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第3話 閑話:お前を愛してはいけない2(リュクレス視点)
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翌朝。
リュクレスが寝不足のまま大あくびをしていると、ソールーナも起きて挨拶してきた。
「おはようございます、リュクレス様」
「おはよう……」
「どうしたんですか? 眠そうですけど。よく眠れなかったんですか?」
「お前の寝言が気になってな……」
結局寝言を真に受ける野馬鹿らしいと思い起こして問いただすことはしなかったが、今思うとそれがよくなかった。
気になって気になって、寝ては覚め寝ては覚めての繰り返しをしてしまったのだ。
「え、それはすみませんでした! あのぅ、ちなみにどんな寝言でしたか?」
「……。お前こそ、どんな夢を見ていたんだ?」
「リュクレス様がご馳走をいっぱい作って食べさせてくれるって夢です!」
「そ、そうか……」
ある意味想像通りの夢であった。
「夢のなかだけど、ありがとうございました。美味しかったです!」
その裏表のない笑顔が眩しかった。可愛い。滅茶苦茶タイプだ。
と思ったけれど、すぐに蓋をする。
仮面の下に思いを隠し、感情を押し殺す。
「……なんだ、昨夜とずいぶん違うじゃないか。俺にツンケン突っかかってくるだけのイヤミな女だったのに」
「昨夜のことはお互い様ってことですよ。私も結婚式があって疲れていた……、そういうことにしておきましょう。何にせよ、カタチだけとはいえ夫婦なんですから。顔を合わせたら喧嘩する、なんてのは疲れるだけです」
「確かにな」
そりゃあ、会えば必ず口喧嘩するような奴なんて、男と言わず女と言わず友人としても無理だ。
「まっ、夢のなかであ~んするくらいが丁度良い夫婦仲なんですよ、きっと。私たちの場合」
夢のなかの自分はあ~んして食べさせていたのか……。
いや、まあ……、うん。
正直、羨ましい。
「夢のなかであ~んね……。ふん、くだらんな。俺がお前を餌付けするなど」
だが出てくる言葉は正反対のものだった。
ソールーナは困ったように苦笑した。
「餌付けって。私は雛じゃないんですから……あ、どうせなら私がリュクレス様を餌付けして差し上げましょうか」
「何故そうなる」
「いいじゃないですか、夫婦なんですし。あ~んくらい」
「いや、でも仮面だからな」
「そういえばそうでした」
ふふ、と笑うソールーナ。
リュクレスはため息をつくが、仮面の下の頬は気がつけば緩んでいる。
「そういえばリュクレス様って食べるとき仮面取るんですか?」
「そりゃまあ。このままでは食べられないからな」
「そういえば宴のときも何もお召しになれられていませんでしたね」
「皆のいる前では食べない、食事は一人でとらせてもらう。それは事前に報告してあるはずだが」
「それだとあ~んできない……ハッ」
急に目を見開くソールーナ。その瞳には一際強い輝きが宿っている。
「なんだ、何を思いついた?」
「逆に私が目を隠してお口に運べばいいんじゃないですかね! この逆転の発想、すごくないですか!?」
「いや別にそこまでしてあ~んに情熱を燃やさなくてもいいから。色気ゼロのくせに」
「色気ゼロぉ? カタチだけとはいえ妻に対して酷いこと言いますね」
「本当のことなんだから仕方ないだろ」
「むぅ。せっかく仲良くなれると思ったのに。リュクレス様って意地悪です」
ぷいっと顔を背けるソールーナ。
子供っぽい仕草に思わず笑い声が漏れてしまう。
「前言撤回だな。お前はやはりツンケンして突っかかってくる針山女だ。せいぜい嫌われないように努力しろよ?」
「そのお言葉、そっくりそのままお返ししますよ。せいぜい嫌わないように頑張ってくださいね」
「……逆じゃないのか、それは」
