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第4話 僕の愛に包まれたあなたは綺麗だ
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彼の熱い告白(下着への)にときめいて顔が真っ赤になってしまったメリア。
自分がよく分からない。なんのタイミングでときめいてしまったのか。しかも相手はブラジャーとショーツを身につけた変態イケメンなのに。
「うぅ~……っ!!」
「ふふふ、そうです。団長も本心では分かっているんですよ。僕の作った愛する下着たちを身につけた自分がいかに素晴らしいかをね……!」
「へ?」
いや、これはもうそういう問題ではないのだが……?
「あなたのスタイルを目視で測り、そのナイスバディに似合うデザインをいちからおこし、ひとはりひとはり縫って作り上げた愛する傑作下着たち……。僕の愛情に包まれたあなたは、綺麗だ!」
「こ、こら! 言葉を選びなさい、言葉を……」
この変態イケメン、さきほどから妙に言葉が溺愛に傾倒しているような気がする。いちどときめいてしまったからそう思ってしまうだけだろうか。それともやっぱりどさくさに紛れて告白してる?
「団長。団長だって僕の愛がもっと欲しいでしょう!?」
「だ、だからそういういい方はやめなさい……!」
変態だが顔のいいグラーツに真正面からこんなことを言われ続けてしまい、顔は熱いし心臓はドキドキしっぱなしでもうどうにかなりそうだった。
「僕の愛はあなたを美しくする! 僕にはその自信がある! 女性は自分の美しさを強さに変える――だから団長、あなたはもっと強くなる!」
言っていることはよく分からないが熱意だけは伝わってきた。
とにかく下着道を極めたいのだ。そのためには正確なデータが必要になる――というだけの話。
そして、そんな理想に燃えるグラーツは、なんだか凄く格好いい。
「……そ、それで。データ取りってなにするのよ」
「下着を着た状態の団長を触らせて下さい。実際にこの手で確かめてこそ、神のセットアップへと至ることができるのです」
「変態め……」
と言いつつも、メリアは心を動かされていた。
イケメン騎士グラーツの顔にほだされときめいたというのもあるのだが……、今だって彼の作った下着は十分にその効力を発揮してくれているのだ。訓練の成績が上がったのは事実なのである。
もし、これよりもっと凄い下着を作ることができるのだとしたら……。
そのとき、自分はどうなってしまうのだろうか。
「……分かった。いいわよ」
その途端、グラーツの顔がパァッと輝いた。
「団長! ほんとですか!?」
「ええ。あなたの下着の効力が並々ならぬモノだというのは私が一番よく知ってるしね」
「ありがとうございます!」
「ただしグラーツ、あなたは私の専属下着職人となりなさい。それが条件よ。これからは私のためだけに下着を作るの。神のセットアップとかなんとかそういうのを目指すのは私としかしちゃダメってこと。分かった?」
「………………そ、それって」
さっとグラーツの顔が赤くなった。
「もしかして、プロポーズですか?」
「ち、違うわよ!」
否定してから自分の言葉を思い返してみると、確かに……まるでプロポーズの言葉みたいである。
(私までどさくさに紛れて告白してどうするのよ! ときめきに流されたっていうの?)
「ま、まあ、あなたが作ってくれる下着なら……悪くないかなって思ってるし……」
「…………!」
グラーツが顔を真っ赤にして固まってしまった。
「おーい、大丈夫?」
「だ、大丈夫です! なんでもありません!」
「でも顔赤いじゃない」
「これは団長の下着姿を想像して興奮しただけですから。団長は気にしないでください」
「……キモっ」
「くぅ……っ!」
メリアがドン引きすると、グラーツはさらにダメージを受けたらしくその場に膝をついた。
「団長……た、たまりません……。団長かわいい……」
「はい?」
「いえ、なんでもないです」
グラーツは立ち上がると、
「では、その条件を呑みましょう。僕は神のセットアップの頂に登れればそれでいいんです。団長……僕はあなた専用の下着になります」
「なんか不穏な言葉になってるわよ? もういちどちゃんと言い直しなさい」
「団長。僕とあなたの二人で、……二人だけで。手に手を取って登りましょう。まだ見ぬ神のセットアップ、その頂へと!」
まあ、最初からそのつもりではあったのだ。
下着置き犯を捕まえて、自分専属の下着職人にする……、それが当初からの目的だったのだから。
犯人がグラーツで変態だというのが余計だったが。
「では、契約成立です!」
グラーツはそう言って笑うと、腰のベルトから短剣を抜き出した。ブラジャーとショーツ姿なのに短剣ベルトを着けているのである。彼が女性ならさぞかしセクシーだろうが……筋肉質の美形男がこの格好をしているのはいささか笑えた。
で、そのナイフの刃の方を指で挟んで肩の上に構えると……
「!?」
メリアに向かって投げたのだ。
しかしナイフは彼女の身体の頭上へと飛び……
「っ!?」
ブツッ、と天井と網を繋げていたロープが切れ、メリアは網ごと落下してしまった。
縄に絡まったせいでろくな受け身も取れず、床にぶつかるかと思ったものの。
「……約束は守って下さいよ、団長」
そう言いながら、グラーツが抱き止めてくれたのであった。
だが、彼は男性用女性用下着姿である。下着では当たり前だがグラーツの身体の熱なんか隠せるわけがなく、メリアは頬を赤らめた……。
(待って、私。落ち着きなさい。相手は変態なのよ!?)
