世界時間12時の恋人～３人の男たちに愛される

２２.真実の愛

　１か月が過ぎ、研修が終わると、さくらは、グレゴリーに暇乞いをして、日本へ帰ることにした、生きの飛行機は、双子ちゃんたちとさくらだけだったが、帰りの飛行機では親子４人そろっての帰国で、幸せ気分満載なのだ。

　帰国して、しばらく経ったある日のこと、さくらは、妊娠していることに気づく、計算からしても大の子供に間違いはないようだけど、もし生まれてきた子供が金髪で青い目の子供だったら、どうしようと悩む。

　不義の子ではないと信じるも、なかなか大に言い出しにくい。

　だんだん日が経つにつれ、お腹が目立つようになってくる。それで、とうとう打ち明けることにしたら、大はすごく喜んでくれて、愛されている実感がする。

　「嬉しいよ。３人目まで産んでくれるなんて、ありがとう。」

　「まだ産んでないわよ。」

　「俺は決めたんだ。双子の息子とさくら、それにさくらの腹の子を一生愛し、養い守る覚悟ができたんだ。だから、嬉しいよ。愛している。もう、金輪際浮気しないから、安心してくれ。」

　「そういえば、ロンドンへ行っている間、どうだったのよ？」

　「あれは、ただ飲みに行っただけだ。甲斐康夫が行方不明になったことがあったろ？あれ以来、みんな女遊びは、ほどほどになったんだよ。まあ、アイツは真実の愛に目覚めたのかもしれないがな、とにかく俺は一穴主義だ。安心してくれ。」

　「本当かしら？」

　「本当だよ。愛しているよ、さくら、こっちへおいで。」

　「んもうっ。ダメよ、まだ……。」

　「いいじゃないか。子供たちも眠ったし、もうナカ出しし放題だしな。それにこの時期のセックスは、お腹の子供にとってもいい影響が出る。」

　そういえば、前回の離婚騒動以来、大のさくらに対する愛撫が変わった。まるで宝物を扱うような優しいしぐさになった。

　もう、以前の代ではないとわかっていながら、それを認めたくなかったさくらが、大の変化に気づこうともしなかっただけなのかもしれない。

　二度目の出産ということもあり、ベテランママの貫禄は十分でも、大の勧めもあり会社に退職届を出し、専業主婦になる。

　そして、もう二度と浮気はしないと心に決め、ヴァイキングウォーズのスマホアプリをアンインストールすることにした。

　それから約半年後のこと、無事生まれてきた子供は娘で、黒髪に黒目だったことにホっとした。

　ヴァイキングウォーズをアンインストールしたにもかかわらず、聖女様の力だけは、さくらの手元に残ったが、これは佐倉家の両親の秘密であり、大はまだ知らない。