「私は自分を変える気はありませんから」
「傲慢だな……」
「自分を変えられるほど器用じゃないんですよ」
「ふん、だがお前は必ず変わる。俺の素顔を見たそのとき、お前は俺の美貌に落ちるのだ。それが今から楽しみだよ」
「じゃあ今見せて下さいよ。今、私のこと落として下さい?」
「なんだ、ずいぶん乗り気じゃないか」
「ち、が、い、ます! リュクレス様が自信たっぷりだからそれなら一目見てあげてもいいかなって思っただけです」
「ふふ。せっかく興味を持ってくれたところ悪いが、仮面を取るのは今じゃない。いろいろと踏まねばならぬ順序というものがあるんだ……」
すると彼女は少し呆れたような顔になったあと、言い放った。
「あー、いいです。リュクレス様、やっぱり仮面外さなくてもいいです」
「なんだ? 今さら自分を変えられることに怖じ気がついたのか?」
「違います。どうせあなたの素顔なんか大したことないですから、期待するだけ無駄かなって」
「なんだと?」
「だいたいね、そんなに言うんでしたら今この場で私がイケメンにしてあげますよ」
「なに言ってるんだお前」
「私、これでも絵が描けるほうなんです。だからその白いお面にイケメン顔でも描いてあげますよ。そしたらまさにイケ面ってね……ふふ」
「黙れ。それで上手いこと言ったつもりか!」
「あれ? リュクレス様、もしかして照れてらっしゃいます?」
「いやいまの会話のどこに照れる要素があったんだ?」
「え、『黙れ!』ってとこ、ちょっとにニヤいてる感じしたんですが……」
「うるさい、もう喋るな。朝食に行くぞ」
「あ、ちょっと。待ってくださいよ!」
リュクレスは足早に部屋を出ていく。ソールーナが慌てて追いかけてくるが、リュクレスは気がつかれないようにそっと仮面の上から頬をおさえたのだった。
――妻との他愛ない朝の会話に、本当に、顔がニヤけっぱなしだったから。
こんなふうに誰かと楽しい会話を繰り広げるのはかなり久しぶりの体験である。
正直、かなり愉快な体験だった。
リュクレスが寝不足のまま大あくびをしていると、ソールーナも起きて挨拶してきた。
「おはようございます、リュクレス様」
「おはよう……」
「どうしたんですか? 眠そうですけど。よく眠れなかったんですか?」
「お前の寝言が気になってな……」
結局寝言を真に受ける野馬鹿らしいと思い起こして問いただすことはしなかったが、今思うとそれがよくなかった。
気になって気になって、寝ては覚め寝ては覚めての繰り返しをしてしまったのだ。
「え、それはすみませんでした! あのぅ、ちなみにどんな寝言でしたか?」
「……。お前こそ、どんな夢を見ていたんだ?」
「リュクレス様がご馳走をいっぱい作って食べさせてくれるって夢です!」
「そ、そうか……」
ある意味想像通りの夢であった。
「夢のなかだけど、ありがとうございました。美味しかったです!」
その裏表のない笑顔が眩しかった。可愛い。滅茶苦茶タイプだ。
と思ったけれど、すぐに蓋をする。
仮面の下に思いを隠し、感情を押し殺す。
「……なんだ、昨夜とずいぶん違うじゃないか。俺にツンケン突っかかってくるだけのイヤミな女だったのに」
「昨夜のことはお互い様ってことですよ。私も結婚式があって疲れていた……、そういうことにしておきましょう。何にせよ、カタチだけとはいえ夫婦なんですから。顔を合わせたら喧嘩する、なんてのは疲れるだけです」
「確かにな」
そりゃあ、会えば必ず口喧嘩するような奴なんて、男と言わず女と言わず友人としても無理だ。
「まっ、夢のなかであ~んするくらいが丁度良い夫婦仲なんですよ、きっと。私たちの場合」
夢のなかの自分はあ~んして食べさせていたのか……。
いや、まあ……、うん。
正直、羨ましい。
「夢のなかであ~んね……。ふん、くだらんな。俺がお前を餌付けするなど」
