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私の名前はリリアーヌ・ハーバネス、あのババァを見返すためにやっと掴んだ幸せ。
それなのに、明日打ち首獄門台だなんて、あんまりだ。どうしよう。
あのクソババァは忘れているかもしれないけど、1年前街へ買い物に出かけた時、薄汚い乞食ババァが私のドレスの裾を掴んで、物乞いをしてきやがった。
「なんで、こんな汚いババァがよりにもよって私の一番のお気に入りのドレスを汚すの!」
その薄汚いババァを突き飛ばしてやったら、しりもちをついて転んだのよ。ざまぁみろ。いい気味だわ。と思って、前を向いたらそこにあのババァが鬼の形相で突っ立っていたのよ。
あのババァ、こともあろうに衆人環視の中、私の頬をぶっ叩いたのよ。許せない!
しかも正論を並べて。
「美しく若いからと言って、弱いものに暴力をふるっていいことにはなりません。汚いのは、アナタの心です。アナタが誇りにしている身分や若さは、たまたま運よく手に入れたものに過ぎないことを忘れないで。それを特権だと勘違いしているのは若いだけのバカ女よ。」
って、何よ?
見ず知らずの貴族令嬢に手を挙げたのは、アンタじゃないの!
調べたら、それはバーバラ・メルセデス伯爵令嬢だとすぐわかったわ。ハーバネス公爵と婚約しているということも。
来年、社交界にデビューする年だから、その時にハーバネス公爵様に色仕掛けで、あのババァから婚約者を奪い取ってやる!
そこまでは計画通りだったんだけどさ、あのボンクラ公爵、「結婚しよう」とすぐ言っちゃったんで、仕方なく結婚してヤル羽目になった。
まだ16歳の若さでよ!?
よっぽど愛されることに飢えていたんだな、あのボンクラ。ロクに女も満足させられないようなヤク勃たずの不能男。でも身分だけはやたら高いから近づいただけなのに。いい金づる捕まえただけだと思ったのに。こんなはずじゃなかった。
それがよ、ただあのババァに仕返ししたかっただけなのに、もう明日、打ち首なんてあんまりだ。
それにあの夜以来、一度も夫は迎えに来てくれない。死んだら化けて出てやる!
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
俺の名は、バトラー・アルキメデス。この国の国王だ。即位したのは、7年前父の前国王が急死したせいで、当時まだ大学生だった俺が即位することになった。父には子供が息子の俺一人しかいなく、俺が王位を継ぐ形になったのだ。
父は母一人しか愛していなく、母は俺を産むとき相当な難産でもう二度と子供が授からなくなったそうだ。
父は死んだ当時、毒殺されたという噂があったが、それは噂の域を出ず証拠は何もなかったのだが、父の弟が隣国で糸を引いているということは眼に見えて明らかだった。
なぜかと言うと、すぐに隣国と吸収合併話が起こり、拒否すると有無も言わさず侵攻してきた。驚いたことに父の重臣だと思っていた奴らは、すぐに隣国に寝返り、俺は裸の王様になったわけで、そんな時俺と共に武器を構えてくれたのが今の重臣、学友たちである。
若い力で俺は国を守る。俺が勝ったとき、何食わぬ顔をして、再び父の重臣どもが戻ってきやがった。それを俺は全員、処刑したのだ。
「あの時は、若を試してみただけなのですっ!信じてください、若!」
そんなこと信じられるわけがないだろっ!重臣どもの家族もすべて皆殺しにしたのだが、ただひとりハーバネスだけは生かしておいた。なぜって、アイツはインポテンツで、それにアイツの祖母は元王女だったから。
バーバラを初めて見た時のことを覚えている。
真紅の薔薇のような美しさで圧倒された日、話しかけることもままならず、バーバラの甘い誘惑に惑わされたかのように群がる貴族の息子たち。せめて話しかけたいという願望すら受け入れさせてもらえない。
それが2年前に、あのインポのハーバネスの婚約者になったと聞いたときは、怒り心頭で、なぜ俺はあの時、ハーバネスを殺してしまわなかったのかを悔やんでも悔やみきれずにいた。
それから1年後、王都で偶然バーバラを見た。かっこよすぎる姿で。バーバラは男爵令嬢が物乞いをしに来た年寄りを突き飛ばして転倒させている現場に居合わせ、その男爵令嬢を引っ叩いたのだ。
そればかりかその時に吐いたセリフが俺も一度言ってみたいと思うようなもので
「汚いのはアナタの心よ。アナタが誇りにしている身分や若さなんて、たまたま手に入れた産物しかないってことをよく覚えておきなさい。そして、それが特権階級だなんて思わないで。」
ヒャァッーかっこいい!
