【第1章完結】前世女医の公爵令嬢が婚約破棄され、自殺未遂の果てに聖女と崇められる~現代知識と異世界通販で成り上がる

青の雀

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第1章 恋愛

領地へ

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 初めて行く領地は目新しいものばかりで、しばらくここに滞在したいと思うばかりです。
 なんと!海に面していて、小高い丘もあり見晴らしが絶景なのです。海からの浜風が心地よく顔に当たる。
 この世界に来て初めての海で、前世岡崎友里恵の実家の病院は海沿いだったから、懐かしくてたまらないのである。
 
 今まで管理をしてくださっていた方はトーマスさんという方なのだが、お話を伺いに行き、帳簿書類を引き継ぐ。岡崎友里恵時代は、一応商業簿記2級を持っていたので、難なく帳簿ぐらい読める。将来、父の後を継ぐか、もしくは開業医のところへ嫁に行くにしても、会計の知識は必須だったからである。当時、医師所得は、特殊な計算を余儀なくされていたので、なおさらのことであったのだ。90%以上だったかな?社会保険診療報酬が占める割合で税額が全く異なるのだから、必死になって覚えたものである。

 薬価基準も90パーセントバルクライン方式というものが取られていて、当時は院内処方がほとんどであったから、これも勉強して覚えたものである。

 それを異世界で、また使うようになるとは、当時は思いもしなかったことである。

 父は驚くが「それも前世の記憶かい?」と聞いてくるようになっていた。
 軽く頷き、異世界通販で電卓を購入する。ソーラータイプの電卓をパチパチ押していく。検算しているのである。電卓に関しては、岡崎友里恵はシャー〇製が好きだ、カ〇オ製はどうも使い勝手が悪い。特に定数計算のkがわかりにくいからである。

 とはいえ、覚えることは覚え、学べるものは学ぶ。今まで管理をしていただいていたトーマスさんをそのまま雇うことにする。

 異世界では、帳簿様式が単式簿記であったので、順次複式簿記に変えていくことにする。資本取引と損益取引が一目瞭然であり、明瞭に区別することにより資本剰余金と利益剰余金を混同させない。

 企業会計原則も一通り一般教養で勉強したので、つくづく企業会計原則は優れモノだと思う。

 サスペンションとダンパーを馬車の下に取り付けること、衝撃を和らげ乗り心地が良くなること請け合いであると必死になって、父を説得する。

 なかなか理解してもらえないから、異世界通販でサスペンション。ダンパーの見本を購入して馬車の下に取り付ける。少し走らせただけで、断然揺れが少なく乗り心地が良くなったことを確認してから、領地管理人のトーマスさんに、発注してもらうことにしたのである。

 実地調査に行くことにする。現場100ぺんはちがうけれど、やはり現場を見なければ机上の空論である。

 ということでピクニック気分で実地調査へ行くことに、お弁当をたくさん持って、お茶を水筒に入れていく。

 いざとなれば異世界通販でペットボトルやサンドイッチを買うつもりでいる。

 先ぶれを出さず、いきなり行くことにする。一応お忍びだが管理人のトーマスさんと一緒だからすぐバレる。

 途中で新しい領主さまが来られた、とお接待をいろいろしてくださるので恐縮してしまいます。
 最初は、こっそり領内を見て回るだけと思っていたけれど、父が何かお困りごとはありますか?と尋ねるので、最初は遠慮がちだった領民も、やれ腰が痛いだの、肩がこる、目がかすむ、歯が痛むなど前世岡崎友里恵では対処できない専門外の相談ばかりで困る。

 とりあえずお接待してくれた人へのお礼として、その場にいた人全員に対して血圧測定をすることにした。何台か測定器を並べて腕を入れてもらい肘が曲がるところまでドームの中に入れれば、自動で測るものを何台か設置していく。

 説明をして、ボタンを押してもらえれば加圧し、脈拍と最高血圧最低血圧が図れるものである。レシートのような紙が出るとそれがあなたの血圧です。ということなのだが日本語!だということを忘れていたのである。

仕方なく名前を聞いて、紙に書いていくことにする。そして、異常血圧だった人だけを対象に生体検査を行うことにした。健康な人は、その間手持ち無沙汰になるだろうから、異世界通販でスイーツ類を買って出していくことにした。子供への土産にしていいか?と聞かれ、ほとんど手を付ける人がいなかったので、大人用にウイスキーボンボンを買って渡したら、飛ぶようになくなったわ。

 でも一番たくさん食べていたのが、父だとわかり睨みつけたら、「ごめん。」と言ったので笑って許す。

 血圧が高く白血球の数が基準値でない人だけを対象に精密検査を行うことにする。
少ない場合は、貧血を起こしているのであるから、鉄剤を渡していく。多い人は、白血病や癌、細菌性の病気である可能性があるので、より慎重になるが、少し風邪を引いただけでも白血球が増えることがある。検査の結果、心配するほどの白血球ではなかったので、安心する。
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