20 / 99
第1章
20.巡礼の旅7
しおりを挟む
ヒューズ国各地の巡礼が終わり、再び王都に戻ってきた聖女様御一行は、陛下より、空を飛びたいという願いの催促をされる。
「臣民は金貨1枚程度で、空飛ぶ絨毯に乗せてもらっているというのに、なぜ儂の願いは聞き届けられぬ?」
「陛下は何か乗り物の希望はございますか?」
「……なんでもいいのか?それなら妃や子供たちと一緒に飛びたいと思っている。」
「ご家族は、今、どちらに?」
「呼んでこよう。」
ものの5分で、大家族だけで、大広間がいっぱいになるほど埋まる。
正妻と側室が10人、その子供たちが、もう何人いるかわからないほどの数……一人ぐらいいなくても、たぶん誰も気づかないだろう。
これだけの大人数を一度に飛ばすには、絨毯では到底、間に合わない。
「これから、この建物ごと空へ飛ばします。皆様、落ちないようにそれぞれ窓際へ行ってください。自己責任でお願いしますね。」
拡声魔法を使い、注意事項を説明していく。
ジェニファーはモスクごと浮遊魔法と風魔法を使い、空中に舞上がらせる。
たまたまモスクに来ていた人たちも教会関係者はもちろんのこと、急に浮揚感があって、ビックリしている。子供たちの中には歓声を上げるものもいたが、泣き出してしまう子もいる
地上では、偶然モスクが舞い上がる時に近くにいた人たちは驚き、一斉にモスクの行方を見上げている。
モスクの中では、さすがは聖女様と陛下が聖女様を褒めそやしているので、
「いいえ。これは皆様の信心の心がわたくしに力を与え、少しでも神様のいらっしゃるところに近づけるようにしているだけです。これからも神を敬い、精進してください。」
もっともらしいことを言う。
毎日大聖堂に出入りしているうちに、だんだんジェニファーも洗脳されてきている。
モスクの中で、女性の悲鳴が上がる!
振り向くと、まだ赤ん坊の王子が窓の桟の上をハイハイしていて、それで危ないと思って、抱き上げようとしたら、落ちてしまったという。
ジェニファーは、遠目の魔法を駆使して、赤ん坊がどのあたりに堕ちているかを探す。
地上から15メートルぐらいの高さを本人は、嬉しそうにきゃっきゃしながら、落ちていることを確認する。
すぐに風魔法を用い、その赤ん坊を少しだけ浮かせ、そこに魔法の絨毯を向かいに行かせる。
空中で、見事キャッチして、簀巻きにして、赤ちゃんはお母さんの元へ届けられ、拍手万雷になる。
ジェニファーは大広間に、たくさんの空飛ぶ絨毯を空中クローゼットから出し、馬が乗れる人なら、誰でも操縦ができることを教え、希望者に乗らせていく。
紳士は、次々に名乗り上げ、自分の奥さんや大事な人を乗せ、モスクから飛び立っていく。
ジェニファーは、大きめの絨毯をさらに出し、「みんなおいでよ。」と呼び掛け、子供たちをといっても、赤ん坊はダメだけど、5歳から10歳ぐらいの子供たちを10人ほど乗せ、空の旅を楽しませる。
モスクの中で、ジェニファーガ操縦している。
子供たちが戻ってきたら、今度は、陛下と奥さんたちを乗せ、モスクの周りを何周か飛ぶ。
陛下は、空の旅がよほど気に入ったのか、ジェニファーに領地の一部を褒美として賜ることができました。
「肥沃な土地だ。ここで生産されたものには税金を免除する。だから、聖女様、この土地を聖女様の領地となし、いつでも、遊びに来ておくれ。」
さらに、お土産として絨毯を1000枚ほど献上していただきました。
楽しいひと時は、あっという間に過ぎ、次はヤーパン国に向けて、出発することになり、いただいたお金や絨毯を空中クローゼットにしまい込んでいると、ヒューズ国の魔導師が近づいてきて、
「空中クローゼットの中で転移魔法を使うと、任意の場所と空中クローゼットの距離がなくなる。」
教えてくれた。
「?」
なにか、ちょっと違うような違和感があったけど、笑顔でお礼だけを言う。
「臣民は金貨1枚程度で、空飛ぶ絨毯に乗せてもらっているというのに、なぜ儂の願いは聞き届けられぬ?」
「陛下は何か乗り物の希望はございますか?」
「……なんでもいいのか?それなら妃や子供たちと一緒に飛びたいと思っている。」
「ご家族は、今、どちらに?」
「呼んでこよう。」
ものの5分で、大家族だけで、大広間がいっぱいになるほど埋まる。
正妻と側室が10人、その子供たちが、もう何人いるかわからないほどの数……一人ぐらいいなくても、たぶん誰も気づかないだろう。
これだけの大人数を一度に飛ばすには、絨毯では到底、間に合わない。
「これから、この建物ごと空へ飛ばします。皆様、落ちないようにそれぞれ窓際へ行ってください。自己責任でお願いしますね。」
拡声魔法を使い、注意事項を説明していく。
ジェニファーはモスクごと浮遊魔法と風魔法を使い、空中に舞上がらせる。
たまたまモスクに来ていた人たちも教会関係者はもちろんのこと、急に浮揚感があって、ビックリしている。子供たちの中には歓声を上げるものもいたが、泣き出してしまう子もいる
地上では、偶然モスクが舞い上がる時に近くにいた人たちは驚き、一斉にモスクの行方を見上げている。
モスクの中では、さすがは聖女様と陛下が聖女様を褒めそやしているので、
「いいえ。これは皆様の信心の心がわたくしに力を与え、少しでも神様のいらっしゃるところに近づけるようにしているだけです。これからも神を敬い、精進してください。」
もっともらしいことを言う。
毎日大聖堂に出入りしているうちに、だんだんジェニファーも洗脳されてきている。
モスクの中で、女性の悲鳴が上がる!