自分がよく分からない。なんのタイミングでときめいてしまったのか。しかも相手はブラジャーとショーツを身につけた変態イケメンなのに。
「うぅ~……っ!!」
「ふふふ、そうです。団長も本心では分かっているんですよ。僕の作った愛する下着たちを身につけた自分がいかに素晴らしいかをね……!」
「へ?」
いや、これはもうそういう問題ではないのだが……?
「あなたのスタイルを目視で測り、そのナイスバディに似合うデザインをいちからおこし、ひとはりひとはり縫って作り上げた愛する傑作下着たち……。僕の愛情に包まれたあなたは、綺麗だ!」
「こ、こら! 言葉を選びなさい、言葉を……」
この変態イケメン、さきほどから妙に言葉が溺愛に傾倒しているような気がする。いちどときめいてしまったからそう思ってしまうだけだろうか。それともやっぱりどさくさに紛れて告白してる?
「団長。団長だって僕の愛がもっと欲しいでしょう!?」
「だ、だからそういういい方はやめなさい……!」
変態だが顔のいいグラーツに真正面からこんなことを言われ続けてしまい、顔は熱いし心臓はドキドキしっぱなしでもうどうにかなりそうだった。
「僕の愛はあなたを美しくする! 僕にはその自信がある! 女性は自分の美しさを強さに変える――だから団長、あなたはもっと強くなる!」
言っていることはよく分からないが熱意だけは伝わってきた。
とにかく下着道を極めたいのだ。そのためには正確なデータが必要になる――というだけの話。
そして、そんな理想に燃えるグラーツは、なんだか凄く格好いい。
「……そ、それで。データ取りってなにするのよ」
「下着を着た状態の団長を触らせて下さい。実際にこの手で確かめてこそ、神のセットアップへと至ることができるのです」
「変態め……」
と言いつつも、メリアは心を動かされていた。
イケメン騎士グラーツの顔にほだされときめいたというのもあるのだが……、今だって彼の作った下着は十分にその効力を発揮してくれているのだ。訓練の成績が上がったのは事実なのである。
もし、これよりもっと凄い下着を作ることができるのだとしたら……。
そのとき、自分はどうなってしまうのだろうか。
「……分かった。いいわよ」
その途端、グラーツの顔がパァッと輝いた。
「団長! ほんとですか!?」
「ええ。あなたの下着の効力が並々ならぬモノだというのは私が一番よく知ってるしね」
「ありがとうございます!」
「ただしグラーツ、あなたは私の専属下着職人となりなさい。それが条件よ。これからは私のためだけに下着を作るの。神のセットアップとかなんとかそういうのを目指すのは私としかしちゃダメってこと。分かった?」
「………………そ、それって」
さっとグラーツの顔が赤くなった。
「もしかして、プロポーズですか?」
「ち、違うわよ!」
否定してから自分の言葉を思い返してみると、確かに……まるでプロポーズの言葉みたいである。
(私までどさくさに紛れて告白してどうするのよ! ときめきに流されたっていうの?)
「ま、まあ、あなたが作ってくれる下着なら……悪くないかなって思ってるし……」
「…………!」
グラーツが顔を真っ赤にして固まってしまった。
「おーい、大丈夫?」
「だ、大丈夫です! なんでもありません!」
「でも顔赤いじゃない」
「これは団長の下着姿を想像して興奮しただけですから。団長は気にしないでください」
「……キモっ」
「くぅ……っ!」
メリアがドン引きすると、グラーツはさらにダメージを受けたらしくその場に膝をついた。
「団長……た、たまりません……。団長かわいい……」
「はい?」
「いえ、なんでもないです」
グラーツは立ち上がると、
「では、その条件を呑みましょう。僕は神のセットアップの頂に登れればそれでいいんです。団長……僕はあなた専用の下着になります」
「なんか不穏な言葉になってるわよ? もういちどちゃんと言い直しなさい」
「団長。僕とあなたの二人で、……二人だけで。手に手を取って登りましょう。まだ見ぬ神のセットアップ、その頂へと!」
まあ、最初からそのつもりではあったのだ。
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犯人がグラーツで変態だというのが余計だったが。
「では、契約成立です!」
グラーツはそう言って笑うと、腰のベルトから短剣を抜き出した。ブラジャーとショーツ姿なのに短剣ベルトを着けているのである。彼が女性ならさぞかしセクシーだろうが……筋肉質の美形男がこの格好をしているのはいささか笑えた。
で、そのナイフの刃の方を指で挟んで肩の上に構えると……
「!?」
メリアに向かって投げたのだ。
しかしナイフは彼女の身体の頭上へと飛び……
「っ!?」
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そう言いながら、グラーツが抱き止めてくれたのであった。
だが、彼は男性用女性用下着姿である。下着では当たり前だがグラーツの身体の熱なんか隠せるわけがなく、メリアは頬を赤らめた……。
(待って、私。落ち着きなさい。相手は変態なのよ!?)
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