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8 婚約式
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そして、待ちに待った舞踏会の日がやってくる。
結局、あれからあれやこれやと侍女たちと相談して薄いパープルのドレスを着ることにしたのだ。ロザリーヌの白い肌が映える。
マクシミリアン様も、同色の薄いパープルのスーツに衿だけが黒い。まるでお揃いみたい。ロザリーヌが知らないだけで、お揃いなのである。
そして舞踏会にかこつけて、今日は婚約披露パーティなのである。
ファーストダンスのタンゴを踊り終わると万雷の拍手、なぜ?と思っているとマクシミリアン様がロザリーヌの手を取って、招待客に向かってお辞儀なさるので、慌ててロザリーヌも真似してお辞儀をする。
「おめでとうございます!」
「聖女様を歓迎いたします。」
「末永くよろしくお願いします。」
「?」
セカンドダンスの曲がかかる。ボルカだ。
それも踊り終わって、飲み物を取りに行こうとしたら、またサードダンスの曲がかかる。今度はワルツである。
3度も同じ殿方と踊ることは、マナー違反であるから、マクシミリアン様と離れようとしたが、マクシミリアン様が手を放してくださらず、仕方なく踊る。
3度踊っていいのは、夫婦だけ。
招待客は、二人を夫婦同然の関係だと思っているから、誰からも苦情が来ない。
いやいや、まだ生娘ですから、との弁解も出来ない。
踊り終わった後、国王陛下と王妃殿下のところへ行く。
「おめでとう。マクシミリアンのこと、頼むよ。」
「えっ!? 」
「今日のこの場をもって、婚約式は終了だ。もう、このまま結婚してもいいのではないか?王城に、部屋を用意してある。今宵は、ゆるりといたせ。」
「えっ!? 」
婚約式って、どういうこと?それは確かに、アマリリスから戻るとき、「マクシミリアン様の好きな色に染め上げて」なんて、大胆なこと言ったけど、それで即、結婚が決まるの?
でも今さら、イヤだともいえない。あの時は、助けてもらったことが嬉しくて、つい……、まぁ、いずれは誰かと結婚するんだから、マクシミリアン様とでもいいか?
妹リリアーヌの話によれば、目を瞑っている間に終わっていると言っていたような気がするから。
王城の中の一室に案内される。
部屋の中央にベッドが一台置いてあり、簡素なクローゼットと机があった。たぶん、急な来客用の部屋なのだろう。
でも、ベッドのところにきちんとたたんで置いてあるネグリジェは、ピンクのスケスケで、超エロイ。
あ、やっぱりこれを着て、待ってろってことね。
ロザリーヌは、嬉し恥ずかし、ドキドキしながら待っていても、来ない。なぜ?こんな美味しそうな女が(って自分で言うか?)いるというのに、独り寝させる気か?
仕方なく、来るときがくれば来るのだから、とベッドに横たわり寝ることにしたのである。
朝方、妙にお腹のあたりが重い?胸もなんだか苦しい?
眠い目をこすりながら、見るとマクシミリアン様が上に乗っていらっしゃるではないか?
寝ぼけているせいだろうと、またまどろむ。
お腹のあたりに硬いものが当たっているような夢?を見る。夢にしても、妙に生々しい。いや、これは夢だ。なぜか、眠気が勝っているのだ。昨夜、3度も続けさまにダンスを踊ったからだろうか?
