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 昨夜は激しすぎた。

 陛下は長い間、ずっと耐えていらっしゃったというので、ちょっと甘い顔をし過ぎたかもしれない。

 だからと言って、また起き上がれないぐらい激しく貫かなくてもいいのに。

 「もうっ。陛下ったら、うふふ。」

 「ん?なんか呼んだか?」

 げ!独り言にニヤケ顔を見られたかも!? きゃぁっ恥ずかしい。

 陛下はベッドに隙間を開けて、ポンポンと寝るように促されている。

 サン・ピエトロ寺院にダブルベッドがなかったので、これもあの能力でキングサイズの天蓋付きベッドをイメージしたんだっけ。それをみた陛下が異常に喜ばれたことまでは、なんとなく覚えている。

 「陛下、お許しを。」

 「なんて声している?バービーは絶叫タイプだな。もう少し声を我慢してくれたら、俺も我慢できるのだが。それとも俺を煽っているのか?ふふふ。なら嬉しいんだがな。」

 また陛下がちゅっちゅしてくる。甘いのか?Sなのかわからない。

 とにかく喉が痛い。乾いてカラカラ。龍格散がいいので、また欲しいと念じたら、異空間内に入っていたので備え付けのスプーンで1杯掬って喉に入れる。

 しばらく待つと楽になる。

 着替えて食堂に行くと、司祭様は待ちかねたよう顔をされ

 「女神様、こんな立派な大聖堂を頂き、感謝の言葉もございません。どうかゆるりとご逗留ください。昨夜はよく眠れましたか?もし、女神様さえよければこれから水晶玉判定をいたしとう存じますが……?」

 「今さら水晶玉判定でございますか?」

 「ええ、ええ。これでもし聖女様判定が出れば、我が国は安泰を約束されたようなものでございますれば、ぜひとも……。」

 ためらうバーバラの前に水晶玉が運び込まれる。

 「司祭様がこうまでおっしゃられているんだから、せっかくだしバービーやってみたらいいよ。」

 陛下は呑気にそんなことをおっしゃられるが、これって今さらする意味あるの?

 だって、この視察旅行が済めば、わたくしたち夫婦別れをするというのに。王妃だけで充分だと思うけど?

 渋々、水晶玉に手をかざすと、やはり期待通りの結果が!

 「さすが!女神様で聖女様でもあられましたか。おお!神よ。このような美しき女神様を遣わせていただき、誠に感謝申し上げます。」

 「これからもご精進くださいね。」

 「はっ!女神様の仰せのままに。」

 これではっきりわかった。わたくしのこの不思議な能力は聖女様の魔法だったということ、そしてあの金貨10万枚を貰ったときに覚醒したのだということも。

 聖女様は純潔でなければ覚醒しない。

 あと2か月と少しで契約期間満了になる。そうしたら晴れて自由の身になれる!

 だから聖女判定なんてどうでもいいのに。

 でも一人で生きていくなら肩書はないよりは、あったほうがいい。それに金貨もある。

 正直なところ、少し寂しい気持ちもあるけど、前世が不幸だったのだから今世は幸せになりたかったけど、陛下が2年間と言う期限を設けられたから、従うしかない。

 この視察旅行が終われば、きれいさっぱり笑顔で別れたい。今はそれだけが希望よ。
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