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色々検証

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特訓を終えた3人は疲れてはいるけどクタクタになる程ではないので屋敷に戻る準備を始めた。
でも俺はやりたいことがあるので。

「「「3人は先に戻ってていいよ。俺は分身について色々検証したいから」」」
「分かった」
「えっと、それじゃあ先に戻ってるね」
「何か手伝う事とかある?」
「んー、いや、いざとなったら眷属達に手伝ってもらうからハイネちゃんも休んでいいよ」
「そう?  それじゃあそうさせてもらおうかな」

3人が屋敷に戻ったのを見届けた後、俺は、いや、俺達というべきか。
俺達は検証を開始する。

「じゃあまず、自分達が分身だという事は理解してる?」
「そりゃね」
「当然でしょ」
「分かっちゃいたけど、自分に問いかけて自分から答えが返ってくるんだね」
「そりゃそうでしょうよ」
「まあ、変な感じなのは分かる」
「とりあえず便宜上の名前でもつけておくか」
「そうだね。それじゃあ俺はリンで」
「じゃあ俺はランで」
「「らーーーーん!!!」」
「やると思った。まあ、少し期待してたけど」

自分だからねぇ。
ネタの保有数も内容も同じならそうなるよね。

「それで、どれくらい保つ?」
「んー、まだ余裕がある感じかな」
「こっちもー」
「その辺の基準ってどうなってんだろうな?」
「そこはほれ、鑑定すれば良くない?」
「それもそうだな」
「ってか忘れてたな」

えーと、何何?

【影分身】
魔力で構成された実体を持つ分身を作成する事ができる。
作成された分身は本体と同等の身体能力とスキルを保持する。
分身を維持するのに必要な魔力量を下回った時、分身は消滅する。
その為、作成された分身は作成時に使用する魔力量によって実体を保てる時間が変動する。
また、スキル等の使用でも魔力を消費するので、スキルを使用した場合は何もしない状態よりも早く消滅する。
分身が消滅した際、分身が得た経験は記憶として本体へと還元される。

「どう思う?」
「とりあえずスキルを使わなければまだ長生き出来るのは分かった」
「長生きって言うなよな……。他に気になったのは経験は記憶としてってのだね。これってさ、例えば俺が戦闘して経験値得たとするじゃん?  そうして得た経験値も、俺が消えた瞬間、あくまでもレンは経験値を得たっていう記憶を得るだけで経験値自体は得られないって事にならない?」
「そういう風にしか読めないよねぇ~」
「まあ、ズルは出来ないって事じゃない?  本体は安全な所で待機して分身だけで経験値稼ぎ出来ちゃうのは流石に問題あるだろうし」

神様もいるわけだしそういうシステムチックな要素があっても不思議ではないか。
そもそもステータスがあってスキルがある時点でそうだしね。

「ねぇ、ふと思ったんだけどさ……魔力を外部から供給した場合だとどうなるんだろう?」
「「!?」」
「それに魔力急速回復とかもあるし、その辺の事も気になるんだよね」
「「!?!?」」

で、魔力関連の検証をした結果、魔力急速回復は無効化されていて、ポーション類は効果がかなり弱くなっている。
本体である俺が直接触れて魔力を受け渡すことは出来る。
それは魔力支配があるからの可能性もあるけど、出来る分には何も困らないので気にしない。
んで、この手の話では定番の吸精スキルを作ってみた所、こちらも効果ありだった。
多分スキルはパッシブ系が無効化されていて、アクティブ系は効果がある。
で、ポーション系は効果が薄い。
原因の究明は必要性が薄いので置いく。
重要なのは直接触れて供給するか吸収するのが1番効率がいいという事。

「じゃあ、最後になるけど……どうやって消すの?」
「「……さぁ?」」
「とりあえずサクッと殺してみる?」
「「やめて!?」」
「冗談だって。とりあえず考えられるのは分身が本体に戻るって念じてみるのとかだよな。某忍者漫画的に」
「「後はそっちが消すって念じてみるとかもあったよな」」
「んー、まあ、まずはそっちからで。今後偵察とかしてもらうかもしれないし」
「「りょうか~い」」

リンとランの2人がん~って唸りながら消えようとして、そうして30秒くらいかな?
まずランが消えて、続けてリンが消える。
それと同時に2人の記憶も俺に流れ込んできて、でもそれも自分がやったという実感がある不思議な感じになってる。
あー、リンとランはそれぞれそういう指導をしたんだなと、解釈出来るけど、それも自分がやったんだよっていう記憶がね。
慣れるのに時間がかかりそうだ。

「……そういえば再度分身を作った時って記憶とか自我とか認識とかどうなってるんだろ?」

というわけで出してみた。

「「いや、記憶とか全部本体由来のものだから。どういう時に分身を作ったかもその時の記憶とかも本体から引き継いでいるから」」
「あ~そっか」
「「ちなみに自分がレンであると理解している一方で、コードネームリンとランという自覚もある」」
「コードネーム言うなし。じゃあ今度からは影分身を作った時に俺から見て右の方をリン、左の方をランで固定するって事でおけ?」
「「りょうか~い」」
「さて、それじゃあまた……「「ちょい待ち!」」……どした?」
「いやさ、どうせ増えたんだしここらでゴブリンずの性欲解消とかした方がいいんじゃないかなって。最近ヤれてないでしょ?」
「それにツバサとルーナも」
「言われてみれば確かに……じゃあ部屋に行って亜空収納に入ってもらうって事でいい?」
「「オフコース!」」
「ネッチョリグッチョリ犯されてくるぜ!」
「なら俺は徹底的に犯してくるよ!」
「ほう……なら解除した時が楽しみだ」

ぐへへ……。
ただ、惜しむらくはそういう経験をしたという記憶を得るだけだから、身体の余韻とかを味わえるわけじゃないし本体である俺の疼きが収まるわけじゃないんだよな。
まあ、今夜はルセアちゃんとしっぽりがっつりヤるから関係ないけどね。

リンとランを伴って部屋へと移動しているもんだからまあ、見られるのなんのって。
そりゃ突然客人が増えて当然のように歩いていたら驚くよね。
すれ違うメイドさん達みんなポカーンとするかギョッとするかのどっちかで、なんかちょっと楽しかったりする。
そんで部屋に着くなり亜空収納を開いて突撃していくリンとラン。
休憩なしかい。
こりゃ相当濃厚な記憶が得られそうだ。

「え、あれ?  レン?  どうなってるの?」
「あー、うん。分身2人には眷属達の相手してもらおうかなって。最近あんまり構ってあげられなかったからさ」
「そ、そう……良かった……」
「後、ルセアちゃんが望めばいつでも3人で相手してあげるよ」
「結構です!!」
「おおぅ……そこまで力強く否定されると流石に悲しくなるよ……」
「あ、いや、レンが嫌ってわけじゃなくて、身体がもたなくなるってだけで……」
「分かってるよ。というか、俺がルセアちゃんが壊れるほどするわけないじゃないか!  ちゃんと加減はするよ!」
「あ、うん……そうなんだ」
「でもまあ、今夜は俺1人でルセアちゃんを愛してあげるよ」
「うん。お願いね」

ま、その前に夕食やらお風呂やらがあるんですけどね。
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