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第2章
71.ざまあ
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マリアンヌが目の前で亡くなったことで、相当な人数の生徒が気分を悪くして、次の日休校になってしまう。
ジェニファーもそのうちの一人だ。いくら天罰とはいえ、他の生徒に与えるダメージが大きい。
せめて、記憶操作も一緒にやってくれて、最初から、その娘はいなかったということにできないものか?と思う。
それにしても婚約破棄という理不尽な制度はないと思う。
男性が一方的にできる仕組みで、された方の女性に何の落ち度もないのに、キズモノ令嬢として扱われる。
結婚したら、したらで女性に求められるのは貞淑さと男児を出産することだけ、女児しか産めなかった夫人は、たちまち追い出さられて、実家の兄嫁か弟の嫁に疎まれてしまう。
男性は、というと結婚前も結婚後も数多くの浮名を流すことが勲章のようになっており、浮気してもおとがめなしということが、おかしい。
この世界の仕組み自体を変えてしまわなければ、平等とは程遠い。
婚約中の男性は、せめて、浮氣を理由として破棄するのならば、女性と同等以上の責めを負うべきだと考える。
それには、男性が長男の場合は、廃嫡処分にする。浮気相手の女性に対しては、修道院送りを義務付けさせる。
そこで、この話を王太后様にしてみたら、大賛成していただき、国王陛下に進言してくださることになった。
「ジェニファーちゃん、さすがね。これでどれだけ多くの女性が救われることか。わたくしからも礼を言います」
「浮気した男性に対しての処分は、まだ考えておりませんわ」
「それは、爵位を取り上げるで、いいのではございませんこと?代わりに夫人が爵位を持てばいいだけのことです。浮気相手の女性は娼館で働いてもらったらいいでしょう」
「それでは、もし女児しか誕生しなかった夫人に対しても、爵位の授与でかまわないということですか?」
「そうね。女だからと言って、追い出されるのは、理不尽そのものよ」
話の分かる王太后様でよかった。
これで少しは、住みやすい国、世界になればいいな。後は、教会にもこの教義として徹底させてもらおう。
王太后様から話を聞いた国王陛下は、顔をしかめ、ものすごく不機嫌になられたとか、それでも、母親の言うことに逆らえない。
王妃殿下の耳にも入り、素晴らしい提案が、ジェファニー発だということもわかり、手放しに賛成される。
渋々と言った態で、議会に諮る。
当然、殿方からは、猛反発を食らうが、反論するような人物は、すでに浮気者だとレッテルを貼られかねないので、全員が口を噤む。
その結果、誰も反対しないので、可決されてしまったのだ。
手始めにマリアンヌの元婚約者シュワルツネガー侯爵令息が血祭りにあげられる。
即刻、廃嫡され、浮気相手は修道院に送られた。これで少しはマリアンヌの霊も浮かばれることだろう。
もっと早くにこうしておけば、良かった。誰も言い出さないから、ジェニファーが言い出すまで、女たちは泣き寝入りしていたのだ。
だから感謝されこそすれ、非難されることはない。
マリアンヌが亡くなって、半年後、ジェニファーとクリストファーが挙式し、永遠の愛を誓う。
でも、クリストファーが今後浮気することになれば、ジェニファーがこの国の王になる予定だから、浮氣はダメよ。と釘を刺したことについて、クリストファーは苦笑している。
この仕組みを造るきっかけをくれたのは、隣国ムーランの偽聖女様のリリアーヌ嬢であることは間違いないことで、彼女とマリアンヌに心より感謝しています。
ジェニファーもそのうちの一人だ。いくら天罰とはいえ、他の生徒に与えるダメージが大きい。
せめて、記憶操作も一緒にやってくれて、最初から、その娘はいなかったということにできないものか?と思う。
それにしても婚約破棄という理不尽な制度はないと思う。
男性が一方的にできる仕組みで、された方の女性に何の落ち度もないのに、キズモノ令嬢として扱われる。
結婚したら、したらで女性に求められるのは貞淑さと男児を出産することだけ、女児しか産めなかった夫人は、たちまち追い出さられて、実家の兄嫁か弟の嫁に疎まれてしまう。
男性は、というと結婚前も結婚後も数多くの浮名を流すことが勲章のようになっており、浮気してもおとがめなしということが、おかしい。
この世界の仕組み自体を変えてしまわなければ、平等とは程遠い。
婚約中の男性は、せめて、浮氣を理由として破棄するのならば、女性と同等以上の責めを負うべきだと考える。
それには、男性が長男の場合は、廃嫡処分にする。浮気相手の女性に対しては、修道院送りを義務付けさせる。
そこで、この話を王太后様にしてみたら、大賛成していただき、国王陛下に進言してくださることになった。
「ジェニファーちゃん、さすがね。これでどれだけ多くの女性が救われることか。わたくしからも礼を言います」
「浮気した男性に対しての処分は、まだ考えておりませんわ」
「それは、爵位を取り上げるで、いいのではございませんこと?代わりに夫人が爵位を持てばいいだけのことです。浮気相手の女性は娼館で働いてもらったらいいでしょう」
「それでは、もし女児しか誕生しなかった夫人に対しても、爵位の授与でかまわないということですか?」
「そうね。女だからと言って、追い出されるのは、理不尽そのものよ」
話の分かる王太后様でよかった。
これで少しは、住みやすい国、世界になればいいな。後は、教会にもこの教義として徹底させてもらおう。
王太后様から話を聞いた国王陛下は、顔をしかめ、ものすごく不機嫌になられたとか、それでも、母親の言うことに逆らえない。
王妃殿下の耳にも入り、素晴らしい提案が、ジェファニー発だということもわかり、手放しに賛成される。
渋々と言った態で、議会に諮る。
当然、殿方からは、猛反発を食らうが、反論するような人物は、すでに浮気者だとレッテルを貼られかねないので、全員が口を噤む。
その結果、誰も反対しないので、可決されてしまったのだ。
手始めにマリアンヌの元婚約者シュワルツネガー侯爵令息が血祭りにあげられる。
即刻、廃嫡され、浮気相手は修道院に送られた。これで少しはマリアンヌの霊も浮かばれることだろう。
もっと早くにこうしておけば、良かった。誰も言い出さないから、ジェニファーが言い出すまで、女たちは泣き寝入りしていたのだ。
だから感謝されこそすれ、非難されることはない。
マリアンヌが亡くなって、半年後、ジェニファーとクリストファーが挙式し、永遠の愛を誓う。
でも、クリストファーが今後浮気することになれば、ジェニファーがこの国の王になる予定だから、浮氣はダメよ。と釘を刺したことについて、クリストファーは苦笑している。
この仕組みを造るきっかけをくれたのは、隣国ムーランの偽聖女様のリリアーヌ嬢であることは間違いないことで、彼女とマリアンヌに心より感謝しています。
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