だが出てくる言葉は正反対のものだった。
ソールーナは困ったように苦笑した。
「餌付けって。私は雛じゃないんですから……あ、どうせなら私がリュクレス様を餌付けして差し上げましょうか」
「何故そうなる」
「いいじゃないですか、夫婦なんですし。あ~んくらい」
「いや、でも仮面だからな」
「そういえばそうでした」
ふふ、と笑うソールーナ。
リュクレスはため息をつくが、仮面の下の頬は気がつけば緩んでいる。
「そういえばリュクレス様って食べるとき仮面取るんですか?」
「そりゃまあ。このままでは食べられないからな」
「そういえば宴のときも何もお召しになれられていませんでしたね」
「皆のいる前では食べない、食事は一人でとらせてもらう。それは事前に報告してあるはずだが」
「それだとあ~んできない……ハッ」
急に目を見開くソールーナ。その瞳には一際強い輝きが宿っている。
「なんだ、何を思いついた?」
「逆に私が目を隠してお口に運べばいいんじゃないですかね! この逆転の発想、すごくないですか!?」
「いや別にそこまでしてあ~んに情熱を燃やさなくてもいいから。色気ゼロのくせに」
「色気ゼロぉ? カタチだけとはいえ妻に対して酷いこと言いますね」
「本当のことなんだから仕方ないだろ」
「むぅ。せっかく仲良くなれると思ったのに。リュクレス様って意地悪です」
ぷいっと顔を背けるソールーナ。
子供っぽい仕草に思わず笑い声が漏れてしまう。
「前言撤回だな。お前はやはりツンケンして突っかかってくる針山女だ。せいぜい嫌われないように努力しろよ?」
「そのお言葉、そっくりそのままお返ししますよ。せいぜい嫌わないように頑張ってくださいね」
「……逆じゃないのか、それは」
「私は自分を変える気はありませんから」
「傲慢だな……」
「自分を変えられるほど器用じゃないんですよ」
「ふん、だがお前は必ず変わる。俺の素顔を見たそのとき、お前は俺の美貌に落ちるのだ。それが今から楽しみだよ」
「じゃあ今見せて下さいよ。今、私のこと落として下さい?」
「なんだ、ずいぶん乗り気じゃないか」
「ち、が、い、ます! リュクレス様が自信たっぷりだからそれなら一目見てあげてもいいかなって思っただけです」
「ふふ。せっかく興味を持ってくれたところ悪いが、仮面を取るのは今じゃない。いろいろと踏まねばならぬ順序というものがあるんだ……」
すると彼女は少し呆れたような顔になったあと、言い放った。
「あー、いいです。リュクレス様、やっぱり仮面外さなくてもいいです」
「なんだ? 今さら自分を変えられることに怖じ気がついたのか?」
「違います。どうせあなたの素顔なんか大したことないですから、期待するだけ無駄かなって」
「なんだと?」
「だいたいね、そんなに言うんでしたら今この場で私がイケメンにしてあげますよ」
「なに言ってるんだお前」
「私、これでも絵が描けるほうなんです。だからその白いお面にイケメン顔でも描いてあげますよ。そしたらまさにイケ面ってね……ふふ」
「黙れ。それで上手いこと言ったつもりか!」
「あれ? リュクレス様、もしかして照れてらっしゃいます?」
「いやいまの会話のどこに照れる要素があったんだ?」
「え、『黙れ!』ってとこ、ちょっとにニヤいてる感じしたんですが……」
「うるさい、もう喋るな。朝食に行くぞ」
「あ、ちょっと。待ってくださいよ!」
リュクレスは足早に部屋を出ていく。ソールーナが慌てて追いかけてくるが、リュクレスは気がつかれないようにそっと仮面の上から頬をおさえたのだった。
――妻との他愛ない朝の会話に、本当に、顔がニヤけっぱなしだったから。
こんなふうに誰かと楽しい会話を繰り広げるのはかなり久しぶりの体験である。
正直、かなり愉快な体験だった。
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