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ジャスターズ編
科学者クローク・トス
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「ここがチェイサーの部屋ね」
3階に上がると、寮の様に部屋がずらっと並んでおり、俺は扉に10と書かれた部屋に案内された。
「部屋の数のわりに、結構序盤の数字だな」
見たところ、3階以外の階にも部屋があるだろうし、たまたま空いてたにしてはピンポイント過ぎる。
それとも何かの意図があって、ここの部屋になってるのか。
例えば問題児な奴とか、サンみたいに戦闘面に優れている奴とか。
「サンの部屋はどこら辺なんだ?」
「俺にはもう部屋はないよ。部屋を持つのは見習いだけだからね。けど、前に住んでたのは4階の奥だったかな」
なるほど。問題児の線が濃くなった。
いや実は、優れた生徒を端っこに置く。みたいな風習があるのかもしれない。
だからサンは4階の奥だったし、俺は3階の手前なのか。
そう考えると筋が通るな。
「おお、チェス。やっと起きたんだね」
俺の部屋の隣、もちろん11と書かれた扉から、トレントが顔を覗かせる。
「新しい部屋には慣れた?」
「はい。ある程度は」
「分からない事あったら聞いていいよ」
「ありがとうございます」
なんか、少し仲良くなってるな。
「チープもここら辺なのか?」
「俺の隣の部屋だよ」
「みんなここら辺なのね」
やっぱ問題児か……?
「それより、さっきクロークが探してたよ?」
「俺をか?」
「そそ。なんか確認したい事があるとかなんとか」
「クロークか。何か面白い事でも発見したのかね」
サンが少しニヤける。
「で、その肝心なクロークはどこにいるんだ?」
「確か、2階の研究室Bで待ってるとか言ってた」
「分かった。行ってみる」
俺は踵を返し、階段へと歩みを進める。
「チェイサー!」
サンの声で振り向くと、何か小さい物が飛んでくる。
「部屋の鍵だから無くすなよ」
俺はそれを片手でキャッチし、ポケットの中へしまう。
「サンは来ないのか?」
「俺は別の仕事があるからパスで」
「あいよ。頑張れよ」
今回は誰も付き添いなしと。
まあ、2階だけなら迷わないか。
というか、別に俺は方向音痴じゃないし、頭も悪いわけじゃない。
ただ、少し運に恵まれていないだけ。
目的地を指定されていれば、まず迷うはずがないのだ。
俺はそう思い、足音を鳴らして階段を降りた。
かれこれ「研究室B」を探して、早くも20分が経過しようとしていた。
Bだと言うから、てっきりアルファベット順に並んでるのかと思いきや、1番最初に目に飛び込んだ文字は「研究室1」。
それからというもの、数字とアルファベットが組み合わさった文字に囲まれ、頭は限界を迎えていた。
まるで一生出られない、神かなんかを祀ってる迷宮に迷い込んだみたいな気分だ。
2階なら迷いようがないだろうとたかを括った、過去の自分を殴ってやりたい。
意地でもサンを連れてくるんだったな。それかトレントとチープ。
それにしても、2階はほとんどが研究室だな。
特に実験をやっている様子はないが、全ての部屋が閉じられている。
たまにトイレを見かけるくらいで、他は全て研究室なんとかだ。
こう同じ部屋がずらっと並べられていると、何か少し不気味だな。
耳を澄ますと、自分の足音だけが廊下に響くし、吐息も自分のものだけ。
まるで世界に1人だけ、ポツンと置いてかれたような、そんな気分だ。
俺は歩く速度を落とし、周りをキョロキョロしながら、一歩一歩足音を立てないように目的の部屋を探す。
「チェイサー! やっと来たか!」
「あひゃばっ」
ガラガラッと勢いよく開いた扉は、クロークの大声と共に、俺の寿命を30年も減らした。
「び、びっくりしたじゃんか」
「なかなか来ないと思って廊下見たら、変な姿勢のチェイサーが歩いて来てたからさ。てっきりふざけてるのかと思ったよ」
「ここでふざけてどうすんだよ」
「知らん」
「適当な奴め……」
よく見ると、俺の目の前には「研究室B」と書かれた部屋があった。
前の部屋は「研究室A」、その前は「研究室9」と、規則性がよく分からない。
なんで9からいきなりAになるんだ。それともAから9?