俺は男爵令嬢の素性も調べさせる。リリアーヌ・ドイル、来年デビュタントの15歳だということもわかった。
それから1年後、俺は婚約破棄の現場に居合わせてしまう。これはチャンスだ。このチャンスを逃したら二度と回ってこないかもしれない。破談になった傷心のバーバラを慰め……できれば、手籠めにしてでも俺のものにしたい。
それが……その夜、バーバラを持ち帰ることには成功したのだが、アイツ、やけ酒が過ぎてへべれけになっていたので、顔だけ見たら安全なところへ彼女を保護し、場合によれば家まで送り届けて帰るつもりでいたのだが、バーバラは悪酔いした挙句、俺に吐しゃ物を浴びせた。
仕方なく宿を取り、俺は綺麗に洗い流し、彼女を朝まで寝かせつけたのだ。
まぁ、そのおかげでバーバラに対する色っぽい気持ちは失せてしまったのだが、バーバラは寝相が悪く、いくら俺が布団をかけなおしてやってもすぐ蹴飛ばし、「暑い!」と騒いで自らドレスを脱ぎだしたときは焦った。
おかげで彼女の一糸まとわぬ姿を目にしたことは役得?だとしても、今は抱く気になれない。
惚れた女を無理やりなど、一国の国王がすることではないと思いとどまったのだ。
俺が国王に即位してからと言うもの、毎日毎日、たくさんの綺麗な女が王妃になりたいという目当てに押しかけてくる。
だが俺の王妃候補はただ一人だけ、バーバラ・メルセデス。君の心が欲しい。
そしてまた運命の歯車が回り出す。
ハーバネスがデビュタントの女に手を出した。インポのくせによくやるよ、ったく。でもその相手を知って、驚いたよ。1年前王都で物乞い相手に罵言罵倒した女。
あの女は、バーバラ憎しで、ハーバネスにちょっかいをかけたのか!?だとしても、いずれ離婚だが、俺はこれを利用させてもらうことにする。すべてはバーバラを手に入れるために。
バーバラとリリアーヌが同席するパーティに片っ端から行くようにした。あのバカ女は必ずバーバラに無礼を働くはずだから、そこをふん捕まえて、ハーバネスと共に処刑すればいい。
計画はうまくいく。だが俺がパーティで婚約者として、バーバラの横に立つことをあいつは拒否したのだ。
「わたくしには、荷が重いです。もっと静かな平穏な人生を送らせてください。」
狙った獲物にまた逃げられそうになった俺は、提案してしまう。
「だったら契約婚はどうだ?1年、いや2年間、俺を見てほしい。それでどうしてもダメなのなら、その時はきれいさっぱり諦めるよ。慰謝料として金貨10000枚を渡す。」
これには、バーバラも反対を唱えなかった。そして俺たちは偽装?仮面夫婦として、国の内外にお披露目を果たす。
それなのに、明日打ち首獄門台だなんて、あんまりだ。どうしよう。
あのクソババァは忘れているかもしれないけど、1年前街へ買い物に出かけた時、薄汚い乞食ババァが私のドレスの裾を掴んで、物乞いをしてきやがった。
「なんで、こんな汚いババァがよりにもよって私の一番のお気に入りのドレスを汚すの!」
その薄汚いババァを突き飛ばしてやったら、しりもちをついて転んだのよ。ざまぁみろ。いい気味だわ。と思って、前を向いたらそこにあのババァが鬼の形相で突っ立っていたのよ。
あのババァ、こともあろうに衆人環視の中、私の頬をぶっ叩いたのよ。許せない!
しかも正論を並べて。
「美しく若いからと言って、弱いものに暴力をふるっていいことにはなりません。汚いのは、アナタの心です。アナタが誇りにしている身分や若さは、たまたま運よく手に入れたものに過ぎないことを忘れないで。それを特権だと勘違いしているのは若いだけのバカ女よ。」
って、何よ?
見ず知らずの貴族令嬢に手を挙げたのは、アンタじゃないの!
調べたら、それはバーバラ・メルセデス伯爵令嬢だとすぐわかったわ。ハーバネス公爵と婚約しているということも。
来年、社交界にデビューする年だから、その時にハーバネス公爵様に色仕掛けで、あのババァから婚約者を奪い取ってやる!
そこまでは計画通りだったんだけどさ、あのボンクラ公爵、「結婚しよう」とすぐ言っちゃったんで、仕方なく結婚してヤル羽目になった。
まだ16歳の若さでよ!?
よっぽど愛されることに飢えていたんだな、あのボンクラ。ロクに女も満足させられないようなヤク勃たずの不能男。でも身分だけはやたら高いから近づいただけなのに。いい金づる捕まえただけだと思ったのに。こんなはずじゃなかった。
それがよ、ただあのババァに仕返ししたかっただけなのに、もう明日、打ち首なんてあんまりだ。
それにあの夜以来、一度も夫は迎えに来てくれない。死んだら化けて出てやる!
