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第1章 恋愛
ジェームズ視点
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俺の名前は、ジェームズ・アトランス、アトランス王国の第1王子である。
普段、フローレンスの前で使っているスコットランとは、俺の生母の姓である。第1王子なのに俺の母が側妃というだけで、俺は、王位継承権が低い。王太子になれず、フローレンスのような美しい婚約者も存在しない。
弟のマリオスは、聖女様の婚約者をもちながら、バカをやって婚約破棄し、塔に幽閉されていたが、うまいこと言って父王に聖女様を連れ戻すとでも言ったか、追いかけてきやがった。
俺は早くから、隣国へ行き、苦労して近衛騎士になったんだが、運が良かったとしか言いようのない聖女様との出会いをした。まあ、出会ったときはまだ聖女様でも何でもない普通の公爵だったんだが、美人だけど、育ちが良すぎるのか苦労をしていないからかはわからないが、ぼさーっと抜けているようなところがある。世間知らずと言うべきか、だから俺が護衛として雇われたのだが、デュクオール国から、俺の給金は出ている。フローレンスからもどういうわけか出ている。黙って受け取っているが、そういうところがマヌケなところだと思う。給金をもらっているから、抱きにくいというのもある。これがデュクオール国からの給金だけなら、とっくの昔に抱いている。
フローレンスは、いつか必ず俺のものにしてやるつもりでいる。マリオスなんぞには渡さない。
この前、ポーションもどきをたくさん飲まされた時はヤバかった。思わず押し倒してしまったのだが、理性で必死に抑えた。抑えることができて、良かったと思っている。
旅の移動の際、キャンピングカー?だったか、二段ベッドになっている馬なしの馬車での泊りの時もヤバイ、下の段にフローレンスが寝ているのだが、寝息を聞いているだけで妙な気分になってくる。
アテレック王国で冒険者ギルドにけが人が運び込まれているとき、すぐ助けなかったことは驚いた。聖女様は、聖女であることより、医者としての衿持を優先されるようで、俺が助けてやってくれと言ったら、俺の願いを叶えてくれて、結果的に助けてくれたけど、その後、アテレックの王太子との婚約を断ったのもビックリした。今度からは、聖女様を手に入れるまでは、決して、けが人がいても助けてくれとは言わないでおこう。たまたまあの時は、断られただけで、次、同じように王太子との婚約をちらつかせられたら、聖女様として婚約されてしまうかもしれない。
聖女様は、アムロピジンで立派な家を買われた。
家さえ買えば、そこを拠点として、いったん帰国されるようだ。
その帰る前日、俺は思い切って、聖女様に愛の告白をした。
近衛騎士風ではなく、王子として
「フローレンス様、愛しています。帰国してもあなたのお傍に置いてほしい。」
フローレンス嬢は、驚きながらも、「私もジェームズのことを愛しています。」と答えてくれたので、俺は迷わず、フローレンスを抱きしめキスをする。
フローレンスは、俺が告白するのをずっとカラダを濡らして待っていたのだ。それを知った時の俺は理性が吹っ飛んで、彼女の体を朝まで貪りつくしたのである。
それからは、主従の関係でなくなり、俺たちは恋人同士になった。
フローレンスは「ゆりえ、と呼んで」と言ってきたので二人だけの時は、ゆりえかリリーと呼ぶことにした。
愛し合うときは必ず「リリー」と呼ぶようになった。単に「友里恵」より、言いやすかっただけの理由である。
俺はリリーに本名を名乗ったら、意外とあっさり受け入れてくれ、「アトランスに対して恨みがあるのなら、デュクオール国で二人は夫婦となりましょう。そして、あなた様が公爵の座に就いてください。」
すぐに帰国するはずが、新婚旅行よろしくアムロピジンでゆっくりすることにしたのである。
愛し合う二人に邪魔をする者がいなかったためである。。
あれから半年程して、フローレンスは現在、妊娠6か月である。いつでも異空間クローゼットを通って王都に帰れるのだけど、甘い新婚生活を送るには、アムロピジンにいたほうがいい。
時々、王宮の侍医のところへ行って、超音波のやり方を教えつつ自分で自分を診察している。クローゼットの中を通って王宮の診察室に出る。もちろん、夫とともに。
いつものように、王都で診察後、アムロピジンへ戻ってきたとき、妙な噂を聞く。
アトランス国の王子が人探しのため、アムロピジンに明日当たり入国するという噂を聞く。
げ!マリオスだ。岡崎友里恵としては、面識がないが、フローレンスは記憶をなくしてまでも会いたくない人物で、夫であるジェームズから見ても天敵と言うべきか、なさぬ仲の兄弟であるから、ここは、領地へ戻ることにする。マリオスから逃げるのだ。
近所の人にデュクオール国へ戻ることを告げ、さっさとクローゼットの中へ入る。
