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第15話 閑話:可愛い眠り姫2(リュクレス視点)
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不思議な花園の空間にとらわれた仮面のリュクレス。目の前には眠る新妻ソールーナがいる。
そしてこの状況を作ったのは聖域認定聖女であるフィメリア・アントセルモだ。
こんな状況ではあるが、リュクレスは感心してしまった。さすがはフィメリア王女だ。
高い魔力を生まれ持った彼女は、その能力も高く、様々な魔法を習得していると聞く。その魔力の高さから聖域に魔力を管理されるという話だ。
その力の使い方が間違っている気もするが。
何故、ソールーナとキスすることにここまでの大がかりな舞台装置を用意されなければならないというのか。
本来ならここにいるべきはフィメリア王女なのに、とリュクレスは思うのだ。
神与の英雄力を持つ仮面の騎士と、魔力の塊みたいな聖女姫。
なんともお似合いではないか。
たとえ姫が政略結婚をせねばならぬ身であとたとしても。騎士が姫との結婚をすべての人に結婚を反対され、好きでもない令嬢との結婚を押しつけられても。
それもまたおとぎ話的ではある、とリュクレスは思う。
こころを捧げた女性と添い遂げることができず、かえって意中でも何でもない女を宛がわれ、諦めろといわれるのだ。
ならば自分がすることはただ一つ。
こころの女性を一途に思い続けるのだ。
たとえ、その宛がわれた女性がとてつもなく好みのタイプだったとしても。
たとえ、そのとてつもなく好みのタイプの妻とキスしろと無茶ぶりされようとも。
たとえ……、その新妻との間に、白い結婚だのカタチだけの夫婦だのといった取り決めがなされていようとも。
(キスか……)
と、思う。
改めて考えてみれば、好みのタイプの女性とキスしなければならないこの状況は役得のような気がしてくる。
しかし、それでも少しくらいは探りをいれておきたい。
この状況は明らかにおかしいからだ。
何故自分はここでソールーナとキスしなければならないのか?
……もしかしたら。
(なんだ、ソールーナめ)
仮面の下でニヤリとしてしまうリュクレス。
おそらく、キスしたいからといってわざわざフィメリア王女に泣きついたのだろう。それでフィメリア王女は願いを聞き入れ策を弄してきた、と。
ソールーナめ、可愛いところがあるではないか。その行動力はウザいけど。
リュクレスに興味がないような振りをしておて、実際はキスしたくてたまらなかったのである。さすが俺超イケメン、と自画自賛するリュクレス。仮面を被っていようとイケメンオーラは隠せないものなのだ。
神与の英雄力を保ちつつ持ち前の美貌で全ての人類(男女問わない)にため息をつかせる。……そのためにはフィメリアの愛が必要だというのに……。
まったく、困った王女様である。
「むにゃぁ……」
そのとき、ソールーナの呟きが聞こえた。
……寝言だ。
ただ寝ているだけであろうことは予想できていたが、それでもリュクレスはホッとした。
それにしても、可愛い寝顔だ。
起きている時ももちろん可愛いが、眠っている時の表情はさらに幼くて無防備で……可愛らしい。
こんな妻だと思うと、もう……幸せすぎて色香に落ちそうになる。
だが落ちるものか。
自分は、『忘れられし愛の女神』とのゲームに勝ち、真にソールーナからの愛を手に入れるのだ!
「お腹いっぱい……」
「おい、結局それかよ」
思わず突っ込みを入れるリュクレスであった。
そしてこの状況を作ったのは聖域認定聖女であるフィメリア・アントセルモだ。
こんな状況ではあるが、リュクレスは感心してしまった。さすがはフィメリア王女だ。
高い魔力を生まれ持った彼女は、その能力も高く、様々な魔法を習得していると聞く。その魔力の高さから聖域に魔力を管理されるという話だ。
その力の使い方が間違っている気もするが。
何故、ソールーナとキスすることにここまでの大がかりな舞台装置を用意されなければならないというのか。
本来ならここにいるべきはフィメリア王女なのに、とリュクレスは思うのだ。
神与の英雄力を持つ仮面の騎士と、魔力の塊みたいな聖女姫。
なんともお似合いではないか。
たとえ姫が政略結婚をせねばならぬ身であとたとしても。騎士が姫との結婚をすべての人に結婚を反対され、好きでもない令嬢との結婚を押しつけられても。
それもまたおとぎ話的ではある、とリュクレスは思う。
こころを捧げた女性と添い遂げることができず、かえって意中でも何でもない女を宛がわれ、諦めろといわれるのだ。
ならば自分がすることはただ一つ。
こころの女性を一途に思い続けるのだ。
たとえ、その宛がわれた女性がとてつもなく好みのタイプだったとしても。
たとえ、そのとてつもなく好みのタイプの妻とキスしろと無茶ぶりされようとも。
たとえ……、その新妻との間に、白い結婚だのカタチだけの夫婦だのといった取り決めがなされていようとも。
(キスか……)
と、思う。
改めて考えてみれば、好みのタイプの女性とキスしなければならないこの状況は役得のような気がしてくる。
しかし、それでも少しくらいは探りをいれておきたい。
この状況は明らかにおかしいからだ。
何故自分はここでソールーナとキスしなければならないのか?
……もしかしたら。
(なんだ、ソールーナめ)
仮面の下でニヤリとしてしまうリュクレス。
おそらく、キスしたいからといってわざわざフィメリア王女に泣きついたのだろう。それでフィメリア王女は願いを聞き入れ策を弄してきた、と。
ソールーナめ、可愛いところがあるではないか。その行動力はウザいけど。
リュクレスに興味がないような振りをしておて、実際はキスしたくてたまらなかったのである。さすが俺超イケメン、と自画自賛するリュクレス。仮面を被っていようとイケメンオーラは隠せないものなのだ。
神与の英雄力を保ちつつ持ち前の美貌で全ての人類(男女問わない)にため息をつかせる。……そのためにはフィメリアの愛が必要だというのに……。
まったく、困った王女様である。
「むにゃぁ……」
そのとき、ソールーナの呟きが聞こえた。
……寝言だ。
ただ寝ているだけであろうことは予想できていたが、それでもリュクレスはホッとした。
それにしても、可愛い寝顔だ。
起きている時ももちろん可愛いが、眠っている時の表情はさらに幼くて無防備で……可愛らしい。
こんな妻だと思うと、もう……幸せすぎて色香に落ちそうになる。
だが落ちるものか。
自分は、『忘れられし愛の女神』とのゲームに勝ち、真にソールーナからの愛を手に入れるのだ!
「お腹いっぱい……」
「おい、結局それかよ」
思わず突っ込みを入れるリュクレスであった。
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