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第53話 謝るソールーナ
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その日の夜。
「すみませんでした!」
ナイトドレスを着たソールーナは客室のベッドの上で、リュクレスに三つ指をついて謝っていた。
……というのも、夫婦の寝室はリュクレスによってかなり破壊されてしまったから、修繕までの間臨時として二人は客室にて寝起きすることになったのだ。
いままでは大きなベッド一つで寝ていたのだが、これからしばらくは普通サイズのベッド二つに分かれて寝ることになる。
「その……、誤解を与える行為をしたのだという自覚はあります。軽率でした。すみません」
「ちょっと待て、俺はいま混乱してるんだが……」
もう一つのベッドにあぐらをかいて座ったリュクレスは、向き合ったソールーナの顔を意外そうに見ていた。
「とりあえず。お前、謝るのか。昼のテンションとは大違いだな……」
「すみません! 絵を描くと周りが見えなくなっちゃって。あとから思い返したら、やっぱり悪かったかなぁって……」
「周りが見えなくなるとかいう問題じゃないだろ、あれは」
「……す、すみません。自分ではよく覚えてないんです」
「ええと。とりあえず、夫婦の寝室にオールヌードの男がいたら誤解されるのはやむないことだ、ということが今なら分かる、ということでいいんだな?」
「はい……」
「いやまぁ……、確かに言ってはいたけどな。まさか本当にヌードを描くとは思わなかったよ」
「それが、私もなんでヌードを描くことになったのかよく覚えていなくて……」
「それはユミリオに聞いた。大富豪の勝負でお前が勝ったらしいぞ」
「え、そうなんですか。やった、初勝利!」
と一瞬だけ顔を輝かせたが、すぐにソールーナはしゅんとした。
「……けどせっかくの初勝利なのに全然覚えてないです」
「しかし、まぁ……」
リュクレスははぁ、とため息をつきつつ仮面を被った額に手をやる。
「結局は俺への当てつけなわけだ……。お前がどう思っていようが、な」
「え?」
「騎士団の貴賓室で言ってただろ。二人っきりで過ごす濃密な時間……とかなんとか」
「ああ、あれですか……」
ユミリオが騎士団に乗り込んでいったときのことだ。ユミリオはソールーナとの仲(演技)を見せつけることで、リュクレスの嫉妬を煽ろうとしていた。
「あの、リュクレス様。だからあれは演技だと……」
「まだ演技は続いてるってことだろ。だからわざわざこの邸に来て密会なんかしてるんだろ?」
「……ああ、そうか。ええとですね……」
リュクレスは挿絵画家のスカウトのことを知らないから、すべてが自分に向けられた演技だと思っているのだ。
正式に決まってから言うつもりだったのだが、そうも言っていられないようである。
「……あの、実はですね……」
ソールーナは挿絵画家のスカウトのことをリュクレスに話した。
ユミリオ王子に出版社への伝手があること。そこで挿絵画家にスカウトされたこと。人物画を詳しく見てみたい、と言われたこと――。
「そうだったのか。ポートフォリオね……」
「はい。それで画家としての腕を見るために、ユミリオ様の前でユミリオ様を描くという依頼を受けまして」
「そうか……、それで描いてたらお前が暴走してあんなことになったのか……」
「……えへへっ」
「笑ってすますな」
小さくはぁっとため息をついてリュクレスは続ける。
「……まぁ、だいたいのことは分かった。だが夫婦の寝室なんだからな。そこに他の男を招き入れるなど……、いくらただのモデルとしか思っていないとしてもいい気はしないぞ」
「うっ。その通りでございます。今後、気をつけます」
「いやまぁ、俺も人のことは言えんけどな……。部屋やら家具やらを壊してしまったわけだし」
「えへへ。私たちって案外似たもの夫婦なのかもしれませんね」
「それはないな」
「うっ」
リュクレスの即答に思わず言葉に詰まるソールーナ。
「まぁ。そういうことなら、別にユミリオのヌードじゃなくてもいいんだろ?」
くくくっ、とリュクレスは笑う。
「俺のヌードでも描くか?」
だがソールーナは真面目な顔で頷いた。
「描かせてくれるのなら、描きます」
ユミリオに提出するスケッチに入れられそうだ、などと考えているソールーナ。
「いや待て。お前はヌードモデルに対してもうちょっと恥じろよ」
「え、モデルはモデルですし」
「昼間はあんなに恥ずかしがってたのに」
「……あれは絵を描いていないときでしたので……」
しどろもどろに言うソールーナ。
……そう。リュクレスが乗り込んできて、ソールーナがハッと気がついて……、目の前に素っ裸の王子様がいたのである。そりゃあ、何事かと驚いたし、同時に彼の下半身までばっちり目にしてしまって恥ずかしくもあった。
もちろん、スケッチを再開したあとは恥ずかしさは消えてしまった(ついでに記憶にもあまり残っていない)のであるが。
ついでにいうと、再度描かれたスケッチのヌードモデルの下半身にはシーツが巻き付けてあった。さすがにモロ出しを描くのは絵に集中している状態のソールーナですら抵抗があったのだろう。
「まぁ、こんど男のヌードを描くときは俺に言ってくれ。俺はお前の夫なわけだし、モデルにくらいなってやるから。だから、頼むから他の男の裸になんて興味持つなよ」
「はい! うわぁ、ありがとうございます! 英雄騎士の筋肉なんて……! きっとすっごく綺麗なんでしょうね! 期待大です!」
「お前なぁ……」
苦笑するリュクレスは頭を掻く。
「まぁ、いいか。それがお前らしいもんな」
……後日。
