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破棄できました
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ある王宮のパーティでのこと、わたくしこと公爵令嬢のジャスミンは、今日、婚約破棄されるらしい。誰に?もちろんこの国の王太子ロバート様からよ。今まで継母と義理の妹に虐げられていて、変なメイクと牛乳瓶の底みたいな丸眼鏡とかつらをかぶせられていたのよ。
ところが、今日を最後に実母の実家から、お迎えが来るのよ。それで、お迎えの人がわからなかったら、困るから、今日だけは、素顔をさらしてきていますのよ。
パーティ会場に入ると、だれ?という視線が痛いわ。今まで、ろくすっぽ鏡も見せてもらえなかったんだけど、わたくしって、そんなにブサイクなのかしら?
婚約破棄の決定的瞬間まで、壁の花としゃれこもう。
王太子ロバート様が義理妹リリアーヌを腕にぶら下げながら、入場されたわ。
王太子殿下は、ジャスミンを探しているようだったが、見つからず、仕方なく、その場で
「公爵令嬢ジャスミン・フレグランス、この場に姿は見えないようなので、ここで宣言する。貴様との婚約は破棄するものとする。」
ジャスミンが一歩前へ進み、
「ジャスミン・フレグランスは、確かに承知いたしました。」
美しいカーテシーをして、その場から去った。
その後姿を見て、慌てたのが王太子ロバート殿下、
「ま、待ってください。」追いかける王太子、義理妹リリアーヌが邪魔をして、追いかけられない。リリアーヌの腕を乱暴に振りほどき、後を追うも、すでにジャスミンは、馬車のところまで行き、御者に馬車の扉を開けてもらっているところでした。
「待ってください。あなたが、ジャスミン嬢ですか?」
「はい。お久しゅうございます。今までは、義母に言われて変装していましたが、今日はこれより実母の実家へ行きますので、素顔のままで参上しました。では、殿下もお幸せに。」
「そ、そんな…。最初から探していたあなたがジャスミン嬢だったとは…。」
そのまま馬車は、走り去った。
会場に戻り、従者にあれこれ指示を出していたら、リリアーヌ・フレグランスがうるさくまとわりつくが、本当のジャスミン嬢の姿を知ってから、リリアーヌもその他もすべて、色を失って見えた。
「ねえ、ロバート、いつになったら私をお嫁さんにしてくれるのよ。」
「誰が貴様と結婚すると言った?」
この馬鹿女が心底むかつく。こいつはジャスミンが本当の姿にならないように情報操作していたのだろう。そして、こいつの母、フレグランス夫人も一枚絡んでいるに違いない。というより、フレグランス夫人が描いた絵であろう。
従者がメモを持ってきた。思っていた通り、フレグランス公爵と夫人の婚姻届はなかった。夫人の連れ子であるリリアーヌと夫人は、平民の身分だ。そういえば、幼い時に婚約するとき、母からジャスミン嬢は、継母から虐げられているということを聞いたような気がする。あの時は、あこがれの美女、ジャスミン嬢と婚約できることがうれしくて、ろくに話を聞いていなかった。
その後、ジャスミン嬢は、会うたびにどんどん美貌を失っていった。金髪だった髪も白茶けたぼさぼさの髪になり、金眼もまんまるめがねで見えなくなった。真っ白だった肌も茶色に薄汚れた感じに見えた。
だが、今日、会ったジャスミン嬢は昔会ったジャスミン嬢より美人になっていた。本来の素顔のまま、来てくれた。あのままのジャスミン嬢なら、婚約破棄などしない。すべて、あの母娘が仕組んだのだ。許せない!衛兵にあの母娘を牢に放り込むように命じた。
あとは、ジャスミン嬢を彼女の実母の国まで、迎えに行くだけだ。
その頃、ジャスミンは、実母の実家で幸せに過ごしていた。実母の国の王子様が求婚してくださって、驚く間もないぐらいに結婚式の準備が進められた。
「ジャスミン嬢、あなたのような絶世の美女と婚約破棄するなど、考えられないです。ロバート王太子は目が腐っているのではないですか?」と笑いものにされていることもつゆ知らず、ジャスミンが王子妃となって、懐妊してからロバートは、迎えに来たが、すべては後の祭りだった。
ところが、今日を最後に実母の実家から、お迎えが来るのよ。それで、お迎えの人がわからなかったら、困るから、今日だけは、素顔をさらしてきていますのよ。
パーティ会場に入ると、だれ?という視線が痛いわ。今まで、ろくすっぽ鏡も見せてもらえなかったんだけど、わたくしって、そんなにブサイクなのかしら?
婚約破棄の決定的瞬間まで、壁の花としゃれこもう。
王太子ロバート様が義理妹リリアーヌを腕にぶら下げながら、入場されたわ。
王太子殿下は、ジャスミンを探しているようだったが、見つからず、仕方なく、その場で
「公爵令嬢ジャスミン・フレグランス、この場に姿は見えないようなので、ここで宣言する。貴様との婚約は破棄するものとする。」
ジャスミンが一歩前へ進み、
「ジャスミン・フレグランスは、確かに承知いたしました。」
美しいカーテシーをして、その場から去った。
その後姿を見て、慌てたのが王太子ロバート殿下、
「ま、待ってください。」追いかける王太子、義理妹リリアーヌが邪魔をして、追いかけられない。リリアーヌの腕を乱暴に振りほどき、後を追うも、すでにジャスミンは、馬車のところまで行き、御者に馬車の扉を開けてもらっているところでした。
「待ってください。あなたが、ジャスミン嬢ですか?」
「はい。お久しゅうございます。今までは、義母に言われて変装していましたが、今日はこれより実母の実家へ行きますので、素顔のままで参上しました。では、殿下もお幸せに。」
「そ、そんな…。最初から探していたあなたがジャスミン嬢だったとは…。」
そのまま馬車は、走り去った。
会場に戻り、従者にあれこれ指示を出していたら、リリアーヌ・フレグランスがうるさくまとわりつくが、本当のジャスミン嬢の姿を知ってから、リリアーヌもその他もすべて、色を失って見えた。
「ねえ、ロバート、いつになったら私をお嫁さんにしてくれるのよ。」
「誰が貴様と結婚すると言った?」
この馬鹿女が心底むかつく。こいつはジャスミンが本当の姿にならないように情報操作していたのだろう。そして、こいつの母、フレグランス夫人も一枚絡んでいるに違いない。というより、フレグランス夫人が描いた絵であろう。
従者がメモを持ってきた。思っていた通り、フレグランス公爵と夫人の婚姻届はなかった。夫人の連れ子であるリリアーヌと夫人は、平民の身分だ。そういえば、幼い時に婚約するとき、母からジャスミン嬢は、継母から虐げられているということを聞いたような気がする。あの時は、あこがれの美女、ジャスミン嬢と婚約できることがうれしくて、ろくに話を聞いていなかった。
その後、ジャスミン嬢は、会うたびにどんどん美貌を失っていった。金髪だった髪も白茶けたぼさぼさの髪になり、金眼もまんまるめがねで見えなくなった。真っ白だった肌も茶色に薄汚れた感じに見えた。
だが、今日、会ったジャスミン嬢は昔会ったジャスミン嬢より美人になっていた。本来の素顔のまま、来てくれた。あのままのジャスミン嬢なら、婚約破棄などしない。すべて、あの母娘が仕組んだのだ。許せない!衛兵にあの母娘を牢に放り込むように命じた。
あとは、ジャスミン嬢を彼女の実母の国まで、迎えに行くだけだ。
その頃、ジャスミンは、実母の実家で幸せに過ごしていた。実母の国の王子様が求婚してくださって、驚く間もないぐらいに結婚式の準備が進められた。
「ジャスミン嬢、あなたのような絶世の美女と婚約破棄するなど、考えられないです。ロバート王太子は目が腐っているのではないですか?」と笑いものにされていることもつゆ知らず、ジャスミンが王子妃となって、懐妊してからロバートは、迎えに来たが、すべては後の祭りだった。
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