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眷属達への餌付け
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6人が帰ってくる。
それまでの時間で材料を使い切ってポーションを作成し、全部で42本のポーションが出来た。
3人で分けるとなると1人14本か。
微妙だな。
後3本あれば切りよく1人15本になったんだけど、そこは仕方ないか。
「おかえりー。どうだった?」
「ごぶいち、ごぶたろう、ごぶのすけの3名はレベルが6へと上がり、ボブとツバサは5、私は4に上がりました」
「そうか。みんな一緒に戦ったんだよね?」
「はい」
「となると、レベル差は種族差によるものなのかな」
「恐らくは」
ごぶいち達は元はただのゴブリンで、ボブとツバサはそれぞれゴブリンとハーピィの上位種で差があるのは納得出来るし、ルーナに至っては吸血鬼の特徴を強く持つ新種の魔物で多分1番格が高く、それ故にレベルアップに必要な経験値量が他のみんなよりも多くなったとしてもおかしくはないだろう。
「さ、みんな疲れたでしょ。ゆっくり休んでて。俺は今からお昼の準備するからさ」
「そんな! マスターが自ら作らなくとも!」
「じゃあルーナは作れるの?」
「……すみません。やった事ありません」
「でしょ? あんまり気にせずのんびりしててよ」
さて、何を作ろうかね?
いつもは適当に買ったのをあげていたけど……というか、作る場所がないからそうせざるを得ないんだけど。
前の時の反省を踏まえて調理器具も調味料も揃えたから大抵の物は作れる。
とはいえ、あまり時間をかけるのもな。
んー、とりあえずサンドウィッチとスープでいいかな。
土魔法でかまどを作り、水も魔法で用意して、と。
鶏肉を照り焼きにしてそれを野菜と一緒にパンと挟むとして、焼いている間に並行してスープを作る。
んーと、ハーブを足した方がいいかな。
後胡椒も少々……こんなもんかな。
鶏肉が焼けたので野菜と一緒に挟んで完成っと。
「はーい、出来たよー」
照り焼きのいい匂いが辺りに充満していたから、みんなはもう待ちきれないとばかりに渡したそばからかぶりついていく。
そして笑顔。
うんうん、作った甲斐があったね。
さて、それじゃあ俺も。
美味い。
自画自賛になるけど、甘辛いタレがジューシーな鶏肉とマッチしてて最高だね。
スープも野菜の旨味がしっかり出てるし、香りも申し分ない。
「アノ、ゴシュジン……ソノ……」
「ん? もしかしておかわり欲しいの?」
「ホ、ホシイ……」
「みんなも欲しい?」
「「「ごぶ!」」」
「ソノ、サシツカエナケレバ……」
「私も、欲しい、です……」
「はーい。それじゃあ作るから待ってて」
なんか、母親になった気分だ。
でも、悪い気はしないかな。
ボブとかでかい図体してるのになんだか申し訳なさそうにしてるっていうギャップがかわいいし、他の子達も主人に手間をかけさせるのは……でも食べたいし……みたいな顔してるんだよね。
あんな顔見せられたらもう、かわいいと思っちゃうし、しょうがないなぁって思わされちゃうよね。
みんなの分のおかわりを追加で作り、ついでに自分の分も作っていく。
ボブは図体でかいしもう一個作っておいた方がいいかな。
あ、スープもあった方がいいかな。
それにちゃんとした飲み物もあった方がいいよね。
そうして忙しなく働いていると、何やら無粋な連中がやって来た。
「そこの君! 魔物に囲まれてるぞ!」
「はぁ?」
「今助けに、くっ、なんだこれは!? 見えない壁!?」
「はぁ~……あのさぁ、この状況のどこが魔物に囲まれている風に見えるのさ。みんな行儀良く……はないけど、きちんと座って待ってるじゃん。これのどこに助けられる要素があるのさ?」
うん。
みんな待ちきれないとばかりにスプーンを握りしめてこっちの方を見てるからね。
行儀良くはないかな。
でも襲うような雰囲気はないし。
「それに、この子達は全員俺の血を分けた家族だよ」
「何っ!? つまり君は、魔物だったという事か! 騙すとは卑怯な! 成敗してくれる!」
うっわ、めんどくさっ!
