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第4章
90.入城1
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こっそりと公爵邸に戻った時は、まだ寝静まりかえっていて、置手紙を回収することに成功する。
後は、お父様が起きてきていらしゃってから、聖女様になったことを告げればいい。
ジェニファーの思惑通りには、いかなかた。なぜなら、朝っぱらから、騎士団が大勢我が公爵邸の門を打ち鳴らし、執事は眠い目をこすりながら応対したものだから、ジェニファーがお父様に話す前に聖女様であることがバレてしまったのだ。
「何⁉ジェニファーが聖女様だとっ!まことか?」
「はい。お父様、これで10回目の聖女ですので、今世で、やっとお役御免になりましてよ」
「なに!」
「説明すると長くなりますが、そもそも聖女様というものは1000年に一度しか誕生しないものなのです。しかしながら人間の寿命は100年を切っています。残りの900年の間、人々は聖女様なしで暮らしていかなければなりません。その穴を埋めるために、わたくしジェニファーが9度転生して、この1000年の長きにわたる時間を支えてきたのです」
「はぁ……理屈には適っているようだが」
「そして、毎回わたくしが王配とする者がすでに決まっています」
「そ、それは誰だ?」
「わたくしと同じように初代から何度も転生してきたいわば同志のような存在でして……実は、その人の子供を身ごもっております」
「は???……して、その同志とやらは、どこにおる?」
「建国の剣であるレオナルド様です」
「は?バカな。レオナルドが建国の剣であるはずがなかろう?」
「これをみても、まだ建国の剣ではないと言い切れますか?」
控えの間にいたレオナルドは、執事に呼ばれて、旦那様の部屋に入る。そして、旦那様から命じられたとおり、その場で持っていた剣を抜くと、……みるみるうちに旦那様の表情が驚きに代わっていく。
「ふむ……、まさしく……建国の剣の持ち主に相応しい。いや、だがジェニファーを孕ませたとは、どういうことか?」
「それは……」
「わたくしが望んだのです。レオナルド様にすべてを思い出してほしくて」
「それで、この男の前で股を開いたのか?」
「はい。わたくしたちは、この900年ちょっとの間、常に人生のパートナーとして、共に悩み、共に学び。ともに愛を育んでまいりました」
「もし、違ったら、どうするつもりだったのか?それで王太子とも婚約破棄されてしまったのか?」
「いいえ。あれは王太子殿下から申しだされたこと、わたくしの幼馴染のビクトリアのことは覚えておいででしょうか?」
「ああ。ストロング家の娘のことだな」
「王太子とビクトリアはわたくしを裏切り浮気しておりました」
「な、なんだ?それはまことの話か?」
「はい。わたくしがレオナルド様を召還した理由は、もうこれだけで十分でございましょう。わたくしには、同志が必要なのです。それがこのレオナルド様だということは、魂で感じました」
「……とても信じられる話ではないが、わかった。それで今後のことだが、いつ城に入ればいいのだろうか?」
「いつでもいいですわ。でも教会のお墨付きをもらってからの方が有無を言わせないことは確かです」
「うむ。では、これから聖女島の大聖堂へ出向くとするか?」
「ついでに、結婚式も挙げちゃいましょうよ」
「そうだな……腹が目立ってからでは、世間体が悪いからな。でも衣装はどうするのだ?」
「クローゼットの中に歴代の衣装が入っておりますもの」
聖女島の大聖堂まで、ゲートで行くことになり、まずは朝食を摂ることにして食堂に向かう。
屋敷の者は、すでにジェニファーが聖女様になったことを知っている者もいて、使用人たちは、思い思いにお城での暮らしを思い描いているようだ。
「皆も知っていると思うが、娘のジェニファーが聖女様に覚醒した。朝食後、大聖堂でお墨付きを得てから、城に入ることとする。これから忙しくなると思うが、何分よろしく頼む」
後は、お父様が起きてきていらしゃってから、聖女様になったことを告げればいい。
ジェニファーの思惑通りには、いかなかた。なぜなら、朝っぱらから、騎士団が大勢我が公爵邸の門を打ち鳴らし、執事は眠い目をこすりながら応対したものだから、ジェニファーがお父様に話す前に聖女様であることがバレてしまったのだ。
「何⁉ジェニファーが聖女様だとっ!まことか?」
「はい。お父様、これで10回目の聖女ですので、今世で、やっとお役御免になりましてよ」
「なに!」
「説明すると長くなりますが、そもそも聖女様というものは1000年に一度しか誕生しないものなのです。しかしながら人間の寿命は100年を切っています。残りの900年の間、人々は聖女様なしで暮らしていかなければなりません。その穴を埋めるために、わたくしジェニファーが9度転生して、この1000年の長きにわたる時間を支えてきたのです」
「はぁ……理屈には適っているようだが」
「そして、毎回わたくしが王配とする者がすでに決まっています」
「そ、それは誰だ?」
「わたくしと同じように初代から何度も転生してきたいわば同志のような存在でして……実は、その人の子供を身ごもっております」
「は???……して、その同志とやらは、どこにおる?」
「建国の剣であるレオナルド様です」
「は?バカな。レオナルドが建国の剣であるはずがなかろう?」
「これをみても、まだ建国の剣ではないと言い切れますか?」
控えの間にいたレオナルドは、執事に呼ばれて、旦那様の部屋に入る。そして、旦那様から命じられたとおり、その場で持っていた剣を抜くと、……みるみるうちに旦那様の表情が驚きに代わっていく。
「ふむ……、まさしく……建国の剣の持ち主に相応しい。いや、だがジェニファーを孕ませたとは、どういうことか?」
「それは……」
「わたくしが望んだのです。レオナルド様にすべてを思い出してほしくて」
「それで、この男の前で股を開いたのか?」
「はい。わたくしたちは、この900年ちょっとの間、常に人生のパートナーとして、共に悩み、共に学び。ともに愛を育んでまいりました」
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「いいえ。あれは王太子殿下から申しだされたこと、わたくしの幼馴染のビクトリアのことは覚えておいででしょうか?」
「ああ。ストロング家の娘のことだな」
「王太子とビクトリアはわたくしを裏切り浮気しておりました」
「な、なんだ?それはまことの話か?」
「はい。わたくしがレオナルド様を召還した理由は、もうこれだけで十分でございましょう。わたくしには、同志が必要なのです。それがこのレオナルド様だということは、魂で感じました」
「……とても信じられる話ではないが、わかった。それで今後のことだが、いつ城に入ればいいのだろうか?」
「いつでもいいですわ。でも教会のお墨付きをもらってからの方が有無を言わせないことは確かです」
「うむ。では、これから聖女島の大聖堂へ出向くとするか?」
「ついでに、結婚式も挙げちゃいましょうよ」
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「クローゼットの中に歴代の衣装が入っておりますもの」
聖女島の大聖堂まで、ゲートで行くことになり、まずは朝食を摂ることにして食堂に向かう。
屋敷の者は、すでにジェニファーが聖女様になったことを知っている者もいて、使用人たちは、思い思いにお城での暮らしを思い描いているようだ。
「皆も知っていると思うが、娘のジェニファーが聖女様に覚醒した。朝食後、大聖堂でお墨付きを得てから、城に入ることとする。これから忙しくなると思うが、何分よろしく頼む」
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