ワンナイトラブから玉の輿婚へ 結婚してから始まる恋愛

青の雀

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オフィスラブ

1.朝チュン

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 パチュン。パチュン。パチュン。パチュン。パチュン。パチュン。

 「あっ。はっ。あっ。はっ。あっ。はっ。イイ……イク……!」

 「ったく感度がいい。エロイカラダをしているな。」

 「あっ。あーん。あっ。あっ。もう……だめ……あーん。あっ。」

 「クセになりそうだ。ほら、コレが感じるだろ?」

 男はさらに腰を突き上げると、女の最奥に当たり

 「イイ!いい!イイ!……もっと。もっと。」

 女も腰を振りながら、男におねだりをする。



-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-



 多摩川美織27歳アラサー独身OL 。

 昨日、友達の結婚式に出席し、2次会、3次会まで行ったことは覚えているけど、その後どうなったかまでの記憶がない。

 気が付けば、ホテルの部屋に寝ていたのだが、全裸でしかも、隣には見知らぬイケメンが寝ている。

 はぁ。やっちゃった。

 コレって、昨夜、お持ち帰りされたってことよね。しかも朝チュンなんて、初めての経験で、気が動転する。

 脱ぎ散らかされた下着や服を着て、音をたてないように気を付けながら部屋を出ていき、タクシーで自宅まで帰る。

 自宅の浴室でシャワーを浴びて、簡単な軽食を作り、化粧をして、出勤する。

 美織は大手化粧品メーカーに勤務している。大学を出てから、特定の恋人はいない。結婚は全然焦っていないのに、なぜか昨日は、ブーケトスを受け取ってしまい、困惑したのだ。。結婚した友達を見ても幸せになった人がいないから、結婚願望は皆無と言っていい。

 それに記憶がなくなるまで呑んだのは、訳があった。新婦から勝ち誇ったように

 「美織も早く結婚できるといいわよね?」

 はぁ?私、結婚したいなんて一度も言ったことがないわよ?それに私は小さい時から美人で通っているし、新婦みたいなブスではない!

 それを結婚したのが、そんなに偉いのか!

 新婦は大学を卒業してから、一度も就職しないで、いわゆる花嫁修業をして、お見合い三昧していて、やっと今度、決まったというから5年もお見合いして断られていたわけじゃない?

 もっとも美織も仕事にかまけて、女をさぼっていたけど昨日は、ちゃんと化粧もして、それなりに着飾って行ってあげたじゃない?

 それを列席した人を見下すような真似許せない!

 それで飲みすぎて、朝チュンしてしまったというわけ。

 はぁ……。

 でも、ため息しか出ないということも事実で、どこの誰か、わからない人と一夜を共にするなんて……考えられない失態に頭を抱え込みたくなったということも事実。

 ロッカールームで制服に着替え、長い髪もひとまとめにして、机に向かう。

 美織の所属は経理部で、原価計算を担当している。

 美織の勤務している会社は、海外にも輸出しているので、貿易事務は他の部署がやっているが外貨建ての為替相場も毎日、知っておかないと計算ができない。

 なかなかに難しい仕事で、ただ簿記ができるからといって、誰にでもできるというものではない。

 その日も海外からの売上原価が届いたばかりで、パソコン相手に朝から怖い顔をしながらにらめっこしている。

 そこへ同期入社の村上智樹がコーヒーをくれる。

 「美織ちゃん、ずいぶん怖い顔をしているけど、なんかあった?」

 「え……何もないわよ、どうしてそんなこと聞くの?」

 「いや、なんだか朝から殺気立っていて……気のせいなら、いいよ。」
 きっと、朝チュンのせいで、動揺していて……それに、昨日の新婦の言葉を思い出し、腹を立てていたからだと思う。

 「ねえ、今晩空いてる?飲みに行こうよ。」 

 お酒は、もうコリゴリ。

 「うーん。今、ダイエットしているから。次、誘ってくれる?」

 「美織ちゃんは、ダイエットなんて、する必要ないよ。今のままでナイスバディだと思うよ。」

 「それって、セクハラ発言ですわよ。」
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