9 / 19
9.
しおりを挟む
それから度々、キャロライン嬢は、お城の図書室へ来るようになった。
学園にも、通うようになり、次第に年相応の可愛らしい女性に成長していく。キャロラインは、公爵令嬢ではなく、公爵なのだから、学園内では、一番高い身分であるので、公爵に意地悪をする者など一人としていない。快適な学園生活を送っているように見える。
講師も学園長も身分が低いので、学園のスケジュールは、公爵であるキャロラインの都合が最優先される。
学園で必要になるのかどうかは、わからないが、ますます頻繁に図書室に通ってくることが多くなる。
図書室デートと言うほどのものではないが、俺は十分嬉しかった。でも、何を熱心に読んでいるかと覗き込めば、必ず隠す。
ん?まさか、エロ本というわけではないのだろうな?疑って、こっそりキャロラインが書架に戻した蔵書を盗み見ると、なぜか手芸本で、それもデザイン本が多かった。
なぜだ?ひょっとして、キャロラインは、手芸が趣味なのか?そう思って、次にキャロラインが来たときにプラチナ製のかぎ針や編針をプレゼントすることにした。
キャロラインは、目を輝かせ、嬉しそうにするが、編針はずっと持っているには重すぎるため、それは返品されることになってしまった。
そうか、あの細い手には編針は重すぎるのだなと納得し、快く返品に応じる。
それからも図書室へ通いながら、何かの作品を編んでいるようだった。キャロラインが城へ来たときは、いつも晩餐を共にするようになり、1年が過ぎた頃、キャロラインは次第に丸みを帯びたカラダになっていく。背も少し伸び、少女から大人の女性へ変貌しつつあったのだ。
今まで待った甲斐があったというもの。でも、抱くにはまだ細い。もう少し、ボリュームがあるカラダが好みだ。
今までさんざん滋養のあるモノを食べさせ、散歩と称して適度に運動をさせた甲斐があったというもの。思わず抱きしめたくなる衝動にかられたけど、そこは大人なのだからジッと我慢する。
ところがある日、同年代と思われる男子生徒と一緒に図書室へ来たことがあった。これに、俺は大変なショックを覚える。
この女は俺のモノだ!と主張したいが、別に婚約しているわけでもなく、まして愛人でもない。キャロラインは自由そのもの。
俺は学園長を城に呼び寄せ、一緒にいる男子生徒の素性を面通しで確認させる。その男子生徒はガナッシュ筆頭公爵家の次男だということが分かった。次男は、長男の様に家督を継げない。だから、一人娘がいるような貴族へ養子に行くことが多い。
そうだ。だからキャロラインは、狙われていたのだと思う。15歳で公爵になり、他に兄弟も親類縁者もいないから、最高ともいえる優良物件に違いない!
これは、一刻の猶予もしていられない。早く抱いて俺のモノにしなければ、と気は早るがキャロラインの前になると、ガチンガチンになる癖は治っていなかったということが分かったのだ。
下半身は、子供の姿だった頃から、十分すぎるほど反応するのに、いざ目の前にキャロラインがいると思うと、ろれつが回らなくなり、冷や汗が出て、妙に緊張してしまうクセがある。
そのうち、治るだろうと放っておいたことが仇となったか、いつまでもその癖は治らない。
でもいつまでも、放っておくと他の男に攫われかねない。
何か打つ手立てはないかと、考える。
キャロラインの食事が終わり、暇乞いをし始めた時、俺は、思い切って、今度いつ来るかを尋ねてみた。
キャロラインは、少し考ええるような仕草をして、「明日もまた来ます」といったので、俺は思わず笑顔になってしまう。
できれば、この城に住んでもらいたいと思っているが、愛人契約を結ぶには、まだキャロラインが俺に一度も色目を使ってこないことが気になる。
俺のことをどう思っているのか、一度聞きたいものだ。
翌日、俺は、仕立て屋を城に呼び、図書室に入る前のキャロラインにドレスを作ってやることにしたのだ。
今まで、花や宝石、アクセサリーにドレス、菓子、手芸用品など様々なものを贈ってきたが、反応があまりよろしくない。
ひょっとしたら、キャロラインは、不感症なのかもしれない。いや、抱いてもいないのに、不感症などとは言ってはならないことは、よく承知しているが、あまりにも反応が薄いので不安になってくる。
実のところ、キャロラインは、贈り物を嬉しく思わないのではないが、今までの貧乏生活が身に染みていて、ぜいたく品から目を逸らす習慣ができていたのだ。そのことをまだアーノルドに伝えていなかったので、アーノルドはますます不安に陥る。