カラダが怠いような、重いような、夢の中のマクシミリアン様は、小さな瓶から、ゼリーのような液体を出して、それをロザリーヌに塗り込んでくださる。一寸くすぐったいけど、気持ちいい。
何やらいい匂いもしてきた。お花畑にいるような気分である。ロザリーヌは、リリアーヌとともに、お花を摘んでいると川から突然、大きなナマズ?ナマズが這い上がれるわけがない?リリアーヌに襲い掛かろうとしている、とっさにロザリーヌがリリアーヌを庇って、夢なのに少々下半身が痛む。
朝になると、昨日のままの状態で寝ていた。やっぱりあれは夢だったのかもしれない。
その日から、公爵邸に帰れず、お城に暮らすことになったのである。
「戻りませんと、屋敷の者が心配します。」
暇乞いを申し出ても、なぜかなんだかんだと引き留められる。帰ろうと思えば、すぐにでも転移魔法で帰れるのだけど、マクシミリアン様をはじめとするお城の方が優しすぎて、なかなか帰りづらいのだ。
朝方、妙な夢を見ることぐらいで、快適に過ごしている。それにアイーシャともさらに仲良くなったので、マクシミリアン様は、アイーシャをくださることになったのである。
マクシミリアン様は、別の白馬に乗られる。二人で遠出をして、ピクニックに出かけることもある。
そして、1か月、2か月と過ぎていき、とうとうロザリーヌに悪阻が起きます。あれは、夢ではなかったのです。
ロザリーヌとしては、ロマンティックな初夜を夢見ていただけに、少々がっかりする。
「わたくしの意識があるときに、ちゃんと抱いてくださいませ。」
「よし、わかった。俺としては、聖女様を怖がらせてはいけないと思い、朝方を選んでいたのだ。それに、意識はあったぞ、覚えていないのか?」
そういわれても、まったく心当たりがない。だって、毎朝、同じような夢を見るから。なかなか抱いてくださらないマクシミリアン様に苛立ち、欲求不満になっているのかと、思っていたのだ。
リリアーヌの話からすると、めちゃくちゃ気持ちよくなると聞かされていたのに……。ひょっとして、ロザリーヌは不感症かもしれない。
もし、不感症ならば、このまま意識のないままのほうが好都合だ。この世界、不感症の女は忌み嫌われる。たちまち離婚の原因にさえなってしまうからだ。
貴族の奥方などは、感じていなくても、感じているフリをすると聞いたことがある。たちまち家を放り出されてしまうからである。
不感症は娼婦以下の女、と呼ばれている。
意識があるときにと言ったものの、もしかして、不感症だとバレたら、もう抱いてもらえないどころか、不感症聖女なる不名誉な名前が付いて回る。
演技と言ったところで、どんな演技をしたらいいのか、見当がつかない。こんな時、リリアーヌがいれば便利なのに。
あれこれ悩んでいる間に、もう夜が来て、いつものスケスケネグリジェを着る。
マクシミリアン様が来られる。ガウンのようなものを羽織っていらっしゃるようだが、下は素っ裸であり、目のやり場に困る。
マクシミリアン様は、ベッドの端に腰かけ、既に横たわっているロザリーヌに覆いかぶさるように、口づけくださる。
「愛しているよ。ロザリーヌ、イヤだったらいつでも言っておくれ。」
そうやって、ネグリジェをはぎ取られる。
そうだ、夢でもこんなことがあったような気がする。
その夜の経験は、夢の中の経験とまるっきり同じであったので、やはり、あの夢は現実だったことがわかる。
そして、不感症疑惑だけど、これまたロザリーヌの勘違いであった。めでたし、めでたし。
あの舞踏会でのダンスが、婚約式の一環で、ならば、結婚式はいつ?対外的には、聖女様がお世継ぎを産んだ後に行われるらしい。それでないと、他国から嫉妬と反感を持たれ、下手したら戦争になりかねないからだそうです。
聖女様をお手付きして、お世継ぎを産んだ後なら、わりとすんなりことが運ぶらしい。
カモミール国では、聖女様の行方が相変わらずわからないだけでなく、シュゼット国からの問い合わせの対応に追われている。
