26 / 41
オフィスラブ
26.復縁
しおりを挟む
あれからお風呂場で、3回ヤり、クタクタになった俺たちはそのままベッドに倒れ込み、その日、俺は初めて、美織の部屋に泊ることになった。
結婚してから、初めての経験だったが、俺の居場所は美織のいるところだということを実感するいい機会になった。
目が覚めた美織は、暗い顔で考え事をしているようだ。
「どうした?美織、頭が痛いのか?」
「何か思い出しそうなのだけど、考えると頭が重くて……。」
「無理するな。今日は、遊びに行こう。いったん俺ん家寄るけど、良いか?」
昨日の激しい法要を思い出し、美織は顔を赤くしながら、頷く。
「どうした?顔が赤いが、まだ熱があるのか?」
社長は、おでことおでこをくっつけ、熱を測る。
「熱はないようだな。今日、遊びに行くのをやめるか?」
美織は頭を左右に振り、瞳を潤ませ、社長を見つめる。
「ああ、もう。可愛いな。大好きだよ、美織。チュッ。」
「んん……、……ふ……ぁ。」
社長は、美織を抱きしめていた力を抜いて、
「ダメだ。これ以上したら、我慢できなくなる。」
そして、そのままお風呂場の人となる。
美織もお風呂で汗やら、何やら流したいけど、今行くと、見られちゃうから行けない。
昨夜、さんざん見られたというのに、やっぱり恥ずかしい。
社長が出てくるなり、入れ替わりで入ると、社長は目を丸くして
「一緒に入ればよかったのに。」
シャワーを浴びてから、化粧と大急ぎで朝食の支度をして、昨日、買ってもらったばかりの洋服を着て、出かける準備をする。
一昨日ぶりの社長の部屋に足を踏み入れ、カレーの火入れをする。
冷蔵庫にある食材の賞味期限をチェックしていく。
一度、肌を重ねたら、たとえ記憶が戻らなくても、この場所に帰ってきたいという帰巣本能というべきものかが芽生えつつある。
不思議なもので、家族以上の家族になれたような感覚がある。
そうこうしているうちに、社長のお出かけ準備ができたようで、連れだって、マンションを出ていくことに。
向かった先は、やっぱりデズニーシーで、初めて来たとは思えないほどワクワクする。
その日もデズニーホテルで泊り、朝までイチャイチャする。
もう正彦も美織も、記憶なんて戻らなくても、今が楽しいし、幸せならそれでもいいかと考えるようになっている。
イチから新しい家庭を作ればいいのではないか、と思うが、美織の仕事を続けさせるかどうか、まだ正彦は迷っている。
美織ほどのスキルがあれば、どこの監査法人も引く手あまたに受け入れてくれることは間違いないが、その場合、社内で原価計算をできる人材がいなくなり、新たに雇用する必要がある。
かといって、美織を専業主婦にするには、あまりにも惜しい人材。夫としては美織を家に閉じ込めたいが、経営者としてはバリバリ仕事をしてもらいたいところ。そのジレンマに悩む。
デズニーから帰ってからは、ずっと美織は正彦の自宅マンションにいる。もう、勝手に出ていかれる心配はなくなったが、やはり不安がある。
美織のクリーニングした制服を預かり、鬼塚さんに渡し、総務に処理をしてもらう。
それと美織の私物をどうするべきか、それも鬼塚さんに頼み一か所にまとめて保管してもらうことにして、本人を連れて行って、確認したうえ、引き取るようにすることにした。
決して、退職を前提としているものではない。あくまで、事件後の休職扱いとして、今は公休で休んでもらっている。
美織は、学生時代から住んでいたマンションを解約しようと、動き回っている。解約通知をオーナーに出して、引っ越しの準備を始めている。
先払いで約1か月分の家賃を支払えば、いつでも出られるので、お任せ引っ越しを頼むにしても、不用品の処分はこちらで大型ごみを申し込まなければならないので、忙しくしている。
結婚してから、初めての経験だったが、俺の居場所は美織のいるところだということを実感するいい機会になった。
目が覚めた美織は、暗い顔で考え事をしているようだ。
「どうした?美織、頭が痛いのか?」
「何か思い出しそうなのだけど、考えると頭が重くて……。」
