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番外編
96.ワーホリ1
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異世界から戻ってきて、早3か月、神隠しの噂もめっきり他人の口に登らなくなってきた。
時は7月で、そろそろ夏休みシーズン、真理はワーキングホリデーに行くつもりでいるところ、異世界からお手紙?というのだろうか?突如、目の前に異世界の鳥らしきものが浮かんでいて、羊紙のようなお手紙を渡した後、しばらく真理の肩に止まって、お返事を催促しているように見える。
お手紙の内容は、少しの間だけでも戻ってきてほしいとのこと。どうせワーキングホリデーに行くつもりだから報酬によっては、行ってもいいけどと、少し気持ちが寄る。
でも、帰る時、追いかけてこられるのも面倒だとも、思う。
ワーキングホリデーは、近頃大流行りのアルバイト兼観光旅行、語学留学するぐらいなら、ワーキングホリデーに行って、現地の彼氏を捕まえ寝物語で語学を学んだ方が効率的に覚えられ、上達するという。
それに普通の留学と違って、就労制限がない。期間は半年から2年間だけど、前期試験さえ終われば、しばらく行ってこようと思っている。
真理の場合、他の医学生と違って、就職に困ることはない。
それにお給料が1か月手取り80万円もらえるらしいから、ニッポンでOLしているより、はるかに高収入が約束される。休日は、彼氏に観光案内させれば、楽しいこと間違いない!若い間にしかできない経験ができることも魅力なひとつ。
そういうわけで、ワーキングホリデーに行くつもりだったのだけど、異世界からの小鳥が可愛らしくて、ついペットにしてしまいたくなる。
去年、同じ大学の友人が行ってきて、お金は稼げるし、彼氏はできるし、観光もできるから、行ってよかったと言っていたので、今回は、真理も是非にと思っていたところだ。
「500万円もらえるのなら、行ってもいいよ」
返事を出したものの、その後の返事がなかったので、無視することにしていると、夏休みに入る前に、また、魔法鳥?というのか、「お迎えの支度が出来ました」と連絡が入る。
「ええー!めんどくさい」
本当に、500万円くれるのでしょうね?ビタ1文まけないよ?
いざとなれば、またすぐ戻ってきたらいいと思って、リュックサックにウエストポーチ、スーツケースを片手に指定された魔方陣に飛び乗る。
着いた先は、この前とは違う建物の中だった。どこ?ここ?
出迎えてくれたのは、この国の宰相閣下と、騎士団長、それに魔法師団長だということがわかるが、さらに場違いな元婚約者のマサユキがいた。
そのマサユキが開口一番、「どこ行っていたんだよ?お前、まさか!?元の世界に戻っていたのか?そうだろ!そのスーツケースにウエストポーチ、リュックサックのいでたちは、異世界へワーキングホリデーに来たノリではあるまいな?」
「うるさいわね!マサユキには関係ないでしょ?そんなこと言うなら、帰るわ!」
成田空港の出発ロビーを思い浮かべながら、飛んだ。
「えっ!お待ちを聖女様っ!」
その驚きと怒りは、まっすぐマサユキに向かう。
「貴様ぁ!よくも聖女様に向かって無礼な口をきいたな!こ奴を地下牢に放り込め!この役立たずが!」
「えっ!待ってくれ、アイツはおそらくメルボルンに行ったと思う」
「メルボルン?どこだそこは?どうやって行く?」
「元の世界ニッポンからは、飛行機で行ける」
「ひこうき?なんだそれは?」
「みんなで空を飛んでいく乗り物さ」
「なんと!聖女様は、異世界でも空を飛んでいらっしゃるとは、それでは逃げられても仕方がないということですね」
「いや、ニッポンでは金さえ払えば、いくらでも」
「はー。とにかく分かったが、この男を地下牢に放り込め!」
