倒されちゃうと……」
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