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妹
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カーマンデール王国の公爵家には、双子の娘がいました。
姉はシルべーヌ、妹はリリアーヌ、小さい時は、どちらがどちらか見分けがつかないほど瓜二つでしたが、長じてくると姉は聡明で物静か、妹は明るくおきゃんな感じとなったのですが、実は、妹の性格は、作られたものでした。いわゆる外面だけはいいのです。実は、嫉妬深く姉の持ち物をなんでも欲しがる強欲女なのです。
大人は、みな妹の性格を知っていて、姉を王太子の婚約者として、選びました。姉は、幼い時からお妃教育が大変で、王宮に通い詰めでした。妹も時折、ついてくるのですが、もちろん教育ではなく、王子たちと遊ぶためです。しだいに妹は、王子たちとカラダの関係を結ぶようになりました。
双子のうち、どちらかが聖女であると言われてから、急に妹が変わるようになりました。今までは、わがままを言い放題だったのですが、聖女になりたい一心で、人に対して優しく接するようになりました。姉は、そんな妹の変化を喜ばしく思っていたのですが、学園を卒業するころ、急に王太子から呼び出されまして
「公爵令嬢シルベーヌ、貴様とは、婚約を破棄し、かわりに妹のリリアーヌと婚約する。」
寝耳に水でよくわからなかった。王太子の隣でリリアーヌが勝ち誇った顔をしていた。リリアーヌは、自分が聖女だと言っていたらしい。どうせなら聖女と結婚したい王太子は、今のうちから婚約者を姉から妹にすり替えたのである。
もう、妃教育は済んでいるので、どうでもいい、と思っていたら、両親から実は、姉に縁談が来ているという。姉はカーマンデール王太子の婚約者なので、とお断りをしていたそうなのだが、妹のほうではなく、どうしても姉と婚約したいとかねてから申し入れがあり困惑していたところ、此度の婚約破棄は渡りに船の出来事だったらしく、両親から「どうだ?」と言われた。王太子がリリアーヌと婚約してしまった今、シルベーヌは断る理由もないので、お受けしました。
シルベーヌは、お相手のネオシスト皇太子殿下に「なぜ?わたくしなのですか?」とお伺いしたとき、数年前にお忍びでカーマンデール王国に旅行に来た時、身なりが貧相だったにもかかわらず、シルベーヌからたいそう親切にされたので、名前を憶えていて、縁談を申し込んだ、という話。同じ時期に、妹リリアーヌからは、ひどい仕打ちを受けたらしい、そこをたまたま通りかかったシルベーヌが助けたということだった。
もう、そんな前の話、忘れてしまったが、そう言われれば…、そんなこともあったような話ね。と思い出していた。
聖女選定の儀式をしないまま、シルベーヌは隣国へ嫁いだ。
シルベーヌが嫁に行ってから、カーマンデール王国で、聖女選定の儀式が行われたが、当然、リリアーヌの前に置かれてある水晶玉はなにも反応しなかった。やはり、聖女ではなかったのだ。
隣国へ使いを出し、シルベーヌに聖女選定の儀式を行ったところ、見事にキラキラ光輝き続けました。
聖女と婚約していながら、みすみす婚約破棄して、シルベーヌを隣国に奪われた王太子は廃嫡となり、リリアーヌは偽聖女の汚名を着せられ、追放されてしまいました。聖女は付け焼刃でどうにかなるものではない。
姉はシルべーヌ、妹はリリアーヌ、小さい時は、どちらがどちらか見分けがつかないほど瓜二つでしたが、長じてくると姉は聡明で物静か、妹は明るくおきゃんな感じとなったのですが、実は、妹の性格は、作られたものでした。いわゆる外面だけはいいのです。実は、嫉妬深く姉の持ち物をなんでも欲しがる強欲女なのです。
大人は、みな妹の性格を知っていて、姉を王太子の婚約者として、選びました。姉は、幼い時からお妃教育が大変で、王宮に通い詰めでした。妹も時折、ついてくるのですが、もちろん教育ではなく、王子たちと遊ぶためです。しだいに妹は、王子たちとカラダの関係を結ぶようになりました。
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「公爵令嬢シルベーヌ、貴様とは、婚約を破棄し、かわりに妹のリリアーヌと婚約する。」
寝耳に水でよくわからなかった。王太子の隣でリリアーヌが勝ち誇った顔をしていた。リリアーヌは、自分が聖女だと言っていたらしい。どうせなら聖女と結婚したい王太子は、今のうちから婚約者を姉から妹にすり替えたのである。
もう、妃教育は済んでいるので、どうでもいい、と思っていたら、両親から実は、姉に縁談が来ているという。姉はカーマンデール王太子の婚約者なので、とお断りをしていたそうなのだが、妹のほうではなく、どうしても姉と婚約したいとかねてから申し入れがあり困惑していたところ、此度の婚約破棄は渡りに船の出来事だったらしく、両親から「どうだ?」と言われた。王太子がリリアーヌと婚約してしまった今、シルベーヌは断る理由もないので、お受けしました。
シルベーヌは、お相手のネオシスト皇太子殿下に「なぜ?わたくしなのですか?」とお伺いしたとき、数年前にお忍びでカーマンデール王国に旅行に来た時、身なりが貧相だったにもかかわらず、シルベーヌからたいそう親切にされたので、名前を憶えていて、縁談を申し込んだ、という話。同じ時期に、妹リリアーヌからは、ひどい仕打ちを受けたらしい、そこをたまたま通りかかったシルベーヌが助けたということだった。
もう、そんな前の話、忘れてしまったが、そう言われれば…、そんなこともあったような話ね。と思い出していた。
聖女選定の儀式をしないまま、シルベーヌは隣国へ嫁いだ。
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隣国へ使いを出し、シルベーヌに聖女選定の儀式を行ったところ、見事にキラキラ光輝き続けました。
聖女と婚約していながら、みすみす婚約破棄して、シルベーヌを隣国に奪われた王太子は廃嫡となり、リリアーヌは偽聖女の汚名を着せられ、追放されてしまいました。聖女は付け焼刃でどうにかなるものではない。
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