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第1章 恋愛
国民皆保険
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術後、超音波と心電図をして正常値に戻っている。血圧も上が120、下が78。SpO2値も99と申し分ない数値である。
部屋に置いてあった医療機器のすべてを片付けようとしたら、異空間に勝手に収まった。消えた異空間のあたりをじっと見たら、確かに中に整理した形で収まっているので、まぁいいや。と思うことにする。
フローレンスは改めて自己紹介をする。
「フローレンス・エヴェラと申します。残念なことに川に流されてから、生まれてから現在までの記憶を一切失ってしまいましたが、どういうわけか多分、前世の記憶というものでしょうか。ニッポンを思い出しまして、ご主人様の治療に当たらせていただきました。」
「私の名は、ベルドラン・デュクォールでございます。この国の公爵であり、兄が国王をしております。此度は私の命を助けていただき、本当に感謝している。ありがとうございました。これは妻のシャルロットでございます。」
奥様のほうを見られて、奥様は軽く頷かれる。
「フローレンス・エヴェラ様と申されましたか?隣国アトランスにエヴェラ公爵でしたか宰相をしておられる方がいらっしゃるので、その方のお身内かと思われます。早速、手配して連絡を取らせましょう。美しい令嬢が行方不明になられて、さぞかしご心配をされていることでしょうから。」
ベルドラン様は、早速手紙をしたため執事を呼び、手紙を出すように指示をしている。
「して、そのニッポンという国は、この世界にあるのでしょうか?」
「いいえ。この世界とは、別の宇宙か?太陽系の惑星の中に地球という星があり、その星の中に島国でニッポンがあります。」
「うちゅう?わくせい?ちきゅう?ふむ。さっぱりわからないが、はっきりわかっていることは、そのニッポンでは、医学が大変、進歩しているということだな?」
「宇宙とは、空です。この国がある星も惑星の一つだと思われます。太陽というのは、お日様のことで、朝日が昇ると明るくなり、夕日が沈むと夜になり暗くなるのは、この星が自転しながら太陽の周りを回っているから起こる現象なのです。つまり、別の星に生まれ変わってしまったということです。」
「あなたは、大変賢いのですね。そのニッポンでは、学者をされていたのですか?」
「いいえ。わたくしは医者をしていました。わたくしのニッポンでの家は、病院を経営して居まして、父も医者だったのですが。病院というのは、医療施設のことで体調がすぐれない人のために、入院や外来で医療サービスを提供する施設のことです。」
「ほう、我が国では、教会が行うようなものですね。治療費は、いかほどかかりますか?あ!私のために使われた治療費はおいくらですか?」
「そうですね、機器代込みで白金貨1枚(日本円で1億円相当)ぐらいでしょうかしら。
「たった白金貨1枚でよいのですか?王族なら払える金額だが、庶民では……。」
「いえ、機器代込みの値段ですから。それに日本では保険という制度があり、生まれてから死ぬまで頭数でそれぞれ各家庭から保険料を徴収します。税金とは、少し意味が異なりますが、税金に近いようなものです。その保険料を財源として、体調が悪くなったり怪我をしてしまったとき、無料もしくは、廉価で医療サービスの提供を受けられるという制度です。若く健康で働けるときに、保険料を納めて年を取り働けなくなったときに毎月決まった金額をもらえる年金という制度もありました。0歳の時から入る保険が医療保険と呼ばれるもので、20歳の時から60歳まで入る保険が年金保険と呼ばれるもので、国の法律で定められておりました。これを国民皆保険・国民皆年金と呼ばれている制度です。」
「ほう。ただで医療の提供を受けられるというのは良い制度ですなぁ。その話をもう一度、私の兄の国王にしてもらえないだろうか?」
ベルドラン様とともに、フローレンスは王宮へ赴く。謁見の間ではなく、国王陛下の私室に通されることに。
見ると、国王陛下も体調が悪そうで荒い息遣いをしている。
「アレクサンドル・デュクオールだ。この国の王をしている。アトランス国の公爵令嬢だそうだな。此度は弟の命を助けていただき感謝する。もし、よければだが、儂の体調も診てはもらえないだろうか?我が国にもこの城にも医者はいるが、弟から聞いた話では、もっと進んだ医療をなさるとか?それを儂にも施してもらうわけにはいかないだろうか?」
アレクサンドル王は、白金貨2枚を差し出された。
「こんなに……!多すぎます。」
「よいのだ、儂の侍医にも診察を見せてもらいたい、学ばせるところがあれば学ばせたいと思う。それに、この城にいる者どもへの体調管理と息子の嫁に子供ができて、そのお腹の子の様子も診てもらいたいのだ。」
「わかりました。超音波でなら男か女かぐらいなら、わかりますので調べてみましょう」
「なに!? 生まれる前から王子か姫かがわかるのか?なんという素晴らしく進歩した医療なのだな?ベルドランが言った通りであった。」