「無理するな。今日は、遊びに行こう。いったん俺ん家寄るけど、良いか?」
昨日の激しい法要を思い出し、美織は顔を赤くしながら、頷く。
「どうした?顔が赤いが、まだ熱があるのか?」
社長は、おでことおでこをくっつけ、熱を測る。
「熱はないようだな。今日、遊びに行くのをやめるか?」
美織は頭を左右に振り、瞳を潤ませ、社長を見つめる。
「ああ、もう。可愛いな。大好きだよ、美織。チュッ。」
「んん……、……ふ……ぁ。」
社長は、美織を抱きしめていた力を抜いて、
「ダメだ。これ以上したら、我慢できなくなる。」
そして、そのままお風呂場の人となる。
美織もお風呂で汗やら、何やら流したいけど、今行くと、見られちゃうから行けない。
昨夜、さんざん見られたというのに、やっぱり恥ずかしい。
社長が出てくるなり、入れ替わりで入ると、社長は目を丸くして
「一緒に入ればよかったのに。」
シャワーを浴びてから、化粧と大急ぎで朝食の支度をして、昨日、買ってもらったばかりの洋服を着て、出かける準備をする。
一昨日ぶりの社長の部屋に足を踏み入れ、カレーの火入れをする。
冷蔵庫にある食材の賞味期限をチェックしていく。
一度、肌を重ねたら、たとえ記憶が戻らなくても、この場所に帰ってきたいという帰巣本能というべきものかが芽生えつつある。
不思議なもので、家族以上の家族になれたような感覚がある。
そうこうしているうちに、社長のお出かけ準備ができたようで、連れだって、マンションを出ていくことに。
向かった先は、やっぱりデズニーシーで、初めて来たとは思えないほどワクワクする。
その日もデズニーホテルで泊り、朝までイチャイチャする。
もう正彦も美織も、記憶なんて戻らなくても、今が楽しいし、幸せならそれでもいいかと考えるようになっている。
イチから新しい家庭を作ればいいのではないか、と思うが、美織の仕事を続けさせるかどうか、まだ正彦は迷っている。
美織ほどのスキルがあれば、どこの監査法人も引く手あまたに受け入れてくれることは間違いないが、その場合、社内で原価計算をできる人材がいなくなり、新たに雇用する必要がある。
かといって、美織を専業主婦にするには、あまりにも惜しい人材。夫としては美織を家に閉じ込めたいが、経営者としてはバリバリ仕事をしてもらいたいところ。そのジレンマに悩む。
デズニーから帰ってからは、ずっと美織は正彦の自宅マンションにいる。もう、勝手に出ていかれる心配はなくなったが、やはり不安がある。
美織のクリーニングした制服を預かり、鬼塚さんに渡し、総務に処理をしてもらう。
それと美織の私物をどうするべきか、それも鬼塚さんに頼み一か所にまとめて保管してもらうことにして、本人を連れて行って、確認したうえ、引き取るようにすることにした。
決して、退職を前提としているものではない。あくまで、事件後の休職扱いとして、今は公休で休んでもらっている。
美織は、学生時代から住んでいたマンションを解約しようと、動き回っている。解約通知をオーナーに出して、引っ越しの準備を始めている。
先払いで約1か月分の家賃を支払えば、いつでも出られるので、お任せ引っ越しを頼むにしても、不用品の処分はこちらで大型ごみを申し込まなければならないので、忙しくしている。
1
お気に入りに追加
105
あなたにおすすめの小説
そんな目で見ないで。
春密まつり
恋愛
職場の廊下で呼び止められ、無口な後輩の司に告白をされた真子。
勢いのまま承諾するが、口数の少ない彼との距離がなかなか縮まらない。
そのくせ、キスをする時は情熱的だった。
司の知らない一面を知ることによって惹かれ始め、身体を重ねるが、司の熱のこもった視線に真子は混乱し、怖くなった。
それから身体を重ねることを拒否し続けるが――。
▼2019年2月発行のオリジナルTL小説のWEB再録です。
▼全8話の短編連載
▼Rシーンが含まれる話には「*」マークをつけています。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる