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林檎、蜜柑、葡萄、梨、マラサマ
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あ、そうだ。
ちょっと面白いことを思いついた。
このエルフさんがどんな反応してくれるのか楽しみだ。
「で、これってこの値段でいいんですよね?」
「へ? あ、いえ、これはさっきも言った通りかなり値が張ると……」
「でもこの値段って書いてありましたよ? え、もしかして詐欺なんですか?」
「うぇっ!? さ、詐欺とかそんなつもりなくて……というか、こっちが損する詐欺ってなんですか!?」
「それなら、わざと高額商品を安く買わせて、そのあと怖い人達が出てきてその事を通報されたくなければ言うことを聞けって……」
「そんなー、そんなことになったら私達どうなっちゃうのー?」
お、ハイネちゃんも乗ってきた。
「それはもちろん、良くないところに連れてかれておじさま達に代わる代わる犯されて最後には……」
「そんなぁ~……」
「しないから! もうその値段でいいから!」
言質取りましたー。
とまあ、おふざけはこの辺にしておこう。
エルフさん、なんかもう、泣きそうになってるし。
「いい加減にしなさい!」
「あいたっ!」
「痛っ!?」
そろそろやめようかと思ってたら、百合ちゃんに殴られた。
「うぅ……そろそろやめようと思っていたのに……」
「やめるじゃなくて、最初からやらないの! うちのバカ2人がご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ありません! ほら、謝って! 2人も謝って!」
「「ごめんなさい」」
「この通り2人も謝ってますので」
「本当にごめんなさい。エルフさんが可愛かったからつい揶揄いたくなっちゃいました」
「か、かわっ!?」
「可愛いよね?」
「うん、可愛かった」
「も、もう、あんまり揶揄わないで……」
「というわけで今晩デートしません?」
「どういうわけで!?」
「おすすめの宿調べておきますんで」
「いきなり宿直行!?」
「あ、ずるーい! 私も私も! 私も混ぜて!」
「3人で!?」
「いい加減にしなさい!」
「「2回目!!」」
「全く……本当にごめんなさい。今連れ帰りますので……」
「あ、待って待って! まだ買ってないから!」
「なら早くしなさい」
百合ちゃんが怖い。
これはもう揶揄えないかな。
おもしろ可愛かったのに……。
というわけで真面目に買い物をします。
さっきの月光草だが、あれは魔力回復が出来るMPポーションの材料になる。
魔力操作の特訓をしている今は体力回復のポーション以上に必要なものだろうし、多めに買っておこう。
後は普通の薬草。
こちらは一応名前はあるものの、一般的には薬草といえばこれを指す。
理由は単純で、冒険者が薬草として採取してくるのがこれだから。
他のは知識がないと分からないだろうし。
後は魔法的効果が無いために即効性はないものの色々使える軟膏とか痛み止め、自然治癒力を高める飲み薬の材料を選んでいく。
というか、現状ではそれくらいしか作れない。
スキル縛り中だからね。
これらをエルフさんに渡して会計してもらう。
「あ、本当に買うんだ」
「そりゃ買いますよ。それよりも、口調はいいんですか?」
「もう今更って感じだし」
「それもそうですね。あ、そういえばまだ名乗ってませんでしたね。俺はレンって言います。エルフさんはなんていう名前ですか? 出来れば教えてくれませんか?」
「私はエリュリュスフィー・エネカよ」
「えりゅりゅりゅしゅひぃ?」
「エリュリュスフィー。言いにくいでしょうしフィーでいいわ」
「それじゃあ、フィーさん。これから時々買い物に来るのでその時はよろしくお願いします」
「え……? あ、はい。よろしくお願いします」
「ああ、次からはあんまりふざけないので安心してください。仲良くなりたいですから」
「そ、そう……」
うーん。
警戒されちゃったなぁ。
流石にやりすぎちゃったか。
次からはもっと真面目に接しよう。
そしてゆくゆくは……。
うん。
もっと優しく接しよう。
お店を後にしてまた散策に。
ぶらぶらと街中を歩いていると屋台でアイスが売られているのを見かける。
へー、異世界だけど普通にアイス売られているんだね。
味のバリエーションは流石にそこまで多くなく果物系が5種類のみ。
ふむ。
林檎、蜜柑、葡萄、梨、マラサマ。
ふむ?
マラサマ
初めて見るな。
この世界特有の果物なのかな。
「ねぇ、ルセアちゃん。このマラサマってどんな果物なの?」
「そ、それはレンには必要ない……かな」
「ん? なんで俺には?」
「だって、それ……………だから」
「え、なんだって?」
ここ、難聴系とかじゃなくて、本当に聴こえてないから。
それくらい声小さかったから。
「だから……精力増強効果のある果物なの」
流石に往来で言うのは恥ずかしいのかこっそりと俺に耳打ちしてくる。
というか、なんでそんなもん売ってるんだよ!
流石エロゲー風異世界だな!
ってか、マラサマはマラ様って事かよ!
「ん? 嬢ちゃん興味あるのか? でも残念。まだ嬢ちゃんには早いかな。いつか好きな人が出来た時にでも恋人に食わせてやんな」
好きな人も恋人も今ここにいるんだけどね。
とはいえ、精力増強なら確かに俺には必要ないものというか、むしろ俺が精力増強なんてしようものならルセアちゃんがマジで壊れてしまう可能性がある。
ルセアちゃんはルセアちゃんで超絶倫さんなので必要はない。
ハイネちゃんには必要かもだけど。
今はそういうつもりがないけど、その内買って食べさせてめちゃくちゃにして欲しい。
他にも用意するのもありかも。
「レン? あ、林檎、蜜柑、葡萄、梨を1つずつください」
「ルセアちゃんどんだけ食べるの!?」
「いや、全員分だから。他のが食べたかったら分けて貰えばいいでしょ」
「あ、なるほど」
それぞれ1つずつアイスを持ってまたぶらぶらと街中を歩いていく。
俺のは梨でスッキリとした甘さが最高。
とはいえ他のも食べたいのでみんなからちょっとずつ分けてもらう。
「それちょっとちょうだい」
「あ、もう、急に食べないでよね」
「だってそっちのも美味しそうだったし。後百合ちゃんと間接キスしたかったから」
「もう! 何言ってるのよ!」
「えへへ」
「全く……」
顔を赤くする百合ちゃんが可愛いです。
ごちそうさまです。
アイスを食べ終わったので容器はひとまず全部回収して、ゴミ箱を見かけたらその時に捨てるとして、さてさて、次はどこに行こうかなー。
ちょっと面白いことを思いついた。
このエルフさんがどんな反応してくれるのか楽しみだ。
「で、これってこの値段でいいんですよね?」
「へ? あ、いえ、これはさっきも言った通りかなり値が張ると……」
「でもこの値段って書いてありましたよ? え、もしかして詐欺なんですか?」
「うぇっ!? さ、詐欺とかそんなつもりなくて……というか、こっちが損する詐欺ってなんですか!?」
「それなら、わざと高額商品を安く買わせて、そのあと怖い人達が出てきてその事を通報されたくなければ言うことを聞けって……」
「そんなー、そんなことになったら私達どうなっちゃうのー?」
お、ハイネちゃんも乗ってきた。
「それはもちろん、良くないところに連れてかれておじさま達に代わる代わる犯されて最後には……」
「そんなぁ~……」
「しないから! もうその値段でいいから!」
言質取りましたー。
とまあ、おふざけはこの辺にしておこう。
エルフさん、なんかもう、泣きそうになってるし。
「いい加減にしなさい!」
「あいたっ!」
「痛っ!?」
そろそろやめようかと思ってたら、百合ちゃんに殴られた。
「うぅ……そろそろやめようと思っていたのに……」
「やめるじゃなくて、最初からやらないの! うちのバカ2人がご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ありません! ほら、謝って! 2人も謝って!」
「「ごめんなさい」」
「この通り2人も謝ってますので」
「本当にごめんなさい。エルフさんが可愛かったからつい揶揄いたくなっちゃいました」
「か、かわっ!?」
「可愛いよね?」
「うん、可愛かった」
「も、もう、あんまり揶揄わないで……」
「というわけで今晩デートしません?」
「どういうわけで!?」
「おすすめの宿調べておきますんで」
「いきなり宿直行!?」
「あ、ずるーい! 私も私も! 私も混ぜて!」
「3人で!?」
「いい加減にしなさい!」
「「2回目!!」」
「全く……本当にごめんなさい。今連れ帰りますので……」
「あ、待って待って! まだ買ってないから!」
「なら早くしなさい」
百合ちゃんが怖い。
