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第2章
43.満月
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ジェニファーは、婚約破棄のことを何でもないことの様に話したので、使用人の間では騒然となり、事もあろうに殿下の浮気相手のシャーロット嬢を痛めつけに行くとまで言い出す輩が出たので、焦る。
「そんなことより、この国は遅かれ早かれ潰れてしまうの。だから、ここを一刻も早く抜け出すことを考えなければいけないのよ。どこか、心当たりがあるいい国を知らない?」
「?」
使用人は、なぜお嬢様がこのアルカイダ国が危ないとか、潰れるとか言われるのか見当がつかない。
「とりあえず、今夜からとは、考えにくいので、今夜はグラント領地にでも行った方がいいかもしれない。」
「はあ?今からでございますか?」
「明日の朝にでも、どこへ行くかは考えましょう。みんな揃っているかしら?誰か外にいる人はいないでしょうね?」
「あ、はい。全員、屋敷内におります。」
「わかりましたわ。では、参りましょう。」
ジェニファーはグラント公爵邸に、浮遊魔法をかけた。そして、屋敷ごと、グラント領地を目指す。
急に浮揚感を感じた使用人が、窓の外を見って、騒然となる。
「今夜は満月が綺麗ね。」
「「「「「「「「「「!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」
外から見たら、まるで、オズの魔法使いとETを足して2で割ったようなビジュアルだけど、誰も夜空を見ている者はいない。
この世界では、まだまだ空を飛ぶという発想がない。だから、ヒューズ国で前世、ジェニファーが破格の待遇を受けたことにつながる。
「ま、まさかと思いますが、お嬢様は聖女様で?」
「ええ。そうよ。」
誰もジェニファーを普通の公爵令嬢としてしか見ていなかったので、あっさり肯定したジェニファーの顔を穴が開くほど、見つめられたことは言うまでもない。
「とにかくグラント領で、ゆっくりしましょう。」
その場にいた使用人一同、作り笑いを顔に張り付け、でも、内心聖女様だということがわかり安堵している者もいる。
ものの1時間ほど空中散歩をして、すぐ領地が見えてきたので、適当な空き地を探すが、やはり領主の館の近くか、公爵邸のカントリーハウスの近くを探してみる。
あるにはあるが、うーん。どうかな?もみの木が邪魔するかもしれないし?とりあえず、空き地を探して、そこにいったん降ろすことにした。
急に、ドスンとした大きな音と地響きがあったので、スワっ地震か!と領主の館から、人が大勢出て来て、その光景に絶句している。
ま、そりゃそうだよね?前触れもなしに、いきなり公爵邸のタウンハウスが建っているのだもの。
着陸?したことが分かったのか、タウンハウスからも、人が出てくる。
そして、そこは懐かしいグラント領で、見慣れた顔があり、思わず無事を喜んで、抱き着いていた。
「いったい、これは?」
「おうよ。王都から飛んできたんだぜ。すごいだろっ!」
「……。」
それは、普通の反応で、王都から飛んできたという発言が異常なことは百も承知だが、今はそれしか言えない。
「え……と、ジェニファーお嬢様が聖女様で、今夜お城から呼び出しがあり……。」
王都の執事は、ここに飛ぶことになったいきさつをかいつまんで、領地の執事に言う。
領地の執事は、信じられないと言った風に目を大きく見開くが、確かにそこに建っている建物は、王都にあるはずのタウンハウスで疑いの余地はない。
「その話が、本当なら王都は、すぐにでも壊滅状態になるということですか?」
「左様。聖女様から、そのように仰せつかっている。そして、ここもいつまでも安全とは、限らない。」
「わかりました。で、どこへ脱出されるおつもりなのですか?」
「それを聖女様は、明日の朝、皆と相談されるおつもりで……。」
「聖女様は、今どこに?」
「タウンハウスの中でお休みになられている。」
そう。ジェニファーは、明日に備えて、お風呂に入り、もう寝室にいる。
「そんなことより、この国は遅かれ早かれ潰れてしまうの。だから、ここを一刻も早く抜け出すことを考えなければいけないのよ。どこか、心当たりがあるいい国を知らない?」
「?」
使用人は、なぜお嬢様がこのアルカイダ国が危ないとか、潰れるとか言われるのか見当がつかない。
「とりあえず、今夜からとは、考えにくいので、今夜はグラント領地にでも行った方がいいかもしれない。」
「はあ?今からでございますか?」
「明日の朝にでも、どこへ行くかは考えましょう。みんな揃っているかしら?誰か外にいる人はいないでしょうね?」
「あ、はい。全員、屋敷内におります。」
「わかりましたわ。では、参りましょう。」
ジェニファーはグラント公爵邸に、浮遊魔法をかけた。そして、屋敷ごと、グラント領地を目指す。
急に浮揚感を感じた使用人が、窓の外を見って、騒然となる。
「今夜は満月が綺麗ね。」
「「「「「「「「「「!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」
外から見たら、まるで、オズの魔法使いとETを足して2で割ったようなビジュアルだけど、誰も夜空を見ている者はいない。
この世界では、まだまだ空を飛ぶという発想がない。だから、ヒューズ国で前世、ジェニファーが破格の待遇を受けたことにつながる。
「ま、まさかと思いますが、お嬢様は聖女様で?」
「ええ。そうよ。」
誰もジェニファーを普通の公爵令嬢としてしか見ていなかったので、あっさり肯定したジェニファーの顔を穴が開くほど、見つめられたことは言うまでもない。
「とにかくグラント領で、ゆっくりしましょう。」
その場にいた使用人一同、作り笑いを顔に張り付け、でも、内心聖女様だということがわかり安堵している者もいる。
ものの1時間ほど空中散歩をして、すぐ領地が見えてきたので、適当な空き地を探すが、やはり領主の館の近くか、公爵邸のカントリーハウスの近くを探してみる。
あるにはあるが、うーん。どうかな?もみの木が邪魔するかもしれないし?とりあえず、空き地を探して、そこにいったん降ろすことにした。
急に、ドスンとした大きな音と地響きがあったので、スワっ地震か!と領主の館から、人が大勢出て来て、その光景に絶句している。
ま、そりゃそうだよね?前触れもなしに、いきなり公爵邸のタウンハウスが建っているのだもの。
着陸?したことが分かったのか、タウンハウスからも、人が出てくる。
そして、そこは懐かしいグラント領で、見慣れた顔があり、思わず無事を喜んで、抱き着いていた。
「いったい、これは?」
「おうよ。王都から飛んできたんだぜ。すごいだろっ!」
「……。」
それは、普通の反応で、王都から飛んできたという発言が異常なことは百も承知だが、今はそれしか言えない。
「え……と、ジェニファーお嬢様が聖女様で、今夜お城から呼び出しがあり……。」
王都の執事は、ここに飛ぶことになったいきさつをかいつまんで、領地の執事に言う。
領地の執事は、信じられないと言った風に目を大きく見開くが、確かにそこに建っている建物は、王都にあるはずのタウンハウスで疑いの余地はない。
「その話が、本当なら王都は、すぐにでも壊滅状態になるということですか?」
「左様。聖女様から、そのように仰せつかっている。そして、ここもいつまでも安全とは、限らない。」
「わかりました。で、どこへ脱出されるおつもりなのですか?」
「それを聖女様は、明日の朝、皆と相談されるおつもりで……。」
「聖女様は、今どこに?」
「タウンハウスの中でお休みになられている。」
そう。ジェニファーは、明日に備えて、お風呂に入り、もう寝室にいる。
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