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*WEB連載版
第33話 いつもの日常
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あれから――つまり殿下が私を抱き潰してから数日が経過した、ある日のこと。
「あーだるー」
書斎の机についたルベルド殿下がいかにもだるそうにしていた。
私はため息をつく。まったく……、あの優等生だった殿下はどこへ行ってしまったの……。
「ルベルド殿下。勉強をしましょうよ」
「俺はそんなもんに興味はないんだよ。それよりさ、アデライザのこともっと知りたいなぁ」
「授業中は先生って呼んで下さい」
「はいはい、せんせぇ~」
まったくもう……。
あの愛を確かめあった日を境にして、ルベルド殿下は元に戻ってしまったのだった。
元に戻ってしまったというのは、つまりこうやって授業態度が悪くなった、ということだ。
…………まあ、優等生になっていた期間は私に気を遣って無理してただけみたいだし……。元に戻ってくれたほうが私もほっとするところは確かにあるんだけどね。……度が過ぎるから頭が痛くなるんだけど。
「なあアデライザぁ」
「せ・ん・せ・い!」
「はいはい、アデライザ先生。なあ、こんな勉強よりさ、エッチな勉強しようよ」
「いけません! 今は授業中ですよ、殿下」
「えー。そんなこといって、昨日だって授業中にしたじゃん」
……うぅ。
昨日は不覚だったわ……。殿下ってば授業しながら私の胸をことあるごとにさわってくるものだから、つい、その。気持ちよくなっていってしまって……、それで授業中だというのにそのまま最後までしちゃったのよね……。
でも授業は授業なの。今日こそは流されないんだから!
「ダメです。そういうことは夜しましょう、殿下。時と場合を考えて下さい。それも殿下が覚えるべきマナーの内ですわ」
「昼のいまするのがいいんじゃんか。それもこういう授業中にするのがさ。先生が机の下に入って俺のをお口でしながら俺は問題解くんだよ。そういうシチュエーション、興奮するよね?」
「しませんっ!! もう……」
なんて口では言うけれど、やっぱり愛する人とのそういうことを想像してしまうと……、私もあそこが潤ってきてしまう、というか……。
ああ、もう!
「今日はもう授業おしまいにします!」
「え」
「殿下、ちゃんと頭を冷やしておいてくださいね。それじゃあ、失礼いたします!!」
それだけ言って部屋を出た。そして扉を閉めて廊下を歩く。
殿下に分からせるって意味もあるけど、私自身あそこにいたら流されてしまうから……。出て来て良かったんだと思う。
「待ってくれ、アデライザ――先生!」
追ってくるルベルド殿下の声を無視して歩き続ける。ここで振り返ってしまえばまた昨日のように流されてしまうから。
……そりゃ私だってルベルド殿下とイチャイチャしたいわよ! けど、これこそが殿下にはいちばん必要な勉強なのよね、実際。
時と場合があるってことをちゃんと覚えてもらわないと。
だから、ここは我慢しなくちゃ。
すると、追いついてきた殿下に後ろから抱き着かれたのだった。
「先生、捕まえた」
「離してください!」
「ごめんってば。ちょっとふざけすぎたよ」
「嫌です。もっと反省してください」
そう言いながら抵抗を続ける私。しかしルベルド殿下の腕力には敵わず、結局は振りほどけなかった。
「先生、好きだよ」
「殿下……」
「先生は俺のこと好きじゃないの?」
「好きです! けど授業中にふざけまくる殿下は嫌いです!」
「そっか。ごめんね、先生。愛してる」
「もうっ、愛してるなら相手が嫌がることはしちゃダメです!」
「悪かったって。でも先生がここまで怒るなんて……。まあ、これからはちょっと考えるよ」
「当たり前です! 猛省してください!」
「ところでさ……」
後ろから抱きついたまま、ルベルド殿下が耳元で囁いた。
「これから行きたいところがあるんだけど。もう授業終わったし……、いいよね?」
「殿下、なに考えてるんですか。とてもじゃないけど今はそういう気分になれないんですけど」
「ごめんってば。まあほら、そういうことじゃなくてさ。ちょっとコーヒーでも飲んで一息入れようかと思って。だから食堂に行こうよ」
「分かりました行きましょう」
「変わり身早っ」
そりゃね、コーヒーをダシに誘われたら行っちゃうわよね。
「ロゼッタさんの淹れてくれるコーヒーに免じて、ってことです。でもコーヒー飲みながらお説教2時間コースですからね、覚悟しておいて下さいよ」
