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王として
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勇輝は自身にあてがわれた部屋でくつろぎながら葵、雪羅と談笑する。
主な内容は勇輝が召喚されてからのお互いに起きた出来事である。
そうして過ごしているとメイドがやって来てお昼の支度が出来たと告げる。
アリスと合流しそのメイドに促されて勇輝達は食堂へと向かう。
「改めまして、ユウキ様、セツラ様、アオイ様。魔法世界トライザードにようこそ。ささやかですが、お祝いの料理を用意しましたので存分に堪能して下さい。」
リリアはそう言ったが並べられている物は決してささやかでなく、テレビで見るようないかにも高級そうな料理が並んでいる。
そしてその見た目や香りが勇輝達の食欲を刺激する。
勇輝達が着席すると何処からか複数のメイドが現れすべての料理の毒味をするという徹底ぶり。
その徹底ぶりに面食らいつつも、未知の、それでいて美味しそうな料理の誘惑には勝てずに勇輝達は食べ始める。
その料理には未知の食感や味をしている食材はあれど、どれも見た目通りの美味しさを誇りどんどんと食べていく。
そして、全員が食べ終わる頃を見計らったかのようなタイミングでデザートが出される。
これもメイドによる毒味の後、勇輝達は美味しく頂いた。
「ごちそうさまでした。どれもこれも本当に美味しかったです。」
「ありがとうございます。」
「でも、どうして毒味なんてしたんですか?」
「それは、帝国側の干渉を警戒したからです。使い魔のことがバレ、勇者が召喚されたと知れば戦闘前に勇者を亡き者にしようと企んだとしても不思議はないと思い、彼女達に毒味するように指示を出しました。」
「それでもし本当に毒が入っていたらどうするんですか!?」
「どうもしません。即死でなければ解毒すればいいですし、即死であるなら丁重に弔い、親族に謝罪とお詫びの品を贈るだけです。ユウキ様達には酷い人のように映るかもしれませんが、私は王なのです。王である私は国を豊かにし護る事を最優先に考えなくてはならないのです。その為なら、私は泥にまみれようとも前を向いて進まなければならない。それが全ての国民が笑顔になる道だと信じて。」
「「………………………。」」
「すみません。随分と暗い雰囲気にしてしまって。本当はこの後城の中を案内したかったのですが、そんな雰囲気ではありませんね。そろそろ白音さん……でしたっけ? ユウキ様の式神を再召喚できるようになる頃でしょうからお貸しいただけますか? 今日中に使い魔を駆除しておきたいので。それと、今日はゆっくりしていてくれて結構ですし、もし、城を見て回りたいのならば部屋に備え付けてある鈴を鳴らせばメイドが来ますのでその者に案内してもらってください。それでは、私はこれで。」
リリアの発言を聞いて暗くなる勇輝と葵。
アリスは当然だと思ってはいるものの二人を気遣って物音を立てずにじっと座っている。
雪羅もまた勇輝の考える時間を邪魔しないように静かにしていた。
そんな中、勇輝は式符を取り出すと白音を召喚する。
「雪羅。悪いんだけど、白音と一緒にリリアさんの所に行ってくれないかな? 僕は、僕にできる事をするからさ。」
「分かりました。さあ、行きますよ、白音。」
「ゆー、君?」
「ユウキさん。」
勇輝のできる事をするという発言から葵とアリスはそれぞれ勇輝に声をかけていく。
それに対して勇輝はこう言葉を紡ぐ。
「さっきゆーちゃんにも言ったよね。先代の王様が逃げて死んじゃったって。戦争を仕掛けられてからだからきっとリリアさんが王位を継いだのは最近のはずだよ。なのに、自分は王だからって一生懸命に頑張っててさ。リリアさんは僕達とそんなに変わらないのに。さっきの泥にまみれてもって奴も国民が幸せになれるならどんな事もするっている覚悟が感じられて、それに、そんな事を言えるなんて、リリアさんは優しいと思うんだよ。本当に国民を大事に思ってないとそんな事は言えないよ、普通。だから、僕はそんなリリアさんを少しでも助けたいんだ。」
「ゆー君。」
「ユウキさん。」
「まあ、後は折角自由に動き回れるようになったんだし、暴れてみたいってのもあるんだけどね。」
「ゆー君……。」
最後の言葉を聞いてガックリきた葵だが、勇輝の頬が少し赤くなっているのに気づくとその顔に微笑を浮かべる。
(いっぱい喋って照れくさくなったのかな? もー、ゆー君ってばかわいい。)
「そうだよね。折角異世界に来たんだし、楽しまなきゃ損だよね。その為にも先ずは目の前の問題を片付けよう!」
「うん。」
葵の言葉に応じた勇輝は早速、リリアの手伝いをしようと部屋を飛び出して…………………すぐに戻ってきた。
「リリアさんの場所、分かんないや。というか、そもそもどこに何があるのかすら分からないし。」
「あはは……そういえばそうだったね。」
「ぷっ。クスクス。」
自分も勇輝の後に続こうとしていた葵は自分も同じだったことに苦笑する。
そしてその間抜けな様にアリスは思わず吹き出してしまう。
「ちょっ、アリスさん笑うのは酷くない!?」
「ふふふっ、ご、ごめんなさい。でも、つい、ふふっ。」
「も~。」
「あはは。ごめんなさい。お詫びといっては何ですが、私がこの城を案内しますね。」
笑ってしまったことを謝罪した後、アリスはメイドに言伝を頼んでから、ユウキ達を連れて城内を案内する。
アリスは厨房、遊戯室、大浴場、会議室、大広間、訓練場、大庭園を案内して、途中寝込んでいるレディックの様子を見た後大書庫へと案内したところで運良くリリア達と合流した。
主な内容は勇輝が召喚されてからのお互いに起きた出来事である。
そうして過ごしているとメイドがやって来てお昼の支度が出来たと告げる。
アリスと合流しそのメイドに促されて勇輝達は食堂へと向かう。
「改めまして、ユウキ様、セツラ様、アオイ様。魔法世界トライザードにようこそ。ささやかですが、お祝いの料理を用意しましたので存分に堪能して下さい。」
リリアはそう言ったが並べられている物は決してささやかでなく、テレビで見るようないかにも高級そうな料理が並んでいる。
そしてその見た目や香りが勇輝達の食欲を刺激する。
勇輝達が着席すると何処からか複数のメイドが現れすべての料理の毒味をするという徹底ぶり。
その徹底ぶりに面食らいつつも、未知の、それでいて美味しそうな料理の誘惑には勝てずに勇輝達は食べ始める。
その料理には未知の食感や味をしている食材はあれど、どれも見た目通りの美味しさを誇りどんどんと食べていく。
そして、全員が食べ終わる頃を見計らったかのようなタイミングでデザートが出される。
これもメイドによる毒味の後、勇輝達は美味しく頂いた。
「ごちそうさまでした。どれもこれも本当に美味しかったです。」
「ありがとうございます。」
「でも、どうして毒味なんてしたんですか?」
「それは、帝国側の干渉を警戒したからです。使い魔のことがバレ、勇者が召喚されたと知れば戦闘前に勇者を亡き者にしようと企んだとしても不思議はないと思い、彼女達に毒味するように指示を出しました。」
「それでもし本当に毒が入っていたらどうするんですか!?」
「どうもしません。即死でなければ解毒すればいいですし、即死であるなら丁重に弔い、親族に謝罪とお詫びの品を贈るだけです。ユウキ様達には酷い人のように映るかもしれませんが、私は王なのです。王である私は国を豊かにし護る事を最優先に考えなくてはならないのです。その為なら、私は泥にまみれようとも前を向いて進まなければならない。それが全ての国民が笑顔になる道だと信じて。」
「「………………………。」」
「すみません。随分と暗い雰囲気にしてしまって。本当はこの後城の中を案内したかったのですが、そんな雰囲気ではありませんね。そろそろ白音さん……でしたっけ? ユウキ様の式神を再召喚できるようになる頃でしょうからお貸しいただけますか? 今日中に使い魔を駆除しておきたいので。それと、今日はゆっくりしていてくれて結構ですし、もし、城を見て回りたいのならば部屋に備え付けてある鈴を鳴らせばメイドが来ますのでその者に案内してもらってください。それでは、私はこれで。」
リリアの発言を聞いて暗くなる勇輝と葵。
アリスは当然だと思ってはいるものの二人を気遣って物音を立てずにじっと座っている。
雪羅もまた勇輝の考える時間を邪魔しないように静かにしていた。
そんな中、勇輝は式符を取り出すと白音を召喚する。
「雪羅。悪いんだけど、白音と一緒にリリアさんの所に行ってくれないかな? 僕は、僕にできる事をするからさ。」
「分かりました。さあ、行きますよ、白音。」
「ゆー、君?」
「ユウキさん。」
勇輝のできる事をするという発言から葵とアリスはそれぞれ勇輝に声をかけていく。
それに対して勇輝はこう言葉を紡ぐ。
「さっきゆーちゃんにも言ったよね。先代の王様が逃げて死んじゃったって。戦争を仕掛けられてからだからきっとリリアさんが王位を継いだのは最近のはずだよ。なのに、自分は王だからって一生懸命に頑張っててさ。リリアさんは僕達とそんなに変わらないのに。さっきの泥にまみれてもって奴も国民が幸せになれるならどんな事もするっている覚悟が感じられて、それに、そんな事を言えるなんて、リリアさんは優しいと思うんだよ。本当に国民を大事に思ってないとそんな事は言えないよ、普通。だから、僕はそんなリリアさんを少しでも助けたいんだ。」
「ゆー君。」
「ユウキさん。」
「まあ、後は折角自由に動き回れるようになったんだし、暴れてみたいってのもあるんだけどね。」
「ゆー君……。」
最後の言葉を聞いてガックリきた葵だが、勇輝の頬が少し赤くなっているのに気づくとその顔に微笑を浮かべる。
(いっぱい喋って照れくさくなったのかな? もー、ゆー君ってばかわいい。)
「そうだよね。折角異世界に来たんだし、楽しまなきゃ損だよね。その為にも先ずは目の前の問題を片付けよう!」
「うん。」
葵の言葉に応じた勇輝は早速、リリアの手伝いをしようと部屋を飛び出して…………………すぐに戻ってきた。
「リリアさんの場所、分かんないや。というか、そもそもどこに何があるのかすら分からないし。」
「あはは……そういえばそうだったね。」
「ぷっ。クスクス。」
自分も勇輝の後に続こうとしていた葵は自分も同じだったことに苦笑する。
そしてその間抜けな様にアリスは思わず吹き出してしまう。
「ちょっ、アリスさん笑うのは酷くない!?」
「ふふふっ、ご、ごめんなさい。でも、つい、ふふっ。」
「も~。」
「あはは。ごめんなさい。お詫びといっては何ですが、私がこの城を案内しますね。」
笑ってしまったことを謝罪した後、アリスはメイドに言伝を頼んでから、ユウキ達を連れて城内を案内する。
アリスは厨房、遊戯室、大浴場、会議室、大広間、訓練場、大庭園を案内して、途中寝込んでいるレディックの様子を見た後大書庫へと案内したところで運良くリリア達と合流した。
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