「そんな所で突っ立ってないで入りなよ」
クロークは部屋の中に入り、俺もそれに続く。
中は然程広くはないが、研究するのには十分な設備が整っていると、素人目でも理解できる。
というかそう思わせる程、この部屋は未知に溢れていた。
「適当にそこの椅子に座って」
俺は近くの丸椅子を引き寄せ、足を組んで座る。
「そう言えば、サンは来なかったのか?」
「来るよう誘ったんだけど、仕事があるとかでどっか行った」
「折角だから、サンにも見てもらいたかったんだけど。まあいいか」
そう言うと、クロークは何かのボタンを押す。
すると部屋は真っ暗になり、目の前の壁に3つの折線グラフが浮かび上がった。
「原始的だけど、今回はこれでいかせてもらうよ」
クロークが棒を持ち、1つのグラフを指す。
「これは普通の能力者の、能力熟練度を表したグラフなんだけど」
棒はグラフをなぞり、少しした所で止まる。
「ここ。大体10代後半から20代前半にかけて、大きく上昇している。これはつまり、何もしてなくても能力ってのは成長するし、その場合の全盛期は10代後半から20代前半で、後は劣化していくって事が分かる。けどこっち見て」
クロークはもう1つ上のグラフを指す。
「これは能力を鍛えている、つまりジャスターズみたいな人たちのグラフなんだけど」
棒はグラフをなぞり、1つめに示した所と少し離れた所で止まる。
「全盛期が大体35歳なんだよね。それからも、常に下がっていく訳じゃなくて、最高値を超えない範囲で、グラフは上下している。もちろん個人差はあるけど、いつまで経っても全盛期と変わらない事例も、あるはあるしね。次はこれ」
クロークは1番下のグラフを指す。
「これは人工的に能力を持たさせれた人のグラフなんだけど。見て分かる通り、最初の値が他の2つと比べてかなり低くなってる。それも、大体3分の1位にね」
そのグラフは値が小さいだけでなく、上がり方もゆるやかになっている。
全盛期と呼べる所は見当たらず、常に低い値を維持していた。
「で、ここからが本題。知ってると思うけど、俺はチェイサーが人工的に能力を植え付けられたんじゃないかって思ってたんだよ。けど、サンとの戦闘では、他の2人に遅れをとってる感じはしなかった。それどころか結構いい線いってたし、このグラフで言えば、上の2つのどちらかで間違いないと思う」
「なら俺は、普通の能力者って事でいいのか?」
「それはまだ分からない。チェイサーは歳でいうと10代後半に当たるから、まだ傾向が見えてこないんだよね。データが少な過ぎるし、チェイサーの場合は、異例のケースも考えられなくもない。一概には普通と言い切れないかな」
「そうか。まあ、別に普通と違くても、なんの影響も無いんだろ?」
「俺の知ってるデータでは、何の影響も無いと思う。だからこうやって研究する必要もないんだけど」
クロークは棒を手放し、俺の方に歩いてくる。
かなり近づいた所で両肩に手が乗り、じっと真剣な顔で見つめられる。
「気になるんだよ! 科学者だから」
「……お、おう」
クロークは両手を離し、何もなかったように壁の方に戻る。
やっぱりこいつ、ヤバいやつだよな。
「もちろん、チェイサーが拒むなら俺も止めるよ。その時は言ってくれ」
「わ、分かった」
遠回しに、拒むなって事だな。
「話が終わったなら、俺は帰っていいか? 少し寝たいんだ」
「そうか、大変だったんだっけか。うん。ほどほどに休みな」
「ああ。そうする」
俺は部屋を出ようと、扉に手をかける。
「そうだ! これこれ」
すると、後ろからクロークが何かを持って来る。
「なんだこれ?」
見ると、手のひらサイズの紙が折り畳まれていた。
「受付に渡しといてくれ」
「何で俺が」
「ついでだよ。ついで」
「俺、受付苦手なんだよ」
「いいからいいから」
「さっきお前が休めって——」
ぐいぐいと来るクロークに押され、俺は部屋を出る。
数秒前に休めって言った奴が原因で休めねえって、どんな性格してるんだクロークは。
ってか、また受付に行くのは気まずいなー。