王都へ行ったばかりだったので、とりあえず領地へ戻ることにする。夫に領地経営のノウハウを覚えてもらう必要があるため、出産は、王都でするつもりだが、経営は大事だから。
普段、フローレンスの前で使っているスコットランとは、俺の生母の姓である。第1王子なのに俺の母が側妃というだけで、俺は、王位継承権が低い。王太子になれず、フローレンスのような美しい婚約者も存在しない。
弟のマリオスは、聖女様の婚約者をもちながら、バカをやって婚約破棄し、塔に幽閉されていたが、うまいこと言って父王に聖女様を連れ戻すとでも言ったか、追いかけてきやがった。
俺は早くから、隣国へ行き、苦労して近衛騎士になったんだが、運が良かったとしか言いようのない聖女様との出会いをした。まあ、出会ったときはまだ聖女様でも何でもない普通の公爵だったんだが、美人だけど、育ちが良すぎるのか苦労をしていないからかはわからないが、ぼさーっと抜けているようなところがある。世間知らずと言うべきか、だから俺が護衛として雇われたのだが、デュクオール国から、俺の給金は出ている。フローレンスからもどういうわけか出ている。黙って受け取っているが、そういうところがマヌケなところだと思う。給金をもらっているから、抱きにくいというのもある。これがデュクオール国からの給金だけなら、とっくの昔に抱いている。
フローレンスは、いつか必ず俺のものにしてやるつもりでいる。マリオスなんぞには渡さない。
この前、ポーションもどきをたくさん飲まされた時はヤバかった。思わず押し倒してしまったのだが、理性で必死に抑えた。抑えることができて、良かったと思っている。
旅の移動の際、キャンピングカー?だったか、二段ベッドになっている馬なしの馬車での泊りの時もヤバイ、下の段にフローレンスが寝ているのだが、寝息を聞いているだけで妙な気分になってくる。
アテレック王国で冒険者ギルドにけが人が運び込まれているとき、すぐ助けなかったことは驚いた。聖女様は、聖女であることより、医者としての衿持を優先されるようで、俺が助けてやってくれと言ったら、俺の願いを叶えてくれて、結果的に助けてくれたけど、その後、アテレックの王太子との婚約を断ったのもビックリした。今度からは、聖女様を手に入れるまでは、決して、けが人がいても助けてくれとは言わないでおこう。たまたまあの時は、断られただけで、次、同じように王太子との婚約をちらつかせられたら、聖女様として婚約されてしまうかもしれない。
聖女様は、アムロピジンで立派な家を買われた。
家さえ買えば、そこを拠点として、いったん帰国されるようだ。
その帰る前日、俺は思い切って、聖女様に愛の告白をした。
近衛騎士風ではなく、王子として
「フローレンス様、愛しています。帰国してもあなたのお傍に置いてほしい。」
フローレンス嬢は、驚きながらも、「私もジェームズのことを愛しています。」と答えてくれたので、俺は迷わず、フローレンスを抱きしめキスをする。
フローレンスは、俺が告白するのをずっとカラダを濡らして待っていたのだ。それを知った時の俺は理性が吹っ飛んで、彼女の体を朝まで貪りつくしたのである。
それからは、主従の関係でなくなり、俺たちは恋人同士になった。
フローレンスは「ゆりえ、と呼んで」と言ってきたので二人だけの時は、ゆりえかリリーと呼ぶことにした。
愛し合うときは必ず「リリー」と呼ぶようになった。単に「友里恵」より、言いやすかっただけの理由である。
俺はリリーに本名を名乗ったら、意外とあっさり受け入れてくれ、「アトランスに対して恨みがあるのなら、デュクオール国で二人は夫婦となりましょう。そして、あなた様が公爵の座に就いてください。」
すぐに帰国するはずが、新婚旅行よろしくアムロピジンでゆっくりすることにしたのである。
愛し合う二人に邪魔をする者がいなかったためである。。
あれから半年程して、フローレンスは現在、妊娠6か月である。いつでも異空間クローゼットを通って王都に帰れるのだけど、甘い新婚生活を送るには、アムロピジンにいたほうがいい。
時々、王宮の侍医のところへ行って、超音波のやり方を教えつつ自分で自分を診察している。クローゼットの中を通って王宮の診察室に出る。もちろん、夫とともに。
いつものように、王都で診察後、アムロピジンへ戻ってきたとき、妙な噂を聞く。
アトランス国の王子が人探しのため、アムロピジンに明日当たり入国するという噂を聞く。
げ!マリオスだ。岡崎友里恵としては、面識がないが、フローレンスは記憶をなくしてまでも会いたくない人物で、夫であるジェームズから見ても天敵と言うべきか、なさぬ仲の兄弟であるから、ここは、領地へ戻ることにする。マリオスから逃げるのだ。
近所の人にデュクオール国へ戻ることを告げ、さっさとクローゼットの中へ入る。
王都へ行ったばかりだったので、とりあえず領地へ戻ることにする。夫に領地経営のノウハウを覚えてもらう必要があるため、出産は、王都でするつもりだが、経営は大事だから。
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