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「なんだか……、ばかだったのは、わたくしだったってことですね。殿下に愛されていると信じて、一人浮かれて……それなら、一度でいいから、本気で殿下のお情けを頂戴しとう存じます。さすれば、修道院へ行っても、そのことを胸に頑張れますもの」
「いや、キャロルを修道院送りなどへはさせない。俺は、キャロルと出会って初めて、愛するということを知り、真実の愛がわかったのだ。愛している。これは、俺の本心なのだ。だからどこにも行かないでくれ。こんな俺の傍で支えてほしい」
「殿下……」
キャロラインは、ベッドに横たわり、目を閉じている。それはすなわち、今夜はアーノルドに抱かれたいということの意思表示のつもりでいるようだ。
据え膳食わぬは、男の恥
一瞬、その言葉が頭を過ぎったが、これは据え膳ではない。アーノルドがずっと欲しくて仕方がなかったものを手に入れることができる瞬間だと思い、誠心誠意、本気でキャロラインを抱くことに決めた。
その夜は、キャロラインは、いつにも増して乱れまくり、アーノルドの背中に爪を立てる。
破瓜の痛みからくるものもあるだろうが、今夜は手を繋いで寝るのではなく、カラダを繋げたまま眠りに落ちてしまった。
翌朝、目覚めた時は、キャロラインも規則正しい寝息を立て可愛らしい寝顔をずっと見ていたいという気になったが、いつまでも、起きる気配がないので、俺は腰を遣い動く。
「んん……っっ……」
昨夜から勘定して、7度目の精を放つ。ぐったりしたまま、再びキャロラインの上に覆いかぶさり、まどろむ。
キャロラインは予想通り、感度が良い女で、キャロラインとなら、アーノルドは何度でも復活できるような気がしてならない。
9度目の精を放って、またまどろんでいると、ようやくキャロラインが目覚めたようだ。
「カラダは大事ないか?」
「!……何か、まだアーニー様のモノが挿っているような感じがしますわ。でも、これでわたくしもやっとアーニー様のモノになれたのですね」
「ん?まだ挿っているよ。昨夜からずっとつながったままだ」
再び、アーノルドが腰を動き始めると、途端にキャロラインの甘い声が漏れだす。
「い、痛いっけど……、昨日よりは、幾分マシ……ですが、まだあまり激しく動かないで……あ、あん」
10度目の精を放ってから、アーノルドはやっとキャロラインから離れた。うまくいけば、これで懐妊させることができるかもしれないと皮算用をする。
さすがにその夜も、というわけにはいかないので、その夜はキャロラインに薬を塗ってやることだけにしたのだが、アーノルドが指を挿れただけで、もう湿らせて来るから、なるべくあまり感じないように。とだけ言い、婚約してから初めて、別々の部屋で眠ることにしたのだ。
アーノルドは昨日と今日、通算で10度もヤったのは初めてのことで、とても満足しているから、しばらくキャロラインの傷が癒えるまで辛抱できる。
キャロラインは、立ち上がって歩くことも困難なようで、少々ヤりすぎた感は否めない。
それにそうこうしているうちに、来週は結婚式を控えているので、しばらくキスマークはお預けとなるので、ちょうどいい。
なぜダメかと言えば、ドレスが純白なので、透けて見えるということと、背中は大きく開いているので、見えるかもしれないということから、恥ずかしがって、キャロラインが着けさせてくれない。
そして、いよいよ結婚式の日を迎え、晴れて、今夜が初夜を迎える。また、寝かせないとばかりに宣言するアーノルドを諫めながら、キャロラインは幸せそうに笑う。
結婚式から1か月後、キャロラインは懐妊したことを知り、乳母候補は、もちろんクリスティーヌに頼むことになる。
王城関係者と民衆から祝福され、キャロラインは、無事第1王子を出産する。
お金のために手芸用品を売り歩いていなければ、こうして幸せを掴むことなく、今でもクローン伯爵に虐げられていたのだと思うと、ゾっとする。
今ある掴んだ幸せとアーノルドに対しての感謝を胸に、これからもいつまでも仲良く暮らしていきたいと願っている。
「いや、キャロルを修道院送りなどへはさせない。俺は、キャロルと出会って初めて、愛するということを知り、真実の愛がわかったのだ。愛している。これは、俺の本心なのだ。だからどこにも行かないでくれ。こんな俺の傍で支えてほしい」
「殿下……」
キャロラインは、ベッドに横たわり、目を閉じている。それはすなわち、今夜はアーノルドに抱かれたいということの意思表示のつもりでいるようだ。
据え膳食わぬは、男の恥
一瞬、その言葉が頭を過ぎったが、これは据え膳ではない。アーノルドがずっと欲しくて仕方がなかったものを手に入れることができる瞬間だと思い、誠心誠意、本気でキャロラインを抱くことに決めた。
その夜は、キャロラインは、いつにも増して乱れまくり、アーノルドの背中に爪を立てる。
破瓜の痛みからくるものもあるだろうが、今夜は手を繋いで寝るのではなく、カラダを繋げたまま眠りに落ちてしまった。
翌朝、目覚めた時は、キャロラインも規則正しい寝息を立て可愛らしい寝顔をずっと見ていたいという気になったが、いつまでも、起きる気配がないので、俺は腰を遣い動く。
「んん……っっ……」
昨夜から勘定して、7度目の精を放つ。ぐったりしたまま、再びキャロラインの上に覆いかぶさり、まどろむ。
キャロラインは予想通り、感度が良い女で、キャロラインとなら、アーノルドは何度でも復活できるような気がしてならない。
9度目の精を放って、またまどろんでいると、ようやくキャロラインが目覚めたようだ。
「カラダは大事ないか?」
「!……何か、まだアーニー様のモノが挿っているような感じがしますわ。でも、これでわたくしもやっとアーニー様のモノになれたのですね」
「ん?まだ挿っているよ。昨夜からずっとつながったままだ」
再び、アーノルドが腰を動き始めると、途端にキャロラインの甘い声が漏れだす。
「い、痛いっけど……、昨日よりは、幾分マシ……ですが、まだあまり激しく動かないで……あ、あん」
10度目の精を放ってから、アーノルドはやっとキャロラインから離れた。うまくいけば、これで懐妊させることができるかもしれないと皮算用をする。
さすがにその夜も、というわけにはいかないので、その夜はキャロラインに薬を塗ってやることだけにしたのだが、アーノルドが指を挿れただけで、もう湿らせて来るから、なるべくあまり感じないように。とだけ言い、婚約してから初めて、別々の部屋で眠ることにしたのだ。
アーノルドは昨日と今日、通算で10度もヤったのは初めてのことで、とても満足しているから、しばらくキャロラインの傷が癒えるまで辛抱できる。
キャロラインは、立ち上がって歩くことも困難なようで、少々ヤりすぎた感は否めない。
それにそうこうしているうちに、来週は結婚式を控えているので、しばらくキスマークはお預けとなるので、ちょうどいい。
なぜダメかと言えば、ドレスが純白なので、透けて見えるということと、背中は大きく開いているので、見えるかもしれないということから、恥ずかしがって、キャロラインが着けさせてくれない。
そして、いよいよ結婚式の日を迎え、晴れて、今夜が初夜を迎える。また、寝かせないとばかりに宣言するアーノルドを諫めながら、キャロラインは幸せそうに笑う。
結婚式から1か月後、キャロラインは懐妊したことを知り、乳母候補は、もちろんクリスティーヌに頼むことになる。
王城関係者と民衆から祝福され、キャロラインは、無事第1王子を出産する。
お金のために手芸用品を売り歩いていなければ、こうして幸せを掴むことなく、今でもクローン伯爵に虐げられていたのだと思うと、ゾっとする。
今ある掴んだ幸せとアーノルドに対しての感謝を胸に、これからもいつまでも仲良く暮らしていきたいと願っている。
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