「では、ここに機器を設置してもかまいませんか?」
アレクサンドル王が頷かれたのと同時に、異空間収納から次々に出していく。
「フローレンス嬢は、アイテムボックス持ちなのか!?」
驚かれるのも無理はない。アイテムボックスとは、ダンジョンでたまにしか出ないドロップ品で、商人の間では、高値で取引されるものである。小さいものでも白金貨1枚、大きいものなら5枚はするというカバン?トートバッグ?のような袋のことである。
フローレンスは、アイテムボックスではないと思うが、たぶん転生者特有のチートスキルで異空間収納ができるのである。フローレンス時代は、できていたかどうか覚えていないので不明であるが、岡崎友里恵の記憶を思い出してからは、普通にできるスキルになったのである。
ほかにどんなチートスキルをもっているかなどまだまだ分からない部分があるが、なんでもあるものは、ありがたく使わせていただくと言うところは、前世の岡崎友里恵そのものの考え方であったため、使えるものは遣わせていただくことにしている。
アレクサンドル王にも生体検査を施した結果、高脂血症と高血圧症であることがわかる。上の血圧は200、SpO2値は95で、酸素量は十分であるが、なんせ血圧が高い。心電図と超音波の結果もやはり、狭心症疑いというところか。点滴剤に抗コレステロール剤と降圧剤を混ぜる。
ベルドラン殿下のように、心筋梗塞を起こしてからの発作ではないので、取り立てて急ぐ必要もないが、一応、予防的な処置として、カテーテル手術をすることにした。
通常何もなければ30分から1時間程度で終わる手術である。
手術は無事成功し、呼吸も安定してくる。
アレクサンドル王は、生まれて初めて自分の心臓を見て、驚かれ大興奮をされている。たいていの人は、なかなか自分の心臓を見る機会がないから熱心に見る患者さんが多いのだが、アレクサンドル王の場合は、実況中継をされるからうるさくてかなわなかったのである。
「おお!動いておる!儂の心臓か!? ピンク色をしていて、きれいじゃのう!ほれ、ほれ。これが儂の心臓じゃ、きれいであろう。そなたたちにも見せてしんぜよう。」
ディスプレイが映っている間中、この調子で喋りまくっている。侍医は、懸命にメモを取っているようだったが、カテーテルの知識、操作は、実際にやってみないとできないだろう。
座学では、限度がある。だから、前期研修で臨床を学ぶのである。侍医が今しているメモ書きは、臨床と言えば臨床かな?
手術が終わり、アレクサンドル王の容態が安定してからは医療機器や血液検査、血圧計などについて質問攻めにされたのは、言うまでもないことであるが、どこまで理解しているかも疑問を残すところである。
アレクサンドル王に国民皆保険、国民皆年金制度の内容をレクチャーして、次は王太子妃ベルティーユ様のお腹の子供の男女判定に向かう。
部屋に置いてあった医療機器のすべてを片付けようとしたら、異空間に勝手に収まった。消えた異空間のあたりをじっと見たら、確かに中に整理した形で収まっているので、まぁいいや。と思うことにする。
フローレンスは改めて自己紹介をする。
「フローレンス・エヴェラと申します。残念なことに川に流されてから、生まれてから現在までの記憶を一切失ってしまいましたが、どういうわけか多分、前世の記憶というものでしょうか。ニッポンを思い出しまして、ご主人様の治療に当たらせていただきました。」
「私の名は、ベルドラン・デュクォールでございます。この国の公爵であり、兄が国王をしております。此度は私の命を助けていただき、本当に感謝している。ありがとうございました。これは妻のシャルロットでございます。」
奥様のほうを見られて、奥様は軽く頷かれる。
「フローレンス・エヴェラ様と申されましたか?隣国アトランスにエヴェラ公爵でしたか宰相をしておられる方がいらっしゃるので、その方のお身内かと思われます。早速、手配して連絡を取らせましょう。美しい令嬢が行方不明になられて、さぞかしご心配をされていることでしょうから。」
ベルドラン様は、早速手紙をしたため執事を呼び、手紙を出すように指示をしている。
「して、そのニッポンという国は、この世界にあるのでしょうか?」
「いいえ。この世界とは、別の宇宙か?太陽系の惑星の中に地球という星があり、その星の中に島国でニッポンがあります。」
「うちゅう?わくせい?ちきゅう?ふむ。さっぱりわからないが、はっきりわかっていることは、そのニッポンでは、医学が大変、進歩しているということだな?」
「宇宙とは、空です。この国がある星も惑星の一つだと思われます。太陽というのは、お日様のことで、朝日が昇ると明るくなり、夕日が沈むと夜になり暗くなるのは、この星が自転しながら太陽の周りを回っているから起こる現象なのです。つまり、別の星に生まれ変わってしまったということです。」
「あなたは、大変賢いのですね。そのニッポンでは、学者をされていたのですか?」
「いいえ。わたくしは医者をしていました。わたくしのニッポンでの家は、病院を経営して居まして、父も医者だったのですが。病院というのは、医療施設のことで体調がすぐれない人のために、入院や外来で医療サービスを提供する施設のことです。」
「ほう、我が国では、教会が行うようなものですね。治療費は、いかほどかかりますか?あ!私のために使われた治療費はおいくらですか?」
「そうですね、機器代込みで白金貨1枚(日本円で1億円相当)ぐらいでしょうかしら。
「たった白金貨1枚でよいのですか?王族なら払える金額だが、庶民では……。」
「いえ、機器代込みの値段ですから。それに日本では保険という制度があり、生まれてから死ぬまで頭数でそれぞれ各家庭から保険料を徴収します。税金とは、少し意味が異なりますが、税金に近いようなものです。その保険料を財源として、体調が悪くなったり怪我をしてしまったとき、無料もしくは、廉価で医療サービスの提供を受けられるという制度です。若く健康で働けるときに、保険料を納めて年を取り働けなくなったときに毎月決まった金額をもらえる年金という制度もありました。0歳の時から入る保険が医療保険と呼ばれるもので、20歳の時から60歳まで入る保険が年金保険と呼ばれるもので、国の法律で定められておりました。これを国民皆保険・国民皆年金と呼ばれている制度です。」
「ほう。ただで医療の提供を受けられるというのは良い制度ですなぁ。その話をもう一度、私の兄の国王にしてもらえないだろうか?」
ベルドラン様とともに、フローレンスは王宮へ赴く。謁見の間ではなく、国王陛下の私室に通されることに。
見ると、国王陛下も体調が悪そうで荒い息遣いをしている。
「アレクサンドル・デュクオールだ。この国の王をしている。アトランス国の公爵令嬢だそうだな。此度は弟の命を助けていただき感謝する。もし、よければだが、儂の体調も診てはもらえないだろうか?我が国にもこの城にも医者はいるが、弟から聞いた話では、もっと進んだ医療をなさるとか?それを儂にも施してもらうわけにはいかないだろうか?」
アレクサンドル王は、白金貨2枚を差し出された。
「こんなに……!多すぎます。」
「よいのだ、儂の侍医にも診察を見せてもらいたい、学ばせるところがあれば学ばせたいと思う。それに、この城にいる者どもへの体調管理と息子の嫁に子供ができて、そのお腹の子の様子も診てもらいたいのだ。」
「わかりました。超音波でなら男か女かぐらいなら、わかりますので調べてみましょう」
「なに!? 生まれる前から王子か姫かがわかるのか?なんという素晴らしく進歩した医療なのだな?ベルドランが言った通りであった。」
「では、ここに機器を設置してもかまいませんか?」
アレクサンドル王が頷かれたのと同時に、異空間収納から次々に出していく。
「フローレンス嬢は、アイテムボックス持ちなのか!?」
驚かれるのも無理はない。アイテムボックスとは、ダンジョンでたまにしか出ないドロップ品で、商人の間では、高値で取引されるものである。小さいものでも白金貨1枚、大きいものなら5枚はするというカバン?トートバッグ?のような袋のことである。
フローレンスは、アイテムボックスではないと思うが、たぶん転生者特有のチートスキルで異空間収納ができるのである。フローレンス時代は、できていたかどうか覚えていないので不明であるが、岡崎友里恵の記憶を思い出してからは、普通にできるスキルになったのである。
ほかにどんなチートスキルをもっているかなどまだまだ分からない部分があるが、なんでもあるものは、ありがたく使わせていただくと言うところは、前世の岡崎友里恵そのものの考え方であったため、使えるものは遣わせていただくことにしている。
アレクサンドル王にも生体検査を施した結果、高脂血症と高血圧症であることがわかる。上の血圧は200、SpO2値は95で、酸素量は十分であるが、なんせ血圧が高い。心電図と超音波の結果もやはり、狭心症疑いというところか。点滴剤に抗コレステロール剤と降圧剤を混ぜる。
ベルドラン殿下のように、心筋梗塞を起こしてからの発作ではないので、取り立てて急ぐ必要もないが、一応、予防的な処置として、カテーテル手術をすることにした。
通常何もなければ30分から1時間程度で終わる手術である。
手術は無事成功し、呼吸も安定してくる。
アレクサンドル王は、生まれて初めて自分の心臓を見て、驚かれ大興奮をされている。たいていの人は、なかなか自分の心臓を見る機会がないから熱心に見る患者さんが多いのだが、アレクサンドル王の場合は、実況中継をされるからうるさくてかなわなかったのである。
「おお!動いておる!儂の心臓か!? ピンク色をしていて、きれいじゃのう!ほれ、ほれ。これが儂の心臓じゃ、きれいであろう。そなたたちにも見せてしんぜよう。」
ディスプレイが映っている間中、この調子で喋りまくっている。侍医は、懸命にメモを取っているようだったが、カテーテルの知識、操作は、実際にやってみないとできないだろう。
座学では、限度がある。だから、前期研修で臨床を学ぶのである。侍医が今しているメモ書きは、臨床と言えば臨床かな?
手術が終わり、アレクサンドル王の容態が安定してからは医療機器や血液検査、血圧計などについて質問攻めにされたのは、言うまでもないことであるが、どこまで理解しているかも疑問を残すところである。
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