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首を突っ込む事にしました
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イケおじを衛兵に引き渡した後宿へと向かい……たかったんだけどね。
そうは問屋が卸さないそうです。
まあ、当然といえば当然か。
これだけの複数の事件が起きて、そのほとんどに関わってるんだもの。
放っておくわけないよね。
そんなわけで事情聴取とかお礼を言われたり、謝礼を貰ったりと色んな事をしてからようやく宿へと帰還。
一応イケおじに関しては煌びやかな服を着た人に依頼されて報酬も良かったので言われるがままに放火した。
と報告しておいた。
行政の人間と協力するという手もあるけど、相手がどの程度手を伸ばしてるか分からないからやめておいた。
「それでレンちゃん。なんであのおじさんについて嘘を教えたの?」
「ああ、それなんだけどね……」
ちょっとだけ勿体ぶるようにしてから亜空収納を開き、そこから倒れていた美少女を取り出す。
後ついでに女騎士さんも取り出す。
このまましまっておいて後で女騎士さんとくっ殺遊びをしてみたいという欲望が顔を出すけど、それをすると後で色々と面倒そうだし仲良くなれなさそうなので我慢しておく。
「実はまだ生きてたりするんだよねぇ」
「え!? でも、遺体を見たって……」
「あの時はイケおじに仕事を完遂したと錯覚させたかったからね。だから『訳ありそうな女の子“と”騎士達の遺体』って言ったんだよ。わざと誤解しやすい言い回しにしてね。ほら、2人とも訳ありそうじゃない? こっちの子は服装とかいいところそうだし、こっちの女騎士さんもそのいいところのお嬢様の護衛っぽくて訳ありそうな感じだしね」
「よくもまあそんな屁理屈を……」
「ま、それはどうでもよくて、そんなわけで生きているわけだけど、この人達どうする? 今ならまだ知らぬ存ぜぬで通せるけど、こっから先は間違いなく面倒ごとに巻き込まれるからさ。今の内にみんなの意見を聞いておこうかなって」
「それはいいんだけど、まだボクと百合は詳しい事を知らないのだけど?」
「あ、ごめん。あの場にいなかったの忘れてた。ルセアちゃんはいつもそばに居るもんだと思ってたよ。そうだったよね。あの時は衛兵さん達の相手をお願いしてたんだったね」
というわけで2人にもイケおじから聞き出した事を伝える。
「なるほどね……やっぱりどこにでもそういう話はあるのね」
「それでどうする?」
「そんなの聞かされたら助けるに決まってるじゃない!」
「だけど、危険だよ? それこそ、殺しにくるくらいなんだから。本音を言えば、俺1人でカタをつけたいと思ってる。みんなを危険な目に合わせたくないから」
「それを聞いて、はいそうですかってなると思う?」
「思う!」
「いやそこは思わないでしょうが!」
「だってみんなまだまだ弱いし……。特に百合ちゃんとか」
「うぐっ! で、でもだからってレンちゃん1人を危険な目に合わせるわけにはいかないじゃない!」
「1人じゃなきゃいいの?」
「そういう事じゃなくて……」
「うん。知ってる。分かってて聞いた」
「あなたね……」
「まあ、ハイネちゃんなら多分なんとかなるとは思うんだけど、そうすると百合ちゃんとルセアちゃんが無防備になるから2人の護衛を頼みたいんだよね。だから1人にならざるを得ないかなって」
「じゃあ、やっぱり助けないって言ったら……?」
「その時は不幸な女の子が生まれるだけだね。もしかしたら殺されるかもしれないし、あんな事やこんな事や、そーんな事までさせられちゃうかもね」
「分かったわよ……でも、やっぱりレンちゃん1人に任せてられない。私はなんと言われようと、手助けするわよ」
「……本当にいいんだね?」
「ええ」
「分かった。俺も出来る限りフォローするけど、最悪の状況になる可能性を覚悟しておいてね」
「……分かったわ」
まあ、本当に危なくなったら問答無用で亜空収納に放り込むけどね。
「2人はどうする?」
「手伝うに決まってる」
「私もー」
「そっかー……」
2人もか……こりゃ頑張んないとな。
「所で……この人達大丈夫なの? 呼吸が怪しいんだけど」
「へ? あ、本当だ!?」
少女と女騎士は青い顔をしてヒューヒューとヤバげな呼吸をしていた。
いつの間にこんな事に!?
というかこれどうしよう!?
これって多分あれだよね!?
一酸化炭素中毒!
というか、こんな症状だっけ!?
よく分からないけど、なんとかしないといけないという事だけは分かる。
「ちょっと全力出す」
まずは鑑定。
状態を確認して、一酸化炭素中毒だという事を知ると共にもう1つの症状を見抜く。
一酸化炭素中毒なのは間違いないが、それ以外にもう1つ中毒症状が発見される。
薬物中毒らしく、もしかしたら他の客の誰かが薬物を持ち込んでいたのかもしれない。
あのイケおじが使ったとは考えにくい。
もしそうなら尋問の時に言っていたはずだから。
光魔法の中の状態異常を回復する魔法と共に浄化魔法を使う事で中毒を消し去る。
だが、それとは別に処置も必要。
昔テレビで火災事故の再現ドラマを見た事あって、その時に一酸化炭素は酸素以上にヘモグロビンだか赤血球だかと結合しやすいとかやっていた。
だから多分、身体を巡る酸素濃度が下がっている。
それをどうにかしないとなんらかの障害が残りそうだ。
結界を張り内部を高気圧状態にして取り込む酸素量を増やす。
これはアニメだったかで酸素単体だと人体には猛毒だと言っていたから酸素単体では無く空気の量を増やした。
それから鑑定で状態をつぶさに観察していく。
こういう時、自分の無学がもどかしい。
高校も大学も三流でお気楽に生きてきたツケが回ってきたんだと思う。
今更言ってもどうこうなる問題じゃないから今は出来る事を真剣に行うしかない。
そうして、鑑定結果が正常となるまで2人に付きっきりで過ごし、気付けば外は真っ暗になっていた。
「レン……もう5時間になるけど、大丈夫?」
「うん。鑑定結果でももう大丈夫そうだから安心して」
「そっちじゃなくて、レンの方だよ」
「あー、うん。ちょっと、精神的に疲れたかな……。魔力に関してはスキルで使ったそばからすぐに回復してるんだけどね」
「そう……お疲れ様、レン」
「うん。……ねぇ、ルセアちゃん。膝枕お願いしていい?」
「もちろんだよ。ほら、おいで」
「わ~い」
頭を撫でてくれる手が気持ちいい……。
その心地よさについ目を閉じてしまう。
「レン、寝た?」
「寝てないよ……起きてるよ。でも、もう少しこのまま頭を撫でて……」
「うん。いいよ。ボクはレンのものだからね。レンのお願いならなんでも聞くよ」
「ルセアちゃんが嫌な事なら聞かなくていいよ」
「ボクが嫌がる事を言うと思ってないよ。レンは優しいからね」
「そっかなー?」
「そうだよ」
ルセアちゃんの優しい手つきに、信頼に、愛情に、自然と頬が緩んでしまう。
あー、やっぱりルセアちゃん大好きだ。
~少女視点~
気が付くと目の前で何やら甘い光景が広がっています。
こういう時どうしたらいいのでしょう……?
分からないけど、とりあえず目の前の光景を目に焼き付けておきましょう。
凄く尊いです。
そうは問屋が卸さないそうです。
まあ、当然といえば当然か。
これだけの複数の事件が起きて、そのほとんどに関わってるんだもの。
放っておくわけないよね。
そんなわけで事情聴取とかお礼を言われたり、謝礼を貰ったりと色んな事をしてからようやく宿へと帰還。
一応イケおじに関しては煌びやかな服を着た人に依頼されて報酬も良かったので言われるがままに放火した。
と報告しておいた。
行政の人間と協力するという手もあるけど、相手がどの程度手を伸ばしてるか分からないからやめておいた。
「それでレンちゃん。なんであのおじさんについて嘘を教えたの?」
「ああ、それなんだけどね……」
ちょっとだけ勿体ぶるようにしてから亜空収納を開き、そこから倒れていた美少女を取り出す。
後ついでに女騎士さんも取り出す。
このまましまっておいて後で女騎士さんとくっ殺遊びをしてみたいという欲望が顔を出すけど、それをすると後で色々と面倒そうだし仲良くなれなさそうなので我慢しておく。
「実はまだ生きてたりするんだよねぇ」
「え!? でも、遺体を見たって……」
「あの時はイケおじに仕事を完遂したと錯覚させたかったからね。だから『訳ありそうな女の子“と”騎士達の遺体』って言ったんだよ。わざと誤解しやすい言い回しにしてね。ほら、2人とも訳ありそうじゃない? こっちの子は服装とかいいところそうだし、こっちの女騎士さんもそのいいところのお嬢様の護衛っぽくて訳ありそうな感じだしね」
「よくもまあそんな屁理屈を……」
「ま、それはどうでもよくて、そんなわけで生きているわけだけど、この人達どうする? 今ならまだ知らぬ存ぜぬで通せるけど、こっから先は間違いなく面倒ごとに巻き込まれるからさ。今の内にみんなの意見を聞いておこうかなって」
「それはいいんだけど、まだボクと百合は詳しい事を知らないのだけど?」
「あ、ごめん。あの場にいなかったの忘れてた。ルセアちゃんはいつもそばに居るもんだと思ってたよ。そうだったよね。あの時は衛兵さん達の相手をお願いしてたんだったね」
というわけで2人にもイケおじから聞き出した事を伝える。
「なるほどね……やっぱりどこにでもそういう話はあるのね」
「それでどうする?」
「そんなの聞かされたら助けるに決まってるじゃない!」
「だけど、危険だよ? それこそ、殺しにくるくらいなんだから。本音を言えば、俺1人でカタをつけたいと思ってる。みんなを危険な目に合わせたくないから」
「それを聞いて、はいそうですかってなると思う?」
「思う!」
「いやそこは思わないでしょうが!」
「だってみんなまだまだ弱いし……。特に百合ちゃんとか」
「うぐっ! で、でもだからってレンちゃん1人を危険な目に合わせるわけにはいかないじゃない!」
「1人じゃなきゃいいの?」
「そういう事じゃなくて……」
「うん。知ってる。分かってて聞いた」
「あなたね……」
「まあ、ハイネちゃんなら多分なんとかなるとは思うんだけど、そうすると百合ちゃんとルセアちゃんが無防備になるから2人の護衛を頼みたいんだよね。だから1人にならざるを得ないかなって」
「じゃあ、やっぱり助けないって言ったら……?」
「その時は不幸な女の子が生まれるだけだね。もしかしたら殺されるかもしれないし、あんな事やこんな事や、そーんな事までさせられちゃうかもね」
「分かったわよ……でも、やっぱりレンちゃん1人に任せてられない。私はなんと言われようと、手助けするわよ」
「……本当にいいんだね?」
「ええ」
「分かった。俺も出来る限りフォローするけど、最悪の状況になる可能性を覚悟しておいてね」
「……分かったわ」
まあ、本当に危なくなったら問答無用で亜空収納に放り込むけどね。
「2人はどうする?」
「手伝うに決まってる」
「私もー」
「そっかー……」
2人もか……こりゃ頑張んないとな。
「所で……この人達大丈夫なの? 呼吸が怪しいんだけど」
「へ? あ、本当だ!?」
少女と女騎士は青い顔をしてヒューヒューとヤバげな呼吸をしていた。
いつの間にこんな事に!?
というかこれどうしよう!?
これって多分あれだよね!?
一酸化炭素中毒!
というか、こんな症状だっけ!?
よく分からないけど、なんとかしないといけないという事だけは分かる。
「ちょっと全力出す」
まずは鑑定。
状態を確認して、一酸化炭素中毒だという事を知ると共にもう1つの症状を見抜く。
一酸化炭素中毒なのは間違いないが、それ以外にもう1つ中毒症状が発見される。
薬物中毒らしく、もしかしたら他の客の誰かが薬物を持ち込んでいたのかもしれない。
あのイケおじが使ったとは考えにくい。
もしそうなら尋問の時に言っていたはずだから。
光魔法の中の状態異常を回復する魔法と共に浄化魔法を使う事で中毒を消し去る。
だが、それとは別に処置も必要。
昔テレビで火災事故の再現ドラマを見た事あって、その時に一酸化炭素は酸素以上にヘモグロビンだか赤血球だかと結合しやすいとかやっていた。
だから多分、身体を巡る酸素濃度が下がっている。
それをどうにかしないとなんらかの障害が残りそうだ。
結界を張り内部を高気圧状態にして取り込む酸素量を増やす。
これはアニメだったかで酸素単体だと人体には猛毒だと言っていたから酸素単体では無く空気の量を増やした。
それから鑑定で状態をつぶさに観察していく。
こういう時、自分の無学がもどかしい。
高校も大学も三流でお気楽に生きてきたツケが回ってきたんだと思う。
今更言ってもどうこうなる問題じゃないから今は出来る事を真剣に行うしかない。
そうして、鑑定結果が正常となるまで2人に付きっきりで過ごし、気付けば外は真っ暗になっていた。
「レン……もう5時間になるけど、大丈夫?」
「うん。鑑定結果でももう大丈夫そうだから安心して」
「そっちじゃなくて、レンの方だよ」
「あー、うん。ちょっと、精神的に疲れたかな……。魔力に関してはスキルで使ったそばからすぐに回復してるんだけどね」
「そう……お疲れ様、レン」
「うん。……ねぇ、ルセアちゃん。膝枕お願いしていい?」
「もちろんだよ。ほら、おいで」
「わ~い」
頭を撫でてくれる手が気持ちいい……。
その心地よさについ目を閉じてしまう。
「レン、寝た?」
「寝てないよ……起きてるよ。でも、もう少しこのまま頭を撫でて……」
「うん。いいよ。ボクはレンのものだからね。レンのお願いならなんでも聞くよ」
「ルセアちゃんが嫌な事なら聞かなくていいよ」
「ボクが嫌がる事を言うと思ってないよ。レンは優しいからね」
「そっかなー?」
「そうだよ」
ルセアちゃんの優しい手つきに、信頼に、愛情に、自然と頬が緩んでしまう。
あー、やっぱりルセアちゃん大好きだ。
~少女視点~
気が付くと目の前で何やら甘い光景が広がっています。
こういう時どうしたらいいのでしょう……?
分からないけど、とりあえず目の前の光景を目に焼き付けておきましょう。
凄く尊いです。
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