これはもう揶揄えないかな。
おもしろ可愛かったのに……。
というわけで真面目に買い物をします。
さっきの月光草だが、あれは魔力回復が出来るMPポーションの材料になる。
魔力操作の特訓をしている今は体力回復のポーション以上に必要なものだろうし、多めに買っておこう。
後は普通の薬草。
こちらは一応名前はあるものの、一般的には薬草といえばこれを指す。
理由は単純で、冒険者が薬草として採取してくるのがこれだから。
他のは知識がないと分からないだろうし。
後は魔法的効果が無いために即効性はないものの色々使える軟膏とか痛み止め、自然治癒力を高める飲み薬の材料を選んでいく。
というか、現状ではそれくらいしか作れない。
スキル縛り中だからね。
これらをエルフさんに渡して会計してもらう。
「あ、本当に買うんだ」
「そりゃ買いますよ。それよりも、口調はいいんですか?」
「もう今更って感じだし」
「それもそうですね。あ、そういえばまだ名乗ってませんでしたね。俺はレンって言います。エルフさんはなんていう名前ですか? 出来れば教えてくれませんか?」
「私はエリュリュスフィー・エネカよ」
「えりゅりゅりゅしゅひぃ?」
「エリュリュスフィー。言いにくいでしょうしフィーでいいわ」
「それじゃあ、フィーさん。これから時々買い物に来るのでその時はよろしくお願いします」
「え……? あ、はい。よろしくお願いします」
「ああ、次からはあんまりふざけないので安心してください。仲良くなりたいですから」
「そ、そう……」
うーん。
警戒されちゃったなぁ。
流石にやりすぎちゃったか。
次からはもっと真面目に接しよう。
そしてゆくゆくは……。
うん。
もっと優しく接しよう。
お店を後にしてまた散策に。
ぶらぶらと街中を歩いていると屋台でアイスが売られているのを見かける。
へー、異世界だけど普通にアイス売られているんだね。
味のバリエーションは流石にそこまで多くなく果物系が5種類のみ。
ふむ。
林檎、蜜柑、葡萄、梨、マラサマ。
ふむ?
マラサマ
初めて見るな。
この世界特有の果物なのかな。
「ねぇ、ルセアちゃん。このマラサマってどんな果物なの?」
「そ、それはレンには必要ない……かな」
「ん? なんで俺には?」
「だって、それ……………だから」
「え、なんだって?」
ここ、難聴系とかじゃなくて、本当に聴こえてないから。
それくらい声小さかったから。
「だから……精力増強効果のある果物なの」
流石に往来で言うのは恥ずかしいのかこっそりと俺に耳打ちしてくる。
というか、なんでそんなもん売ってるんだよ!
流石エロゲー風異世界だな!
ってか、マラサマはマラ様って事かよ!
「ん? 嬢ちゃん興味あるのか? でも残念。まだ嬢ちゃんには早いかな。いつか好きな人が出来た時にでも恋人に食わせてやんな」
好きな人も恋人も今ここにいるんだけどね。
とはいえ、精力増強なら確かに俺には必要ないものというか、むしろ俺が精力増強なんてしようものならルセアちゃんがマジで壊れてしまう可能性がある。
ルセアちゃんはルセアちゃんで超絶倫さんなので必要はない。
ハイネちゃんには必要かもだけど。
今はそういうつもりがないけど、その内買って食べさせてめちゃくちゃにして欲しい。
他にも用意するのもありかも。
「レン? あ、林檎、蜜柑、葡萄、梨を1つずつください」
「ルセアちゃんどんだけ食べるの!?」
「いや、全員分だから。他のが食べたかったら分けて貰えばいいでしょ」
「あ、なるほど」
それぞれ1つずつアイスを持ってまたぶらぶらと街中を歩いていく。
俺のは梨でスッキリとした甘さが最高。
とはいえ他のも食べたいのでみんなからちょっとずつ分けてもらう。
「それちょっとちょうだい」
「あ、もう、急に食べないでよね」
「だってそっちのも美味しそうだったし。後百合ちゃんと間接キスしたかったから」
「もう! 何言ってるのよ!」
「えへへ」
「全く……」
顔を赤くする百合ちゃんが可愛いです。
ごちそうさまです。
アイスを食べ終わったので容器はひとまず全部回収して、ゴミ箱を見かけたらその時に捨てるとして、さてさて、次はどこに行こうかなー。
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