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第1章

33.子作り5

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 突如、陣痛を感じ、侍医が呼ばれる。

 セシールは、すでに控室に待機している。

 アレクサンダーは、前の廊下を行ったり来たり。まるで動物園のホワイトベアのように。

 「おっぎゃぁーっっ!」

 しばらくすると、扉が開き、「おめでとうございます!元気な王女様が誕生されました!」

 同時にアレクサンダーは、赤ちゃん以上の大声を出して泣きだした!

 「無事に、生まれてくれた!もう、会えますか?」

 「いえ、まだ、もうしばらくは……。」

 「子供の顔は見られますか?」

 侍医が、赤ちゃんを抱いて、部屋から出てくる。

 ジェニファーによく似た金髪が美しい。セシールは、すぐにその娘を受け取り、部屋に入る。

 初乳だけは、ジェニファーからしてもらうつもりでいる。

 ぐったりしているジェニファーに、

 「お嬢様、初乳をお願いします。」

 「セシールね。ありがとう。」

 でも、出産後すぐに出るものではない。だからそれまでは、赤ちゃんと一緒にいてもいいということなのだ。

 貴族は、出産後、すぐに乳母に赤ちゃんを取り上げられ、初乳もさせてもらえないお母さんが多いらしいが、セシールは出産経験があるから、初乳の大切さをよく理解している。

 赤ちゃんのお世話は、セシールがやってくれるが、産褥後しばらく休まなくては、いくら聖女様といえども回復魔法をかけただけでは、なかなか治りきらない。

 やっぱり、セシールを乳母に選んで、良かったと思う。

 産後3日目ぐらいになると、おっぱいに張りが出てきて、何か出そうだったので、それを赤ちゃんに与えてみることにした。

 初乳は、赤ちゃんが成長する上での必要な栄養素がすべてあり、また免疫力も母親からもらえるので、これを呑むか飲まないかによって、成長の過程が異なるほど大切なエネルギー減なのである。

 貴族令夫人の中には、初乳といえども、母乳を与えるとおっぱいの形が悪くなるからと、断固として嫌がる母親もいるらしいが、ここは、やっぱり美容よりも母性を優先してほしいところ。

 聖女領地にいる実家から母も手伝いに来てくれているので、何かとジェニファーも心強い。

 セシールの後釜の侍女も、ブレンディ家に、長く働いてくれていた者があてがわれ、産褥後は、赤ちゃんと二人で幸せな時間を過ごすことができた。

 セシールが自分の役目を優先しないで、ジェニファーのことを心底、慕っていて、幸せを考えてくれたおかげで、王太子妃でありながら、普通の母親としての喜びをもらえたのは、良かった。

 でも、その幸せも長くは続かない。生まれてきた子が女の子だったから、次に、男の子が生まれるまで、またアレクサンダーにカラダを開かなければならない。

 赤ちゃんは、正教会と国王陛下、アレクサンダー、ブレンディ家を交え、名づけ会が発足し、結果、「ロザリアーヌ」に決まる。

 実のところ、回復魔法のおかげで、通常1か月間かかる産褥の痛みは引いているが、まだロザリアーヌと一緒にいたいので、体調が戻っていないフリをしている。

 それでも、アレクサンダーから求められれば、側室を遠ざけてしまった負い目から、渋々でも受け入れざるを得ない。

 最初は、蜂蜜の愛撫から始まる。そして、徐々に黒い目隠しも復活され、両手の拘束、それどころか両足の拘束までされるようになった。常に足を開かされていて、スースーする。

 子作りベッドの改良版ができ、ベッドの両端に布でできた輪っかが左右に備え付けられることになり、正常位の時は、そこにシルクでできた紐を通され、足を括られる。

 アレクサンダーが好きな後背位の時もしかり。今までは、膝立ちしていたのが、ほとんど立ったまま後ろから責められるので、腰に負担がかかる。これなら膝立ちの方がずっと楽だったと思う。

 「今度は、絶対、男の子を頼む。」

 と言われてもねえ。

 アレクサンダー様は、だんだんドSになってくるし、この先、どうなることやら?
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