上 下
88 / 99
第4章

87.閲覧注意3

しおりを挟む
 ジェニファーは美味しそうに愛おしそうに、頭を上下に動かしてくる。ジェニファーの舌遣いは完ぺきで、気持ちがいいことこの上なし。

「うっ!……、もう、いいよ」

 このままでは、本当にジェニファーの口の中に発射してしまいそうになったので、レオナルドは思わず遮ることにした。遠征部隊に選ばれなかったことへの恨みつらみは、もはや霞のごとく消えてしまっている。

「レオナルド様、気持ちいいですか?このままわたくしの口の中にしてくださっても構いませんことよ」

「いや、ジェニファーの下の口がいい」

 その言葉に頬を赤らめるジェニファー。下の口が、ではなくジェニファーがいいと言ってくだされば、もっと嬉しいけれど、今はそれでも十分嬉しいし、幸せを感じる。何よりも、ジェニファーで感じてくれたことが何よりも嬉しい。

 いつの間にか、ジェニファーはお姫様抱っこされたままベッドに横たえられている。正面には、レオナルド様の逞しい胸、レオナルド様はイケメンだけど、厚い胸板はもうそれだけで眼福というもの。

 一糸まとわぬ姿を見られて、恥ずかしいけど、レオナルド様も全裸だから、お互い様というところかしらね。

 念入りに唇にキスをしてくださり、先ほどまでレオナルド様のイチモツを咥えていたのに、そこに舌を滑り込ませて来られるとつい、ジェニファーもその舌を吸い返したくなる。

 しばらくチュウチュウと吸いあって、レオナルド様が顔を離されると、すぐさま、下半身に熱い塊が侵入してくることがわかり、腰を少し浮かせる。

「あっああん。イイ!あっああん。あっああん。もっと、もっと!」

「もっと、啼いてくれ!興奮度が上がる」

 こういう時のレオナルド様はわからない。喘ぎまくると、いやらしいと言われるし、かといって、声を辛抱していると、つまらない女だと思われ、もう少しグリグリしてくれたら、満足できるというところを寸止めされてしまう。

 だから、その時、その時の要求に応えるようにしていると間違いはない。

 初めて、こういう関係になった時のことをジェニファーはよく覚えている。あれは、学園に行きだしたときのこと、その当時婚約者だった王太子殿下が浮気をされ、怒って抗議をしに行ったときのこと、王太子殿下から、開き直られ

「ジェニファーは、つまらない女だから、婚約破棄したいと父上に進言しているところだ」

 その言葉を聞いた途端、頭の中が真っ白になって、今までお妃教育を頑張ってきたことが嘘みたいにバカらしく思えて、王城から逃げ帰った。

 その翌日から、お妃教育は、ズル休みして、ひたすら王太子からの子役破棄違約金が支払われることを心待ちにしていた時、学園でも、同じことを言われ、ジェニファーがもう婚約破棄されたことが噂になり、他の公爵令嬢が浮足立っていることがわかり、居心地が悪い。

 そんな時、王太子の浮気相手が次の婚約者になったことがわかり、その浮気相手がジェニファーの幼馴染の公爵令嬢のビクトリアだということを知ってしまったのだ。

 さすがに、この時はショックを隠せない。泣きながら、逃げるように馬車に飛び乗り、公爵邸に戻ってきたのだが、この時の護衛がレオナルドで、泣いているジェニファーの背中を撫で、耳元で励ますように囁いた。

「お嬢様、ずっとお嬢様をお慕い申し上げておりました。悲しみをいっぺんに消すおまじないのようなゲームをしてみませんか?」

 その時のジェニファーの心情は失意のどん底だったので、それがたとえ、おまじないであろうが一夜限りのゲームであろうが、今、この気持ちが慰められるものならと藁にもすがる思いで、頷いてしまったのだ。

 それがレオナルドとのイケナイ関係になろうとは、この時は夢にも思わなかったのだが、レオナルドとそういう関係をもってから、不思議と気持ちが楽になり、もうレオナルドの愛撫(手マン)なしでは、眠れないカラダにされてしまったのだ。

 後は、レオナルドの気を惹くことだけで、夢中になり、王太子やビクトリアがどうなろうと知ったことではなくなる。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

『番外編』イケメン彼氏は年上消防士!結婚式は波乱の予感!?

すずなり。
恋愛
イケメン彼氏は年上消防士!・・・の、番外編になります。 結婚することが決まってしばらく経ったある日・・・ 優弥「ご飯?・・・かぁさんと?」 優弥のお母さんと一緒にランチに行くことになったひなた。 でも・・・ 優弥「最近食欲落ちてるだろ?風邪か?」 ひなた「・・・大丈夫だよ。」 食欲が落ちてるひなたが優弥のお母さんと一緒にランチに行く。 食べたくないのにお母さんに心配をかけないため、無理矢理食べたひなたは体調を崩す。 義母「救護室に行きましょうっ!」 ひなた「すみません・・・。」 向かう途中で乗ったエレベーターが故障で止まり・・・ 優弥「ひなた!?一体どうして・・・。」 ひなた「うぁ・・・。」 ※お話は全て想像の世界です。現実世界とは何の関係もありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

お兄様の指輪が壊れたら、溺愛が始まりまして

みこと。
恋愛
お兄様は女王陛下からいただいた指輪を、ずっと大切にしている。 きっと苦しい片恋をなさっているお兄様。 私はただ、お兄様の家に引き取られただけの存在。血の繋がってない妹。 だから、早々に屋敷を出なくては。私がお兄様の恋路を邪魔するわけにはいかないの。私の想いは、ずっと秘めて生きていく──。 なのに、ある日、お兄様の指輪が壊れて? 全7話、ご都合主義のハピエンです! 楽しんでいただけると嬉しいです! ※「小説家になろう」様にも掲載しています。

奥様はエリート文官

神田柊子
恋愛
【2024/6/19:完結しました】【2024/11/21:おまけSS追加中】 王太子の筆頭補佐官を務めていたアニエスは、待望の第一子を妊娠中の王太子妃の不安解消のために退官させられ、辺境伯との婚姻の王命を受ける。 辺境伯領では自由に領地経営ができるのではと考えたアニエスは、辺境伯に嫁ぐことにした。 初対面で迎えた結婚式、そして初夜。先に寝ている辺境伯フィリップを見て、アニエスは「これは『君を愛することはない』なのかしら?」と人気の恋愛小説を思い出す。 さらに、辺境伯領には問題も多く・・・。 見た目は可憐なバリキャリ奥様と、片思いをこじらせてきた騎士の旦那様。王命で結婚した夫婦の話。 ----- 西洋風異世界。転移・転生なし。 三人称。視点は予告なく変わります。 ----- ※R15は念のためです。 ※小説家になろう様にも掲載中。 【2024/6/10:HOTランキング女性向け1位にランクインしました!ありがとうございます】

【完結済み】「こんなことなら、婚約破棄させてもらう!」幼い頃からの婚約者に、浮気を疑われた私。しかし私の前に、事の真相を知る人物が現れて……

オコムラナオ
恋愛
(完結済みの作品を、複数話に分けて投稿します。最後まで書きあがっておりますので、安心してお読みください) 婚約者であるアルフレッド・アルバートン侯爵令息から、婚約破棄を言い渡されたローズ。 原因は、二人で一緒に行ったダンスパーティーで、ローズが他の男と踊っていたから。 アルフレッドはローズが以前から様子がおかしかったことを指摘し、自分以外の男に浮気心を持っているのだと責め立てる。 ローズが事情を説明しようとしても、彼は頑なに耳を貸さない。 「こんなことなら、婚約破棄させてもらう!」 彼がこう宣言したとき、意外なところからローズに救いの手が差し伸べられる。 明かされたのはローズの潔白だけではなく、思いもよらない事実だった……

友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった

海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····? 友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))

【完結】「異世界に召喚されたら聖女を名乗る女に冤罪をかけられ森に捨てられました。特殊スキルで育てたリンゴを食べて生き抜きます」

まほりろ
恋愛
※小説家になろう「異世界転生ジャンル」日間ランキング9位!2022/09/05 仕事からの帰り道、近所に住むセレブ女子大生と一緒に異世界に召喚された。 私たちを呼び出したのは中世ヨーロッパ風の世界に住むイケメン王子。 王子は美人女子大生に夢中になり彼女を本物の聖女と認定した。 冴えない見た目の私は、故郷で女子大生を脅迫していた冤罪をかけられ追放されてしまう。 本物の聖女は私だったのに……。この国が困ったことになっても助けてあげないんだから。 「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」 ※無断転載を禁止します。 ※朗読動画の無断配信も禁止します。 ※小説家になろう先行投稿。カクヨム、エブリスタにも投稿予定。 ※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

【完結】転生令嬢は玉の輿に乗りました

hikari
恋愛
エレオノーレは王太子、サウルと婚約をしていた。しかし、サウルは仲良しグループの1人ヴィルジニアに浮気をしていた。それに怒ったエレオノーレは婚約を破棄。 婚約破棄をしたのち、自分が転生者だと知る。前世は貧しい家の出自でご飯もろくに食べられなかった。そして、餓死。 実は第二王子パウルがエレオノーレを狙っていた事が判明。 親友と婚約者の裏切り。ただで済むはずはなく……。

処理中です...