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12.修羅場2
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家族一同が開始、川村家の人々は、床に頭をこすりつけながら謝罪している。
大さんふぁけが、ふてくされたような顔をしながら、文句を言っている。
「なんで、こんなに早く帰ってくるんだよ。勝手に海外へ行って、勝手に帰ってくるんだよ。」
「コラ、大、さくらさんに申し訳ないと謝らないか!」
「間女を引き入れたことは認めるよ。だけど男児絵浮気はしていない!彼女は親切で、料理を作りに来てくれただけだから。」
「うそ!開業医の息子だと言ったじゃない?」
「俺は開業医の息子だよ。川村医院の息子で間違いないよ。」
「奥さんの服を、どうして妹さんの服だって言ったのよ。」
「君に夢を持たせたかっただけだ。そんなに悪いこととは思っていない。」
「そんなひどいわっ!独身のフリをして、私を騙したのね!」
「君は、だいたいちょっと黙っていてくれるかな?これは、そもそも夫婦喧嘩だというのに、なんで親父やおふくろ、それに兄貴まで来ているんだ?」
「バカ!お前は、この期に及んで、まだそんなことを言っているのか!」
「大さん、もう私は決めています。大さんとは、もう続けられませんということは、わかっていますよね?」
「なぜだ?俺は不貞を働いた事実はないのだぞ。現にさくらがロンドンへ行ってから一度も勃起できない。そこの彼女を抱いたこともないのに、浮気したという言いがかりをつけられては困る。」
「それは、たまたま体調が悪かっただけで、勃起したら、ヤるつもりだったということに変わりがないでしょ?それは浮気と言わずして、なんと言いますか?」
「でも、ヤっていないんだよ。信じてくれ。さくら。」
そこへさくらの両親が興信所で調べてもらっていた報告書と写真を二人の前に診せる。
そこには、さくらがロンドンに旅立った日から、現在まで、大の素行調査と写真があった。
連日連夜、女子アナや客室乗務員、銀行員にデパートガール、薬剤師に女子大生と合コンし、必ずお持ち帰りしていたのか、ラブホに入っていく写真まであった。
ああ。あの高級レストランへ行くにしては、さすがにお金が続かなかったようだ。
「!」
さすがにこれだけの証拠を前にしては、言い訳が難しいだろう。
それにしてもお母さん、いつの間に?
「さくらが心配だったので、興信所に頼んで尾行してもらっていたのよ。さくらのマンションに1か月ほど前から、そこの女性が出入りしていたことは知っていたけど、こんな男性やめなさいと言えなくて、ごめんなさいね。」
「いいえ。そんな……。」
浮気相手の女性は、居づらそうにしている。
「で、私がお義姉さんと間違えたアナタは、どうしたいの?まだ、大と結婚したい?」
「そのつもりでいました。でも、無理だと思い始めて……。」
「そうよね。こんな修羅場見せつけられて、男性不振になるわよね。でも、私と結婚する前まで、確かに川村医院の院長として開業医をしていたわけだから、私と離婚したら、また川村の姓に戻って開業医をすることになると思うの。だから、もしよければ、アナタに川村大のことを託したいと思っています。」
「いいんですか?奥さん?」
「ええ。ただし、条件があります。今、妊娠25週目の8か月になってしまったので、このお腹の子供が無事、生まれてくるまでは、川村と夫婦として、やっていきたいの。離婚は、子供が生まれてからのことになります。それと、慰謝料はいりませんが、子供の養育費を支払ってほしいのです。月々いくらにしましょうか?50万円なら支払い能力があるでしょうか?100万円欲しいと言いたいところだけど、どこかの大歌手の大柳ルミ子さんみたいになるのもイヤだから、一人当たり50万円でいいでしょう。この子が医学部を卒業するまでの間、毎月、振り込んでください。それぐらい女子アナのアナタなら、いくらでも払える額でしょう。」
「知っていたんですか?」
「ええ。どこかで見たことがあると思って、兄嫁さんと勘違いしてしまったぐらいですからね。」
「おい、待てよ。俺がいつ離婚に同意するって言った?勝手に決めんじゃないよ。」
「仕方ないでしょ?こんな有名人な女性に恥をかかせる気?ここへ来る前にお父さんのクリニックへ寄ったのよ、待合室で、女子アナが通い婚という記事を読んだわ。それって、アナタのことですよね?」
「はい。週刊誌に写真を撮られてしまって。」
「だからって、俺が責任取らなきゃなんないなんて、おかしいだろ。」
「大。責任取りなさい!さくらさんが言ってくださっているうちが……時の氏神というものですよ。」
「とにかく今夜中に、この家から出て行ってくださいね。荷物は廊下に放り出しておきますので、もう二度とこの家の敷居はまたがないでください。」
「大君、短い間だったが、さくらの夫として、よく頑張ってくれた。これは少ないが退職金と1か月分の給料を入れておいたよ。また、いつでも遊びにおいでとは言えないけど、元気に頑張ってくれたまえ。」
200万円入りの封筒を大の前に出す。
「いけません。佐倉先生にそんなことをしてもらう義理はありません。」
「そんなことないですよ。うちはブラッククリニックではありませんから、こういうことは身内といえども、きちんとしておかなければ……、」
「いいえ。駄目です。大には、親の方から、相応の金額を払いますから、ですからどうか今夜のところはお納めくださいませんか?」
200万円を前にさくらの両親と川村の両親が攻防を始めている。
大さんふぁけが、ふてくされたような顔をしながら、文句を言っている。
「なんで、こんなに早く帰ってくるんだよ。勝手に海外へ行って、勝手に帰ってくるんだよ。」
「コラ、大、さくらさんに申し訳ないと謝らないか!」
「間女を引き入れたことは認めるよ。だけど男児絵浮気はしていない!彼女は親切で、料理を作りに来てくれただけだから。」
「うそ!開業医の息子だと言ったじゃない?」
「俺は開業医の息子だよ。川村医院の息子で間違いないよ。」
「奥さんの服を、どうして妹さんの服だって言ったのよ。」
「君に夢を持たせたかっただけだ。そんなに悪いこととは思っていない。」
「そんなひどいわっ!独身のフリをして、私を騙したのね!」
「君は、だいたいちょっと黙っていてくれるかな?これは、そもそも夫婦喧嘩だというのに、なんで親父やおふくろ、それに兄貴まで来ているんだ?」
「バカ!お前は、この期に及んで、まだそんなことを言っているのか!」
「大さん、もう私は決めています。大さんとは、もう続けられませんということは、わかっていますよね?」
「なぜだ?俺は不貞を働いた事実はないのだぞ。現にさくらがロンドンへ行ってから一度も勃起できない。そこの彼女を抱いたこともないのに、浮気したという言いがかりをつけられては困る。」
「それは、たまたま体調が悪かっただけで、勃起したら、ヤるつもりだったということに変わりがないでしょ?それは浮気と言わずして、なんと言いますか?」
「でも、ヤっていないんだよ。信じてくれ。さくら。」
そこへさくらの両親が興信所で調べてもらっていた報告書と写真を二人の前に診せる。
そこには、さくらがロンドンに旅立った日から、現在まで、大の素行調査と写真があった。
連日連夜、女子アナや客室乗務員、銀行員にデパートガール、薬剤師に女子大生と合コンし、必ずお持ち帰りしていたのか、ラブホに入っていく写真まであった。
ああ。あの高級レストランへ行くにしては、さすがにお金が続かなかったようだ。
「!」
さすがにこれだけの証拠を前にしては、言い訳が難しいだろう。
それにしてもお母さん、いつの間に?
「さくらが心配だったので、興信所に頼んで尾行してもらっていたのよ。さくらのマンションに1か月ほど前から、そこの女性が出入りしていたことは知っていたけど、こんな男性やめなさいと言えなくて、ごめんなさいね。」
「いいえ。そんな……。」
浮気相手の女性は、居づらそうにしている。
「で、私がお義姉さんと間違えたアナタは、どうしたいの?まだ、大と結婚したい?」
「そのつもりでいました。でも、無理だと思い始めて……。」
「そうよね。こんな修羅場見せつけられて、男性不振になるわよね。でも、私と結婚する前まで、確かに川村医院の院長として開業医をしていたわけだから、私と離婚したら、また川村の姓に戻って開業医をすることになると思うの。だから、もしよければ、アナタに川村大のことを託したいと思っています。」
「いいんですか?奥さん?」
「ええ。ただし、条件があります。今、妊娠25週目の8か月になってしまったので、このお腹の子供が無事、生まれてくるまでは、川村と夫婦として、やっていきたいの。離婚は、子供が生まれてからのことになります。それと、慰謝料はいりませんが、子供の養育費を支払ってほしいのです。月々いくらにしましょうか?50万円なら支払い能力があるでしょうか?100万円欲しいと言いたいところだけど、どこかの大歌手の大柳ルミ子さんみたいになるのもイヤだから、一人当たり50万円でいいでしょう。この子が医学部を卒業するまでの間、毎月、振り込んでください。それぐらい女子アナのアナタなら、いくらでも払える額でしょう。」
「知っていたんですか?」
「ええ。どこかで見たことがあると思って、兄嫁さんと勘違いしてしまったぐらいですからね。」
「おい、待てよ。俺がいつ離婚に同意するって言った?勝手に決めんじゃないよ。」
「仕方ないでしょ?こんな有名人な女性に恥をかかせる気?ここへ来る前にお父さんのクリニックへ寄ったのよ、待合室で、女子アナが通い婚という記事を読んだわ。それって、アナタのことですよね?」
「はい。週刊誌に写真を撮られてしまって。」
「だからって、俺が責任取らなきゃなんないなんて、おかしいだろ。」
「大。責任取りなさい!さくらさんが言ってくださっているうちが……時の氏神というものですよ。」
「とにかく今夜中に、この家から出て行ってくださいね。荷物は廊下に放り出しておきますので、もう二度とこの家の敷居はまたがないでください。」
「大君、短い間だったが、さくらの夫として、よく頑張ってくれた。これは少ないが退職金と1か月分の給料を入れておいたよ。また、いつでも遊びにおいでとは言えないけど、元気に頑張ってくれたまえ。」
200万円入りの封筒を大の前に出す。
「いけません。佐倉先生にそんなことをしてもらう義理はありません。」
「そんなことないですよ。うちはブラッククリニックではありませんから、こういうことは身内といえども、きちんとしておかなければ……、」
「いいえ。駄目です。大には、親の方から、相応の金額を払いますから、ですからどうか今夜のところはお納めくださいませんか?」
200万円を前にさくらの両親と川村の両親が攻防を始めている。
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