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第3章
85.世界一
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ジェニファーとアレクサンダー5世は、無事結婚式を迎える。
結婚式には、大勢の招待客に囲まれる。特に、バラード国とカルダン国の関係者への招待は1年かかるため、1年前から招待状を出しておく。
引き出物は、もちろん空飛ぶ絨毯で、1年かけて来ても、お帰りは、空を飛んで帰れるので数時間でご帰還できますので、ご安心ください。
招待状に、一言書き添えて、送ったので、空飛ぶ絨毯欲しさの招待客出席率がダントツに増える。
その間に、ジェニファーは、無事元気な双子の男児を出産する。名前は、前々世の兄の名前のブライアンとアーレックスになった。
子供を産んでからの結婚式のため、ウエディングドレスのサイズが少々……いや、かなり太ったので、もうダイエットするのもめんどくさくて、またデザインも込みで作り替えることになった。でも絹織物も絹糸もたくさんあるから大丈夫。
聖女国で、結婚式があるという噂は、世界各地に広まる。聖女国の結婚式に参列できなくても、行くだけの価値があることがわかると、貴族ではない普通の人までもが、大八車や荷馬車を使って、移民に押し寄せる。
聖女国は、過酷な税金を取られる心配もなく、どんなに稼いでも、利益の10パーセントを収めるだけで、国のあらゆるサービスを享受できる。
それは、聖女様の治療魔法から始まり、オマーン商会で絨毯を購入すれば、購入代金の10パーセントの手数料を支払うだけで、空飛ぶ絨毯にも、ホットカーペットにもなる付与魔法を施してもらえる。
馬車を持つより、手軽で実用的なのだ。絨毯の操縦方法は、馬と同じで、餌もかいばも水もいらない。糞の始末もしなくてよく、汚れれば、普通に洗って干すだけで、馬車のかわりとなる。使わないときは、ベッドの下に敷けば、ポカポカと暖かい。
一家に一枚ではなく、一人一枚あるというのが聖女国での暮らしなのだ。
そのことを人伝に聞いて、聖女国に殺到する人が後を絶たない。
そうなると、足り無いのは地面、そこでジェニファーは、聖女島の大聖堂の教皇様と話を着け、聖女国の領土として、聖女島を沿岸部に移動させ、大橋を架けた。
何もない過疎の観光島が、一気に活気づき、何人移民が来ても受け入れられるようになったのである。それに聖女島なら仕事に事欠かない。
今や、隣国のシドニーに劣らないぐらいの大国となり、脅威となるべく国はいないと言うほどの勢いがある。
バラード国、カルダン国はもとより世界各地から移民希望者が押し寄せる。
その噂をカルダンの国境近くの売春宿で聞いたアイリーンは、聖女様はかつて自分が使えていたジェニファーお嬢様だということに気づかないでいる。
「そういえば、カルダン国出身の聖女様だと聞いたぞ。アイリーンは、その聖女様を知っているのか?」
「え?知らないわよ。私なんかが目通り許されるわけないじゃん」
「そうだよな、女の格が違うよな」
「失礼ね!これでも、昔は貴族令嬢だったのよぉ」
「あはは。嘘でもいいよ。貴族のお姫様を抱けるんだからな」
「嘘じゃないわよ!子爵令嬢だったのよ。で、侯爵家の侍女になって、ジェニファーお嬢様の侍女をしていた時に、まさかの事件が起きて、追い出されてしまったのよ」
「へえ。そういえば、聖女様の名前もジェニファー様と言うんだってさ」
「え?うそ!」
「聖女国と一般的には、言われているがオマーン国というのが、本当の名前だそうではないか」
その時、初めて自分がしでかしたことの重大さが分かった。あのままジェニファーお嬢様の下で侍女として仕えていれば、今頃は、聖女国で譜代の家臣として、敬われて、どこかのご大身のお貴族様のお嫁さんになれたのかもしれないということを、改めて思い知ることになったのだ。
{ごめんなさい。ジェニファーお嬢様}
お嬢様から大事な婚約者様を奪ってしまい、申し訳ないと後悔する。でも、もし奪わなくても、あのアラミス・シャーリーなら、きっと追い出されていると思うわ。
あの男が王配など務まるわけがないもの。
シャーリー家が没落したことは、偶然ではなく、天罰だったということがわかり、残りの人生、売春宿で頑張っていきますと心の中で誓う。
結婚式に着いたバラード家の王族は、双子のうち、どちらかをバラード家の王子として王位継承権者にしたいとアレクサンダー5世に申し出るも、けんもほろろに断られ打ちひしがっている。
あの時、アレクサンダー1世の転生者だという話を本気で信じていれば、バラード国の将来も安泰だったと悔やんでいる。それというのも、バラード国から聖女国への移民希望者が後を絶たず、このままでは国力が低下するという危惧がある。
それに加え第2王子派と第3王子派ができてしまって、抗争のさなかでもあり、このままいけば、建国以来のバラード国を割る恐れがある。
今更後悔しても遅いが、聖女様も2度転生していらっしゃる初代聖女様だと聞くから、つくづくその話を真剣に聞くべきだったと悔やまれて仕方がない。
カルダン国は、カルダン国で、出奔される前に、貴族の不満をもっときちんと把握すべきだったと後悔している。
そうすれば、みすみす他国へ、他国として独立されることもなく、今ある聖女国の利益や名誉はカルダンのものとなっていたはず、と悔やんでいる。
でもまだ、こうして結婚式に招待してもらえるだけマシだと思うようにして、結婚式へ参列する。
結婚式は、聖女島の中にある大聖堂で行われることになった。元は、アルカイダ国にあった立派な建物を、前世のジェニファーが地面ごと移築してできた島。色とりどりのフルーツが楽しめるフルーツアイランドを玄関口に配し、イルカ島、クジラ島、人魚島を東西南北に置き、真ん中をアルカイダ国から持ってきた領地の地面などで構成されている。
昔は、船で行き来していたらしいが、今は、結婚式のため大橋が架けられている。島には、リゾートホテルも完備していて、招待客は、お城に泊ることなくリゾートホテルで宿泊する。
そして、結婚式当日、純白のウエディングドレスに身を包んだ聖女様が水晶玉に手をかざし、参列者全員に祝福をくださる。
「だ~れもいないと思っていても、どこかで、どこかでエンゼルが~♪」
無数のエンゼルが聖女様の歌声と共に出てきて、それぞれ参列者の頭の上をくるくる踊る姿はかわいらしい。
そして、背中に背負っているラッパを取り出し、セーロガンのメロディを奏でる。
「ぱっぱら、ぱっぱら、ぱーぱ、ぱーぱ、ぱーん」
不思議と気分が晴れる。
しばらく聖女島に滞在してもよし、結婚式の当日までは無料だが、明日以降は、有料になるわけで、でも、こんなところ滅多に来られる機会がないから、ほとんどの招待客は帰らず、何泊か観光してから帰るみたいだ。
オマーン家は、それはそれでウハウハで、やたら上機嫌なのだ。
王になっても、商売人根性が抜けないのは、生まれながらにしての王ではないから、仕方がない。
その点、アレクサンダー5世様は、堂々としていらっしゃる。そこがまた頼もしいところなのよね。
次、転生してもまた聖女国の一員として、転生したいわ。そして、その時の夫もできたらアレクサンダー1世様の魂を持つ人がいい。
なんだかんだ言っても、腐れ縁だと思っているもの。たとえ、アレクサンダー1世様の魂を持つ人が平民であったとしても、きっと愛すると思うことは間違いないとわかっている。
その後の人生も、きっと幸せが待っている。
ジェニファーとかかわった人たちが全員、幸せで健康な一生を全うできるよう、祈ることしかできないけれど、きっと神様も喜んでくださっていると信じ、これからも頑張ります。
結婚式には、大勢の招待客に囲まれる。特に、バラード国とカルダン国の関係者への招待は1年かかるため、1年前から招待状を出しておく。
引き出物は、もちろん空飛ぶ絨毯で、1年かけて来ても、お帰りは、空を飛んで帰れるので数時間でご帰還できますので、ご安心ください。
招待状に、一言書き添えて、送ったので、空飛ぶ絨毯欲しさの招待客出席率がダントツに増える。
その間に、ジェニファーは、無事元気な双子の男児を出産する。名前は、前々世の兄の名前のブライアンとアーレックスになった。
子供を産んでからの結婚式のため、ウエディングドレスのサイズが少々……いや、かなり太ったので、もうダイエットするのもめんどくさくて、またデザインも込みで作り替えることになった。でも絹織物も絹糸もたくさんあるから大丈夫。
聖女国で、結婚式があるという噂は、世界各地に広まる。聖女国の結婚式に参列できなくても、行くだけの価値があることがわかると、貴族ではない普通の人までもが、大八車や荷馬車を使って、移民に押し寄せる。
聖女国は、過酷な税金を取られる心配もなく、どんなに稼いでも、利益の10パーセントを収めるだけで、国のあらゆるサービスを享受できる。
それは、聖女様の治療魔法から始まり、オマーン商会で絨毯を購入すれば、購入代金の10パーセントの手数料を支払うだけで、空飛ぶ絨毯にも、ホットカーペットにもなる付与魔法を施してもらえる。
馬車を持つより、手軽で実用的なのだ。絨毯の操縦方法は、馬と同じで、餌もかいばも水もいらない。糞の始末もしなくてよく、汚れれば、普通に洗って干すだけで、馬車のかわりとなる。使わないときは、ベッドの下に敷けば、ポカポカと暖かい。
一家に一枚ではなく、一人一枚あるというのが聖女国での暮らしなのだ。
そのことを人伝に聞いて、聖女国に殺到する人が後を絶たない。
そうなると、足り無いのは地面、そこでジェニファーは、聖女島の大聖堂の教皇様と話を着け、聖女国の領土として、聖女島を沿岸部に移動させ、大橋を架けた。
何もない過疎の観光島が、一気に活気づき、何人移民が来ても受け入れられるようになったのである。それに聖女島なら仕事に事欠かない。
今や、隣国のシドニーに劣らないぐらいの大国となり、脅威となるべく国はいないと言うほどの勢いがある。
バラード国、カルダン国はもとより世界各地から移民希望者が押し寄せる。
その噂をカルダンの国境近くの売春宿で聞いたアイリーンは、聖女様はかつて自分が使えていたジェニファーお嬢様だということに気づかないでいる。
「そういえば、カルダン国出身の聖女様だと聞いたぞ。アイリーンは、その聖女様を知っているのか?」
「え?知らないわよ。私なんかが目通り許されるわけないじゃん」
「そうだよな、女の格が違うよな」
「失礼ね!これでも、昔は貴族令嬢だったのよぉ」
「あはは。嘘でもいいよ。貴族のお姫様を抱けるんだからな」
「嘘じゃないわよ!子爵令嬢だったのよ。で、侯爵家の侍女になって、ジェニファーお嬢様の侍女をしていた時に、まさかの事件が起きて、追い出されてしまったのよ」
「へえ。そういえば、聖女様の名前もジェニファー様と言うんだってさ」
「え?うそ!」
「聖女国と一般的には、言われているがオマーン国というのが、本当の名前だそうではないか」
その時、初めて自分がしでかしたことの重大さが分かった。あのままジェニファーお嬢様の下で侍女として仕えていれば、今頃は、聖女国で譜代の家臣として、敬われて、どこかのご大身のお貴族様のお嫁さんになれたのかもしれないということを、改めて思い知ることになったのだ。
{ごめんなさい。ジェニファーお嬢様}
お嬢様から大事な婚約者様を奪ってしまい、申し訳ないと後悔する。でも、もし奪わなくても、あのアラミス・シャーリーなら、きっと追い出されていると思うわ。
あの男が王配など務まるわけがないもの。
シャーリー家が没落したことは、偶然ではなく、天罰だったということがわかり、残りの人生、売春宿で頑張っていきますと心の中で誓う。
結婚式に着いたバラード家の王族は、双子のうち、どちらかをバラード家の王子として王位継承権者にしたいとアレクサンダー5世に申し出るも、けんもほろろに断られ打ちひしがっている。
あの時、アレクサンダー1世の転生者だという話を本気で信じていれば、バラード国の将来も安泰だったと悔やんでいる。それというのも、バラード国から聖女国への移民希望者が後を絶たず、このままでは国力が低下するという危惧がある。
それに加え第2王子派と第3王子派ができてしまって、抗争のさなかでもあり、このままいけば、建国以来のバラード国を割る恐れがある。
今更後悔しても遅いが、聖女様も2度転生していらっしゃる初代聖女様だと聞くから、つくづくその話を真剣に聞くべきだったと悔やまれて仕方がない。
カルダン国は、カルダン国で、出奔される前に、貴族の不満をもっときちんと把握すべきだったと後悔している。
そうすれば、みすみす他国へ、他国として独立されることもなく、今ある聖女国の利益や名誉はカルダンのものとなっていたはず、と悔やんでいる。
でもまだ、こうして結婚式に招待してもらえるだけマシだと思うようにして、結婚式へ参列する。
結婚式は、聖女島の中にある大聖堂で行われることになった。元は、アルカイダ国にあった立派な建物を、前世のジェニファーが地面ごと移築してできた島。色とりどりのフルーツが楽しめるフルーツアイランドを玄関口に配し、イルカ島、クジラ島、人魚島を東西南北に置き、真ん中をアルカイダ国から持ってきた領地の地面などで構成されている。
昔は、船で行き来していたらしいが、今は、結婚式のため大橋が架けられている。島には、リゾートホテルも完備していて、招待客は、お城に泊ることなくリゾートホテルで宿泊する。
そして、結婚式当日、純白のウエディングドレスに身を包んだ聖女様が水晶玉に手をかざし、参列者全員に祝福をくださる。
「だ~れもいないと思っていても、どこかで、どこかでエンゼルが~♪」
無数のエンゼルが聖女様の歌声と共に出てきて、それぞれ参列者の頭の上をくるくる踊る姿はかわいらしい。
そして、背中に背負っているラッパを取り出し、セーロガンのメロディを奏でる。
「ぱっぱら、ぱっぱら、ぱーぱ、ぱーぱ、ぱーん」
不思議と気分が晴れる。
しばらく聖女島に滞在してもよし、結婚式の当日までは無料だが、明日以降は、有料になるわけで、でも、こんなところ滅多に来られる機会がないから、ほとんどの招待客は帰らず、何泊か観光してから帰るみたいだ。
オマーン家は、それはそれでウハウハで、やたら上機嫌なのだ。
王になっても、商売人根性が抜けないのは、生まれながらにしての王ではないから、仕方がない。
その点、アレクサンダー5世様は、堂々としていらっしゃる。そこがまた頼もしいところなのよね。
次、転生してもまた聖女国の一員として、転生したいわ。そして、その時の夫もできたらアレクサンダー1世様の魂を持つ人がいい。
なんだかんだ言っても、腐れ縁だと思っているもの。たとえ、アレクサンダー1世様の魂を持つ人が平民であったとしても、きっと愛すると思うことは間違いないとわかっている。
その後の人生も、きっと幸せが待っている。
ジェニファーとかかわった人たちが全員、幸せで健康な一生を全うできるよう、祈ることしかできないけれど、きっと神様も喜んでくださっていると信じ、これからも頑張ります。
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