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第4章
93.ざまあ3 入城2
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聖女認定されて丸1日で、ようやく王城に入ることができた。
王城の中には、まだ前王の残骸らしきものが残っていたが、それらはすべて捨てる。家具や調度品、カーテン、ソファ、ベッドシーツなどには浄化魔法をかけ、消毒する。
最初は、各部屋を順番に見て回り、前王の忘れ物がないかをチェックしていたが、だんだんめんどくさくなってきて、マッキントッシュ公爵家関係者は、一度王城から退去してもらい、お城そのものに浮遊魔法をかけ、逆さに振って、ごみを出すことにした。家具や調度品は、あらかじめ落ちないように作り付けのような形で固定していたから大丈夫みたい。
そして、ゴミはお城を元の位置に置く前にすべて焼却処分にする。
実は、そのゴミの中からとんでもないゴミまで発見されたのだけど、ジェニファーは気づかないフリをして、すべて焼却する。
「熱い!アチ、アチ」
そう。人間のゴミが出てきたのだ。
前王の時代の物は、なんでも燃やしてよいという決まりがあるため、人間のゴミも他のゴミと同様、焼却処分にするとあらかじめ言っておいたのだが、コイツには効き目がなかったようだ。
その人間のゴミは、前婚約者殿であったため、もうコイツは燃やしてしまった方が世のため、人の為との判断を下した結果、まだ燃え残っていたみたいで、さっきから騒いでいる。
「熱いではないか!ジェニファー、俺は君を愛している。ビクトリアのことは、ほんの気の迷いに過ぎなかったのだ。信じてくれ」
「アホか!そんな話、信じられるわけがないでしょ?ビクトリアはもう、娼館に行ってしまったわよ。アンタも後を追えばいいじゃない?」
「頼む。俺は騙されていただけなんだ。もう一度、婚約からやり直そう。いいよな?」
「わたくしは、昨日結婚式を挙げましたの」
「は?ウソだろ?俺というものがありながら、この浮気女め!」
「バカじゃないの?もう前の王家から婚約破棄の違約金もきちんといただきましたわ。わたくしたちが婚約した経緯は、前王からのたっての願いで実現したまででございまして、最初っからアンタのことなど、これっぽっちも好きではありませんでしたのよ。だから婚約破棄上等!ってことで、運命の相手と結ばれましたの」
その時、初めて建国の剣と目が合った前王子は、たじろぎ、頭でも腕っぷしでもかなわないと判断したようで、そそくさと逃げていく。
そらそうよね。アレクサンダー1世様の魂を持つレオナルドだから、ひと睨みで、退散した方が身のためというものだと思う。
その後、前王子は、廃嫡されたことまでは知っているけど、どうなったかは知らない。
そして王城を元の位置に戻し、空中クローゼットの中から、もう1軒出す。シドニー国から持ってきたものだけど、これをお城の近くに置き、レオナルド様の実家のご両親と言っても、養親だけど、住んでもらうことにしたのだ。
聖女の王配が市井暮らしでは、レオナルド様の肩身が狭かろうと思って、余計なことをしてしまったかもしれないけど、養親からは感謝されたので、よしとする。
ジェニファーは、レオナルド様と恋仲になったことは偶然だったけど、今世は、聖女として最後の世になるので、思い残すことがないように最善を尽くしたい。
ビクトリアに婚約者を奪われなかったら、案外、婚約者と結婚してしまっていたかもしれないと思うと、ゾっとする。
でも、聖女認定の時に、護衛として、レオナルドが一緒に来てくれるから、その線はないかもしれない。
今となってしまえば、わからないけど、本当よくあの時、一夜限りのゲームだなんてことを言いだしてくれて、感謝している、
それもこれも、アレクサンダー1世様との腐れ縁かもしれない。腐れ縁が結んだ恋。
「ん……あ……っ……ぁ」
ジェニファーは四つん這いになり、レオナルドの愛撫を受け入れている。
レオナルドの長い指がかき混ぜるように出入りする。
その度にジュプッジュプッと淫猥な音が醸し出す。そういえば過去世の時、アレクサンダー1世はジェニファーを後背位で犯すことを好んでいたことを思い出す。久しぶりに今日は、それかな?
「あっ、ダメ……だめぇ!」
「本当に、ジェニファーは、いつ抱いてもいやらしい顔をしているな。それにもっと欲しいくせにダメというが、カラダは違う反応をしているぜ?」
「だって……」
「ダメとか言われると、俺が悪いことをしている気分になり、萎えるからやめてくれないか?」
「でも、気持ちよすぎて、頭がおかしくなりそうなんだもん。しょうがないでしょ?」
「だったら、せめてイイにしてくれないかな?」
「わかったわ。善処します」
それから、やっぱりというべきか、後背位で抱かれることになった。でも「ダメ」は言えないから、ひたすら歯を食いしばって耐えることしかできない。
でも終わった後、レオナルド様は、いつにもまして、蕩けてしまいそうなくらい甘くなる。だから、許してあげることにしたわ。
それから約半年後、ジェニファーは無事男児を出産し、聖女の役目を終える。
王城の中には、まだ前王の残骸らしきものが残っていたが、それらはすべて捨てる。家具や調度品、カーテン、ソファ、ベッドシーツなどには浄化魔法をかけ、消毒する。
最初は、各部屋を順番に見て回り、前王の忘れ物がないかをチェックしていたが、だんだんめんどくさくなってきて、マッキントッシュ公爵家関係者は、一度王城から退去してもらい、お城そのものに浮遊魔法をかけ、逆さに振って、ごみを出すことにした。家具や調度品は、あらかじめ落ちないように作り付けのような形で固定していたから大丈夫みたい。
そして、ゴミはお城を元の位置に置く前にすべて焼却処分にする。
実は、そのゴミの中からとんでもないゴミまで発見されたのだけど、ジェニファーは気づかないフリをして、すべて焼却する。
「熱い!アチ、アチ」
そう。人間のゴミが出てきたのだ。
前王の時代の物は、なんでも燃やしてよいという決まりがあるため、人間のゴミも他のゴミと同様、焼却処分にするとあらかじめ言っておいたのだが、コイツには効き目がなかったようだ。
その人間のゴミは、前婚約者殿であったため、もうコイツは燃やしてしまった方が世のため、人の為との判断を下した結果、まだ燃え残っていたみたいで、さっきから騒いでいる。
「熱いではないか!ジェニファー、俺は君を愛している。ビクトリアのことは、ほんの気の迷いに過ぎなかったのだ。信じてくれ」
「アホか!そんな話、信じられるわけがないでしょ?ビクトリアはもう、娼館に行ってしまったわよ。アンタも後を追えばいいじゃない?」
「頼む。俺は騙されていただけなんだ。もう一度、婚約からやり直そう。いいよな?」
「わたくしは、昨日結婚式を挙げましたの」
「は?ウソだろ?俺というものがありながら、この浮気女め!」
「バカじゃないの?もう前の王家から婚約破棄の違約金もきちんといただきましたわ。わたくしたちが婚約した経緯は、前王からのたっての願いで実現したまででございまして、最初っからアンタのことなど、これっぽっちも好きではありませんでしたのよ。だから婚約破棄上等!ってことで、運命の相手と結ばれましたの」
その時、初めて建国の剣と目が合った前王子は、たじろぎ、頭でも腕っぷしでもかなわないと判断したようで、そそくさと逃げていく。
そらそうよね。アレクサンダー1世様の魂を持つレオナルドだから、ひと睨みで、退散した方が身のためというものだと思う。
その後、前王子は、廃嫡されたことまでは知っているけど、どうなったかは知らない。
そして王城を元の位置に戻し、空中クローゼットの中から、もう1軒出す。シドニー国から持ってきたものだけど、これをお城の近くに置き、レオナルド様の実家のご両親と言っても、養親だけど、住んでもらうことにしたのだ。
聖女の王配が市井暮らしでは、レオナルド様の肩身が狭かろうと思って、余計なことをしてしまったかもしれないけど、養親からは感謝されたので、よしとする。
ジェニファーは、レオナルド様と恋仲になったことは偶然だったけど、今世は、聖女として最後の世になるので、思い残すことがないように最善を尽くしたい。
ビクトリアに婚約者を奪われなかったら、案外、婚約者と結婚してしまっていたかもしれないと思うと、ゾっとする。
でも、聖女認定の時に、護衛として、レオナルドが一緒に来てくれるから、その線はないかもしれない。
今となってしまえば、わからないけど、本当よくあの時、一夜限りのゲームだなんてことを言いだしてくれて、感謝している、
それもこれも、アレクサンダー1世様との腐れ縁かもしれない。腐れ縁が結んだ恋。
「ん……あ……っ……ぁ」
ジェニファーは四つん這いになり、レオナルドの愛撫を受け入れている。
レオナルドの長い指がかき混ぜるように出入りする。
その度にジュプッジュプッと淫猥な音が醸し出す。そういえば過去世の時、アレクサンダー1世はジェニファーを後背位で犯すことを好んでいたことを思い出す。久しぶりに今日は、それかな?
「あっ、ダメ……だめぇ!」
「本当に、ジェニファーは、いつ抱いてもいやらしい顔をしているな。それにもっと欲しいくせにダメというが、カラダは違う反応をしているぜ?」
「だって……」
「ダメとか言われると、俺が悪いことをしている気分になり、萎えるからやめてくれないか?」
「でも、気持ちよすぎて、頭がおかしくなりそうなんだもん。しょうがないでしょ?」
「だったら、せめてイイにしてくれないかな?」
「わかったわ。善処します」
それから、やっぱりというべきか、後背位で抱かれることになった。でも「ダメ」は言えないから、ひたすら歯を食いしばって耐えることしかできない。
でも終わった後、レオナルド様は、いつにもまして、蕩けてしまいそうなくらい甘くなる。だから、許してあげることにしたわ。
それから約半年後、ジェニファーは無事男児を出産し、聖女の役目を終える。
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