「うっわ、めんどくさっ!」
あ、声に出しちゃった。
ま、いいや。
めんどくさいのは間違いないし。
というよりも鬱陶しいか。
あっちとこっちは結界で隔てられているからあの馬鹿は入ってこれない。
だから無視してもいいんだけど、今もギャーギャー騒ぎながら結界に剣をぶつけて来てるんだよね。
そう簡単に破られるわけないから安心とはいえ、こうも煩いとね……。
「音絶結界」
というわけで更に音を遮断する結界を内側に追加で張る。
これで音も入って来ない。
ほっときゃそのうち飽きて帰るでしょ。
あ、そうだ。
ついでに嫌がらせもしておこう。
こっちも嫌がらせされてるようなもんだし、これでおあいこって事で。
甘辛いタレのいい匂いを扇いで馬鹿に嗅がせる。
もちろん食べさせないけどね。
と、これで全部完成っと。
「はーい、おかわりお待ちー」
待ってましたーとばかりに眷属達が喜びに湧く。
俺も自分の分を持って座りおかわりを再びパクリ。
うん、今回もいい出来だ。
そうして食事に夢中になっている間にいつのまにか馬鹿はいなくなっていた。
諦めて帰ったのかな。
これでやっとゆっくり出来るな。
それまでの時間で材料を使い切ってポーションを作成し、全部で42本のポーションが出来た。
3人で分けるとなると1人14本か。
微妙だな。
後3本あれば切りよく1人15本になったんだけど、そこは仕方ないか。
「おかえりー。どうだった?」
「ごぶいち、ごぶたろう、ごぶのすけの3名はレベルが6へと上がり、ボブとツバサは5、私は4に上がりました」
「そうか。みんな一緒に戦ったんだよね?」
「はい」
「となると、レベル差は種族差によるものなのかな」
「恐らくは」
ごぶいち達は元はただのゴブリンで、ボブとツバサはそれぞれゴブリンとハーピィの上位種で差があるのは納得出来るし、ルーナに至っては吸血鬼の特徴を強く持つ新種の魔物で多分1番格が高く、それ故にレベルアップに必要な経験値量が他のみんなよりも多くなったとしてもおかしくはないだろう。
「さ、みんな疲れたでしょ。ゆっくり休んでて。俺は今からお昼の準備するからさ」
「そんな! マスターが自ら作らなくとも!」
「じゃあルーナは作れるの?」
「……すみません。やった事ありません」
「でしょ? あんまり気にせずのんびりしててよ」
さて、何を作ろうかね?
いつもは適当に買ったのをあげていたけど……というか、作る場所がないからそうせざるを得ないんだけど。
前の時の反省を踏まえて調理器具も調味料も揃えたから大抵の物は作れる。
とはいえ、あまり時間をかけるのもな。
んー、とりあえずサンドウィッチとスープでいいかな。
土魔法でかまどを作り、水も魔法で用意して、と。
鶏肉を照り焼きにしてそれを野菜と一緒にパンと挟むとして、焼いている間に並行してスープを作る。
んーと、ハーブを足した方がいいかな。
後胡椒も少々……こんなもんかな。
鶏肉が焼けたので野菜と一緒に挟んで完成っと。
「はーい、出来たよー」
照り焼きのいい匂いが辺りに充満していたから、みんなはもう待ちきれないとばかりに渡したそばからかぶりついていく。
そして笑顔。
うんうん、作った甲斐があったね。
さて、それじゃあ俺も。
美味い。
自画自賛になるけど、甘辛いタレがジューシーな鶏肉とマッチしてて最高だね。
スープも野菜の旨味がしっかり出てるし、香りも申し分ない。
「アノ、ゴシュジン……ソノ……」
「ん? もしかしておかわり欲しいの?」
「ホ、ホシイ……」
「みんなも欲しい?」
「「「ごぶ!」」」
「ソノ、サシツカエナケレバ……」
「私も、欲しい、です……」
「はーい。それじゃあ作るから待ってて」
なんか、母親になった気分だ。
でも、悪い気はしないかな。
ボブとかでかい図体してるのになんだか申し訳なさそうにしてるっていうギャップがかわいいし、他の子達も主人に手間をかけさせるのは……でも食べたいし……みたいな顔してるんだよね。
あんな顔見せられたらもう、かわいいと思っちゃうし、しょうがないなぁって思わされちゃうよね。
みんなの分のおかわりを追加で作り、ついでに自分の分も作っていく。
ボブは図体でかいしもう一個作っておいた方がいいかな。
あ、スープもあった方がいいかな。
それにちゃんとした飲み物もあった方がいいよね。
そうして忙しなく働いていると、何やら無粋な連中がやって来た。
「そこの君! 魔物に囲まれてるぞ!」
「はぁ?」
「今助けに、くっ、なんだこれは!? 見えない壁!?」
「はぁ~……あのさぁ、この状況のどこが魔物に囲まれている風に見えるのさ。みんな行儀良く……はないけど、きちんと座って待ってるじゃん。これのどこに助けられる要素があるのさ?」
うん。
みんな待ちきれないとばかりにスプーンを握りしめてこっちの方を見てるからね。
行儀良くはないかな。
でも襲うような雰囲気はないし。
「それに、この子達は全員俺の血を分けた家族だよ」
「何っ!? つまり君は、魔物だったという事か! 騙すとは卑怯な! 成敗してくれる!」
うっわ、めんどくさっ!
「うっわ、めんどくさっ!」
あ、声に出しちゃった。
ま、いいや。
めんどくさいのは間違いないし。
というよりも鬱陶しいか。
あっちとこっちは結界で隔てられているからあの馬鹿は入ってこれない。
だから無視してもいいんだけど、今もギャーギャー騒ぎながら結界に剣をぶつけて来てるんだよね。
そう簡単に破られるわけないから安心とはいえ、こうも煩いとね……。
「音絶結界」
というわけで更に音を遮断する結界を内側に追加で張る。
これで音も入って来ない。
ほっときゃそのうち飽きて帰るでしょ。
あ、そうだ。
ついでに嫌がらせもしておこう。
こっちも嫌がらせされてるようなもんだし、これでおあいこって事で。
甘辛いタレのいい匂いを扇いで馬鹿に嗅がせる。
もちろん食べさせないけどね。
と、これで全部完成っと。
「はーい、おかわりお待ちー」
待ってましたーとばかりに眷属達が喜びに湧く。
俺も自分の分を持って座りおかわりを再びパクリ。
うん、今回もいい出来だ。
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諦めて帰ったのかな。
これでやっとゆっくり出来るな。
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