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第2章
60.留学3
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翌日も、学園に行くと、側近の方に待ち伏せされていた。
「ったく、どこまでしつこいのでございますか?これでは、ストーカーと変わりがございませんわね」
「あい、すまぬ。されどクリストファー殿下が、どうしてもお会いして、謝罪したいと申されまして……我々も、困り果てているのでございます」
「あの殿下、クリストファー様とおっしゃるのね?この国に来たばかりで、よくわからないけど、わたくしも故郷の王太子殿下から婚約破棄されたので、この国を新天地だと思い、婚活しに来たわけです、ですから、そっとしていただきたいのです」
「なんと!ジェニファー嬢も婚約破棄されてしまわれたと言われるのですね!それで、ご立腹していらっしゃるから、クリストファー殿下とは、お会いすることを躊躇っていらっしゃるということですか?」
「有り体に言えば、その通りですわ。わかったら、二度とわたくしの前に現れないでいただけるかしら?正直なところ、縁起が悪いったら、ありゃしない」
あれほど、ハッキリお断りしたのに、また次の日にも、側近の方が見える。
もう、こうなれば我慢比べというか、なんというか。側近の方の見上げた根性というべきかもしれない。
それで、とうとう根負けしてしまい、今、学園の制服を着たまま、王城の応接間に座っている。
家に帰れば、いくらでもいいドレスを持っているが、着替えるのも邪魔くさいし、どうせすぐ帰るのだから、と制服のまま来ている。後ろには、一応、護衛の騎士が付いているけど、いざとなれば、魔物ぐらい一人でも倒せるので、飾りというしかない。
「いや、お待たせして申し訳ない。それに、先日は、婚約者殿と間違えてしまって、まことに重ね重ねすまないことをした」
まさか!?それだけを言うために、わたくしをわざわざここまで、ご足労をさせたの!?めっちゃ、ムカつく。
「カトリーヌ様との婚約破棄はいかがなされましたの?」
「ああ、それか……実は、王家の恥を晒すようで、みっともないが私の弟とカトリーヌ嬢は、小さいときから思いあっているのだが、父が無理やり私とカトリーヌ嬢を婚約させたせいで、カトリーヌ嬢と婚約破棄すれば、王位を弟に譲るつもりでいたのだが、なんだかジェニファー様のおかげで、すんなりコトが運びまして、今日はそのお礼も兼ねて、一度ちゃんとご挨拶をと思いまして……お呼び立てしました」
「そうですか。それはようございました。カトリーヌ様も想い人と結ばれることになり、さぞかしお喜びでしょうね」
「はい。あの二人を見ていると、心が和みます。真に愛し合っている者同士が結ばれることが本来あるべき姿だと思います。ところで、ジェニファー様は、国元で婚約破棄されたばかりだと伺いまして、もしよろしければ、これも何かのご縁ですから、私と結婚していただけないでしょうか?」
「はあ?」
「いや、驚かれても致し方がないのですが、実はあの人違いの時から、ジェニファー様に一目ぼれを致しまして……ダメですよね?でも、ジェニファー様が心変わりされるまで、いつまでも、お待ちしています。どうか私を一人の男として、ジェニファー様の婚約者候補の一人に加えていただけませんでしょうか?」
これは、思わぬ展開になった。
確かに新品の優良物件だけど……。ここで、すぐハイ。とは、返事できないよね。いや、言ってもいいか?手付だけなら、後でキャンセルすることも可能か……?でも、物欲しそうにしているように見えたのか?
「あの……。それでしたら、わたくしの方も異存がございません」
「えっ!?それは、つまり、私を婚約者としてもいいということでございましょうか?」
「はい。この国には、婚活で参った次第でございますから。こんなに早く婚約者候補が見つかるとは、思ってもおりませんでした」
「ったく、どこまでしつこいのでございますか?これでは、ストーカーと変わりがございませんわね」
「あい、すまぬ。されどクリストファー殿下が、どうしてもお会いして、謝罪したいと申されまして……我々も、困り果てているのでございます」
「あの殿下、クリストファー様とおっしゃるのね?この国に来たばかりで、よくわからないけど、わたくしも故郷の王太子殿下から婚約破棄されたので、この国を新天地だと思い、婚活しに来たわけです、ですから、そっとしていただきたいのです」
「なんと!ジェニファー嬢も婚約破棄されてしまわれたと言われるのですね!それで、ご立腹していらっしゃるから、クリストファー殿下とは、お会いすることを躊躇っていらっしゃるということですか?」
「有り体に言えば、その通りですわ。わかったら、二度とわたくしの前に現れないでいただけるかしら?正直なところ、縁起が悪いったら、ありゃしない」
あれほど、ハッキリお断りしたのに、また次の日にも、側近の方が見える。
もう、こうなれば我慢比べというか、なんというか。側近の方の見上げた根性というべきかもしれない。
それで、とうとう根負けしてしまい、今、学園の制服を着たまま、王城の応接間に座っている。
家に帰れば、いくらでもいいドレスを持っているが、着替えるのも邪魔くさいし、どうせすぐ帰るのだから、と制服のまま来ている。後ろには、一応、護衛の騎士が付いているけど、いざとなれば、魔物ぐらい一人でも倒せるので、飾りというしかない。
「いや、お待たせして申し訳ない。それに、先日は、婚約者殿と間違えてしまって、まことに重ね重ねすまないことをした」
まさか!?それだけを言うために、わたくしをわざわざここまで、ご足労をさせたの!?めっちゃ、ムカつく。
「カトリーヌ様との婚約破棄はいかがなされましたの?」
「ああ、それか……実は、王家の恥を晒すようで、みっともないが私の弟とカトリーヌ嬢は、小さいときから思いあっているのだが、父が無理やり私とカトリーヌ嬢を婚約させたせいで、カトリーヌ嬢と婚約破棄すれば、王位を弟に譲るつもりでいたのだが、なんだかジェニファー様のおかげで、すんなりコトが運びまして、今日はそのお礼も兼ねて、一度ちゃんとご挨拶をと思いまして……お呼び立てしました」
「そうですか。それはようございました。カトリーヌ様も想い人と結ばれることになり、さぞかしお喜びでしょうね」
「はい。あの二人を見ていると、心が和みます。真に愛し合っている者同士が結ばれることが本来あるべき姿だと思います。ところで、ジェニファー様は、国元で婚約破棄されたばかりだと伺いまして、もしよろしければ、これも何かのご縁ですから、私と結婚していただけないでしょうか?」
「はあ?」
「いや、驚かれても致し方がないのですが、実はあの人違いの時から、ジェニファー様に一目ぼれを致しまして……ダメですよね?でも、ジェニファー様が心変わりされるまで、いつまでも、お待ちしています。どうか私を一人の男として、ジェニファー様の婚約者候補の一人に加えていただけませんでしょうか?」
これは、思わぬ展開になった。
確かに新品の優良物件だけど……。ここで、すぐハイ。とは、返事できないよね。いや、言ってもいいか?手付だけなら、後でキャンセルすることも可能か……?でも、物欲しそうにしているように見えたのか?
「あの……。それでしたら、わたくしの方も異存がございません」
「えっ!?それは、つまり、私を婚約者としてもいいということでございましょうか?」
「はい。この国には、婚活で参った次第でございますから。こんなに早く婚約者候補が見つかるとは、思ってもおりませんでした」
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