振り向くと、まだ赤ん坊の王子が窓の桟の上をハイハイしていて、それで危ないと思って、抱き上げようとしたら、落ちてしまったという。
ジェニファーは、遠目の魔法を駆使して、赤ん坊がどのあたりに堕ちているかを探す。
地上から15メートルぐらいの高さを本人は、嬉しそうにきゃっきゃしながら、落ちていることを確認する。
すぐに風魔法を用い、その赤ん坊を少しだけ浮かせ、そこに魔法の絨毯を向かいに行かせる。
空中で、見事キャッチして、簀巻きにして、赤ちゃんはお母さんの元へ届けられ、拍手万雷になる。
ジェニファーは大広間に、たくさんの空飛ぶ絨毯を空中クローゼットから出し、馬が乗れる人なら、誰でも操縦ができることを教え、希望者に乗らせていく。
紳士は、次々に名乗り上げ、自分の奥さんや大事な人を乗せ、モスクから飛び立っていく。
ジェニファーは、大きめの絨毯をさらに出し、「みんなおいでよ。」と呼び掛け、子供たちをといっても、赤ん坊はダメだけど、5歳から10歳ぐらいの子供たちを10人ほど乗せ、空の旅を楽しませる。
モスクの中で、ジェニファーガ操縦している。
子供たちが戻ってきたら、今度は、陛下と奥さんたちを乗せ、モスクの周りを何周か飛ぶ。
陛下は、空の旅がよほど気に入ったのか、ジェニファーに領地の一部を褒美として賜ることができました。
「肥沃な土地だ。ここで生産されたものには税金を免除する。だから、聖女様、この土地を聖女様の領地となし、いつでも、遊びに来ておくれ。」
さらに、お土産として絨毯を1000枚ほど献上していただきました。
楽しいひと時は、あっという間に過ぎ、次はヤーパン国に向けて、出発することになり、いただいたお金や絨毯を空中クローゼットにしまい込んでいると、ヒューズ国の魔導師が近づいてきて、
「空中クローゼットの中で転移魔法を使うと、任意の場所と空中クローゼットの距離がなくなる。」
教えてくれた。
「?」
なにか、ちょっと違うような違和感があったけど、笑顔でお礼だけを言う。
1
お気に入りに追加
802
あなたにおすすめの小説
友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった
海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····?
友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))
その国が滅びたのは
志位斗 茂家波
ファンタジー
3年前、ある事件が起こるその時まで、その国は栄えていた。
だがしかし、その事件以降あっという間に落ちぶれたが、一体どういうことなのだろうか?
それは、考え無しの婚約破棄によるものであったそうだ。
息抜き用婚約破棄物。全6話+オマケの予定。
作者の「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹が登場。というか、これをそっちの乗せたほうが良いんじゃないかと思い中。
誤字脱字があるかもしれません。ないように頑張ってますが、御指摘や改良点があれば受け付けます。
王女と結婚したいからと婚約破棄された聖女は王女殿下だった件について
青の雀
恋愛
王位継承権第1位であった王女が庶民の暮らしを知らないと憂い、伯爵家に表向き養女になる。
その後、ひょんなことから、聖女として覚醒したところ、侯爵のバカ息子と無理やり婚約させられてしまいます。
卒業式の日、王女殿下からお呼びがかかったと言って、婚約者から婚約破棄されてしまいます。
聖女様と王女様が同一人物であることを知らない侯爵家の人々は……
余命2か月なので、好きに生きさせていただきます
青の雀
恋愛
公爵令嬢ジャクリーヌは、幼い時に母を亡くし、父の再婚相手とその連れ子の娘から、さんざんイジメられていた。婚約者だった第1王子様との仲も引き裂かれ、連れ子の娘が後釜に落ち着いたのだ。
ここの所、体調が悪く、学園の入学に際し、健康診断を受けに行くと、母と同じ病気だと言われ、しかも余命2か月!