学園にも、通うようになり、次第に年相応の可愛らしい女性に成長していく。キャロラインは、公爵令嬢ではなく、公爵なのだから、学園内では、一番高い身分であるので、公爵に意地悪をする者など一人としていない。快適な学園生活を送っているように見える。
講師も学園長も身分が低いので、学園のスケジュールは、公爵であるキャロラインの都合が最優先される。
学園で必要になるのかどうかは、わからないが、ますます頻繁に図書室に通ってくることが多くなる。
図書室デートと言うほどのものではないが、俺は十分嬉しかった。でも、何を熱心に読んでいるかと覗き込めば、必ず隠す。
ん?まさか、エロ本というわけではないのだろうな?疑って、こっそりキャロラインが書架に戻した蔵書を盗み見ると、なぜか手芸本で、それもデザイン本が多かった。
なぜだ?ひょっとして、キャロラインは、手芸が趣味なのか?そう思って、次にキャロラインが来たときにプラチナ製のかぎ針や編針をプレゼントすることにした。
キャロラインは、目を輝かせ、嬉しそうにするが、編針はずっと持っているには重すぎるため、それは返品されることになってしまった。
そうか、あの細い手には編針は重すぎるのだなと納得し、快く返品に応じる。
それからも図書室へ通いながら、何かの作品を編んでいるようだった。キャロラインが城へ来たときは、いつも晩餐を共にするようになり、1年が過ぎた頃、キャロラインは次第に丸みを帯びたカラダになっていく。背も少し伸び、少女から大人の女性へ変貌しつつあったのだ。
今まで待った甲斐があったというもの。でも、抱くにはまだ細い。もう少し、ボリュームがあるカラダが好みだ。
今までさんざん滋養のあるモノを食べさせ、散歩と称して適度に運動をさせた甲斐があったというもの。思わず抱きしめたくなる衝動にかられたけど、そこは大人なのだからジッと我慢する。
ところがある日、同年代と思われる男子生徒と一緒に図書室へ来たことがあった。これに、俺は大変なショックを覚える。
この女は俺のモノだ!と主張したいが、別に婚約しているわけでもなく、まして愛人でもない。キャロラインは自由そのもの。
俺は学園長を城に呼び寄せ、一緒にいる男子生徒の素性を面通しで確認させる。その男子生徒はガナッシュ筆頭公爵家の次男だということが分かった。次男は、長男の様に家督を継げない。だから、一人娘がいるような貴族へ養子に行くことが多い。
そうだ。だからキャロラインは、狙われていたのだと思う。15歳で公爵になり、他に兄弟も親類縁者もいないから、最高ともいえる優良物件に違いない!
これは、一刻の猶予もしていられない。早く抱いて俺のモノにしなければ、と気は早るがキャロラインの前になると、ガチンガチンになる癖は治っていなかったということが分かったのだ。
下半身は、子供の姿だった頃から、十分すぎるほど反応するのに、いざ目の前にキャロラインがいると思うと、ろれつが回らなくなり、冷や汗が出て、妙に緊張してしまうクセがある。
そのうち、治るだろうと放っておいたことが仇となったか、いつまでもその癖は治らない。
でもいつまでも、放っておくと他の男に攫われかねない。
何か打つ手立てはないかと、考える。
キャロラインの食事が終わり、暇乞いをし始めた時、俺は、思い切って、今度いつ来るかを尋ねてみた。
キャロラインは、少し考ええるような仕草をして、「明日もまた来ます」といったので、俺は思わず笑顔になってしまう。
できれば、この城に住んでもらいたいと思っているが、愛人契約を結ぶには、まだキャロラインが俺に一度も色目を使ってこないことが気になる。
俺のことをどう思っているのか、一度聞きたいものだ。
翌日、俺は、仕立て屋を城に呼び、図書室に入る前のキャロラインにドレスを作ってやることにしたのだ。
今まで、花や宝石、アクセサリーにドレス、菓子、手芸用品など様々なものを贈ってきたが、反応があまりよろしくない。
ひょっとしたら、キャロラインは、不感症なのかもしれない。いや、抱いてもいないのに、不感症などとは言ってはならないことは、よく承知しているが、あまりにも反応が薄いので不安になってくる。
実のところ、キャロラインは、贈り物を嬉しく思わないのではないが、今までの貧乏生活が身に染みていて、ぜいたく品から目を逸らす習慣ができていたのだ。そのことをまだアーノルドに伝えていなかったので、アーノルドはますます不安に陥る。
0
お気に入りに追加
134
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄された令嬢の父親は最強?
