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第1章 恋愛
妊娠検査薬
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また、聖女としての力を遣ってしまった、少し自責の念がある。医者では助けられない領域を非科学的な方法で完治させる。日本だったら、完全に医師法違反になるところである。くよくよしても仕方がないけど、今回はジェームズのために助けた。彼が助命嘆願してきたから、でもまたこういうことが続くようであれば、彼を、ジェームズを切ったほうがいいのかもしれない。
せっかくのイケメンだけど、いちいち煩わしい。聖女はこうあるべき、という固定観念にとらわれている。
アテレック王家から、呼出し命令がかかり迎えの馬車が到着する。どうして居場所がわかるの?めんどくさいなぁと思うけど、盛装用のドレスに着替え、馬車に乗り込む。
ほどなくして、アテレックの王城に到着。
控えの間で、しばしお茶をいただきながら、呼ばれるまで待つこと10分足らず。ようやく呼ばれて、謁見の間に入る。一応の礼儀として跪いていると、
「此度は我が国の民を助けていただき、感謝いたす。……」
長々と喋っているが、フローレンスは聞いていない。どうせ一日でも長くアテレックに滞在してほしいとかなんとか言ってるわけでしょう。聞くだけ無駄。だから煩わしい面倒ごとに巻き込まれたくないと言ったのよ。
あくびを噛み殺しながら、跪いているフローレンスに最後の言葉だけは聞き取れた。
「……、褒美として、王太子クリストファー・アテレックとの婚約を認めるものとする。」
ええー!そんなの褒美にならない。そんな褒美ならいらないわ。間髪入れずに
「恐れながら、その儀はご遠慮したく、ひらに平に、ご容赦の程お願い申し上げます。」
「ええ?私との婚約は、遠慮したいとは、無礼ではないか!」
怒っているブサメン・クリストファー殿下だろうか??
いや、見ようによっては、このブサメンでも好き♡とかいう人もいるかもしれない。変わりモノなら。ただ、岡崎友里恵の美的感覚の琴線には、触れなかった。
「わたくし、アトランス国の政略で王太子と婚約しておりましたが、破棄されまして、そのショックで自殺をして助けられた国がデュクオール国で、そこで聖女として覚醒したわけで、デュクオール国の公爵でございます。デュクオール国のために、聖女の力を遣うことはやぶさかではございませんが、今回の冒険者の方を助けたのは、わたくしの従者のたっての願いだったからです。救命での褒美など必要ありません。また、恐れながらクリストファー様にも、おそらくでございますが政略により幼き時からの婚約者様がいらっしゃるのではありませんか?その婚約者様を蔑ろにして、わたくしがその座につくことなど到底、許しがたきことでございますれば、ひらに、ご容赦くださいませ。」
「さすが!聖女様である。クリストファーの婚約者が嘆き悲しむ姿を見ていられないと申すか!それでこそ、聖女様である。わかった、クリストファーとの婚約はあきらめようぞ。」
無事、解放されて、ほっとしたわ。本当は、政略婚約者なんて、どうでもいいのよ。あんなブサメンと結婚したくないだけの逃げ口上なのに、いいように勘違いしてもらってラッキーかもしれない。
ルンルン気分で、戻ってから、一度、帰国することにする。もちろんクローゼットを通って、この前クローゼットの中を覗いてたら、パパが新しい女とイチャ付いているところを見てしまったのよ。なにぃ!フローレンスに冒険に行くことをやけにすんなりOKしたと思ったら、そんなウラがあったとは、フローレンスはいかず後家になるかもしれないと心配している最中に、オンナとイチャ付くなんて許せない!ということで邪魔しに帰ることにしたのである。帰ると言っても一瞬だけで、別れさせたら、また戻りますと。たぶん。
アテレック王都のはずれの木の幹のあたりに異空間の扉を設ける。そこから王都の公爵邸へ戻るのである。木の幹は異空間の中に入った途端、回収しようか?また、戻るのなら、置いといたほうがいいね。入り口を隠蔽しとこう。虫や動物が入り込んだらかわいそうだもんね。
王都の父の部屋へ行く。やっぱり女を引き入れて口説いている最中だ、女の肩を抱いて「愛しているよ。」と囁いている。
「パパー♪ただいまー♪」
ギョッとして、父が振り返るとフローレンスが仁王立ちして睨んでいる。
「あ、あ、あ、あ、おかえり。早かったんだね。」
「何しているの?その女性はだぁれ?」
「え、え、ええ、う、この人は秘書として雇おうと思っている人なんだ。」
苦しい言い訳。
「そう、じゃ試験させていただきますわね。」
「え!試験?」
「雇い入れるのなら、そこそこの教養があってしかるべきですよね。ですから、そのための試験。見事合格すれば、支度金を支給しますわよ。」
「そんな、お嬢様ご無体をしてはいけませんわよ。」
「あら、わたくし、フローレンス・エヴェラ公爵でございますわよ。お嬢さん呼ばわりなど失礼ではありませんか?もう、試験をしなくても、アナタのことは、よーくわかりましたので、どうぞお引き取りください。」
「あなたのお父様の子供を身ごもっているかもしれませんことよ。そしたら、あなたの弟か妹がお腹の中にいるはずです。それを追い出すというのですか?」
「わたくしは医者でございますわよ。父には、もう子供ができない施術をしておりまして、父は子供を作れないのです。おわかりですか?それでは、どうしてもとおっしゃるのなら、診察をいたしましょう。最初は尿検査だけですから、ご心配には及びません。」
「父以外の子種を宿しているかどうか、すぐわかります。」
父は、念のためパイプカットをしているのである。身分の高い男性には、言い寄る女が後を絶たないから、いくら遊んでも子供はなさない。
尿検査の結果は、シロ。
「大丈夫です。妊娠されておりません。」
「そ、それなら、私の体を自由にしたのだからお金を頂戴。」
「え……と、それは娼婦としてでございますか?」
父のほうを見ると、首をぶんぶん左右に振り回して、デュクオール国は売春禁止法なるものがあったのかしら?なかったのかしら?
「娼婦ならば、それが職業でありますからお支払いいたします。ただし、娼婦登録は王妃殿下の管轄でございますわね。王妃様に確認が取れれば代金を支払います。どちら宛てに振り込めばよろしいですか?BKがこの国にはないか?すぐ、王家と確認を取りますので、しばらくお待ちくださいませ。」
王宮の診察室のところにも異空間扉を設けているので、そこから出入りする。
王妃殿下にお会いすべく申し込みをするとすぐに受け入れられ、実は父が娼婦とナニしましてお金の要求をされているのですが、本当に娼婦登録がされているかどうかを確認したいというと、王妃様直々に、帳簿をもって、異空間扉から行幸してくださりました。
突然、目の前に現れた王妃様と護衛の数々に娼婦はただただ茫然として、「失礼しました。」と走って、帰って行った。
父とオンナを無事、別れさせることに成功したもの、その後、父にたっぷりお説教をしてアテレックへ戻ろうとしたら、王妃様から異空間扉を自分の部屋にも欲しいとねだられたのは、言うまでもないこと。
せっかくのイケメンだけど、いちいち煩わしい。聖女はこうあるべき、という固定観念にとらわれている。
アテレック王家から、呼出し命令がかかり迎えの馬車が到着する。どうして居場所がわかるの?めんどくさいなぁと思うけど、盛装用のドレスに着替え、馬車に乗り込む。
ほどなくして、アテレックの王城に到着。
控えの間で、しばしお茶をいただきながら、呼ばれるまで待つこと10分足らず。ようやく呼ばれて、謁見の間に入る。一応の礼儀として跪いていると、
「此度は我が国の民を助けていただき、感謝いたす。……」
長々と喋っているが、フローレンスは聞いていない。どうせ一日でも長くアテレックに滞在してほしいとかなんとか言ってるわけでしょう。聞くだけ無駄。だから煩わしい面倒ごとに巻き込まれたくないと言ったのよ。
あくびを噛み殺しながら、跪いているフローレンスに最後の言葉だけは聞き取れた。
「……、褒美として、王太子クリストファー・アテレックとの婚約を認めるものとする。」
ええー!そんなの褒美にならない。そんな褒美ならいらないわ。間髪入れずに
「恐れながら、その儀はご遠慮したく、ひらに平に、ご容赦の程お願い申し上げます。」
「ええ?私との婚約は、遠慮したいとは、無礼ではないか!」
怒っているブサメン・クリストファー殿下だろうか??
いや、見ようによっては、このブサメンでも好き♡とかいう人もいるかもしれない。変わりモノなら。ただ、岡崎友里恵の美的感覚の琴線には、触れなかった。
「わたくし、アトランス国の政略で王太子と婚約しておりましたが、破棄されまして、そのショックで自殺をして助けられた国がデュクオール国で、そこで聖女として覚醒したわけで、デュクオール国の公爵でございます。デュクオール国のために、聖女の力を遣うことはやぶさかではございませんが、今回の冒険者の方を助けたのは、わたくしの従者のたっての願いだったからです。救命での褒美など必要ありません。また、恐れながらクリストファー様にも、おそらくでございますが政略により幼き時からの婚約者様がいらっしゃるのではありませんか?その婚約者様を蔑ろにして、わたくしがその座につくことなど到底、許しがたきことでございますれば、ひらに、ご容赦くださいませ。」
「さすが!聖女様である。クリストファーの婚約者が嘆き悲しむ姿を見ていられないと申すか!それでこそ、聖女様である。わかった、クリストファーとの婚約はあきらめようぞ。」
無事、解放されて、ほっとしたわ。本当は、政略婚約者なんて、どうでもいいのよ。あんなブサメンと結婚したくないだけの逃げ口上なのに、いいように勘違いしてもらってラッキーかもしれない。
ルンルン気分で、戻ってから、一度、帰国することにする。もちろんクローゼットを通って、この前クローゼットの中を覗いてたら、パパが新しい女とイチャ付いているところを見てしまったのよ。なにぃ!フローレンスに冒険に行くことをやけにすんなりOKしたと思ったら、そんなウラがあったとは、フローレンスはいかず後家になるかもしれないと心配している最中に、オンナとイチャ付くなんて許せない!ということで邪魔しに帰ることにしたのである。帰ると言っても一瞬だけで、別れさせたら、また戻りますと。たぶん。
アテレック王都のはずれの木の幹のあたりに異空間の扉を設ける。そこから王都の公爵邸へ戻るのである。木の幹は異空間の中に入った途端、回収しようか?また、戻るのなら、置いといたほうがいいね。入り口を隠蔽しとこう。虫や動物が入り込んだらかわいそうだもんね。
王都の父の部屋へ行く。やっぱり女を引き入れて口説いている最中だ、女の肩を抱いて「愛しているよ。」と囁いている。
「パパー♪ただいまー♪」
ギョッとして、父が振り返るとフローレンスが仁王立ちして睨んでいる。
「あ、あ、あ、あ、おかえり。早かったんだね。」
「何しているの?その女性はだぁれ?」
「え、え、ええ、う、この人は秘書として雇おうと思っている人なんだ。」
苦しい言い訳。
「そう、じゃ試験させていただきますわね。」
「え!試験?」
「雇い入れるのなら、そこそこの教養があってしかるべきですよね。ですから、そのための試験。見事合格すれば、支度金を支給しますわよ。」
「そんな、お嬢様ご無体をしてはいけませんわよ。」
「あら、わたくし、フローレンス・エヴェラ公爵でございますわよ。お嬢さん呼ばわりなど失礼ではありませんか?もう、試験をしなくても、アナタのことは、よーくわかりましたので、どうぞお引き取りください。」
「あなたのお父様の子供を身ごもっているかもしれませんことよ。そしたら、あなたの弟か妹がお腹の中にいるはずです。それを追い出すというのですか?」
「わたくしは医者でございますわよ。父には、もう子供ができない施術をしておりまして、父は子供を作れないのです。おわかりですか?それでは、どうしてもとおっしゃるのなら、診察をいたしましょう。最初は尿検査だけですから、ご心配には及びません。」
「父以外の子種を宿しているかどうか、すぐわかります。」
父は、念のためパイプカットをしているのである。身分の高い男性には、言い寄る女が後を絶たないから、いくら遊んでも子供はなさない。
尿検査の結果は、シロ。
「大丈夫です。妊娠されておりません。」
「そ、それなら、私の体を自由にしたのだからお金を頂戴。」
「え……と、それは娼婦としてでございますか?」
父のほうを見ると、首をぶんぶん左右に振り回して、デュクオール国は売春禁止法なるものがあったのかしら?なかったのかしら?
「娼婦ならば、それが職業でありますからお支払いいたします。ただし、娼婦登録は王妃殿下の管轄でございますわね。王妃様に確認が取れれば代金を支払います。どちら宛てに振り込めばよろしいですか?BKがこの国にはないか?すぐ、王家と確認を取りますので、しばらくお待ちくださいませ。」
王宮の診察室のところにも異空間扉を設けているので、そこから出入りする。
王妃殿下にお会いすべく申し込みをするとすぐに受け入れられ、実は父が娼婦とナニしましてお金の要求をされているのですが、本当に娼婦登録がされているかどうかを確認したいというと、王妃様直々に、帳簿をもって、異空間扉から行幸してくださりました。
突然、目の前に現れた王妃様と護衛の数々に娼婦はただただ茫然として、「失礼しました。」と走って、帰って行った。
父とオンナを無事、別れさせることに成功したもの、その後、父にたっぷりお説教をしてアテレックへ戻ろうとしたら、王妃様から異空間扉を自分の部屋にも欲しいとねだられたのは、言うまでもないこと。
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