再建された寝室で、早速、ベッドで大富豪をするヌードモデルになったリュクレスがいたということである……。
「すみませんでした!」
ナイトドレスを着たソールーナは客室のベッドの上で、リュクレスに三つ指をついて謝っていた。
……というのも、夫婦の寝室はリュクレスによってかなり破壊されてしまったから、修繕までの間臨時として二人は客室にて寝起きすることになったのだ。
いままでは大きなベッド一つで寝ていたのだが、これからしばらくは普通サイズのベッド二つに分かれて寝ることになる。
「その……、誤解を与える行為をしたのだという自覚はあります。軽率でした。すみません」
「ちょっと待て、俺はいま混乱してるんだが……」
もう一つのベッドにあぐらをかいて座ったリュクレスは、向き合ったソールーナの顔を意外そうに見ていた。
「とりあえず。お前、謝るのか。昼のテンションとは大違いだな……」
「すみません! 絵を描くと周りが見えなくなっちゃって。あとから思い返したら、やっぱり悪かったかなぁって……」
「周りが見えなくなるとかいう問題じゃないだろ、あれは」
「……す、すみません。自分ではよく覚えてないんです」
「ええと。とりあえず、夫婦の寝室にオールヌードの男がいたら誤解されるのはやむないことだ、ということが今なら分かる、ということでいいんだな?」
「はい……」
「いやまぁ……、確かに言ってはいたけどな。まさか本当にヌードを描くとは思わなかったよ」
「それが、私もなんでヌードを描くことになったのかよく覚えていなくて……」
「それはユミリオに聞いた。大富豪の勝負でお前が勝ったらしいぞ」
「え、そうなんですか。やった、初勝利!」
と一瞬だけ顔を輝かせたが、すぐにソールーナはしゅんとした。
「……けどせっかくの初勝利なのに全然覚えてないです」
「しかし、まぁ……」
リュクレスははぁ、とため息をつきつつ仮面を被った額に手をやる。
「結局は俺への当てつけなわけだ……。お前がどう思っていようが、な」
「え?」
「騎士団の貴賓室で言ってただろ。二人っきりで過ごす濃密な時間……とかなんとか」
「ああ、あれですか……」
ユミリオが騎士団に乗り込んでいったときのことだ。ユミリオはソールーナとの仲(演技)を見せつけることで、リュクレスの嫉妬を煽ろうとしていた。
「あの、リュクレス様。だからあれは演技だと……」
「まだ演技は続いてるってことだろ。だからわざわざこの邸に来て密会なんかしてるんだろ?」
「……ああ、そうか。ええとですね……」
リュクレスは挿絵画家のスカウトのことを知らないから、すべてが自分に向けられた演技だと思っているのだ。
正式に決まってから言うつもりだったのだが、そうも言っていられないようである。
「……あの、実はですね……」
ソールーナは挿絵画家のスカウトのことをリュクレスに話した。
ユミリオ王子に出版社への伝手があること。そこで挿絵画家にスカウトされたこと。人物画を詳しく見てみたい、と言われたこと――。
「そうだったのか。ポートフォリオね……」
「はい。それで画家としての腕を見るために、ユミリオ様の前でユミリオ様を描くという依頼を受けまして」
「そうか……、それで描いてたらお前が暴走してあんなことになったのか……」
「……えへへっ」
「笑ってすますな」
小さくはぁっとため息をついてリュクレスは続ける。
「……まぁ、だいたいのことは分かった。だが夫婦の寝室なんだからな。そこに他の男を招き入れるなど……、いくらただのモデルとしか思っていないとしてもいい気はしないぞ」
「うっ。その通りでございます。今後、気をつけます」
「いやまぁ、俺も人のことは言えんけどな……。部屋やら家具やらを壊してしまったわけだし」
「えへへ。私たちって案外似たもの夫婦なのかもしれませんね」
「それはないな」
「うっ」
リュクレスの即答に思わず言葉に詰まるソールーナ。
「まぁ。そういうことなら、別にユミリオのヌードじゃなくてもいいんだろ?」
くくくっ、とリュクレスは笑う。
「俺のヌードでも描くか?」
だがソールーナは真面目な顔で頷いた。
「描かせてくれるのなら、描きます」
ユミリオに提出するスケッチに入れられそうだ、などと考えているソールーナ。
「いや待て。お前はヌードモデルに対してもうちょっと恥じろよ」
「え、モデルはモデルですし」
「昼間はあんなに恥ずかしがってたのに」
「……あれは絵を描いていないときでしたので……」
しどろもどろに言うソールーナ。
……そう。リュクレスが乗り込んできて、ソールーナがハッと気がついて……、目の前に素っ裸の王子様がいたのである。そりゃあ、何事かと驚いたし、同時に彼の下半身までばっちり目にしてしまって恥ずかしくもあった。
もちろん、スケッチを再開したあとは恥ずかしさは消えてしまった(ついでに記憶にもあまり残っていない)のであるが。
ついでにいうと、再度描かれたスケッチのヌードモデルの下半身にはシーツが巻き付けてあった。さすがにモロ出しを描くのは絵に集中している状態のソールーナですら抵抗があったのだろう。
「まぁ、こんど男のヌードを描くときは俺に言ってくれ。俺はお前の夫なわけだし、モデルにくらいなってやるから。だから、頼むから他の男の裸になんて興味持つなよ」
「はい! うわぁ、ありがとうございます! 英雄騎士の筋肉なんて……! きっとすっごく綺麗なんでしょうね! 期待大です!」
「お前なぁ……」
苦笑するリュクレスは頭を掻く。
「まぁ、いいか。それがお前らしいもんな」
……後日。
再建された寝室で、早速、ベッドで大富豪をするヌードモデルになったリュクレスがいたということである……。
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