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第1章
18.巡礼の旅5
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結局、何枚もの絨毯を買い、それぞれに浮遊魔法と風魔法を重ねがけし、特にデブが載る前には、さらに浮遊魔法を重ねがけして、一度に何枚もの空飛ぶ絨毯を飛ばすことにしたのだ。
絨毯の操作は、お客(信者)様自身でやってもらうことにし、最初だけ、次から次へと、飛ばしていく。
操作方法は、馬と同じだと言えば、たいていの客は、馬の扱いができるので、すぐコツを掴んで、次から次へと客をさばいていくことに成功する。
司祭様は、お布施がたくさん入り、恵比須顔をしていらっしゃるのだが、なぜかご自分は乗られない。馬に乗れないからだ。
そして、ジェラードのために、もう一枚飛ばすことにして、セシールに命じる。
「どのあたりに、高級商店街があるか、先回りして、見てきて頂戴。護衛にジェラードをつけるから、ゆっくりしていらっしゃい。まずは、一度海まで、飛んでいくこと、浜辺がどんな状態だったか、夕日がどれだけ綺麗だったか報告してね。それと、星空が綺麗に見える場所も探してきてね。」
ジェラードはジェニファーの心遣いに心底、感謝している。
でも、セシールは、ジェニファー以上に鈍感で、何もわかっていないようだ。
ジェニファーは、ジェラードに、「今夜、必ず落としなさい。」と因果を含めて言う。
「はい。かしこまりました。」
ジェラードは、わざとらしく敬礼し、絨毯に先に乗り込み、セシールを優しくエスコートしている。
今夜、うまくいけばいいけど、そう簡単には落ちないと思うわ。だって、セシールは一筋縄でいかないくらいオクテだから。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
「どうして、奥様はあんなコト言われたのかしらね。」
「それは……旦那様との愛を深めるための場所を先回りして、探してきてほしいという意味だったのだと思うよ。」
「ふーん。お嬢様は、ご結婚されてから、ずいぶん変わられましたわ。それに聖女様にもなられてから、ますます磨きがかかったように、お美しくおなりで。」
「セシール嬢は、結婚したいとは、思わないのですか?」
「わたくしなんて、誰も相手にしてくれませんわ。お嬢様の、……奥様の引き立て役ですもの。」
「そんなことないですよ。セシール嬢は、十分に可愛らしいですし、お美しいです。」
「じょ、冗談でも嬉しいですわ。ありがとう存じます。」
「……冗談では言えませんよ。こんなこと、セシール嬢、どうか私と結婚してください。セシール嬢のことを愛しています。一生、アナタの騎士でいさせてください。」
「へ?ヤダ、うそ?」
「嘘ではありません。今日、夜まで帰ってくるな。と聖女様から申し付けられました。」
セシールは、モジモジしながら、「わたくしもジェラード様のことをお慕い申し上げておりました。」
「え?本当に?」
「はい。初めて、怒られた時から。ずっと。」
ジェラードは、絨毯の操縦も忘れ、セシールに優しくキスをする。そのせいで、絨毯は、あわや 墜落しそうになり、あわてて、手綱を引く。
ジェラードは、高級店街で、セシールのためのアクセサリーを選び、プレゼントをする。
もう、二人は相思相愛だったことがわかり、ラブラブなのだ。
そして、夕日がきれいに見える浜辺を探し出して、キスをしようとして、再び急降下。吊り橋効果もあり、そこで愛を交歓することになったのだ。
「あっ。あっはーん。恥ずかしいですわ。こんなところで……。」
「大丈夫。綺麗だ。セシール。愛している。ちゅっちゅ、もみもみ。可愛い。愛しているよ。」
「痛い……、でも、ジャガード様を受け入れることができて、幸せです。あ!星空……。」
「本当だ。綺麗だね。でもセシールの方がもっときれいだ。聖女様、ありがとうございます。」
その頃、ジェニファーとアレクサンダーも絨毯の上で、これでもかというほどの愛を交歓していた。
もちろん、空の上で。
絨毯の操作は、お客(信者)様自身でやってもらうことにし、最初だけ、次から次へと、飛ばしていく。
操作方法は、馬と同じだと言えば、たいていの客は、馬の扱いができるので、すぐコツを掴んで、次から次へと客をさばいていくことに成功する。
司祭様は、お布施がたくさん入り、恵比須顔をしていらっしゃるのだが、なぜかご自分は乗られない。馬に乗れないからだ。
そして、ジェラードのために、もう一枚飛ばすことにして、セシールに命じる。
「どのあたりに、高級商店街があるか、先回りして、見てきて頂戴。護衛にジェラードをつけるから、ゆっくりしていらっしゃい。まずは、一度海まで、飛んでいくこと、浜辺がどんな状態だったか、夕日がどれだけ綺麗だったか報告してね。それと、星空が綺麗に見える場所も探してきてね。」
ジェラードはジェニファーの心遣いに心底、感謝している。
でも、セシールは、ジェニファー以上に鈍感で、何もわかっていないようだ。
ジェニファーは、ジェラードに、「今夜、必ず落としなさい。」と因果を含めて言う。
「はい。かしこまりました。」
ジェラードは、わざとらしく敬礼し、絨毯に先に乗り込み、セシールを優しくエスコートしている。
今夜、うまくいけばいいけど、そう簡単には落ちないと思うわ。だって、セシールは一筋縄でいかないくらいオクテだから。
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「どうして、奥様はあんなコト言われたのかしらね。」
「それは……旦那様との愛を深めるための場所を先回りして、探してきてほしいという意味だったのだと思うよ。」
「ふーん。お嬢様は、ご結婚されてから、ずいぶん変わられましたわ。それに聖女様にもなられてから、ますます磨きがかかったように、お美しくおなりで。」
「セシール嬢は、結婚したいとは、思わないのですか?」
「わたくしなんて、誰も相手にしてくれませんわ。お嬢様の、……奥様の引き立て役ですもの。」
「そんなことないですよ。セシール嬢は、十分に可愛らしいですし、お美しいです。」
「じょ、冗談でも嬉しいですわ。ありがとう存じます。」
「……冗談では言えませんよ。こんなこと、セシール嬢、どうか私と結婚してください。セシール嬢のことを愛しています。一生、アナタの騎士でいさせてください。」
「へ?ヤダ、うそ?」
「嘘ではありません。今日、夜まで帰ってくるな。と聖女様から申し付けられました。」
セシールは、モジモジしながら、「わたくしもジェラード様のことをお慕い申し上げておりました。」
「え?本当に?」
「はい。初めて、怒られた時から。ずっと。」
ジェラードは、絨毯の操縦も忘れ、セシールに優しくキスをする。そのせいで、絨毯は、あわや 墜落しそうになり、あわてて、手綱を引く。
ジェラードは、高級店街で、セシールのためのアクセサリーを選び、プレゼントをする。
もう、二人は相思相愛だったことがわかり、ラブラブなのだ。
そして、夕日がきれいに見える浜辺を探し出して、キスをしようとして、再び急降下。吊り橋効果もあり、そこで愛を交歓することになったのだ。
「あっ。あっはーん。恥ずかしいですわ。こんなところで……。」
「大丈夫。綺麗だ。セシール。愛している。ちゅっちゅ、もみもみ。可愛い。愛しているよ。」
「痛い……、でも、ジャガード様を受け入れることができて、幸せです。あ!星空……。」
「本当だ。綺麗だね。でもセシールの方がもっときれいだ。聖女様、ありがとうございます。」
その頃、ジェニファーとアレクサンダーも絨毯の上で、これでもかというほどの愛を交歓していた。
もちろん、空の上で。
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