驚いてショックのあまり、その場にぶっ倒れてしまったのだが、どういうわけか前世の記憶を取り戻してしまったのだ。
前世、社畜OLだった美咲は、会社の健康診断に引っかかり、そのまま緊急入院させられることになったのだが、その時に下された診断が余命2日というもの。
どうやって死んだのかわからないが、おそらく2日間も持たなかったのだろう。
あの時の無念を思い、今世こそは、好き放題、やりたい放題して2か月という命を全うしてやる!と心に決める。
前世は、余命2日と言われ、絶望してしまったが、何もやりたいこともできずに、その余裕すら与えられないまま死ぬ羽目になり、未練が残ったまま死んだから、また転生して、今度は2か月も余命があるのなら、今までできなかったことを思い切りしてから、この世を去れば、2度と弱いカラダとして生まれ変わることがないと思う。
アナザーライト公爵家は、元来、魔力量、マナ量ともに多い家柄で、開国以来、王家に仕え、公爵の地位まで上り詰めてきた家柄なのだ。でもジャクリーヌの母とは、一人娘しか生まれず、どうしても男の子が欲しかった父は、再婚してしまうが、再婚相手には、すでに男女の双子を持つ年上のナタリー夫人が選ばれた。
ジャクリーヌが12歳の時であった。ナタリー夫人の連れ子マイケルに魔法の手ほどきをするが、これがまったくの役立たずで、基礎魔法の素養もない。
こうなれば、ジャクリーヌに婿を取り、アナザーライト家を存続させなければ、ご先祖様に顔向けができない。
ジャクリーヌが学園に入った年、どういうわけか父アナザーライト公爵が急死してしまう。家督を継ぐには、直系の人間でなければ、継げない。兄のマイケルは、ジャクリーヌと結婚しようと画策するが、いままで、召使のごとくこき使われていたジャクリーヌがOKするはずもない。
余命2か月と知ってから、ジャクリーヌが家督を継ぎ、継母とその連れ子を追い出すことから始める。
好き勝手にふるまっているうちに、運命が変わっていく
Rは保険です
聖女召喚された科捜研の女~異世界科学捜査で玉の輿を狙う
青の雀
ファンタジー
分析オタクのリケジョ早乙女まりあは、テレビドラマに憧れ京都府警の科捜研の研究員となる。
京大院生との合コンの日、面白半分で行われた魔方陣によって異世界へ召喚されてしまうハメに
今は聖女様は間に合っていると言われ、帰る手立てもなく、しばらく異世界で分析を満喫することにする
没落した貴族の邸宅を自宅兼研究室、ならびに表向き料理屋をすることにして、召喚の慰謝料代わりに分捕った。
せっかく異世界へ来たのだから、魔法という非科学的なものを極めたいとポジティヴな主人公が活躍する
聖女様と言えども今は用なしの身分だから、平民と同じだけど邸宅だけは貴族仕様
かりそめの貴族ライフを楽しみつつ、異世界で巻き起こる様々な事件を現代科学の粋で解決に導く……予定です
ついでにイケメン騎士団長や王弟殿下のハートを射止めることができるのか!?
【完結】転生令嬢は玉の輿に乗りました
hikari
恋愛
エレオノーレは王太子、サウルと婚約をしていた。しかし、サウルは仲良しグループの1人ヴィルジニアに浮気をしていた。それに怒ったエレオノーレは婚約を破棄。
婚約破棄をしたのち、自分が転生者だと知る。前世は貧しい家の出自でご飯もろくに食べられなかった。そして、餓死。
実は第二王子パウルがエレオノーレを狙っていた事が判明。
親友と婚約者の裏切り。ただで済むはずはなく……。
たった一度の浮気ぐらいでガタガタ騒ぐな、と婚約破棄されそうな私は、馬オタクな隣国第二王子の溺愛対象らしいです。
弓はあと
恋愛
「たった一度の浮気ぐらいでガタガタ騒ぐな」婚約者から投げられた言葉。
浮気を許す事ができない心の狭い私とは婚約破棄だという。
婚約破棄を受け入れたいけれど、それを親に伝えたらきっと「この役立たず」と罵られ家を追い出されてしまう。
そんな私に手を差し伸べてくれたのは、皆から馬オタクで残念な美丈夫と噂されている隣国の第二王子だった――
※物語の後半は視点変更が多いです。
※浮気の表現があるので、念のためR15にしています。詳細な描写はありません。
※短めのお話です。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません、ご注意ください。
※設定ゆるめ、ご都合主義です。鉄道やオタクの歴史等は現実と異なっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる