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囲まれたから逃げるよ

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ゴブリンを倒し終わった3人によって俺からホーンラビットが引き剥がされて倒される。
それを見てちょっともったいないと思ってしまった。

「ふぅ~、あー、気持ちよかった」
「全然余裕なのね……」
「まあ、このくらいはね。本音を言えばもう暫く時間をかけてくれても良かったんだよ?」
「いやいや、ホーンラビットってすっごい絶倫で何もしなければ丸一日腰を振り続けるって話なんだよ?」
「え、丸一日?  それはちょっと困るなぁ……夜寝ないと背伸びないし」
「気にするところそこなの!?」
「もちろんそれだけじゃなくて、ルセアちゃんとの蜜月が減っちゃうのは困るからね!」
「馬鹿……」
「いや、そういう事じゃないと思うんだけど……本当に嫌じゃないの?」
「なんで?  だって気持ちいいじゃん。まあ、どうとでもなるっていう安心感があるからこそ出来る事なんだけどね」
「そうなの?」
「例えばこうやったり、あるいは眷属を出したりってね」

空間支配で手頃な石を真っ二つにして見せる。
眷属に関しては戦力として頼れそうなのがボブとツバサ、ルーナ辺りかな。
今回は必要無かったけど。

水魔法で服の上から汚れを落とし、そして風魔法で一気に乾かす。
水魔法で水分を分離とかも出来なくはないけど、それをすると身体の水分まで持ってかれそうだからやめておいた。
ちなみに、水分の分離をする魔法なんて今の所存在しないが、魔力を直接操作して魔法現象として発現させる事はできる。

「さて、それじゃあサクサクと討伐を進めていこうか」
「あ、うん」

ホーンラビットの討伐は苦戦を強いられた。
ホーンラビットは低姿勢な上にすばしっこいせいでルセアちゃん、ハイネちゃん、百合ちゃんの攻撃がなかなか当たらない。
また草木に隠れてしまう所為で発見が遅れてしまい、気付かれる前に攻撃することが出来ずに毎回戦闘へと発展してしまう。
そして、翻弄されているうちに誰かしらが性的に狙われてしまい、俺も攻撃へと回れずに狙われた子を庇って犯されまくっている。

「また来たぁぁぁ♡  あっ、はっ、これじゃっ、やっ、まんこが、んっ、乾く暇、んんっ、ないよっ、ああっ♡」
「んぁぁぁぁ♡  な、なにこれ、はやっ、んんっ、はやいよ、あぁんっ、やっ、まって、もう出てる!?  って、全然、腰、あはぁんっ、止まらない、やっ、まっ、んんんんっ♡」

2羽同時に出て来た時はハイネちゃんも百合ちゃんを庇って一緒に犯されたりして、なんとか討伐を進めていって、ようやく依頼達成まで後3羽というところまで来た。

「ホーンラビットは大きさはそこまでじゃないけど、あの腰振りの速さはヤバいね」
「でしょー。あ、でもそれよりもハイネちゃんは妊娠とか大丈夫なの?」
「あー、私は一応薬を飲んでるから平気かな。値段はそこまでじゃないけど、毎日飲むと結構馬鹿にならない値段になるんだよねー。でも妊娠しない為には仕方ないけどさ。その点レンちゃんは選べるっていうのは羨ましいなー。お金かからないし」
「まあ、その点は楽かな」

それにしても避妊薬か。
ルセアちゃんがこっそり飲んでいるアレもそうなんだろうな。
まあ、流石に今妊娠しても色々と負担が大きいし当然と言えば当然だな。
ちょっとモヤモヤするけど。
でもそれは妊娠していない俺が言える事じゃないし文句は言わないけど。

「そんな話よりも、まずはその格好を何とかしなさいよ……ベトベトよ?」
「あー。レンちゃん、私にも綺麗にするやつやってくれない?」
「もちろんいいよ」

というか、そんな狐っ子美少女が白濁液で汚れている姿なんて見せられたら目に毒というか、興奮してしまう。
ここで誘うわけにもいかないのでちゃんと綺麗にする。
それに、ハイネちゃんに許可を取らないとヤっちゃダメだしね。

