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辺境伯令嬢アデライン
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「辺境伯令嬢アデライン、お前との婚約を、今日をもって解消する!俺は、そもそも辺境伯など国の端にいて、何の役にも立ってないじゃないか!そんな税金泥棒を王家に入れるわけにはいかない!」
「あら、それでよろしいのですね。恐れ多くも国王陛下からのご命令で婚約いたしました。それを王子殿下が勝手に覆されるとは、それでは婚約破棄書類は、そちらで手続きくださいませ。」
わたくしアデラインは、めっちゃムカついたので、踵を返してさっさと帰ってきた。
もう、魔物が襲ってきても、なんもしてやんないと心に決めた。
そう、辺境領地は、魔物や他国からの侵略の一番の守護地。それを税金泥棒呼ばわりとは、いくら第1王子クロード殿下とはいえ、看過できない発言である。
アデラインは、馬車で辺境伯領へ戻る道すがら怒りまくっていた。瞬間、馬車が傾いた。
「!」馬車ごと、谷底へ真っ逆さまに墜落した。
衝撃が襲うはずなのに、「?」アデラインの馬車は、宙に浮かんでいた。
「ここは、天国?」と思って、下を見たら谷底が見えた。
そして、そのまま宙に浮かんだまま、辺境伯領へ戻った。
辺境伯領の上空から現れたアデラインが乗った馬車に、辺境伯爵も屋敷の者も、それから領民も皆、驚いた。
「なんかね、馬車が傾いて、谷底へ落ちたはずなのに、落ちずに宙に浮かんだのよ。それでそのまま、飛んできちゃった。」ケロッとしているアデライン。
「「「「「それって?もしかして?聖女様だ!!」」」」」
「え?」
ど、どうして?そういうことになるの?困惑するアデライン。
もう辺境伯領は、アデライン本人をほったらかしで、お祭り騒ぎになっている。
「そうだ!国王陛下に知らせねば!」
「ちょっと待ってよ。お父さま、王子殿下から婚約破棄されました。ウチは税金泥棒なんだって。それでそんな人間を王家に入れるわけがいかないって言われたのよ。」
「なんだって!それは、本当か!いや、それならなおさらアデラインが聖女だと知らせて、地団太踏ませてやろう。」
その後、王城では、
「第1王子クロードと婚約破棄をしたアデライン嬢が聖女として覚醒しただと?何やっている?第2王子と婚約させんか!バカ者が!クロードを廃嫡し、第2王子を第1王子に据えるのだ。それから、立派な馬車を仕立てて、聖女様をお迎えに行け!」
「クロードよ。辺境伯ともめ事を起こすなとあれほど言ったのがわからなかったのか?辺境領は国の要だ。辺境伯の機嫌を損なうと国はつぶれる。それを怒らせて、婚約破棄など言語道断だ。」
ほどなくして、王家から金色の馬車が着いたが、
「いやです。絶対に王家へは、行きません。税金泥棒と言われました。そんなところへ誰が行くものですか!帰ってください!」
追い返された馬車は、王城へ戻った。
「なに!前の第1王子クロードが税金泥棒と言った?バカ者、あやつを処刑して、その首持って謝りに行け!」
前の第1王子クロードは、殺されたらかなわないとばかりに、王城を逃げ出した。そして、髪型髪色を変えて、静かに暮らしたかどうかは、不明。
しばらくしてから、辺境伯領は、王国から独立した。聖女様を旗印に、何十万ともいうべき兵が集まり、その力の差で王家は屈服したのだった。
アデラインのところには、毎日、世界中から縁談が舞い込んだ。
今はまだ、決まられずにいるが、いつか、きっと……巡り合えるといいな♡
「あら、それでよろしいのですね。恐れ多くも国王陛下からのご命令で婚約いたしました。それを王子殿下が勝手に覆されるとは、それでは婚約破棄書類は、そちらで手続きくださいませ。」
わたくしアデラインは、めっちゃムカついたので、踵を返してさっさと帰ってきた。
もう、魔物が襲ってきても、なんもしてやんないと心に決めた。
そう、辺境領地は、魔物や他国からの侵略の一番の守護地。それを税金泥棒呼ばわりとは、いくら第1王子クロード殿下とはいえ、看過できない発言である。
アデラインは、馬車で辺境伯領へ戻る道すがら怒りまくっていた。瞬間、馬車が傾いた。
「!」馬車ごと、谷底へ真っ逆さまに墜落した。
衝撃が襲うはずなのに、「?」アデラインの馬車は、宙に浮かんでいた。
「ここは、天国?」と思って、下を見たら谷底が見えた。
そして、そのまま宙に浮かんだまま、辺境伯領へ戻った。
辺境伯領の上空から現れたアデラインが乗った馬車に、辺境伯爵も屋敷の者も、それから領民も皆、驚いた。
「なんかね、馬車が傾いて、谷底へ落ちたはずなのに、落ちずに宙に浮かんだのよ。それでそのまま、飛んできちゃった。」ケロッとしているアデライン。
「「「「「それって?もしかして?聖女様だ!!」」」」」
「え?」
ど、どうして?そういうことになるの?困惑するアデライン。
もう辺境伯領は、アデライン本人をほったらかしで、お祭り騒ぎになっている。
「そうだ!国王陛下に知らせねば!」
「ちょっと待ってよ。お父さま、王子殿下から婚約破棄されました。ウチは税金泥棒なんだって。それでそんな人間を王家に入れるわけがいかないって言われたのよ。」
「なんだって!それは、本当か!いや、それならなおさらアデラインが聖女だと知らせて、地団太踏ませてやろう。」
その後、王城では、
「第1王子クロードと婚約破棄をしたアデライン嬢が聖女として覚醒しただと?何やっている?第2王子と婚約させんか!バカ者が!クロードを廃嫡し、第2王子を第1王子に据えるのだ。それから、立派な馬車を仕立てて、聖女様をお迎えに行け!」
「クロードよ。辺境伯ともめ事を起こすなとあれほど言ったのがわからなかったのか?辺境領は国の要だ。辺境伯の機嫌を損なうと国はつぶれる。それを怒らせて、婚約破棄など言語道断だ。」
ほどなくして、王家から金色の馬車が着いたが、
「いやです。絶対に王家へは、行きません。税金泥棒と言われました。そんなところへ誰が行くものですか!帰ってください!」
追い返された馬車は、王城へ戻った。
「なに!前の第1王子クロードが税金泥棒と言った?バカ者、あやつを処刑して、その首持って謝りに行け!」
前の第1王子クロードは、殺されたらかなわないとばかりに、王城を逃げ出した。そして、髪型髪色を変えて、静かに暮らしたかどうかは、不明。
しばらくしてから、辺境伯領は、王国から独立した。聖女様を旗印に、何十万ともいうべき兵が集まり、その力の差で王家は屈服したのだった。
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