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第3章

83.もう一度婚約2

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「ごめん。遅くなって、すまない」

 額に汗ビッショリになっているアレクサンダー5世様が慌てて、ゲートから飛び出してこられる。

「親父や側近があんなわからずやだとは、思ってもみなかった。俺がいくらアレクサンダー1世の生まれ変わりで、転生したジェニファー聖女様と、また会い結婚したいと言っても聞いてくれなかったので、家出してきた。ただのわからずやだけでなく、俺が気がふれたと思って、侍医まで呼びやがったんだ」

 アレクサンダー5世様は、治療と称して、貴族牢に放り込まれそうになったので、隙を見て、逃げ出してきた、という。

「我が家に婿養子に入ってくれるということで、本当にいいの?」

「ああ。もちろんだ。あんな国、もうどうなってもかまわないさ」

 そうは言ってもね……。アレクサンダー様のご先祖様がわたくし達なわけで、曾曾孫の代で潰すのも憚られるというもの。

 潰れるかどうかは、神のみぞ知るということだけど。

 父も、アレクサンダー5世様が家出をしてきてまで、ジェニファーと結婚したいと思っているのなら、と快諾してくれてホっとしている。

 一時は、破談もやぶさかではないと言った調子だったから分けで、何はともあれ、二人は神様の前で永遠の愛を誓うことにする。

 後は、ウエディングドレスをどうするかということと、アレクサンダー5世様は、父王とともに、王配の仕事を覚えていかれる。

 お妃教育ならぬお婿教育というところ。

 王配と言っても、たぶん名前だけ、実質の政務はアレクサンダー5世様がやられることになると思う。

 未婚の男女が、ひとつ屋根に暮らすことはよくないと言われ、アレクサンダー様はお城に泊らず、商会に併設された、旧侯爵邸で過ごされることに決まる。

 もちろん、旧侯爵邸とお城のジェニファーの部屋は空中クローゼットによって、つながってはいるけど、そのことをおそらく両親は知っていながら、何も言わない。

 その日も政務見習が終わったアレクサンダー5世様は、ひそかにジェニファーの寝室を訪ねられる。

 でも、この部屋でエッチをするには、大胆すぎるから、いつものように二人して、空中クローゼットの中の旧カントリーハウスのジェニファーのお部屋で愛の交歓を行う。

 いくら誰もいないとは言っても、やはりそこは気になるところで、防音魔法に隠ぺい魔法を何重にもかけている。

 誰かがクローゼットの中を通っても、アレクサンダーの声も、ジェニファーの声も聞こえないように、そして、あの独特のニオイも消すため、様々な工夫を凝らしている。

 前々世の時から、アレクサンダーは、後背位が好きで、ここのところずっと同じ体位を求められている。

 いい加減、前から抱いてほしいのに、アレクサンダーは、いつも正面からのジェニファーをたっぷりと可愛がるように愛撫してから、ジェニファーを後ろに向かせる。

 こういう趣味は、焼いても直らないのだろうか?この世界は、火葬しないから、焼くとは言わないだろうけど。

「ジェニファー、かわいいよ、愛している」

「ああん、ダメ……、指を入れないで」

「じゃあ、舌ならいいと?」

 クスクスと笑いながら、アレクサンダーは、捕食者の目つきになり、ジェニファーをとことん焦らしていく。

「今夜は寝かせないよ」 

 クチュクチュと淫猥な水音が響く。はぁ。はぁ。はぁ。

「お願い、早く頂戴」

「ダメだ」

「早くぅ」

 何度もイカされるのに、なかなかアレクサンダーはくれない。たまらなくなって、ジェニファーは、アレクサンダーに跨り、腰を揺らすが、アレクサンダーはジェニファーのおっぱいの先っぽを甘噛みして、舌先で転がす。

 さらに、敏感な下半身の花芽をつまみ取られ、指の腹で撫でまわされる。

 ジェニファーは辛抱しきれないぐらい乱れ、髪の毛もぐちゃぐちゃになっているというのに、肝心のお情けには至らない。
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