なんかのリストに載せられてないといいけど。
俺は渋々、よく分からない紙を見ながら受付を目指した。
3階に上がると、寮の様に部屋がずらっと並んでおり、俺は扉に10と書かれた部屋に案内された。
「部屋の数のわりに、結構序盤の数字だな」
見たところ、3階以外の階にも部屋があるだろうし、たまたま空いてたにしてはピンポイント過ぎる。
それとも何かの意図があって、ここの部屋になってるのか。
例えば問題児な奴とか、サンみたいに戦闘面に優れている奴とか。
「サンの部屋はどこら辺なんだ?」
「俺にはもう部屋はないよ。部屋を持つのは見習いだけだからね。けど、前に住んでたのは4階の奥だったかな」
なるほど。問題児の線が濃くなった。
いや実は、優れた生徒を端っこに置く。みたいな風習があるのかもしれない。
だからサンは4階の奥だったし、俺は3階の手前なのか。
そう考えると筋が通るな。
「おお、チェス。やっと起きたんだね」
俺の部屋の隣、もちろん11と書かれた扉から、トレントが顔を覗かせる。
「新しい部屋には慣れた?」
「はい。ある程度は」
「分からない事あったら聞いていいよ」
「ありがとうございます」
なんか、少し仲良くなってるな。
「チープもここら辺なのか?」
「俺の隣の部屋だよ」
「みんなここら辺なのね」
やっぱ問題児か……?
「それより、さっきクロークが探してたよ?」
「俺をか?」
「そそ。なんか確認したい事があるとかなんとか」
「クロークか。何か面白い事でも発見したのかね」
サンが少しニヤける。
「で、その肝心なクロークはどこにいるんだ?」
「確か、2階の研究室Bで待ってるとか言ってた」
「分かった。行ってみる」
俺は踵を返し、階段へと歩みを進める。
「チェイサー!」
サンの声で振り向くと、何か小さい物が飛んでくる。
「部屋の鍵だから無くすなよ」
俺はそれを片手でキャッチし、ポケットの中へしまう。
「サンは来ないのか?」
「俺は別の仕事があるからパスで」
「あいよ。頑張れよ」
今回は誰も付き添いなしと。
まあ、2階だけなら迷わないか。
というか、別に俺は方向音痴じゃないし、頭も悪いわけじゃない。
ただ、少し運に恵まれていないだけ。
目的地を指定されていれば、まず迷うはずがないのだ。
俺はそう思い、足音を鳴らして階段を降りた。
かれこれ「研究室B」を探して、早くも20分が経過しようとしていた。
Bだと言うから、てっきりアルファベット順に並んでるのかと思いきや、1番最初に目に飛び込んだ文字は「研究室1」。
それからというもの、数字とアルファベットが組み合わさった文字に囲まれ、頭は限界を迎えていた。
まるで一生出られない、神かなんかを祀ってる迷宮に迷い込んだみたいな気分だ。
2階なら迷いようがないだろうとたかを括った、過去の自分を殴ってやりたい。
意地でもサンを連れてくるんだったな。それかトレントとチープ。
それにしても、2階はほとんどが研究室だな。
特に実験をやっている様子はないが、全ての部屋が閉じられている。
たまにトイレを見かけるくらいで、他は全て研究室なんとかだ。
こう同じ部屋がずらっと並べられていると、何か少し不気味だな。
耳を澄ますと、自分の足音だけが廊下に響くし、吐息も自分のものだけ。
まるで世界に1人だけ、ポツンと置いてかれたような、そんな気分だ。
俺は歩く速度を落とし、周りをキョロキョロしながら、一歩一歩足音を立てないように目的の部屋を探す。
「チェイサー! やっと来たか!」
「あひゃばっ」
ガラガラッと勢いよく開いた扉は、クロークの大声と共に、俺の寿命を30年も減らした。
「び、びっくりしたじゃんか」
「なかなか来ないと思って廊下見たら、変な姿勢のチェイサーが歩いて来てたからさ。てっきりふざけてるのかと思ったよ」
「ここでふざけてどうすんだよ」
「知らん」
「適当な奴め……」
よく見ると、俺の目の前には「研究室B」と書かれた部屋があった。
前の部屋は「研究室A」、その前は「研究室9」と、規則性がよく分からない。
なんで9からいきなりAになるんだ。それともAから9?
