ワンナイトラブから玉の輿婚へ 結婚してから始まる恋愛

青の雀

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乙女ゲームの世界

36.交換

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 暗い顔をして入ってきたマホガニーは、今夜からコンドーム使用中止になってしまったと言い、ベッドの端に腰かけた。

 「父上が、初夜にナカ出ししていないと指摘されて、シーツの汚れ具合から判断されたみたいだ。このままでは、ミルフィーユのほかに側妃を娶らなければならないことになる。俺は前世から、美織だけの一穴主義だからな。すまないが、孕んでくれ。」

 初夜のシーツって、王様までもが確認されるものなの?恥ずかしい。でも、あの夜は間違いなく処女だったから、いいものを。

 出血しなかったら、離縁され修道院に入れられるところだという。

 まあ、王族の結婚なら、その確認は絶対必須事項なことかもしれない。男児が生まれてきたら、即、将来の王位継承権者になるのだから。

 うまいこと言って、誰かの子種で孕んでいる者が王妃として、結婚し、側妃として、召し上げられたら、陰謀になる可能性もあるわけだから。

 「そういうわけだから、なるべく痛くないように十分濡らせてから挿れるようにするからね。」

 ちょっと待ってよ。それでは、この前の初夜の時、十分に濡れていないのに、無理に挿れたってことよね?

 チクショウやられた。信じていたのに、だから余計痛かったのか?

 今度、女神さまのブティックに行くことがあれば、もう二度と正彦と一緒には転生しないことをきちんと言わなきゃ。

 その日は初夜と違って、愛撫にたくさんの時間がかけられて、それは、それは目くるめく快感とまでは行かなかったけど、初夜ほどひどくはなかった。

 それに正彦はいつの間にか前世通販で買っていたらしきオモチャを駆使して、美織を喜ばそうとしている努力はわかる。

 ひょっとしたら、ミルフィーユは悪役令嬢だから、不感症なカラダなのかもしれないと思えるほど、反応が鈍い。

 よりにもよって、このカラダで感じろと言う方が無理というもの。

 もっと感度が良いカラダにしてから、転生させてもらえばよかったと後悔する。

 それから何度かマホガニーと関係を持ったが、一向に良くないまま。これを一生、このカラダと付き合っていかなければならないなんて、冗談じゃないわ。

 セックスが苦痛でしかないなんて、考えられない。

 それで美織は、ブティックの女神さまのところへ行き、相談することにしたのだ。こういうことは、女同士の方が話は早いし、喋りやすい。



-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-



 「いらっしゃいませ。ようこそ、肉体ブティックへ。あれ?美織ちゃんじゃないの?どうしたの?また死んじゃった?」

 美織は、ブンブンとかぶりを振って、このブティックへ来たのは女神さまに折り入って、相談があるからで……という話を始める。

 「ふむふむ。なるほどね。そうそのカラダは悪役令嬢のもので、game story通りだと断罪されて、追放になるんだっけ?とにかくbad endなのよ。だから不感症になっているのかもしれないわね?で、どうしてほしいの?そのカラダを改造してほしい?う……ん、できないこともないけど、ミルフィーユの顔はそのままで、カラダだけ別人のカラダを着るって言うのはどうよ?」

 「そんなことできるのですか?」

 「それはできるわよ?まだ、お試し期間中だもの。顔と設定は、そのままでカラダだけ別人のものと着替えることぐらいはね。」

 「だったら、それでお願いします。」

 「さてと、誰のカラダが欲しい?同い年のカラダと言えば、ヒロインがまだ出て来てないので、ヒロインのカラダと交換するのが一番手っ取り早いけど、お孫さんのカラダにする?そうなると、心は別としてもカラダ的には、近親相姦になってしまうけど、いい?」

 「え?でも、あの世界は異世界で、乙女ゲームの世界だから、近親相姦にはならないのでは?」

 「そうね。ならないわ。ただ、美織ちゃんが気にするかな?と思っただけ、でも、このことは旦那さんには内緒にした方がいいかもしれないわよ。」

 結局、美織はその案で行くことになり、朱里が着るはずだったジュリエットのカラダをミルフィーユノカラダと交換することにしたのだ。

 ただし、処女膜は、またついているけど、それは仕方がない。代わりにミルフィーユの不感症のh王は、女神さまの手により処女膜が復元される。
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