さて、残り3羽だけど、もしも3羽同時に出てきたらどうするんだろう?
ホーンラビットは四つん這い状態へと押し倒してから挿入してくるから、どうしても1人1羽しか相手に出来ない。
そうなった時は……いや、多分大丈夫。
その時は先に1羽倒してしまえば俺とハイネちゃんで庇う事が出来るし、何も問題はないか。

なんてフラグな事を考えていたら4羽のホーンラビットを発見した。
ただし……絶賛4P中の、という言葉がついてくるが。
メスのホーンラビットって角が少し小さめなんだね~……等と現実逃避している場合ではない。
せっかく隙だらけで居てくれるのだから倒さない手はない。
というわけでサクッとやって御臨終してもらった。

「これで依頼の数は集まったけど、討伐証明部位以外はどうするの?」
「基本は買取してもらうけど、お肉は食べられるから幾つか貰っていく?」
「うーん、じゃあ1羽分だけ」
「ボクも1羽分貰うね」
「私はいいかな……調理出来る気がしないし」
「じゃあ、2羽分のお肉を貰うって事で、残りは全部買取に出すね」

ちなみに、お肉以外の使い道だと、毛皮は衣服や防具、装飾品になり、骨は肥料や料理の出汁の材料として、睾丸が格安の精力剤になる。
格安というだけあって効果はそれほどでもないらしい。
そんで、角が討伐証明部位となる。

依頼の魔物も倒し終わり後は帰るだけというところで不穏な気配を感じる。
遠足は帰るまでが遠足とはよく言ったもので、全てが終わるまでは気を抜くべきじゃないという事を今身にしみて理解する。

「みんな、囲まれている」

3人に状況を伝えつつ周囲を窺っていると、こちらに動きがないことに痺れを切らしたのかその姿を現す。
どうやら俺達を囲んでいたのは狼系の魔物のようで数は16。
その中に1匹だけ他のよりも身体の大きな狼がいて、多分そいつがボス個体だろう。

「流石に数が多すぎる……」
「どうやら、ホーンラビットを囮として使っていたみたいだね」

俺1人なら2つの意味で全部相手出来るけど、3人がいる場合はそうもいかない。
不意を突かれて誰かしらが狙われないとも限らないし、そうなった時にルセアちゃんと百合ちゃんの後衛組は対処しきれないだろう。
そうなると殺されるかもしれない、襲われるかもしれない。
ルセアちゃんがそんな事になったら、俺がどうなるか、何をするのか、分からない。
だからここは逃げ一択。

「吹っ飛べ!」

街道に近い位置にいた奴を風魔法で吹っ飛ばす。

「こっち!  逃げるよ!」

そう言いながらルセアちゃんを抱き上げて作った包囲の穴へと向かう。
百合ちゃんはハイネちゃんが抱えている。

「ルセアちゃん!  後ろに魔法を撃てる!?」
「やってみせる!」

分かったではなく、やってみせる、ね。
出来るかは分からないけど、それでも成功させてみせるという意志を感じるセリフだ。

後ろで『キャイン!』という狼の悲鳴が聞こえて来たから、多分ルセアちゃんがやってくれたんだろう。
ルセアちゃんを抱き上げているから背後を振り返ることが出来ないから見れないけど。

「後ろはどうなってる!?」
「追って来てる!」
「くそっ!  出し惜しみしてる暇ないか!  ツバサ、ルーナ!  2人を抱えて飛んで!」
「ワカッタ」
「かしこまりました」
「え、誰!?」
「ハーピィ!?」
「その2人は俺の眷属だから安心して!」

ツバサはハーピィなので足でハイネちゃんを掴んで飛び、ルーナはヴァンピュイアに進化した事で翼が腰から生えるようになったおかげで自由になった手で百合ちゃん抱き抱えて飛ぶ。
そして俺は自前の翼を出してルセアちゃんを抱き上げたまま空へと羽ばたく。

流石に空までは追って来れないようで、暫くウロウロとした後諦めて森の奥へと姿を消す。
ふぅ……なんとかなったか。

「それはそれとしてマスター、肌がピリピリするのですが……」
「……自分で何とか出来ないの?」
「闇魔法はまだ習熟度が足りず、防ぐことは出来ません」
「あ、そう……」

なんとかなったと安堵した矢先にこれだ。
随分と締まらないことで。
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