「そんな所で突っ立ってないで入りなよ」
クロークは部屋の中に入り、俺もそれに続く。
中は然程広くはないが、研究するのには十分な設備が整っていると、素人目でも理解できる。
というかそう思わせる程、この部屋は未知に溢れていた。
「適当にそこの椅子に座って」
俺は近くの丸椅子を引き寄せ、足を組んで座る。
「そう言えば、サンは来なかったのか?」
「来るよう誘ったんだけど、仕事があるとかでどっか行った」
「折角だから、サンにも見てもらいたかったんだけど。まあいいか」
そう言うと、クロークは何かのボタンを押す。
すると部屋は真っ暗になり、目の前の壁に3つの折線グラフが浮かび上がった。
「原始的だけど、今回はこれでいかせてもらうよ」
クロークが棒を持ち、1つのグラフを指す。
「これは普通の能力者の、能力熟練度を表したグラフなんだけど」
棒はグラフをなぞり、少しした所で止まる。
「ここ。大体10代後半から20代前半にかけて、大きく上昇している。これはつまり、何もしてなくても能力ってのは成長するし、その場合の全盛期は10代後半から20代前半で、後は劣化していくって事が分かる。けどこっち見て」
クロークはもう1つ上のグラフを指す。
「これは能力を鍛えている、つまりジャスターズみたいな人たちのグラフなんだけど」
棒はグラフをなぞり、1つめに示した所と少し離れた所で止まる。
「全盛期が大体35歳なんだよね。それからも、常に下がっていく訳じゃなくて、最高値を超えない範囲で、グラフは上下している。もちろん個人差はあるけど、いつまで経っても全盛期と変わらない事例も、あるはあるしね。次はこれ」
クロークは1番下のグラフを指す。
「これは人工的に能力を持たさせれた人のグラフなんだけど。見て分かる通り、最初の値が他の2つと比べてかなり低くなってる。それも、大体3分の1位にね」
そのグラフは値が小さいだけでなく、上がり方もゆるやかになっている。
全盛期と呼べる所は見当たらず、常に低い値を維持していた。
「で、ここからが本題。知ってると思うけど、俺はチェイサーが人工的に能力を植え付けられたんじゃないかって思ってたんだよ。けど、サンとの戦闘では、他の2人に遅れをとってる感じはしなかった。それどころか結構いい線いってたし、このグラフで言えば、上の2つのどちらかで間違いないと思う」
「なら俺は、普通の能力者って事でいいのか?」
「それはまだ分からない。チェイサーは歳でいうと10代後半に当たるから、まだ傾向が見えてこないんだよね。データが少な過ぎるし、チェイサーの場合は、異例のケースも考えられなくもない。一概には普通と言い切れないかな」
「そうか。まあ、別に普通と違くても、なんの影響も無いんだろ?」
「俺の知ってるデータでは、何の影響も無いと思う。だからこうやって研究する必要もないんだけど」
クロークは棒を手放し、俺の方に歩いてくる。
かなり近づいた所で両肩に手が乗り、じっと真剣な顔で見つめられる。
「気になるんだよ! 科学者だから」
「……お、おう」
クロークは両手を離し、何もなかったように壁の方に戻る。
やっぱりこいつ、ヤバいやつだよな。
「もちろん、チェイサーが拒むなら俺も止めるよ。その時は言ってくれ」
「わ、分かった」
遠回しに、拒むなって事だな。
「話が終わったなら、俺は帰っていいか? 少し寝たいんだ」
「そうか、大変だったんだっけか。うん。ほどほどに休みな」
「ああ。そうする」
俺は部屋を出ようと、扉に手をかける。
「そうだ! これこれ」
すると、後ろからクロークが何かを持って来る。
「なんだこれ?」
見ると、手のひらサイズの紙が折り畳まれていた。
「受付に渡しといてくれ」
「何で俺が」
「ついでだよ。ついで」
「俺、受付苦手なんだよ」
「いいからいいから」
「さっきお前が休めって——」
ぐいぐいと来るクロークに押され、俺は部屋を出る。
数秒前に休めって言った奴が原因で休めねえって、どんな性格してるんだクロークは。
ってか、また受付に行くのは気まずいなー。
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