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
俺の名は、バトラー・アルキメデス。この国の国王だ。即位したのは、7年前父の前国王が急死したせいで、当時まだ大学生だった俺が即位することになった。父には子供が息子の俺一人しかいなく、俺が王位を継ぐ形になったのだ。
父は母一人しか愛していなく、母は俺を産むとき相当な難産でもう二度と子供が授からなくなったそうだ。
父は死んだ当時、毒殺されたという噂があったが、それは噂の域を出ず証拠は何もなかったのだが、父の弟が隣国で糸を引いているということは眼に見えて明らかだった。
なぜかと言うと、すぐに隣国と吸収合併話が起こり、拒否すると有無も言わさず侵攻してきた。驚いたことに父の重臣だと思っていた奴らは、すぐに隣国に寝返り、俺は裸の王様になったわけで、そんな時俺と共に武器を構えてくれたのが今の重臣、学友たちである。
若い力で俺は国を守る。俺が勝ったとき、何食わぬ顔をして、再び父の重臣どもが戻ってきやがった。それを俺は全員、処刑したのだ。
「あの時は、若を試してみただけなのですっ!信じてください、若!」
そんなこと信じられるわけがないだろっ!重臣どもの家族もすべて皆殺しにしたのだが、ただひとりハーバネスだけは生かしておいた。なぜって、アイツはインポテンツで、それにアイツの祖母は元王女だったから。
バーバラを初めて見た時のことを覚えている。
真紅の薔薇のような美しさで圧倒された日、話しかけることもままならず、バーバラの甘い誘惑に惑わされたかのように群がる貴族の息子たち。せめて話しかけたいという願望すら受け入れさせてもらえない。
それが2年前に、あのインポのハーバネスの婚約者になったと聞いたときは、怒り心頭で、なぜ俺はあの時、ハーバネスを殺してしまわなかったのかを悔やんでも悔やみきれずにいた。
それから1年後、王都で偶然バーバラを見た。かっこよすぎる姿で。バーバラは男爵令嬢が物乞いをしに来た年寄りを突き飛ばして転倒させている現場に居合わせ、その男爵令嬢を引っ叩いたのだ。
そればかりかその時に吐いたセリフが俺も一度言ってみたいと思うようなもので
「汚いのはアナタの心よ。アナタが誇りにしている身分や若さなんて、たまたま手に入れた産物しかないってことをよく覚えておきなさい。そして、それが特権階級だなんて思わないで。」
ヒャァッーかっこいい!
俺は男爵令嬢の素性も調べさせる。リリアーヌ・ドイル、来年デビュタントの15歳だということもわかった。
それから1年後、俺は婚約破棄の現場に居合わせてしまう。これはチャンスだ。このチャンスを逃したら二度と回ってこないかもしれない。破談になった傷心のバーバラを慰め……できれば、手籠めにしてでも俺のものにしたい。
それが……その夜、バーバラを持ち帰ることには成功したのだが、アイツ、やけ酒が過ぎてへべれけになっていたので、顔だけ見たら安全なところへ彼女を保護し、場合によれば家まで送り届けて帰るつもりでいたのだが、バーバラは悪酔いした挙句、俺に吐しゃ物を浴びせた。
仕方なく宿を取り、俺は綺麗に洗い流し、彼女を朝まで寝かせつけたのだ。
まぁ、そのおかげでバーバラに対する色っぽい気持ちは失せてしまったのだが、バーバラは寝相が悪く、いくら俺が布団をかけなおしてやってもすぐ蹴飛ばし、「暑い!」と騒いで自らドレスを脱ぎだしたときは焦った。
おかげで彼女の一糸まとわぬ姿を目にしたことは役得?だとしても、今は抱く気になれない。
惚れた女を無理やりなど、一国の国王がすることではないと思いとどまったのだ。
俺が国王に即位してからと言うもの、毎日毎日、たくさんの綺麗な女が王妃になりたいという目当てに押しかけてくる。
だが俺の王妃候補はただ一人だけ、バーバラ・メルセデス。君の心が欲しい。
そしてまた運命の歯車が回り出す。
ハーバネスがデビュタントの女に手を出した。インポのくせによくやるよ、ったく。でもその相手を知って、驚いたよ。1年前王都で物乞い相手に罵言罵倒した女。
あの女は、バーバラ憎しで、ハーバネスにちょっかいをかけたのか!?だとしても、いずれ離婚だが、俺はこれを利用させてもらうことにする。すべてはバーバラを手に入れるために。
バーバラとリリアーヌが同席するパーティに片っ端から行くようにした。あのバカ女は必ずバーバラに無礼を働くはずだから、そこをふん捕まえて、ハーバネスと共に処刑すればいい。
計画はうまくいく。だが俺がパーティで婚約者として、バーバラの横に立つことをあいつは拒否したのだ。
「わたくしには、荷が重いです。もっと静かな平穏な人生を送らせてください。」
狙った獲物にまた逃げられそうになった俺は、提案してしまう。
「だったら契約婚はどうだ?1年、いや2年間、俺を見てほしい。それでどうしてもダメなのなら、その時はきれいさっぱり諦めるよ。慰謝料として金貨10000枚を渡す。」
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