「うへー。お手柔らかに頼むぜ、先生」
そんなこんなで、私たちは食堂に向かったのだった。
「あーだるー」
書斎の机についたルベルド殿下がいかにもだるそうにしていた。
私はため息をつく。まったく……、あの優等生だった殿下はどこへ行ってしまったの……。
「ルベルド殿下。勉強をしましょうよ」
「俺はそんなもんに興味はないんだよ。それよりさ、アデライザのこともっと知りたいなぁ」
「授業中は先生って呼んで下さい」
「はいはい、せんせぇ~」
まったくもう……。
あの愛を確かめあった日を境にして、ルベルド殿下は元に戻ってしまったのだった。
元に戻ってしまったというのは、つまりこうやって授業態度が悪くなった、ということだ。
…………まあ、優等生になっていた期間は私に気を遣って無理してただけみたいだし……。元に戻ってくれたほうが私もほっとするところは確かにあるんだけどね。……度が過ぎるから頭が痛くなるんだけど。
「なあアデライザぁ」
「せ・ん・せ・い!」
「はいはい、アデライザ先生。なあ、こんな勉強よりさ、エッチな勉強しようよ」
「いけません! 今は授業中ですよ、殿下」
「えー。そんなこといって、昨日だって授業中にしたじゃん」
……うぅ。
昨日は不覚だったわ……。殿下ってば授業しながら私の胸をことあるごとにさわってくるものだから、つい、その。気持ちよくなっていってしまって……、それで授業中だというのにそのまま最後までしちゃったのよね……。
でも授業は授業なの。今日こそは流されないんだから!
「ダメです。そういうことは夜しましょう、殿下。時と場合を考えて下さい。それも殿下が覚えるべきマナーの内ですわ」
「昼のいまするのがいいんじゃんか。それもこういう授業中にするのがさ。先生が机の下に入って俺のをお口でしながら俺は問題解くんだよ。そういうシチュエーション、興奮するよね?」
「しませんっ!! もう……」
なんて口では言うけれど、やっぱり愛する人とのそういうことを想像してしまうと……、私もあそこが潤ってきてしまう、というか……。
ああ、もう!
「今日はもう授業おしまいにします!」
「え」
「殿下、ちゃんと頭を冷やしておいてくださいね。それじゃあ、失礼いたします!!」
それだけ言って部屋を出た。そして扉を閉めて廊下を歩く。
殿下に分からせるって意味もあるけど、私自身あそこにいたら流されてしまうから……。出て来て良かったんだと思う。
「待ってくれ、アデライザ――先生!」
追ってくるルベルド殿下の声を無視して歩き続ける。ここで振り返ってしまえばまた昨日のように流されてしまうから。
……そりゃ私だってルベルド殿下とイチャイチャしたいわよ! けど、これこそが殿下にはいちばん必要な勉強なのよね、実際。
時と場合があるってことをちゃんと覚えてもらわないと。
だから、ここは我慢しなくちゃ。
すると、追いついてきた殿下に後ろから抱き着かれたのだった。
「先生、捕まえた」
「離してください!」
「ごめんってば。ちょっとふざけすぎたよ」
「嫌です。もっと反省してください」
そう言いながら抵抗を続ける私。しかしルベルド殿下の腕力には敵わず、結局は振りほどけなかった。
「先生、好きだよ」
「殿下……」
「先生は俺のこと好きじゃないの?」
「好きです! けど授業中にふざけまくる殿下は嫌いです!」
「そっか。ごめんね、先生。愛してる」
「もうっ、愛してるなら相手が嫌がることはしちゃダメです!」
「悪かったって。でも先生がここまで怒るなんて……。まあ、これからはちょっと考えるよ」
「当たり前です! 猛省してください!」
「ところでさ……」
後ろから抱きついたまま、ルベルド殿下が耳元で囁いた。
「これから行きたいところがあるんだけど。もう授業終わったし……、いいよね?」
「殿下、なに考えてるんですか。とてもじゃないけど今はそういう気分になれないんですけど」
「ごめんってば。まあほら、そういうことじゃなくてさ。ちょっとコーヒーでも飲んで一息入れようかと思って。だから食堂に行こうよ」
「分かりました行きましょう」
「変わり身早っ」
そりゃね、コーヒーをダシに誘われたら行っちゃうわよね。
「ロゼッタさんの淹れてくれるコーヒーに免じて、ってことです。でもコーヒー飲みながらお説教2時間コースですからね、覚悟しておいて下さいよ」
「うへー。お手柔らかに頼むぜ、先生」
そんなこんなで、私たちは食堂に向かったのだった。
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