「ええっ!なんでよ?」
「お前がいると、聖女様が不愉快になられるようだ。それも婚約者を裏切る男なのだから、当然と言えば、当然だわな」
そして、そのまま本当にマサユキは地下牢に入れられた。ニッポンでは、浮気して、婚約者だろうと配偶者だろうと裏切り放題でも、ここは罪人として扱われるのだから、ニッポンでの常識は通じない。
その頃、真理は成田空港内の喧騒の中にいる。
「本っと腹が立つ、いつまで婚約者面してんのよ!ったく」
とにかく搭乗手続きを済まそうと、カウンターへ急ぐ。成田とメルボルン間は、10時間半のフライトで着くから、今夜はホテル泊まりになりそう。
一応、予約しておいて、よかった。だいたい異世界へ行くと無性に腹が立つ。最初の対応がアレだったからかもしれないけど、だからもう行きたくない。ワーキングホリデーの保険にぐらいしか考えていなかったから。
オーストラリアで、イヤなことがあったら、すぐニッポンへ逃げ帰るよりはマシという程度の保険としての異世界。
今日、いた人たちはみんなオジサンばかりで、恋の予感もまるでない。唯一、元の婚約者だけ若いと言えば若いが、もうアイツは小百合の旦那だからね。
オーストラリアにワーキングホリデーに行くつもりだったけど、よく考えれば、あちらは南半球でこれから厳冬シーズンに入るんだっけ?
ランキングを調べてみると、1位ニュージーランド、2位カナダ、3位オーストラリアというから、案外、真理のメルボルン行は正解だったのかもしれない。
みんなで行けば怖くない!
メルボルンでは、ワイナリーを手伝うことになっている。外での農作業はほとんどない。ワインを熟成させるための温度調節が主な仕事らしいわ。
後は、ワイナリーで働いている人のベビーシッターのお仕事などもある。ニッポンで言うところの、企業内託児施設というところかしらね。
飛行機に乗っている間から、これから待ち受けるであろうすべての事象に対してワクワク感がおさまらない。
そう。このワクワク感が残念ながら異世界には、ないのだ。
初めて行った遊園地の方がよっぽどワクワク感がある。何が待ち構えているかわからないこと、それに対してどういったリアクションを取るのかなど、自分でも体験したことがないことへの期待感がまるで感じられない。
かといって、異世界に既視感があるわけではない。
楽しみの一つが恋愛なのに、異世界では、年下のバカ王子しか若い男がいないというのもある。
魔法鳥ちゃんは、可愛いけど鳥ではね。
そうこう言っている間に、メルボルン空港へ到着、さすがに10時間30分はキツイわ。リムジンバスですぐホテルにチェックインして、今夜はバタンきゅーでそのまま眠り、明日の朝から動くことにする。
事前に申し込んでいたワイナリーに着くと、けっこう日本人のワーホリ者が多くて、心強い。
その中で朱美さん、京都のOLさんだった人とルームシェアすることになったのだけど、なかなか感じがイイ人みたいでよかった。
真理とは2個上の25歳。親から縁談を勧められるのが嫌で実家を飛び出してきた話に共感する。
朱美さんは、4月から留学がてら、ワーホリをしているみたいで、もうかなり語学が上達していらっしゃる。
それに、こちらに来てから彼氏もできたらしく、毎日が充実しているという。実にうらやましい限りだ。
早速施設内を見学させてもらい、その後は、昼食タイム。今日は真理が来たこともあり、ささやかな歓迎会をしてもらえたのだ。
次の日は、ちょうどお休みになり、ワーホリ者が街を案内してくれることに、楽しみがまた一つ増える。
少し寒いけど、東京の冬にいるよりは暖かく感じられる。
一昨日まで、東京の夏を満喫していたことが嘘みたいに思えてくる。
真夏の雪というものも、なかなかおつなものであることは間違いない。
ワーホリの先輩朱美さんの彼氏の友達でケビンという男の子を紹介される。イケメンというわけではないけど、とても優しい人柄に好感が持てる。
今後、付き合うかどうかは、まだわからないだけど、こういう人の彼女さんになりたいな、としみじみ思う。
時は7月で、そろそろ夏休みシーズン、真理はワーキングホリデーに行くつもりでいるところ、異世界からお手紙?というのだろうか?突如、目の前に異世界の鳥らしきものが浮かんでいて、羊紙のようなお手紙を渡した後、しばらく真理の肩に止まって、お返事を催促しているように見える。
お手紙の内容は、少しの間だけでも戻ってきてほしいとのこと。どうせワーキングホリデーに行くつもりだから報酬によっては、行ってもいいけどと、少し気持ちが寄る。
でも、帰る時、追いかけてこられるのも面倒だとも、思う。
ワーキングホリデーは、近頃大流行りのアルバイト兼観光旅行、語学留学するぐらいなら、ワーキングホリデーに行って、現地の彼氏を捕まえ寝物語で語学を学んだ方が効率的に覚えられ、上達するという。
それに普通の留学と違って、就労制限がない。期間は半年から2年間だけど、前期試験さえ終われば、しばらく行ってこようと思っている。
真理の場合、他の医学生と違って、就職に困ることはない。
それにお給料が1か月手取り80万円もらえるらしいから、ニッポンでOLしているより、はるかに高収入が約束される。休日は、彼氏に観光案内させれば、楽しいこと間違いない!若い間にしかできない経験ができることも魅力なひとつ。
そういうわけで、ワーキングホリデーに行くつもりだったのだけど、異世界からの小鳥が可愛らしくて、ついペットにしてしまいたくなる。
去年、同じ大学の友人が行ってきて、お金は稼げるし、彼氏はできるし、観光もできるから、行ってよかったと言っていたので、今回は、真理も是非にと思っていたところだ。
「500万円もらえるのなら、行ってもいいよ」
返事を出したものの、その後の返事がなかったので、無視することにしていると、夏休みに入る前に、また、魔法鳥?というのか、「お迎えの支度が出来ました」と連絡が入る。
「ええー!めんどくさい」
本当に、500万円くれるのでしょうね?ビタ1文まけないよ?
いざとなれば、またすぐ戻ってきたらいいと思って、リュックサックにウエストポーチ、スーツケースを片手に指定された魔方陣に飛び乗る。
着いた先は、この前とは違う建物の中だった。どこ?ここ?
出迎えてくれたのは、この国の宰相閣下と、騎士団長、それに魔法師団長だということがわかるが、さらに場違いな元婚約者のマサユキがいた。
そのマサユキが開口一番、「どこ行っていたんだよ?お前、まさか!?元の世界に戻っていたのか?そうだろ!そのスーツケースにウエストポーチ、リュックサックのいでたちは、異世界へワーキングホリデーに来たノリではあるまいな?」
「うるさいわね!マサユキには関係ないでしょ?そんなこと言うなら、帰るわ!」
成田空港の出発ロビーを思い浮かべながら、飛んだ。
「えっ!お待ちを聖女様っ!」
その驚きと怒りは、まっすぐマサユキに向かう。
「貴様ぁ!よくも聖女様に向かって無礼な口をきいたな!こ奴を地下牢に放り込め!この役立たずが!」
「えっ!待ってくれ、アイツはおそらくメルボルンに行ったと思う」
「メルボルン?どこだそこは?どうやって行く?」
「元の世界ニッポンからは、飛行機で行ける」
「ひこうき?なんだそれは?」
「みんなで空を飛んでいく乗り物さ」
「なんと!聖女様は、異世界でも空を飛んでいらっしゃるとは、それでは逃げられても仕方がないということですね」
「いや、ニッポンでは金さえ払えば、いくらでも」
「はー。とにかく分かったが、この男を地下牢に放り込め!」
「ええっ!なんでよ?」
「お前がいると、聖女様が不愉快になられるようだ。それも婚約者を裏切る男なのだから、当然と言えば、当然だわな」
そして、そのまま本当にマサユキは地下牢に入れられた。ニッポンでは、浮気して、婚約者だろうと配偶者だろうと裏切り放題でも、ここは罪人として扱われるのだから、ニッポンでの常識は通じない。
その頃、真理は成田空港内の喧騒の中にいる。
「本っと腹が立つ、いつまで婚約者面してんのよ!ったく」
とにかく搭乗手続きを済まそうと、カウンターへ急ぐ。成田とメルボルン間は、10時間半のフライトで着くから、今夜はホテル泊まりになりそう。
一応、予約しておいて、よかった。だいたい異世界へ行くと無性に腹が立つ。最初の対応がアレだったからかもしれないけど、だからもう行きたくない。ワーキングホリデーの保険にぐらいしか考えていなかったから。
オーストラリアで、イヤなことがあったら、すぐニッポンへ逃げ帰るよりはマシという程度の保険としての異世界。
今日、いた人たちはみんなオジサンばかりで、恋の予感もまるでない。唯一、元の婚約者だけ若いと言えば若いが、もうアイツは小百合の旦那だからね。
オーストラリアにワーキングホリデーに行くつもりだったけど、よく考えれば、あちらは南半球でこれから厳冬シーズンに入るんだっけ?
ランキングを調べてみると、1位ニュージーランド、2位カナダ、3位オーストラリアというから、案外、真理のメルボルン行は正解だったのかもしれない。
みんなで行けば怖くない!
メルボルンでは、ワイナリーを手伝うことになっている。外での農作業はほとんどない。ワインを熟成させるための温度調節が主な仕事らしいわ。
後は、ワイナリーで働いている人のベビーシッターのお仕事などもある。ニッポンで言うところの、企業内託児施設というところかしらね。
飛行機に乗っている間から、これから待ち受けるであろうすべての事象に対してワクワク感がおさまらない。
そう。このワクワク感が残念ながら異世界には、ないのだ。
初めて行った遊園地の方がよっぽどワクワク感がある。何が待ち構えているかわからないこと、それに対してどういったリアクションを取るのかなど、自分でも体験したことがないことへの期待感がまるで感じられない。
かといって、異世界に既視感があるわけではない。
楽しみの一つが恋愛なのに、異世界では、年下のバカ王子しか若い男がいないというのもある。
魔法鳥ちゃんは、可愛いけど鳥ではね。
そうこう言っている間に、メルボルン空港へ到着、さすがに10時間30分はキツイわ。リムジンバスですぐホテルにチェックインして、今夜はバタンきゅーでそのまま眠り、明日の朝から動くことにする。
事前に申し込んでいたワイナリーに着くと、けっこう日本人のワーホリ者が多くて、心強い。
その中で朱美さん、京都のOLさんだった人とルームシェアすることになったのだけど、なかなか感じがイイ人みたいでよかった。
真理とは2個上の25歳。親から縁談を勧められるのが嫌で実家を飛び出してきた話に共感する。
朱美さんは、4月から留学がてら、ワーホリをしているみたいで、もうかなり語学が上達していらっしゃる。
それに、こちらに来てから彼氏もできたらしく、毎日が充実しているという。実にうらやましい限りだ。
早速施設内を見学させてもらい、その後は、昼食タイム。今日は真理が来たこともあり、ささやかな歓迎会をしてもらえたのだ。
次の日は、ちょうどお休みになり、ワーホリ者が街を案内してくれることに、楽しみがまた一つ増える。
少し寒いけど、東京の冬にいるよりは暖かく感じられる。
一昨日まで、東京の夏を満喫していたことが嘘みたいに思えてくる。
真夏の雪というものも、なかなかおつなものであることは間違いない。
ワーホリの先輩朱美さんの彼氏の友達でケビンという男の子を紹介される。イケメンというわけではないけど、とても優しい人柄に好感が持てる。
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