その問い合わせとは、聖女様の好きな男性についてである。
「はて?ダディッキー家ならば、わかるだろうが、ダディッキー家も我が国から出奔しているので、いずこへ行ったかは存ぜぬが、我が国の男性と聖女様が恋仲という情報はまことのことであろうか?」
「聖女様ご自身がそう仰せなのですから、間違いはないということでしょう。」
「それは重畳、めでたいではないか?ヴィンセントを国外追放処分にして、聖女様のお相手を新しい王太子に据えようではないか?これで、万事、うまくいくのではないか?」
「そのようなこと、可能でございましょうか?」
「聖女様はもともと息子の嫁であったのだぞ。息子が死んで跡取りがいなくなれば、嫁に婿を取らせて、家を継ぐのは当然であるからな。早速、聖女様のお相手の男性を調べ上げるのだ。」
「はっ!」
といっても、どこをどう探しても、聖女様が国内にいらっしゃる形跡はなく、相手の男性の姿もない。
結局、あれからあれやこれやと侍女たちと相談して薄いパープルのドレスを着ることにしたのだ。ロザリーヌの白い肌が映える。
マクシミリアン様も、同色の薄いパープルのスーツに衿だけが黒い。まるでお揃いみたい。ロザリーヌが知らないだけで、お揃いなのである。
そして舞踏会にかこつけて、今日は婚約披露パーティなのである。
ファーストダンスのタンゴを踊り終わると万雷の拍手、なぜ?と思っているとマクシミリアン様がロザリーヌの手を取って、招待客に向かってお辞儀なさるので、慌ててロザリーヌも真似してお辞儀をする。
「おめでとうございます!」
「聖女様を歓迎いたします。」
「末永くよろしくお願いします。」
「?」
セカンドダンスの曲がかかる。ボルカだ。
それも踊り終わって、飲み物を取りに行こうとしたら、またサードダンスの曲がかかる。今度はワルツである。
3度も同じ殿方と踊ることは、マナー違反であるから、マクシミリアン様と離れようとしたが、マクシミリアン様が手を放してくださらず、仕方なく踊る。
3度踊っていいのは、夫婦だけ。
招待客は、二人を夫婦同然の関係だと思っているから、誰からも苦情が来ない。
いやいや、まだ生娘ですから、との弁解も出来ない。
踊り終わった後、国王陛下と王妃殿下のところへ行く。
「おめでとう。マクシミリアンのこと、頼むよ。」
「えっ!? 」
「今日のこの場をもって、婚約式は終了だ。もう、このまま結婚してもいいのではないか?王城に、部屋を用意してある。今宵は、ゆるりといたせ。」
「えっ!? 」
婚約式って、どういうこと?それは確かに、アマリリスから戻るとき、「マクシミリアン様の好きな色に染め上げて」なんて、大胆なこと言ったけど、それで即、結婚が決まるの?
でも今さら、イヤだともいえない。あの時は、助けてもらったことが嬉しくて、つい……、まぁ、いずれは誰かと結婚するんだから、マクシミリアン様とでもいいか?
妹リリアーヌの話によれば、目を瞑っている間に終わっていると言っていたような気がするから。
王城の中の一室に案内される。
部屋の中央にベッドが一台置いてあり、簡素なクローゼットと机があった。たぶん、急な来客用の部屋なのだろう。
でも、ベッドのところにきちんとたたんで置いてあるネグリジェは、ピンクのスケスケで、超エロイ。
あ、やっぱりこれを着て、待ってろってことね。
ロザリーヌは、嬉し恥ずかし、ドキドキしながら待っていても、来ない。なぜ?こんな美味しそうな女が(って自分で言うか?)いるというのに、独り寝させる気か?
仕方なく、来るときがくれば来るのだから、とベッドに横たわり寝ることにしたのである。
朝方、妙にお腹のあたりが重い?胸もなんだか苦しい?
眠い目をこすりながら、見るとマクシミリアン様が上に乗っていらっしゃるではないか?
寝ぼけているせいだろうと、またまどろむ。
お腹のあたりに硬いものが当たっているような夢?を見る。夢にしても、妙に生々しい。いや、これは夢だ。なぜか、眠気が勝っているのだ。昨夜、3度も続けさまにダンスを踊ったからだろうか?
カラダが怠いような、重いような、夢の中のマクシミリアン様は、小さな瓶から、ゼリーのような液体を出して、それをロザリーヌに塗り込んでくださる。一寸くすぐったいけど、気持ちいい。
何やらいい匂いもしてきた。お花畑にいるような気分である。ロザリーヌは、リリアーヌとともに、お花を摘んでいると川から突然、大きなナマズ?ナマズが這い上がれるわけがない?リリアーヌに襲い掛かろうとしている、とっさにロザリーヌがリリアーヌを庇って、夢なのに少々下半身が痛む。
朝になると、昨日のままの状態で寝ていた。やっぱりあれは夢だったのかもしれない。
その日から、公爵邸に帰れず、お城に暮らすことになったのである。
「戻りませんと、屋敷の者が心配します。」
暇乞いを申し出ても、なぜかなんだかんだと引き留められる。帰ろうと思えば、すぐにでも転移魔法で帰れるのだけど、マクシミリアン様をはじめとするお城の方が優しすぎて、なかなか帰りづらいのだ。
朝方、妙な夢を見ることぐらいで、快適に過ごしている。それにアイーシャともさらに仲良くなったので、マクシミリアン様は、アイーシャをくださることになったのである。
マクシミリアン様は、別の白馬に乗られる。二人で遠出をして、ピクニックに出かけることもある。
そして、1か月、2か月と過ぎていき、とうとうロザリーヌに悪阻が起きます。あれは、夢ではなかったのです。
ロザリーヌとしては、ロマンティックな初夜を夢見ていただけに、少々がっかりする。
「わたくしの意識があるときに、ちゃんと抱いてくださいませ。」
「よし、わかった。俺としては、聖女様を怖がらせてはいけないと思い、朝方を選んでいたのだ。それに、意識はあったぞ、覚えていないのか?」
そういわれても、まったく心当たりがない。だって、毎朝、同じような夢を見るから。なかなか抱いてくださらないマクシミリアン様に苛立ち、欲求不満になっているのかと、思っていたのだ。
リリアーヌの話からすると、めちゃくちゃ気持ちよくなると聞かされていたのに……。ひょっとして、ロザリーヌは不感症かもしれない。
もし、不感症ならば、このまま意識のないままのほうが好都合だ。この世界、不感症の女は忌み嫌われる。たちまち離婚の原因にさえなってしまうからだ。
貴族の奥方などは、感じていなくても、感じているフリをすると聞いたことがある。たちまち家を放り出されてしまうからである。
不感症は娼婦以下の女、と呼ばれている。
意識があるときにと言ったものの、もしかして、不感症だとバレたら、もう抱いてもらえないどころか、不感症聖女なる不名誉な名前が付いて回る。
演技と言ったところで、どんな演技をしたらいいのか、見当がつかない。こんな時、リリアーヌがいれば便利なのに。
あれこれ悩んでいる間に、もう夜が来て、いつものスケスケネグリジェを着る。
マクシミリアン様が来られる。ガウンのようなものを羽織っていらっしゃるようだが、下は素っ裸であり、目のやり場に困る。
マクシミリアン様は、ベッドの端に腰かけ、既に横たわっているロザリーヌに覆いかぶさるように、口づけくださる。
「愛しているよ。ロザリーヌ、イヤだったらいつでも言っておくれ。」
そうやって、ネグリジェをはぎ取られる。
そうだ、夢でもこんなことがあったような気がする。
その夜の経験は、夢の中の経験とまるっきり同じであったので、やはり、あの夢は現実だったことがわかる。
そして、不感症疑惑だけど、これまたロザリーヌの勘違いであった。めでたし、めでたし。
あの舞踏会でのダンスが、婚約式の一環で、ならば、結婚式はいつ?対外的には、聖女様がお世継ぎを産んだ後に行われるらしい。それでないと、他国から嫉妬と反感を持たれ、下手したら戦争になりかねないからだそうです。
聖女様をお手付きして、お世継ぎを産んだ後なら、わりとすんなりことが運ぶらしい。
カモミール国では、聖女様の行方が相変わらずわからないだけでなく、シュゼット国からの問い合わせの対応に追われている。
その問い合わせとは、聖女様の好きな男性についてである。
「はて?ダディッキー家ならば、わかるだろうが、ダディッキー家も我が国から出奔しているので、いずこへ行ったかは存ぜぬが、我が国の男性と聖女様が恋仲という情報はまことのことであろうか?」
「聖女様ご自身がそう仰せなのですから、間違いはないということでしょう。」
「それは重畳、めでたいではないか?ヴィンセントを国外追放処分にして、聖女様のお相手を新しい王太子に据えようではないか?これで、万事、うまくいくのではないか?」
「そのようなこと、可能でございましょうか?」
「聖女様はもともと息子の嫁であったのだぞ。息子が死んで跡取りがいなくなれば、嫁に婿を取らせて、家を継ぐのは当然であるからな。早速、聖女様のお相手の男性を調べ上げるのだ。」
「はっ!」
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