岡暁舟
恋愛
婚約破棄された公爵令嬢マリアの父親であるフレンツェルは世界最強と謳われた兵士だった。そんな彼が、不義理である婚約破棄に激怒して元婚約者である第一王子スミスに復讐する物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
そういう時代でございますから
Ruhuna
恋愛
私の婚約者が言ったのです
「これは真実の愛だ」ーーと。
そうでございますか。と返答した私は周りの皆さんに相談したのです。
その結果が、こうなってしまったのは、そうですね。
そういう時代でございますからーー
*誤字脱字すみません
*ゆるふわ設定です
*辻褄合わない部分があるかもしれませんが暇つぶし程度で見ていただけると嬉しいです
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
人生の忘れ物~マッチングアプリで再会を果たす
青の雀
恋愛
剣持美鈴は、大病院の跡取り娘なのだが、自身は医者の道を志さず経営の道に進む
今や、CEOとなり、年収3億円
タワーマンションに住み、容姿がモデル張りのクールビューティ
誰もが羨む幸せを一身に集めたような女性となっている
ある日大学の同窓会の知らせが舞い込み、同級生たちを見下すために出席を決めるが……
同級生男子は、それぞれそれなりの出世をしているが、女性はオバサン化していて、話が合わないと思っていたところ
これも、夢で見たお話の続きを書いていきたいと思っています
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
はずれのわたしで、ごめんなさい。
ふまさ
恋愛
姉のベティは、学園でも有名になるほど綺麗で聡明な当たりのマイヤー伯爵令嬢。妹のアリシアは、ガリで陰気なはずれのマイヤー伯爵令嬢。そう学園のみなが陰であだ名していることは、アリシアも承知していた。傷付きはするが、もう慣れた。いちいち泣いてもいられない。
婚約者のマイクも、アリシアのことを幽霊のようだの暗いだのと陰口をたたいている。マイクは伯爵家の令息だが、家は没落の危機だと聞く。嫁の貰い手がないと家の名に傷がつくという理由で、アリシアの父親は持参金を多めに出すという条件でマイクとの婚約を成立させた。いわば政略結婚だ。
こんなわたしと結婚なんて、気の毒に。と、逆にマイクに同情するアリシア。
そんな諦めにも似たアリシアの日常を壊し、救ってくれたのは──。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【コミカライズ】今夜中に婚約破棄してもらわナイト
待鳥園子
恋愛
気がつけば私、悪役令嬢に転生してしまったらしい。
不幸なことに記憶を取り戻したのが、なんと断罪不可避の婚約破棄される予定の、その日の朝だった!
けど、後日談に書かれていた悪役令嬢の末路は珍しくぬるい。都会好きで派手好きな彼女はヒロインをいじめた罰として、都会を離れて静かな田舎で暮らすことになるだけ。
前世から筋金入りの陰キャな私は、華やかな社交界なんか興味ないし、のんびり田舎暮らしも悪くない。罰でもなく、単なるご褒美。文句など一言も言わずに、潔く婚約破棄されましょう。
……えっ! ヒロインも探しているし、私の婚約者会場に不在なんだけど……私と婚約破棄する予定の王子様、どこに行ったのか、誰か知りませんか?!
♡コミカライズされることになりました。詳細は追って発表いたします。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる