13 / 99
第1章
13.アーノルド視点 ざまあ
しおりを挟む
それからおよそ10日の後、ジャガード国から嫁にきた侯爵令嬢が聖女様であったということをジャガード国に公表されるようになり、ブレンディ家は、朝からお客様が絶えず、盛況である。
もう10日以上も前に、ジェニファー自身から直接聖女様になったと聞いていたから、慌てることなく準備ができたことは良かったこと。
聖女せんべい、聖女饅頭、聖女クッキー、聖女キーホルダー、聖女キャンディ、聖女手ぬぐいなど、商品に事欠かない。
これらすべての商品一つ一つにジェニファーの祈祷付きだから、誰も文句をつけようがない。
聖女様のご生家としての利点を最大限に生かしての商売をしている。
一方、向かい側のオビンソン家の商会では、閑古鳥が鳴いていて、恨めしそうにブレンディ家を眺めている。
あれからすっかり元気と自信を無くしてしまったアーノルドは、もはやヒッキーのごとき、一日中部屋に引き込もってばかりいる。
結局、ジェニファーとは、結婚式での華やかな笑顔を最後に一度も会っていない。自分が裏切って捨てたくせに、気分的には、まるでアーノルドが捨てられてしまったかのように落ち込んでいる。
思えば、生まれた時から、同い年でお向かいに住むジェニファーちゃんとは、誰よりも早く仲良しになった大切な幼馴染で、お友達で、いつしかそれが憧れに代わり、恋をするようになっていった。
いつも一緒にいてくれ、悲しいときや苦しいときも慰めてくれる大切な女性だったはず。それをちょっとした魔がさしたとしか思えない。
これもすべて、スカーレットのせいだ。せっかく、ジェニファーと仲良くしていたというのに、横から大切なジェニファーを奪っていった。
ブレンディ家との業務提携の話も白紙撤回された今、頼りにできるのは、カスバートソン家しかないのに、その肝心のカスバートソン家もなしのつぶてで、心底弱っている。
オビンソン家は、カスバートソン家が傘下に入れてやると言ってきたので、ブレンディ家とジェニファーの婚約破棄に舵を切ってしまったのだ。
今から思えば、詐欺にあったようなもの。すべては、あの可愛いだけのおバカ娘一人のための茶番に付き合わされてしまったようだ。
あのおバカワガママ娘のスカーレットも、いつも猫をかぶっていたことがあの婚約披露の中で明らかになってしまったし、あれなら、ジェニファーの言うとおり、性悪ワガママ娘としか言いようがなく、ジェニファーの方がスカーレットに比べたら1000倍は、優しい娘だったことがよくわかる。
あのヒステリー女と、結婚しても絶対、尻に敷かれっぱなしのカカア天下になることは目に見えている。
ジェニファー会いたいよ。ジェニファーなら、オビンソン家を格下の男・家として、見ないだろ?
アーノルドは一生格下の男と呼ばれ続けなければならないことにゲンナリしている。
商売の方も、聖女様を捨てた最低クズ男として、噂が出回り、何をしても売れない。
このままではジリ貧になる。何とか策を練らねばならないのだが、何も思い浮かばない。
あの時、スカーレットとさえ、出会わなかったら、聖女様の夫として、尊敬され、何もかも欲しいものすべてが手に入る暮らしを手に入れ、送れたかと思うと悔しくて、たまらない。
もう幼馴染の婚約者は、どこにもいない。
その聖女様のジェニファーも大国の王太子妃殿下として、永遠に手の届かない存在になってしまったのだ。
すべては自分が蒔いた種だということを、これほどまでに思い知らされる日が来ることなど3週間前までは、夢にも思っていなかったこと。
できることなら、3週間前に時を巻き戻し、ジェニファーをこの手で抱きしめたい。
それは決して、かなわぬ夢と知りながら、今日も部屋に閉じこもり涙を流す。
もう10日以上も前に、ジェニファー自身から直接聖女様になったと聞いていたから、慌てることなく準備ができたことは良かったこと。
聖女せんべい、聖女饅頭、聖女クッキー、聖女キーホルダー、聖女キャンディ、聖女手ぬぐいなど、商品に事欠かない。
これらすべての商品一つ一つにジェニファーの祈祷付きだから、誰も文句をつけようがない。
聖女様のご生家としての利点を最大限に生かしての商売をしている。
一方、向かい側のオビンソン家の商会では、閑古鳥が鳴いていて、恨めしそうにブレンディ家を眺めている。
あれからすっかり元気と自信を無くしてしまったアーノルドは、もはやヒッキーのごとき、一日中部屋に引き込もってばかりいる。
結局、ジェニファーとは、結婚式での華やかな笑顔を最後に一度も会っていない。自分が裏切って捨てたくせに、気分的には、まるでアーノルドが捨てられてしまったかのように落ち込んでいる。
思えば、生まれた時から、同い年でお向かいに住むジェニファーちゃんとは、誰よりも早く仲良しになった大切な幼馴染で、お友達で、いつしかそれが憧れに代わり、恋をするようになっていった。
いつも一緒にいてくれ、悲しいときや苦しいときも慰めてくれる大切な女性だったはず。それをちょっとした魔がさしたとしか思えない。
これもすべて、スカーレットのせいだ。せっかく、ジェニファーと仲良くしていたというのに、横から大切なジェニファーを奪っていった。
ブレンディ家との業務提携の話も白紙撤回された今、頼りにできるのは、カスバートソン家しかないのに、その肝心のカスバートソン家もなしのつぶてで、心底弱っている。
オビンソン家は、カスバートソン家が傘下に入れてやると言ってきたので、ブレンディ家とジェニファーの婚約破棄に舵を切ってしまったのだ。
今から思えば、詐欺にあったようなもの。すべては、あの可愛いだけのおバカ娘一人のための茶番に付き合わされてしまったようだ。
あのおバカワガママ娘のスカーレットも、いつも猫をかぶっていたことがあの婚約披露の中で明らかになってしまったし、あれなら、ジェニファーの言うとおり、性悪ワガママ娘としか言いようがなく、ジェニファーの方がスカーレットに比べたら1000倍は、優しい娘だったことがよくわかる。
あのヒステリー女と、結婚しても絶対、尻に敷かれっぱなしのカカア天下になることは目に見えている。
ジェニファー会いたいよ。ジェニファーなら、オビンソン家を格下の男・家として、見ないだろ?
アーノルドは一生格下の男と呼ばれ続けなければならないことにゲンナリしている。
商売の方も、聖女様を捨てた最低クズ男として、噂が出回り、何をしても売れない。
このままではジリ貧になる。何とか策を練らねばならないのだが、何も思い浮かばない。
あの時、スカーレットとさえ、出会わなかったら、聖女様の夫として、尊敬され、何もかも欲しいものすべてが手に入る暮らしを手に入れ、送れたかと思うと悔しくて、たまらない。
もう幼馴染の婚約者は、どこにもいない。
その聖女様のジェニファーも大国の王太子妃殿下として、永遠に手の届かない存在になってしまったのだ。
すべては自分が蒔いた種だということを、これほどまでに思い知らされる日が来ることなど3週間前までは、夢にも思っていなかったこと。
できることなら、3週間前に時を巻き戻し、ジェニファーをこの手で抱きしめたい。
それは決して、かなわぬ夢と知りながら、今日も部屋に閉じこもり涙を流す。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
798
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる