戦場の魔術師~おっさんがセクシー美女に転生して波乱を巻き起こす?

青の雀

文字の大きさ
上 下
8 / 18

8.噂話

しおりを挟む
「おい、聞いたか?今年の新入団員にすっげぇー美女が入ってきたらしいぞ」

「ああ、知っているよ。なんでも魔法剣を操る魔性の女という触れ込みさ」

 ここは、一般騎士団員が使う食堂の中だ。

「魔性の女?なんだそれ?」

「知らないのか?その女と一夜を共にするために、もう何人もの男がキンタマを取られているという噂があるぞ」

「かの廃嫡になったクリストファー殿下もそのうちの一人だそうだ」

「クリストファー殿下と言えば、6年前に王城で婚約破棄した相手が階段から転げ落ちて、その犯人が浮気相手の女で一緒に転落死したって話のか?殿下もよくよく女運が悪いな」

「そうそれ。その時の婚約者だった令嬢が一命をとりとめ、魔性の女になったってわけよ?」

「ん?話が読めないな。婚約者はエスペランサ公爵家の令嬢だったはずだが……、だいたいエスペランサ家と言えば、魔法師団の家柄ではないか!それがなぜ……、なぜ、その娘が騎士団に入ることになったのだ?」

「入団試験の最中に大型の魔物と遭遇されたらしい。他の入団希望者は全員怖気づいて、失格となってしまったのだが、エスペランサ家の令嬢は、なんとか魔法で仕留めようと奮起していたところ、突如、その令嬢のカラダから金色の魔法があふれ出し、聖女様となられたらしい。それで、一発1位合格になったそうだ。まあ、誰一人残っていなかったのだから、当然1位だったわけだが、学科試験も他の元と比べ物にならないぐらいダントツ1位になっていたらしいから、もうこれで、入団が決まったというわけさ」

「ふーん。聖女様で魔性の女で、しかもセクシー美女と聞きゃ一度顔を拝みたいものだぜ」

「おい!気をつけろよ。キンタマなくなっちまうぞ」

「それがよ、入団間もない新人が、いきなり近衛騎士団に入ったというから、驚いたぜ」

「すげーな。スピード出世じゃないか!」

「フェリシアン殿下のご指名だそうだ。ったく、いい気なもんだよ。」

「おいおい、いいのか?第2王子まで、キンタマなくなっちまったら、えらいことになるぞ?」

「バカ!フェリシアン殿下には、セレスティーヌ嬢がいるだろ?だからわざわざクールビューティに手は出さなくても、そこは、うまいことやっているということさ」

「でも、それはそれで新たな火種を産む可能性もあるということだな?」

「え?どういうことだ?」

「セレスティーヌ嬢は、侯爵令嬢だぞ。聖女様にかなわないどころか、相手は騎士といえども公爵令嬢で、身分も実力もはるかにエスペランサ家の方が上手をいく。それに、セレスティーヌ嬢との婚約は、クリストファー殿下が廃嫡になってから決まった話だろ?これからお妃教育が待っているというのに、そんな相手と乳繰り合えるか?俺は、ゼッタイ、聖女様に手を出されると思うぞ」

「そうなれば、キンタマがなくなっちまう」

 騎士の男は自分の下半身を思わず触ってしまい、身震いしている。



-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-



 シャルロットの話が、とんでもなく尾ひれがついてしまって、のんびり騎士生活の夢が台無しになっているではないか!

 それに騎士団の入団実技試験の最中に、魔物が出てしまったから、あんなもの初めて見たので、俺は内心ビビったが、ここでひるんでは、日本男児の恥と思い、踏ん張ったのだ。

 到底、魔法剣でも、歯が立たない相手だったから。とにかく使えそうな魔法を思い浮かべては、試しに放つをやっているうちに、突如、俺のカラダが光りはじめたことに気づいた。だが、今、やめては元も子もなくなると思い、光ろうがハゲようが関係ないと無視して、魔法を放っていた。

 そこへ上半身は女で、下半身は男の神様が現れ、俺は、カラダの持ち主と入れ替わったのではなく、日本から異世界へと転生したことを聞かされ驚愕する。

 その神様は、全裸で俺は目のやり場に困ったが、言っていることは真実だと思えるぐらい信ぴょう性に富んだものだった。

 俺のことを知り過ぎているというか、おそらくこの異世界の王族は堕落しているので、それを俺に替えてほしいとか何とか、言っていたような気がする。

 どうせ、もう日本へ戻れないなら、この世界で好き勝手やり、好みの男性に抱かれるまで頑張ると、その時、心に誓い決意したのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

コントな文学『カラダ目当ての女』

岩崎史奇(コント文学作家)
大衆娯楽
会いたくなったから深夜でも・・・

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

王子の呪術を解除したら婚約破棄されましたが、また呪われた話。聞く?

十条沙良
恋愛
呪いを解いた途端に用済みだと婚約破棄されたんだって。ヒドクない?

君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】 ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る―― ※他サイトでも投稿中

【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!

楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。 (リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……) 遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──! (かわいい、好きです、愛してます) (誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?) 二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない! ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。 (まさか。もしかして、心の声が聞こえている?) リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる? 二人の恋の結末はどうなっちゃうの?! 心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。 ✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。 ✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

美醜逆転世界でお姫様は超絶美形な従者に目を付ける

朝比奈
恋愛
ある世界に『ティーラン』と言う、まだ、歴史の浅い小さな王国がありました。『ティーラン王国』には、王子様とお姫様がいました。 お姫様の名前はアリス・ラメ・ティーラン 絶世の美女を母に持つ、母親にの美しいお姫様でした。彼女は小国の姫でありながら多くの国の王子様や貴族様から求婚を受けていました。けれども、彼女は20歳になった今、婚約者もいない。浮いた話一つ無い、お姫様でした。 「ねぇ、ルイ。 私と駆け落ちしましょう?」 「えっ!? ええぇぇえええ!!!」 この話はそんなお姫様と従者である─ ルイ・ブリースの恋のお話。

悪役令嬢に転生したので、人生楽しみます。

下菊みこと
恋愛
病弱だった主人公が健康な悪役令嬢に転生したお話。 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...